外れスキル《魔王城クリエイト》で無敵の城を築け!〜魔王の娘であることが発覚して実家を追放された聖女は、最強城塞を築いて引きこもります

こはるんるん

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2章。聖騎士団との対決

20話。友達ができる

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 私が鞄から取り出したドラゴンの鱗にギルド内の視線が釘付けになった。

「こ、これは……ホンモノか!? しかも薄っすらとオーラをまとっているじゃねぇか。も、もしかして、死体から拾った訳じゃねぇのか!?」

 ギルドマスターが、目を血走らせて尋ねてきた。その迫力にたじろいで、私は正直に答える。

「え、えっと……怪我をしたドラゴンを助けて、お礼にいただきました……」

「はぁ!? んなっ、バカな!?」

 その一言にギルド内が騒然となる。

「【鑑定】! アイテム名『火竜の鱗』、レア度Sランク。品質★★★★★(ファイブスター)だと!?」

 ギルドマスターがドラゴンの鱗に向かって【鑑定】の魔法を発動させた。彼は鑑定結果を驚愕と共に口にする。

「ま、間違いなねぇ。これは紛れもなく、生きたドラゴンから剥ぎ取った鱗だ。品質は最高ランク! 値段は10万ゴールドをつけさせてもらうぜ!」

 冒険者たちから「おお──っ」という感嘆の声が上がる。
 私もまさか、こんな高値がつくとは思わなかった。

「魔物素材は死体から剥ぎ取ると、品質が著しく落ちる。殺さずに剥ぎ取るのが理想だと言われてはいるが……生きたドラゴンから取った鱗なんて、初めて見たぜ」

 ライナスさんが、声を震わせていた。

「アルフィン様、やりましたね! これもすべて、魔物に慈愛をしめされたアルフィン様のご人徳の賜物です。私も家臣として、鼻が高いです!」

 ティファも興奮している。

「兄さん、こりゃまいったね。あたしたちが束になっても生きたドラゴンの鱗なんて、手に入れられないよ。
 にゃははは……アルフィンちゃんは、登録初日でSランク認定かな」

 フィーナさんが、引きつった笑みを浮かべて頬を掻いた。

「フィーナ、規則を忘れたか? クエストクリアの実績が無ければ昇級はできねぇから、それはねぇよ。
 だが、これだけの激レア素材を手に入れるのはSランク冒険者でも難しいのは事実だ。
 それにしても、怪我をしたドラゴンを助けた? もしかして、この黒い回復薬(ポーション)でか?」

「うぅ~ん……は、はい、そうです。でも、私ひとりの力ではないです。お父様が協力してくれたので……」

 本当は【闇回復(ダークヒール)】を使ってドラゴンを助けたのだけど。闇魔法について話すのは避けた。闇魔法は魔族の使うモノだからだ。

「お父様? アルフィン嬢ちゃんは実家を追放されたんじゃなかったのか?」

 ライナスさんが不思議そうに尋ねてくる。

「じ、実は育てのお父様とは別の、血の繋がったお父様と出会いまして……今は本当のお父様のところに身を寄せています」

「ドラゴンを助けちゃうなんて、剛毅なお父さんだね。もしかして、名の通った冒険者だとか? 今度、紹介してよ」

 フィーナさんが、人懐こっい笑みを浮かべる。

「……お、お父様は人間嫌いなので難しいかも知れませんが。今度、尋ねてみます」

 ランギルスお父様の顔を知っている人がいる可能性もあるので、あまりおいそれと紹介する訳にはいかない。
 若いフィーナさんなら、大丈夫だとは思うけど……

「やったぁ! ねぇ、アルフィンちゃん、私と友達になってよ。同い年くらいで、冒険者をやっている女の子なんて、滅多にいなくてさ。この街に滞在するなら、いろいろ案内してあげるね」

「えっ……ほ、ホントですか? 私、友達は、ほとんどいたことが無かったので、う、うれしいです」

「アルフィン様……っ。人間と仲良くするのはよろしいのですが、正体を知られないようにご注意下さい」

 ティファが小声で、そっと耳打ちしてきた。

「もしバレたら、この街から追い出された上に、冒険者でいられなくなりますよ」

「そ、そうでした……」

 あまり正直にしゃべりすぎないように自重しなくては……

「ほ、他にも魔物素材があるので、見ていただきたいのですが」

「おう。ぜひ、頼むぜって……なんじゃこりゃ!」

 ギルドマスターは、鞄から出てきた素材の数々を食い入るように見つめた。そして、片っ端から【鑑定】の魔法をかける。

「ホワイトウルフの体毛、クマクマベアーの爪、ビックラビットのウール……!? し、しかも、どれも生きた魔物から手に入れた素材、最高品質だぞ!?」

 ギルドマスターはトータルで、私の手に入れた素材に20万ゴールドの値段をつけてくれた。
 予想外の高値だったので、私は二つ返事で承諾した。これでまた、魔王城に新しい施設を追加できる。

 気絶していたジェイクさんも、【闇回復魔法(ダークポーション)】で回復して目を覚ました。

「……あれ、俺、眠っていた? あっ、マスター?」

「ふむ。やはり、この黒い回復薬(ポーション)の効果はテキメンだな。ご苦労だったジェイク、とりあえず奥で休め」

「は、はぁ。アレ、そう言えば試験は……?」

 ジェイクさんは、状況を飲み込めていないようだった。

「ジェイクさん、ご指導ありがとうございました!」

「お、おう……」

 私が頭を下げると、ジェイクさんは目をパチクリさせた。

 続けてティファの登録試験が行われた。
 的に得意な攻撃を当てて、その攻撃力を計測するというものだ。
 みんなが見守る中、ティファは意気揚々と告げる。

「コレに当てれば良いんですね? わかりました」

 ティファは抜刀と同時に、剣に炎の魔法を付与(エンチャント)、一気に振り抜く。

「鳳凰剣!」
 
 剣に絡みつく炎が、翼を広げた鳳凰のような形に見えた。
 鳳凰剣を叩きつけられた的は、砕け散った上に消し炭に変わった。

「ダメージ5000以上、そ、測定不能……!」

 計測装置を見ていた受付嬢が、息を飲む。 

「「おおっ──!」」

「攻撃力だけなら、Sランク近いじゃねぇか。こりゃまた、とんでもない新人が現れたな……」

「私たちの目的は冒険者狩りです。ギルドマスター、何か情報があったら教え下さい」

 ティファが剣を納めながら、ギルドマスターに尋ねる。

「そいつは、俺が聞きたいくらいだが。夜、人気の無い場所で襲撃してくるんで、目撃情報も乏しくてな。生きて帰ったヤツと言えば、フィーナくらい……」
 
「……あっ、フィーナさんは冒険者狩りに襲われて重傷を負ったのですよね? 犯人はどんな人でした?」

 私の質問にギルド中の注目がフィーナさんに集まる。

「ああっ。顔を隠していたけど、特徴のある尖り耳でわかったね。犯人はエルフだったよ」

「エルフが犯人ですって!?」

 ティファが大声を上げて、フィーナさん詰め寄った。
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