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3章。国王との決戦
43話。聖剣のアビリティ
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【光翼(シャイニング・フェザー)】を展開したボクに向かって、天魔騎士団が殺到してくる。
「アンジェラ、スキルを貸してもらうぞ!」
『はっ! ルカ様、光栄でありますわ! 我が力、どうぞお使いください!』
ボクの呼びかけに聖騎士団一番隊隊長アンジェラの声が、頭の中に響いた。
ボクの聖剣のアビリティ【スキル共有】は、絆を結んだ人のスキルを借り受けて使うことができる。
アンジェラの存在をまるで彼女が隣にいるかのように感じた。
アンジェラのスキル【魔法ブーストA】は、一日に三度だけ魔法効果を1.5倍に高めることができる。
「【雷嵐(テンペスト)】!」
天魔騎士団に、ブーストされた二属性複合魔法をぶつけた。荒れ狂う暴風と雷撃が、光の翼を持つ少女たちを八つ裂きにする。
だが……
『言ったであろう? 我が天魔騎士団は、不滅の軍団!』
時間を巻き戻したかのように、少女たちの身体が復元していく。
彼女らは、手にした剣や槍を掲げてボクに突撃してきた。
『ルカよ。貴様のことは調べ上げておる。イルティアにつけられた呪いの腕輪。それを破壊すれば即死の呪いが発動し、いかに不死身と言えど、死ぬのであろう?』
やはり、こちらの弱点は調べあげられているようだ。
油断は微塵もできない。
『さあ。あの男から受け継いだ剣技を見せてみよ!』
あの男? 国王は師匠のことを知っているのだろうか。
一瞬、疑問が脳裏を過ぎるが、今は余計なことを考えている余裕はない。
「望むところだ!」
特訓して、奥義をふたつだけだが物にした。その成果を見せてやる。
「変移抜刀【疾風剣】』(へんいばっとう、しっぷうけん)!」
聖剣の光の刃を、魔法で形成した風の鞘で覆う。即席の鞘を使い、鞘走りで剣速を加速させる居合い斬りだ。
天魔騎士団の先鋒隊が、まとめてなぎ払われた。
怯みもせず、後から押し寄せる彼女らを連続で斬りつける。
『ぬう!? 不滅である天魔騎士が滅ぶだと……! それが貴様の聖剣か』
聖剣で斬られた天魔騎士たちは、浄化され消滅していった。
『……ありがとう』
消える瞬間、聖剣を通して、彼女たちから感謝が伝わってくる。
アンデットにされた者は、死後も安息を得ることなく、永遠に続く苦痛にさいなまれるという。
聖剣でルディア姫を、苦痛から完全に解放してやらなければならない。
「うぉおおおおっ……!」
ボクは力の続く限り、剣を振るい続けた。
四方八方から襲い来る天魔騎士は途切れることなく、息が上がり始める。
「ルカ様!」
ボクの背後に座ったエリザが警告を発する。同時に彼女は、フェリオと一緒に魔法障壁を展開。
一斉発射された天魔騎士団の【魔法の矢(マジックアロー)】を弾き返した。
「くそ! そうか、味方ごと!」
天魔騎士は、聖剣以外では滅ぼすことができない。だから、味方の背を撃つこともためらわなかった。
『そうだルディアよ。ユニコーンごと叩き落とせ! ルカよ。余の元にたどり着けぬようでは、強者とは言えぬ。余と戦う資格などなし!』
空中都市に向かって飛ぶボクたちに、天魔騎士団から、攻撃魔法が乱れ飛ぶ。
接近戦では勝ち目が無いと悟って、遠距離攻撃に切り替えたようだ。いずれも必殺の威力を持つ炎や雷や氷が、雨あられと叩きつけられる。
「ぐっ!? ルカ様、このままでは障壁が!」
『こちらの魔力が持たないよ!』
エリザとフェリオが絶叫を上げる。
「ふたりとも踏ん張れ! もう少しで空中都市にたどり着く!」
ボクも魔法障壁を展開するが、物量差で押し切られるのは時間の問題だった。
魔法で反撃しても大して意味がないし、反撃する余裕もない。
『ルカ姫様! フィナの力を使ってください!』
その時、聖騎士団二番隊隊長フィナの声が頭に響いた。
『フィナのスキル【聖母の抱擁】は、密着した相手の魔力を回復させます! これで切り抜けてください!』
「ああっ! ルカ様から魔力が流れ込んで来ます!」
『ルカ! これならまだいけるよ!』
早くも魔力を使い果たそうとしていたふたりが、息を吹き返した。
「アンジェラ、スキルを貸してもらうぞ!」
『はっ! ルカ様、光栄でありますわ! 我が力、どうぞお使いください!』
ボクの呼びかけに聖騎士団一番隊隊長アンジェラの声が、頭の中に響いた。
ボクの聖剣のアビリティ【スキル共有】は、絆を結んだ人のスキルを借り受けて使うことができる。
アンジェラの存在をまるで彼女が隣にいるかのように感じた。
アンジェラのスキル【魔法ブーストA】は、一日に三度だけ魔法効果を1.5倍に高めることができる。
「【雷嵐(テンペスト)】!」
天魔騎士団に、ブーストされた二属性複合魔法をぶつけた。荒れ狂う暴風と雷撃が、光の翼を持つ少女たちを八つ裂きにする。
だが……
『言ったであろう? 我が天魔騎士団は、不滅の軍団!』
時間を巻き戻したかのように、少女たちの身体が復元していく。
彼女らは、手にした剣や槍を掲げてボクに突撃してきた。
『ルカよ。貴様のことは調べ上げておる。イルティアにつけられた呪いの腕輪。それを破壊すれば即死の呪いが発動し、いかに不死身と言えど、死ぬのであろう?』
やはり、こちらの弱点は調べあげられているようだ。
油断は微塵もできない。
『さあ。あの男から受け継いだ剣技を見せてみよ!』
あの男? 国王は師匠のことを知っているのだろうか。
一瞬、疑問が脳裏を過ぎるが、今は余計なことを考えている余裕はない。
「望むところだ!」
特訓して、奥義をふたつだけだが物にした。その成果を見せてやる。
「変移抜刀【疾風剣】』(へんいばっとう、しっぷうけん)!」
聖剣の光の刃を、魔法で形成した風の鞘で覆う。即席の鞘を使い、鞘走りで剣速を加速させる居合い斬りだ。
天魔騎士団の先鋒隊が、まとめてなぎ払われた。
怯みもせず、後から押し寄せる彼女らを連続で斬りつける。
『ぬう!? 不滅である天魔騎士が滅ぶだと……! それが貴様の聖剣か』
聖剣で斬られた天魔騎士たちは、浄化され消滅していった。
『……ありがとう』
消える瞬間、聖剣を通して、彼女たちから感謝が伝わってくる。
アンデットにされた者は、死後も安息を得ることなく、永遠に続く苦痛にさいなまれるという。
聖剣でルディア姫を、苦痛から完全に解放してやらなければならない。
「うぉおおおおっ……!」
ボクは力の続く限り、剣を振るい続けた。
四方八方から襲い来る天魔騎士は途切れることなく、息が上がり始める。
「ルカ様!」
ボクの背後に座ったエリザが警告を発する。同時に彼女は、フェリオと一緒に魔法障壁を展開。
一斉発射された天魔騎士団の【魔法の矢(マジックアロー)】を弾き返した。
「くそ! そうか、味方ごと!」
天魔騎士は、聖剣以外では滅ぼすことができない。だから、味方の背を撃つこともためらわなかった。
『そうだルディアよ。ユニコーンごと叩き落とせ! ルカよ。余の元にたどり着けぬようでは、強者とは言えぬ。余と戦う資格などなし!』
空中都市に向かって飛ぶボクたちに、天魔騎士団から、攻撃魔法が乱れ飛ぶ。
接近戦では勝ち目が無いと悟って、遠距離攻撃に切り替えたようだ。いずれも必殺の威力を持つ炎や雷や氷が、雨あられと叩きつけられる。
「ぐっ!? ルカ様、このままでは障壁が!」
『こちらの魔力が持たないよ!』
エリザとフェリオが絶叫を上げる。
「ふたりとも踏ん張れ! もう少しで空中都市にたどり着く!」
ボクも魔法障壁を展開するが、物量差で押し切られるのは時間の問題だった。
魔法で反撃しても大して意味がないし、反撃する余裕もない。
『ルカ姫様! フィナの力を使ってください!』
その時、聖騎士団二番隊隊長フィナの声が頭に響いた。
『フィナのスキル【聖母の抱擁】は、密着した相手の魔力を回復させます! これで切り抜けてください!』
「ああっ! ルカ様から魔力が流れ込んで来ます!」
『ルカ! これならまだいけるよ!』
早くも魔力を使い果たそうとしていたふたりが、息を吹き返した。
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