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1章。魔王城の施設をガンガン作成
7話。前代未聞の闇回復ポーション。
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回復薬(ポーション)には大きく2種類がある。薬草を調合して作る物と、魔法溶液に回復魔法を封入して作る物だ。
後者は回復魔法を使ったのと同じ効果が得られる。術者の能力が高ければ効果も高くなり、【上位回復薬(ハイポーション)】と呼ばれていた。
『薬師のアトリエ』に設置された錬金釜には、魔法溶液が満たされていた。
「これなら、すぐ【回復薬(ポーション)】が作り始められる……っ」
誰ともしゃべらずに自分のペースで、黙々と作業できる。そんな回復薬(ポーション)作りが、私は大好きだった。
だけど森の魔物たちの怪我を治したり、お金を稼ぐのが目的なら、この量の魔法溶液では全然足りない。
「……お父様。このあたりで、クリスタルが採れる場所は、ありますか?」
クリスタルを砕いて、錬金釜で加熱して水に溶かした物が魔法溶液だ。
クリスタルを採取できる場所は、ダンジョンの深層などだった。通常であれば、冒険者に依頼して取ってきてもらうのだけど……
ここでは自力で用意しなればならない。
でもそこまでしていたら、時間がかかり過ぎてしまうので私は頭を抱えた。
「それなら、魔王城の地下ダンジョンでいくらでも取れるぞ」
「本当ですか……っ?」
魔王城の地下には、居住スペースの他にダンジョンもあった。
「ああっ。錬金術に使う、ボワッと輝いている鉱物だろう? 確か放つ光が強いほど品質が良いんだったな。必要なら俺が取ってこよう」
「あ、ありがとうございます……っ!」
「かわいい娘のためなら、これくらいは何でもない。他に何か必要な物があったら、遠慮なく言ってくれ。できる限り用立てるようにする」
お父様はそう言って手を振ると、出ていった。
まさか魔王であるお父様が、こんな雑務を引き受けてくれるとは思わなかった。
なら私もがんばらなくてはと、頬を手で叩いて気合いを入れた。
私は錬金釜に攪拌棒を差し込んで、魔法溶液を混ぜながら、【回復(ヒール)】の魔法を注ぎ込む。
錬金釜が魔力に反応して熱を持ち、ボコボコと沸騰し始めた。加熱された魔法溶液は、魔法を徐々に吸収して変色していく。
「……こ、これナニ?」
私は絶句した。
できたのは真っ黒い回復薬(ポーション)だった。加熱されボコボコと泡立つ様は、不気味としか言いようがなかった。
上位回復薬(ハイポーション)は、本来、透明な青色をしている。ふつうの回復薬(ポーション)は、緑色だ。
黒い回復薬(ポーション)など、見たことも聞いたことも無かった。
「……私の神聖魔法が闇属性になってしまったためよね。きっと……」
果たして、これを回復薬(ポーション)だと言って、信じてくれる人間がいるだろうか?
怪我が癒えるどころか、即死しそうな毒々しさだった。
「これに封じ込められているのは、【闇回復(ダークヒール)】のハズ。な、なら、大丈夫……」
効果を試すためには、飲んでみるしかない。
ゴクリと、恐怖で喉が鳴った。
【闇回復(ダークヒール)】で、シロの怪我を一瞬で治しているのだから、効果は折り紙付きのハズ……
私は、ほんの少しだけスプーンですくい取って、ペロッと一口舐めてみる。
「あ、あまぃいいいい!?」
まるでハチミツみたいな味がした。微妙に加わっている酸味が何とも言えない美味しさを醸し出している。
良薬口に苦し、と言って回復薬(ポーション)は苦いのが当たり前だった。
それが、まさかこんなに美味しいなんて……
「アルフィンお嬢様、いかがなされましまか?」
執事のヴィクトルが、騒ぎを聞きつけてやって来た。
「すみません、お、大きな声を立ててしまって……」
「なんと、それはっ!?。まさか【闇回復薬(ダークポーション)】では、ありませんか!?」
ヴィクトルの目は、私が手にした真っ黒い回復薬(ポーション)に釘付けになった。
「あっ……ヴィクトルさん。こ、これが何だか、わかりますか?」
「それはアンデッドモンスターの生命力さえ回復してしまう貴重品でございます。失礼、お嬢様。それを一口、いただけないでしょうか?」
「ええっ、こ、これをですか……?」
一瞬、戸惑う。でも私がこれを口に入れても大丈夫だった。危険は無いと思い直す。
私は瓶に【闇回復薬(ダークポーション)】を入れて、ヴィクトルに渡した。
「【闇回復薬(ダークポーション)】にお目にかかるなど、300年ぶりです。しかも、なんと鮮やかな黒でありましょうか。では……」
ヴィクトルは、それを一気にあおった。
「こ、この感覚は──ッ!」
彼はうつむき、全身を震わせる。
「……だ、大丈夫ですか?」
「おおっ! い、痛みが消えた……かつて勇者に聖剣で斬られた右腕が、元に戻っておりますぞ!」
ヴィクトルは、右腕を歓喜とともに見つめた。
そう言えば、聖剣には邪悪な魔物に回復不能なダメージを与える効果があるとか……
「これで往年の力を発揮できます! アルフィンお嬢様は、まさしく我らの救世主! このヴィクトル、命を賭してお嬢様を守護することを誓いますぞ!」
ヴィクトルは、私に向かって平伏した。
あれ……? もしかして、私は恐るべき人間の天敵の力を取り戻してしまったのかな?
慌てて釘を刺しておく。
「しゅ、守護していただけるのは、ありがたいのですが。あくまで、専守防衛で……お願いしますっ。
人間をこちらから攻撃したり、しないでください」
「はい。この城に攻め込もうした愚か者には、この世の地獄を味あわせてやりましょう」
「……ひぃん」
私は小さくうめいた。
後者は回復魔法を使ったのと同じ効果が得られる。術者の能力が高ければ効果も高くなり、【上位回復薬(ハイポーション)】と呼ばれていた。
『薬師のアトリエ』に設置された錬金釜には、魔法溶液が満たされていた。
「これなら、すぐ【回復薬(ポーション)】が作り始められる……っ」
誰ともしゃべらずに自分のペースで、黙々と作業できる。そんな回復薬(ポーション)作りが、私は大好きだった。
だけど森の魔物たちの怪我を治したり、お金を稼ぐのが目的なら、この量の魔法溶液では全然足りない。
「……お父様。このあたりで、クリスタルが採れる場所は、ありますか?」
クリスタルを砕いて、錬金釜で加熱して水に溶かした物が魔法溶液だ。
クリスタルを採取できる場所は、ダンジョンの深層などだった。通常であれば、冒険者に依頼して取ってきてもらうのだけど……
ここでは自力で用意しなればならない。
でもそこまでしていたら、時間がかかり過ぎてしまうので私は頭を抱えた。
「それなら、魔王城の地下ダンジョンでいくらでも取れるぞ」
「本当ですか……っ?」
魔王城の地下には、居住スペースの他にダンジョンもあった。
「ああっ。錬金術に使う、ボワッと輝いている鉱物だろう? 確か放つ光が強いほど品質が良いんだったな。必要なら俺が取ってこよう」
「あ、ありがとうございます……っ!」
「かわいい娘のためなら、これくらいは何でもない。他に何か必要な物があったら、遠慮なく言ってくれ。できる限り用立てるようにする」
お父様はそう言って手を振ると、出ていった。
まさか魔王であるお父様が、こんな雑務を引き受けてくれるとは思わなかった。
なら私もがんばらなくてはと、頬を手で叩いて気合いを入れた。
私は錬金釜に攪拌棒を差し込んで、魔法溶液を混ぜながら、【回復(ヒール)】の魔法を注ぎ込む。
錬金釜が魔力に反応して熱を持ち、ボコボコと沸騰し始めた。加熱された魔法溶液は、魔法を徐々に吸収して変色していく。
「……こ、これナニ?」
私は絶句した。
できたのは真っ黒い回復薬(ポーション)だった。加熱されボコボコと泡立つ様は、不気味としか言いようがなかった。
上位回復薬(ハイポーション)は、本来、透明な青色をしている。ふつうの回復薬(ポーション)は、緑色だ。
黒い回復薬(ポーション)など、見たことも聞いたことも無かった。
「……私の神聖魔法が闇属性になってしまったためよね。きっと……」
果たして、これを回復薬(ポーション)だと言って、信じてくれる人間がいるだろうか?
怪我が癒えるどころか、即死しそうな毒々しさだった。
「これに封じ込められているのは、【闇回復(ダークヒール)】のハズ。な、なら、大丈夫……」
効果を試すためには、飲んでみるしかない。
ゴクリと、恐怖で喉が鳴った。
【闇回復(ダークヒール)】で、シロの怪我を一瞬で治しているのだから、効果は折り紙付きのハズ……
私は、ほんの少しだけスプーンですくい取って、ペロッと一口舐めてみる。
「あ、あまぃいいいい!?」
まるでハチミツみたいな味がした。微妙に加わっている酸味が何とも言えない美味しさを醸し出している。
良薬口に苦し、と言って回復薬(ポーション)は苦いのが当たり前だった。
それが、まさかこんなに美味しいなんて……
「アルフィンお嬢様、いかがなされましまか?」
執事のヴィクトルが、騒ぎを聞きつけてやって来た。
「すみません、お、大きな声を立ててしまって……」
「なんと、それはっ!?。まさか【闇回復薬(ダークポーション)】では、ありませんか!?」
ヴィクトルの目は、私が手にした真っ黒い回復薬(ポーション)に釘付けになった。
「あっ……ヴィクトルさん。こ、これが何だか、わかりますか?」
「それはアンデッドモンスターの生命力さえ回復してしまう貴重品でございます。失礼、お嬢様。それを一口、いただけないでしょうか?」
「ええっ、こ、これをですか……?」
一瞬、戸惑う。でも私がこれを口に入れても大丈夫だった。危険は無いと思い直す。
私は瓶に【闇回復薬(ダークポーション)】を入れて、ヴィクトルに渡した。
「【闇回復薬(ダークポーション)】にお目にかかるなど、300年ぶりです。しかも、なんと鮮やかな黒でありましょうか。では……」
ヴィクトルは、それを一気にあおった。
「こ、この感覚は──ッ!」
彼はうつむき、全身を震わせる。
「……だ、大丈夫ですか?」
「おおっ! い、痛みが消えた……かつて勇者に聖剣で斬られた右腕が、元に戻っておりますぞ!」
ヴィクトルは、右腕を歓喜とともに見つめた。
そう言えば、聖剣には邪悪な魔物に回復不能なダメージを与える効果があるとか……
「これで往年の力を発揮できます! アルフィンお嬢様は、まさしく我らの救世主! このヴィクトル、命を賭してお嬢様を守護することを誓いますぞ!」
ヴィクトルは、私に向かって平伏した。
あれ……? もしかして、私は恐るべき人間の天敵の力を取り戻してしまったのかな?
慌てて釘を刺しておく。
「しゅ、守護していただけるのは、ありがたいのですが。あくまで、専守防衛で……お願いしますっ。
人間をこちらから攻撃したり、しないでください」
「はい。この城に攻め込もうした愚か者には、この世の地獄を味あわせてやりましょう」
「……ひぃん」
私は小さくうめいた。
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