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3章。バフ・マスター、Lv6覚醒
44話。勝って帰ったら、リディアと愛し合うと約束する
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「決まりね! じゃあアベル。さっそく、出陣しましょう」
リディアが僕に腕を絡めて言う。
「いや、何を言っておるのだリディア! アベルは千人にも満たぬ数で1万5千の敵軍を迎え撃ちに行くのだぞ? そんな危険な戦場に出向くなど、絶対に許さん!」
国王陛下が泡を食って、リディアを止めた。
「まことにその通りでございますぞ、王女殿下! 聞けば先日、アンジェラ王女と直接戦われたとか。まだお世継ぎも生まれていないのに……御身に何かあればアーデルハイド王国はお終いですぞ」
「……うん。その通りだよな」
武官たちから上がった声は、まったくの正論だった。
僕も同意である。
「その通りって。お世継ぎのことね! それじゃ、まだ結婚前だけど、今夜から激しく愛し合い……っ」
「違います! リディア様を戦場にはお連れできないという意味です!」
ティファが、僕に擦りつくリディアに怒鳴った。
「ええっ!? だって、アンジェラ王女に対抗するには、パワーアップした私の大聖女の力が必要でしょ?」
「確かにそうなんだけど。おそらくアンジェラ王女は北の魔物軍団を率いている可能性が高いと思うんだ。
もしそうだとしたら、フォルガナの大軍の中に、リディアを連れていく危険をおかすだけになってしまう。リディアを危険な目に合わす訳にいかないだろう?」
本音を言えば、リディアの力を借りずにアンジェラを倒したかった。
剣聖イブが戦力に加わってくれれば、それは十分に可能だと思う。
「そうじゃ!」
「ぶぅ~。回復魔法だって、私は得意なのよ。大聖女になったんだし、今までよりずっとアベルの役に立ってみせるわ!」
リディアは唇を尖らせる。
「気持ちはありがたいんだけど……国王陛下も心配されるし、駄目だよ」
「そもそも敵は、リディア王女殿下を狙っているのですよ? 虎の口にわざわざ飛び込むようなモノです。なので、アベル様から離れてください!」
ティファが、リディアを僕から引き剥がす。
「ティファ! ちょっと痛いわよ。もうっ、わかったわよ。それじゃ、城で大人しくしているわ。
夫の留守を守るのも妻の役目だしね」
リディアはしぶしぶといった感じで、納得してくれた。
「じゃあアベル、約束して。勝って帰ったら、私といっぱい愛し合うって!」
「愛し合う? それはもちろん」
すでにリディアとは、そういう関係になっていると思うが……婚約した訳だし。
「やったぁ!」
「お、お、王女殿下!?」
リディアは僕の返答に、飛び上がって大はしゃぎしていた。
なぜかティファは唇を噛んで、耳まで真っ赤になっている。
「ねぇアベル。私、子供は男の子と女の子がひとりずつ欲しいわ! あなたそっくりのかわいい男の子をこの手で育てるの!」
「子供?」
リディアは、一体、何の話をしてるのだろうか。僕は訳が分からず、首をひねった。
「もちろん。あなたが望むなら何人だって産んであげるわよ。えへへっ! 今から夢が膨らむわね」
「リディア。お主は少々、恥じらいを持った方が良いな。皆が呆れておるぞ」
国王陛下が困ったように溜め息をついた。
リディアが僕に腕を絡めて言う。
「いや、何を言っておるのだリディア! アベルは千人にも満たぬ数で1万5千の敵軍を迎え撃ちに行くのだぞ? そんな危険な戦場に出向くなど、絶対に許さん!」
国王陛下が泡を食って、リディアを止めた。
「まことにその通りでございますぞ、王女殿下! 聞けば先日、アンジェラ王女と直接戦われたとか。まだお世継ぎも生まれていないのに……御身に何かあればアーデルハイド王国はお終いですぞ」
「……うん。その通りだよな」
武官たちから上がった声は、まったくの正論だった。
僕も同意である。
「その通りって。お世継ぎのことね! それじゃ、まだ結婚前だけど、今夜から激しく愛し合い……っ」
「違います! リディア様を戦場にはお連れできないという意味です!」
ティファが、僕に擦りつくリディアに怒鳴った。
「ええっ!? だって、アンジェラ王女に対抗するには、パワーアップした私の大聖女の力が必要でしょ?」
「確かにそうなんだけど。おそらくアンジェラ王女は北の魔物軍団を率いている可能性が高いと思うんだ。
もしそうだとしたら、フォルガナの大軍の中に、リディアを連れていく危険をおかすだけになってしまう。リディアを危険な目に合わす訳にいかないだろう?」
本音を言えば、リディアの力を借りずにアンジェラを倒したかった。
剣聖イブが戦力に加わってくれれば、それは十分に可能だと思う。
「そうじゃ!」
「ぶぅ~。回復魔法だって、私は得意なのよ。大聖女になったんだし、今までよりずっとアベルの役に立ってみせるわ!」
リディアは唇を尖らせる。
「気持ちはありがたいんだけど……国王陛下も心配されるし、駄目だよ」
「そもそも敵は、リディア王女殿下を狙っているのですよ? 虎の口にわざわざ飛び込むようなモノです。なので、アベル様から離れてください!」
ティファが、リディアを僕から引き剥がす。
「ティファ! ちょっと痛いわよ。もうっ、わかったわよ。それじゃ、城で大人しくしているわ。
夫の留守を守るのも妻の役目だしね」
リディアはしぶしぶといった感じで、納得してくれた。
「じゃあアベル、約束して。勝って帰ったら、私といっぱい愛し合うって!」
「愛し合う? それはもちろん」
すでにリディアとは、そういう関係になっていると思うが……婚約した訳だし。
「やったぁ!」
「お、お、王女殿下!?」
リディアは僕の返答に、飛び上がって大はしゃぎしていた。
なぜかティファは唇を噛んで、耳まで真っ赤になっている。
「ねぇアベル。私、子供は男の子と女の子がひとりずつ欲しいわ! あなたそっくりのかわいい男の子をこの手で育てるの!」
「子供?」
リディアは、一体、何の話をしてるのだろうか。僕は訳が分からず、首をひねった。
「もちろん。あなたが望むなら何人だって産んであげるわよ。えへへっ! 今から夢が膨らむわね」
「リディア。お主は少々、恥じらいを持った方が良いな。皆が呆れておるぞ」
国王陛下が困ったように溜め息をついた。
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