パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん

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1章。バフ・マスター、Lv4覚醒

8話。バフ・マスター、配下の美少女たち全員を地上最強にし、めちゃくちゃ尊敬される

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「よし、それじゃあ。【バフ・マスター】発動!」

 僕が300人の少女たちを見渡すと、彼女らにバフがかかった。
 このスキルは視界に収めた相手に、バフをかけることができる。

「きひゃぁんっ!」

「あっ、あっ、あつい……!? 」

「えっ、ええ!? す、すごい力が溢れ出してくるわ!?」

 少女たちが、身体を押さえて身悶えする。
 突然、全ステータスが10倍になったため、自分が自分ではないような感覚に陥っているのだろう。

「落ち着いたら、ステータスを確認してみてくれ」

「あっ……ああ!? 魔力2500って、大魔道士クラスの魔力になっていますわ!」

「わたしが防御力1300なんて、嘘でしょ!?」

「敏捷性が3000オーバー……! 道を極めた忍者マスターの師匠を軽く超えてしまったんだけど!?」

 ステータスを確認した少女たちから、驚きの声が上がる。

「これが王国を陰から支え続けた英雄アベル様のお力! 王女殿下からお聞きしていましたが、すさまじいです!」

 彼女たちの尊敬の眼差しが、一斉に浴びせられる。
 これは、ちょっと参ったな。

「アベル? あの私の魔力が……5000をオーバーしてしまっているのだけど?」

 リディアが笑顔を引きつらせている。
 万が一のことも考えて、彼女にもバフをかけていた。

「これってもう神話級の力よね?」

「アベル様の力を受けたブラックナイツが、最強の軍団だったのが、ご実感できたと思います。ここまで隔絶した力があれば、策も何も必要ありません」

 ティファが誇らしげに解説する。

「ここまでのバフができるようになったのは、スキルが進化したつい最近のことなんだけどね」

「私も魔力と敏捷性が5000オーバーです。雷より早く剣が振れそうです」

 元々、能力値が高いティファは、常人からすると、何が何だがわからない領域に達していた。

「僕も余力のバフを自分に重ねがけしたおかげで、全ステータスが5000以上になっている。これなら、みんなを守りきれそうだ」

 ドラゴンを倒したことで、僕はレベルアップし、さらにステータスが上昇していた。

―――――――

名 前:アベル・ベオルブ

レベル:12(UP!)

体 力: 4600 ⇒ 5132(UP!)

筋 力: 7100 ⇒ 8001(UP!)

防御力: 5300 ⇒ 6245(UP!)

魔 防: 5000 ⇒ 5596(UP!)

魔 力: 6000 ⇒ 6672(UP!)

敏 捷: 4200 ⇒ 5026(UP!)

―――――――

「……アベル様、それはもはや魔王に匹敵する領域です」

「えっ? 僕は未だに、剣も魔法も基礎レベルなんで。いくらなんでも大げさだと思うけどな」

「いえ、油断大敵ですので、それで良いかも知れませんが……」

 ティファが頬をかく。

「ねっ! ねぇ! これなら私も戦いに加わって大丈夫だよね? これでも【聖女】のスキルを持っているんだから」

「ちょっと待て!? 王女の近衛騎士団が、王女を危険にさらす訳にはいかないだろ? リディアは、ここで吉報を待っていて欲しい」

 リディアが、とんでもないことを言ってきたので、慌てて止める。

「むぅ……! 私の神聖魔法は、アンデッドに効果てきめんなんだけど?」

「王女殿下、ご自重ください。戦場では何が起こるかわかりません」

「いや! 絶対に嫌よ! 私も行くったら行くの!」

 ティファにもたしなめられたのに、リディアは駄々をこねた。

「これがフォルガナの仕業なら、アベルたちが出払って王宮が手薄になった隙に、刺客が私の命を狙って来るかも知れないでしょ!?」

「確かにそれもそうだけど……」

 それは十分に有り得ることだ。
 リディアの護衛にティファを残すことも考えたが、それではアンデッド軍団の討伐が難しくなる。

 確実に勝つことを考えるなら、【聖女】のスキルを持つリディアにいてもらった方が良いのは確かだ。
 王国の民のため、アンデッドは一体残らず滅ぼさなくてはならない。

「ね? だったらアベルの側が一番安全でしょ? 何があってもアベルが守ってくれるもん!」

 リディアが甘えたように言って、僕の右腕に、腕を絡めてきた。柔らかい感触が押し付けられてドギマギしてしまう。

「わ、わかった。しょうがないな」

「こほん! 王女殿下。従軍されるというのでしたら、安全な後方の中程にお下がりください。護衛の小隊をつけます」

 なぜかティファが、慌てた様子で割って入ってきて僕たちを引き離した。

「ええ!? 敵と遭遇するまでは、アベルに隣で守ってもらいたいのに」

「こ、これはピクニックではないのですよ。先頭は敵の奇襲を受けやすい位置です。アベル様の横は、私が固めますので!」

 ティファはムキになったように、まくしたてる。
 いつもの冷静沈着さが失われているような感じがするが……
 はて? ティファも戦いを前にして、気が高ぶっているのかな。

「よし、それじゃあ出陣だ! 騎乗せよ!」

「はっ!」

 僕の命令に、少女たちが胸に手を当てて敬礼する。彼女たちは、一斉に馬に飛び乗った。
 僕の指揮官としての初陣が始まろうとしていた。
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