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3章。国王との決戦
41話。最強の技
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領主ミリアの要請を受けて、オーダンのネーノイス神殿は沸き立っていた。
「みなの者! ルカ王女殿下に【ライフギフト】の魔法を贈るのだ!」
神官長が祭壇の前で、声を張り上げる。
彼はルカに最上級回復魔法を教えてもらった老神官だった。
彼はあの日以来、ルカを地上に光をもたらす聖女として、女神以上に信仰していた。
神官長の前には、北側諸侯から派遣されて来た者も含めて、3000人近い神官が集っていた。
「しかし、ここからでは、魔法効果は無きに等しくなってしまいますが?」
神官のひとりがうろたえて言う。
魔法には有効距離がある。これをオーバーすれば、ほとんど意味をなさない。
「我ら全員で行えば、多少の支援にはなる! 少しでもあのお方の力になるのだ! それに忘れたか? 魔法の力は想いの力、ルカ様の力になりたいと強く願えば、それだけ魔法効果は高くなる! ルカ様に勝利を!」
「「「ルカ様に勝利を!」」」
3000人の唱和が地を震わせた。
※※※※
「ああっ! もうお終いだ!」
青年は空を見上げて喚いた。
その視線の先には、グングンと落下してくる浮遊島がある。
ルカ王女が何をしようと、もはや自分たちの破滅は免れない。
こんなことなら、好きなあの娘に告白しておくのだったと、彼は激しく後悔した。
「おい、兄ちゃん何やってんだ! 嘆いているヒマがあるなら、ルカ姫様を応援しねぇか、コラ!」
「我らがルカ姫様が、今、この瞬間にも戦っているのが、わからねぇか!?」
「な、なんだ、あんたらは!?」
青年は、屈強な男たちに詰め寄られていた。
男たちは何のつもりか『ルカ姫様がんばれ!』と、下手くそな字で殴り書きされた旗を持っていた。
「俺たちは、ルカ姫様親衛隊だ! 回復魔法なんざ使えねぇが、俺たちの気持ちを届けて、力に換えてもらうんだ!」
「ルカ姫様がおっしゃってらしただろ、コラ! 姫様を支持する者が増えれば増えるほど、その想いが強ければ強いほど、聖剣の力は増大していくだぞ、コラ!」
「なら最後の最後まで、俺たちはルカ姫様を信じて、姫様を応援しようじゃねえか! それが今できる唯一のことだ!」
「あ、あんたら……」
青年は急に自分のことが恥ずかしくなった。
そうだ。嘆くヒマがあるなら、少しでも勇者の力になるべく行動すべきだったのだ。
「うぉおおお! ルカ姫様がんばれ!」
ルカ姫様親衛隊の絶叫が響いた。
※※※※
「ルカ様! わたくしたちの力をお使いください!」
「二番隊! ルカ姫様を全力でご支援するですぅ!」
聖騎士団の少女たちが、ボクに生命力を分け与えてくれる。
ボクの【光翼(シャイニング・フェザー)】が、流れ込む生命力を神聖属性エネルギーに変換し、爆発的な輝きを放つ。
「私は勇者ルカ様の聖騎士団長。ハーフエルフのエリザだ!」
エリザが投影魔法の媒介である水晶玉に向って叫ぶ。
投影魔法は未だ機能しており、映像と音声を国中に向けて発信していた。
「すべてのエルフ、エルフの血を引く者たちよ! ルカ様に【ライフギフト】の魔法を贈って欲しい!
ルカ様はアナスタシア姫を救い、エルフ族の奴隷解放を約束してくれた。今、我らは国王の攻撃を受けて窮地にある! このお方を死なせてはならない!」
国中のあらゆる場所から、生命力がボクに流れ込んでくるのを感じた。
ひとりひとりから与えられる生命力は雨粒ほど小さくても、何千、何万、何十万と集まれば大河のような巨大なうねりとなる。
「ふん! ルカ様の最大の力となるのは、この私よ!」
空中都市を悪魔たちを使って押し返していたイルティアが、鼻を鳴らす。
膨大な生命力が、彼女からも流れ込んできた。
全身がバラバラになるんじゃないかと思うほどの強大な神聖属性エネルギーが発生し、体内を駆け巡る。
『ルカよ。聖剣の柄を空中都市に向けなさい。聖剣は【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】を発射するための砲にもなります』
「女神様……!?」
頭の中に響いてきたのは、聖剣を授かった時に聞いた女神の声だ。
ボクは歯を食いしばり、渾身の力を振り絞って、聖剣の柄を空中都市に向ける。
天を覆い尽くす巨大な大地が、すべてを押し潰すそうと目前に迫った。
「イルティア、アークデーモンたちを退避させろ! 【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】!」
爆光が目を焼いた。反動で、足が大地にめり込む。
光の奔走が浮遊島を呑み込んだ。
天を塞ぐ大地が白熱し、融解し、瓦解し、やがて光の果てに、すべて消し飛ばされていった。
究極の聖剣。現在の攻撃力43956
(国中の人々、エルフ、ハーフエルフたちからの強い支持でパワーアップ)
「みなの者! ルカ王女殿下に【ライフギフト】の魔法を贈るのだ!」
神官長が祭壇の前で、声を張り上げる。
彼はルカに最上級回復魔法を教えてもらった老神官だった。
彼はあの日以来、ルカを地上に光をもたらす聖女として、女神以上に信仰していた。
神官長の前には、北側諸侯から派遣されて来た者も含めて、3000人近い神官が集っていた。
「しかし、ここからでは、魔法効果は無きに等しくなってしまいますが?」
神官のひとりがうろたえて言う。
魔法には有効距離がある。これをオーバーすれば、ほとんど意味をなさない。
「我ら全員で行えば、多少の支援にはなる! 少しでもあのお方の力になるのだ! それに忘れたか? 魔法の力は想いの力、ルカ様の力になりたいと強く願えば、それだけ魔法効果は高くなる! ルカ様に勝利を!」
「「「ルカ様に勝利を!」」」
3000人の唱和が地を震わせた。
※※※※
「ああっ! もうお終いだ!」
青年は空を見上げて喚いた。
その視線の先には、グングンと落下してくる浮遊島がある。
ルカ王女が何をしようと、もはや自分たちの破滅は免れない。
こんなことなら、好きなあの娘に告白しておくのだったと、彼は激しく後悔した。
「おい、兄ちゃん何やってんだ! 嘆いているヒマがあるなら、ルカ姫様を応援しねぇか、コラ!」
「我らがルカ姫様が、今、この瞬間にも戦っているのが、わからねぇか!?」
「な、なんだ、あんたらは!?」
青年は、屈強な男たちに詰め寄られていた。
男たちは何のつもりか『ルカ姫様がんばれ!』と、下手くそな字で殴り書きされた旗を持っていた。
「俺たちは、ルカ姫様親衛隊だ! 回復魔法なんざ使えねぇが、俺たちの気持ちを届けて、力に換えてもらうんだ!」
「ルカ姫様がおっしゃってらしただろ、コラ! 姫様を支持する者が増えれば増えるほど、その想いが強ければ強いほど、聖剣の力は増大していくだぞ、コラ!」
「なら最後の最後まで、俺たちはルカ姫様を信じて、姫様を応援しようじゃねえか! それが今できる唯一のことだ!」
「あ、あんたら……」
青年は急に自分のことが恥ずかしくなった。
そうだ。嘆くヒマがあるなら、少しでも勇者の力になるべく行動すべきだったのだ。
「うぉおおお! ルカ姫様がんばれ!」
ルカ姫様親衛隊の絶叫が響いた。
※※※※
「ルカ様! わたくしたちの力をお使いください!」
「二番隊! ルカ姫様を全力でご支援するですぅ!」
聖騎士団の少女たちが、ボクに生命力を分け与えてくれる。
ボクの【光翼(シャイニング・フェザー)】が、流れ込む生命力を神聖属性エネルギーに変換し、爆発的な輝きを放つ。
「私は勇者ルカ様の聖騎士団長。ハーフエルフのエリザだ!」
エリザが投影魔法の媒介である水晶玉に向って叫ぶ。
投影魔法は未だ機能しており、映像と音声を国中に向けて発信していた。
「すべてのエルフ、エルフの血を引く者たちよ! ルカ様に【ライフギフト】の魔法を贈って欲しい!
ルカ様はアナスタシア姫を救い、エルフ族の奴隷解放を約束してくれた。今、我らは国王の攻撃を受けて窮地にある! このお方を死なせてはならない!」
国中のあらゆる場所から、生命力がボクに流れ込んでくるのを感じた。
ひとりひとりから与えられる生命力は雨粒ほど小さくても、何千、何万、何十万と集まれば大河のような巨大なうねりとなる。
「ふん! ルカ様の最大の力となるのは、この私よ!」
空中都市を悪魔たちを使って押し返していたイルティアが、鼻を鳴らす。
膨大な生命力が、彼女からも流れ込んできた。
全身がバラバラになるんじゃないかと思うほどの強大な神聖属性エネルギーが発生し、体内を駆け巡る。
『ルカよ。聖剣の柄を空中都市に向けなさい。聖剣は【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】を発射するための砲にもなります』
「女神様……!?」
頭の中に響いてきたのは、聖剣を授かった時に聞いた女神の声だ。
ボクは歯を食いしばり、渾身の力を振り絞って、聖剣の柄を空中都市に向ける。
天を覆い尽くす巨大な大地が、すべてを押し潰すそうと目前に迫った。
「イルティア、アークデーモンたちを退避させろ! 【滅龍聖矢(ゲオルギウス)】!」
爆光が目を焼いた。反動で、足が大地にめり込む。
光の奔走が浮遊島を呑み込んだ。
天を塞ぐ大地が白熱し、融解し、瓦解し、やがて光の果てに、すべて消し飛ばされていった。
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