パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強

こはるんるん

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2章。バフ・マスター、Lv5覚醒

22話。バフ・マスター、国王からワシの息子だと言われる

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 呼び出しの衛士が、僕たちの来訪を告げた。

「リディア・リィ・アーデルハイド王女殿下。並びにアベル・ベオルブ伯爵閣下のおな~~り~~!」

「おおっ! 今夜の主賓がご到着されましたぞ!」

 僕がパーティー会場に足を踏み入れたとたん、大勢の貴族たちに取り囲まれて、戸惑ってしまう。

「ちょっ、ちょっと、みなさん……!」

 彼らは、僕に怒涛の賞賛を浴びせてきた。『アーデルハイドの軍神』とか無茶なあだ名で、僕を呼ぶ者もいる。

「アベル殿! よろしければ、私の娘を侍女として使っていただけませんかな!?」

「いやいや、それよりも私の娘をルーンナイツに入団させていただくことは、できませぬか!? お側で使ってくだされ!」

 あいさつの言葉が一段落すると、貴族たちは、自分の娘を僕に紹介しようと躍起になる。

 どういうつもりだろう?

「なあ、コレって……」

「たぶん、自分の娘をアベルの側に送りこんで、あわよくばアベルの寵愛を受けさせようという魂胆ね。私の目の前で、よくやるわ」

 リディアに耳打ちすると、彼女は不機嫌そうに頬を膨らませて告げる。
 リディアは真珠をあしらった白いドレスを身にまとって、とても美しかった。

「じゃあ、断った方が良いな。侍女は必要ないし、ルーンナイツもコネ入団なんかを認めると質が下がる」
 
 なにより、よくわからない貴族に利用されるのは避けたかった。
 リディアに浮気を疑われても困る。

「アベル! うん、そうしてもらえると、うれしい!」

 リディアが僕に身を寄せてきた。
 彼女の身体の柔らかさを感じて、僕は硬直してしまう。

「これはお熱いですな。これほどお美しい王女殿下の愛を勝ち取られるとは。いやはや、なんともアベル殿がうらやましい!」

「ふふふっ! アベルと私は、幼い頃に将来を誓い合った仲なのよ。今日は、その夢が成就して最高にうれしいわ!」

 リディアの発言に、会場内がざわめいた。
 彼女はあの時の誓いを、ずっと胸にしまっていたんだな。

 嬉しいが、周りから嫉妬の視線が突き刺さってくるのを感じる。
 ここにいる貴公子たちの誰もが、王女の愛を得ようと必死だっただろうからな……

「まあっ! 王女殿下。それでは今夜は、おふたりの馴れ初めのお話など、じっくりお聞かせいただきたいですわ!」

 美しく着飾った貴族の姫君たちが、興味しんしんといった様子で、尋ねてきた。

「もちろん! 良いわよ」

 リディアが得意そうに応じる。

「アベル様、よろしければ王女殿下の後に、わたくしと一曲踊っていただけませんこと?」

「戦場での武勇伝なども、ぜひお聞かせいただきたいですわ!」

「いや。ちょっと……!」

「ちょっとアベル。なにデレデレしているのっ!?」

 姫君たちに言い寄られて困っていると、リディアが僕の耳を引っ張った。
 おい、痛いんだけど……!

「コホン、みなさん。アベル様はリディア王女殿下の近衛騎士団長。みなさんのダンスのお相手よりも、姫様の警護を優先せねばなりません」

 僕の後ろに控えていたティファが、進み出て告げる。
 彼女はバラのような赤いドレスを着て、実に可憐だった。

「戦場でのお話に興味がお有りであれば、私が承ります。アベル様にご用の方は、まず私に話を通してくださいますよう」

「えっ。なに、あなた……?」

「どうして、あなたに許可を得なくては、いけないの? リディア王女殿下ならともかくとして」

 有無を言わせぬティファの口調に、姫たちは面食らっていた。
 中には反感を覚えたのか、ティファに反論してる娘もいた。

「それは……」

 ティファが言い淀んだ時だった。

「国王陛下のおな~~り~~!」

 衛士が国王陛下の到着を告げた。
 僕たちは、いっせいに平服して国王陛下を出迎える。

「皆の者、大義である! 今夜は我が国を襲った【不死者の暴走(アンデッド・スタンピード)】を見事討伐した若き英雄アベル・ベオルブ伯爵の戦勝祝いの他に、すでに聞き及んでおろうが重大な発表がある」

 そこで国王陛下は、いったん言葉を切った。

「それはワシの娘。リディアとアベル・ベオルブ伯爵との婚約だ。
 アベルこそワシの息子。この国の次期国王である! 皆の者、この場にてアベルに忠誠を誓え!」

 会場内に大きなどよめきが鳴り響いた。
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