42 / 53
3章。国王との決戦
42話。天魔騎士団
しおりを挟む
身体が鉛のように重くなり、その場に片膝をつく。
「ルカ様! 大丈夫ですか!?」
エリザが肩を貸してくれる。
【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】は、生命力だけでなく、そうとうな体力も消耗する。
「ああっ。少し休めば大丈夫そうだ」
ボクは荒い息を吐いた。【光翼(シャイニング・フェザー)】を解除して、とにかく身体を休めることにする。
『見事! やはりこの程度では、貴様の命を奪うにはいたらぬようだな』
天を見上げると、雲の中から消し飛ばしたハズの空中都市アルフヘイムが、その威容をのぞかせていた。
「……なんだと?」
『驚いたか? 今落とした空中都市は、余のスキル【複製】で増やした複製品だ。アナスタシアの【オーバースキル】の支援があってこそ実現できるモノだがな』
国王の嘲笑うかのような声が響く。
あんな巨大な物体まで複製できるなんて、それは反則じゃないか?
シュナイゼルとアナスタシアの力の巨大さにおののく。
「さすがはお父様と言ったところですね。【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】は連発は不可能。先にルカ様の切り札を潰すのが、狙いだったようです」
イルティアが顔に疲労を滲ませて言う。さしもの彼女も、アークデーモンを大量召喚し、生命力もボクに渡したため、消耗しているようだ。
「ですが、ご安心を。お父様の【複製】は消費アイテム以外はひとつしか増やせません。空中都市を何度も複製して落とすことは不可能です」
イルティアの解説に、ボクはほっと胸を撫で下ろす。
『イルティア。奴隷に身をやつすとは、王家のとんだ面汚しよ。やはり、貴様は姉のルディアにはるかに劣る! ニ年前、ルディアではなく、貴様が病で死ねば良かったのだ』
父王の酷薄なセリフに、イルティアの顔が歪んだ。
空中都市アルフヘイムから、小さな黒い点が空中に大量にばら撒かれる。
なんだあれは……?
『余の【複製】は消費アイテムしか無限に増やすことはできぬ。しかし、消費アイテムの材料に魔物や生物の死骸が使われることが多いことを知っておるか?
そう、死体なら余は無限に増やすことができるのだ。そして、【魔王の魔導書】のアビリティ【死王(ノーライフキング)】は、決して滅びぬ最強のアンデットを生み出す力』
ボクは遠くを見ることのできる遠見の魔法で、小さな黒い点の詳細を確認した。
「あれは……【光翼(シャイニング・フェザー)】!?」
それは輝く翼を持った少女たちだった。
武装した500人近い少女たちが、空から落ちてくる。
しかも、そのいずれもが同じ顔。やや幼いが、イルティアにそっくりな美貌をしていた。
「まさか、まさか……ルディアお姉様!?」
イルティアが眼を剥く。
『そうだ。余の娘。二年前に亡くなった第一王女ルディアの死体を複製し、魔王の力で最強のアンデットとして蘇らせた軍団。しかもこやつらは、魔王から奪った最強の武器防具で武装しておる。
これぞ神をも殺す余の近衛騎士団。【天魔騎士団】だ!』
勝利を確信した国王シュナイゼルの高笑いが響く。
天魔騎士団ひとりひとりから、凄まじい圧を感じる。
あれが地上に降りてきたら、とんでもない殺戮が開始されることは、火を見るより明らかだった。
『さあ、我が娘ルディアよ! 裏切り者の妹イルティアを殺せ! 紛い物の勇者ルカを倒せ! 反逆者どもを根絶やしにしろ!』
「……自分の娘をなんだと思っていやがる!」
ボクは怒りに聖剣を握りしめた。
ルディアだけではない。イルティアの悲しそうな顔を初めて見た。
「フェリオ! あいつをぶちのめしに行くぞ! エリザついてきてくれ!」
「はっ!」
ボクはエリザと共にユニコーンの背にまたがる。
天魔騎士団はアンデットの軍団。国王シュナイゼルによって生み出されて統率されているのなら、ヤツを倒せば動きをとめるハズだ。
「聖騎士団は街の防衛を頼む! イルティアは悪いがミリアを守ってくれ。奴らはミリアを狙って来ると思う」
ミリアが死ぬばボクの命も無くなる。そのことは、おそらく国王も承知しているハズだ。
「わかりました。ルカ様、どうかご武運を!」
「ルカお姉様! 勝利をお祈りしています!」
イルティアやミリア、聖騎士の少女たちに見送られ、ボクは空中都市に向かって飛び立った。
「ルカ様! 大丈夫ですか!?」
エリザが肩を貸してくれる。
【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】は、生命力だけでなく、そうとうな体力も消耗する。
「ああっ。少し休めば大丈夫そうだ」
ボクは荒い息を吐いた。【光翼(シャイニング・フェザー)】を解除して、とにかく身体を休めることにする。
『見事! やはりこの程度では、貴様の命を奪うにはいたらぬようだな』
天を見上げると、雲の中から消し飛ばしたハズの空中都市アルフヘイムが、その威容をのぞかせていた。
「……なんだと?」
『驚いたか? 今落とした空中都市は、余のスキル【複製】で増やした複製品だ。アナスタシアの【オーバースキル】の支援があってこそ実現できるモノだがな』
国王の嘲笑うかのような声が響く。
あんな巨大な物体まで複製できるなんて、それは反則じゃないか?
シュナイゼルとアナスタシアの力の巨大さにおののく。
「さすがはお父様と言ったところですね。【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】は連発は不可能。先にルカ様の切り札を潰すのが、狙いだったようです」
イルティアが顔に疲労を滲ませて言う。さしもの彼女も、アークデーモンを大量召喚し、生命力もボクに渡したため、消耗しているようだ。
「ですが、ご安心を。お父様の【複製】は消費アイテム以外はひとつしか増やせません。空中都市を何度も複製して落とすことは不可能です」
イルティアの解説に、ボクはほっと胸を撫で下ろす。
『イルティア。奴隷に身をやつすとは、王家のとんだ面汚しよ。やはり、貴様は姉のルディアにはるかに劣る! ニ年前、ルディアではなく、貴様が病で死ねば良かったのだ』
父王の酷薄なセリフに、イルティアの顔が歪んだ。
空中都市アルフヘイムから、小さな黒い点が空中に大量にばら撒かれる。
なんだあれは……?
『余の【複製】は消費アイテムしか無限に増やすことはできぬ。しかし、消費アイテムの材料に魔物や生物の死骸が使われることが多いことを知っておるか?
そう、死体なら余は無限に増やすことができるのだ。そして、【魔王の魔導書】のアビリティ【死王(ノーライフキング)】は、決して滅びぬ最強のアンデットを生み出す力』
ボクは遠くを見ることのできる遠見の魔法で、小さな黒い点の詳細を確認した。
「あれは……【光翼(シャイニング・フェザー)】!?」
それは輝く翼を持った少女たちだった。
武装した500人近い少女たちが、空から落ちてくる。
しかも、そのいずれもが同じ顔。やや幼いが、イルティアにそっくりな美貌をしていた。
「まさか、まさか……ルディアお姉様!?」
イルティアが眼を剥く。
『そうだ。余の娘。二年前に亡くなった第一王女ルディアの死体を複製し、魔王の力で最強のアンデットとして蘇らせた軍団。しかもこやつらは、魔王から奪った最強の武器防具で武装しておる。
これぞ神をも殺す余の近衛騎士団。【天魔騎士団】だ!』
勝利を確信した国王シュナイゼルの高笑いが響く。
天魔騎士団ひとりひとりから、凄まじい圧を感じる。
あれが地上に降りてきたら、とんでもない殺戮が開始されることは、火を見るより明らかだった。
『さあ、我が娘ルディアよ! 裏切り者の妹イルティアを殺せ! 紛い物の勇者ルカを倒せ! 反逆者どもを根絶やしにしろ!』
「……自分の娘をなんだと思っていやがる!」
ボクは怒りに聖剣を握りしめた。
ルディアだけではない。イルティアの悲しそうな顔を初めて見た。
「フェリオ! あいつをぶちのめしに行くぞ! エリザついてきてくれ!」
「はっ!」
ボクはエリザと共にユニコーンの背にまたがる。
天魔騎士団はアンデットの軍団。国王シュナイゼルによって生み出されて統率されているのなら、ヤツを倒せば動きをとめるハズだ。
「聖騎士団は街の防衛を頼む! イルティアは悪いがミリアを守ってくれ。奴らはミリアを狙って来ると思う」
ミリアが死ぬばボクの命も無くなる。そのことは、おそらく国王も承知しているハズだ。
「わかりました。ルカ様、どうかご武運を!」
「ルカお姉様! 勝利をお祈りしています!」
イルティアやミリア、聖騎士の少女たちに見送られ、ボクは空中都市に向かって飛び立った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる