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3章。魔王城、攻防戦
37話。エピローグ
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聖騎士団は全員、武装解除され縄で拘束された。
重症を負った者はいたが、死人は出なかった。
「あなたがたの総大将、聖女シルヴィアは捕らえました。もしこれ以上、抵抗されるようなら、わかっていますね?」
ヴィクトルが涼しい顔をして脅す。シルヴィアは魔王城の地下牢獄に連行されていった。
「ああっ、わかっている。我らの負けだ……」
聖騎士団の前に立ったロイドお父様が、うなだれた。彼も武器を奪われて丸腰状態だった。
「しかし、まさか、これだけの戦いで死者がゼロとは」
「ダメージ床もショックカノンも、非殺傷兵器です。魔物たちにも、なるべく人を殺さないようにお願いしていました」
私の言葉にロイドお父様たちは、ポッカーンとなった。
「なぜ、そんなことを……?」
「シルヴィアを捕らさえすれば、戦いは終わると思ったのと。人間と魔物の和睦は、お母様の悲願でもありましたから。
将来的にこれを実現するために、なるべく犠牲を出さずに勝つ必要があったんです」
私の言葉に聖騎士たちが、ざめわめき出した。
「やはり、アルフィンお嬢様こそ、真の聖女なのではないか?」
「ロイド様を殺さずに救ったし……とても魔王の眷属とは思えん」
「アルフィン様となら、本当の平和が築けるやも!」
彼らの顔に希望が灯る。
「わかったアルフィン……その言葉、聖王陛下にお伝えしよう。我らを生かして帰してくれたこと。感謝する」
ロイドお父様が、神妙な表情で頭を垂れた。お父様が王族以外に頭を下げるところなど、初めて見た。
「もっとも、聖王陛下が納得するかは、わからぬ。この城には、さらに軍勢が差し向けられるやもしらないが。それでも、俺たちを生かして帰すのか?」
「その時までに、私の魔王城は、もっともっと強化します。やがて、誰もが戦いを挑むだけ無駄だと思ってくれる日まで」
今回、聖騎士団から奪った武装がある。これをお金に替えて、さらに魔王城の施設や兵器を作るつもりだった。
多分、今回獲得できるお金は100万ゴールド以上になるんじゃないかと思う。
ようやく書庫も設置できるわ。
「なにより、アルフィン様には私たちがついています。絶対に負けません!」
ティファが鼻息も荒く宣言した。
「そうだな。それに俺はアルフィンほど甘くない。もし、アルフィンを脅かす者がいたら容赦なく殲滅する。
貴様らは今回、たまたま運が良かっただけだと思え」
ランギルスお父様が険しい表情で告げると、聖騎士たちは縮み上がった。
「無論だランギルス。アルフィンのことをよろしく頼む」
ロイドお父様が発した意外な言葉に、私は息を飲んだ。
「ミリアの理想。人と魔物の和睦など不可能だと、俺はバカにしていた。だが、アルフィンならできるやも知れぬ……」
「お前の口からそんな言葉が出るとはな、勇者ロイド」
「俺は危うく天使に意識を乗っ取られるところだった。その俺を……部下たちを殺さず救ってくれたこと感謝する」
勇者が魔王に感謝するという有り得ない光景が、そこに出現した。
「お父様、どうかお達者で……」
「これで二度目の別れだな。ああっ、アルフィン、良く見れば本当にお前は若い頃のミリアにそっくりだ。ミリアは俺の太陽だった……
もう2度とお前に剣を向けたりはしない。例え、誰の命令でもな」
ロイドお父様は微笑した。
「それとお前の願い通り、エンジェル・ダストの開発は破棄することを約束しよう。被験体として捕らえたエルフも、すべて解放する。あれは人が手を出して良いモノではなかった……」
天使に意識を乗っ取られそうになったことは、ロイドお父様にとって相当なトラウマになったようだ。
ロイドお父様はうなだれると、聖騎士団を引き連れて去っていた。
私はその背中を見送った。
「アルフィンお嬢様、捕らえた聖女シルヴィアでありますが。天使を召喚されると厄介です。
闇魔法【呪縛(カースバインド)】で、天使を召喚したら死ぬという呪いをかけましょう。その上で、魔王城の下働きとして一生こき使うのが、よろしいかと……」
ヴィクトルが提案してくる。
シルヴィアの処遇については悩んでいたが、それが良いかも知れない。
「わかりました。人質として、牢屋にずっと閉じ込めておくのもかわいそうですし、そうしてください」
「承りました。この私めが、聖女シルヴィアをアルフィン様に絶対服従する下女に教育いたしましょう」
ニヤリとヴィクトルは自信ありそうに笑った。
何か不穏なモノを感じたけれど、多分、大丈夫だろう。それよりも、緊張から解放されて、お腹が猛烈に空いてきた。
「じゃあ、みんな今日は勝利の宴ね!」
「「魔王アルフィン様、バンザーイ!」」
最大の危機を乗り越えて、魔物たちは喜びの声を上げた。
エルフたちが楽器を打ち鳴らす。
魔王城の盛大な宴が、始まった。
重症を負った者はいたが、死人は出なかった。
「あなたがたの総大将、聖女シルヴィアは捕らえました。もしこれ以上、抵抗されるようなら、わかっていますね?」
ヴィクトルが涼しい顔をして脅す。シルヴィアは魔王城の地下牢獄に連行されていった。
「ああっ、わかっている。我らの負けだ……」
聖騎士団の前に立ったロイドお父様が、うなだれた。彼も武器を奪われて丸腰状態だった。
「しかし、まさか、これだけの戦いで死者がゼロとは」
「ダメージ床もショックカノンも、非殺傷兵器です。魔物たちにも、なるべく人を殺さないようにお願いしていました」
私の言葉にロイドお父様たちは、ポッカーンとなった。
「なぜ、そんなことを……?」
「シルヴィアを捕らさえすれば、戦いは終わると思ったのと。人間と魔物の和睦は、お母様の悲願でもありましたから。
将来的にこれを実現するために、なるべく犠牲を出さずに勝つ必要があったんです」
私の言葉に聖騎士たちが、ざめわめき出した。
「やはり、アルフィンお嬢様こそ、真の聖女なのではないか?」
「ロイド様を殺さずに救ったし……とても魔王の眷属とは思えん」
「アルフィン様となら、本当の平和が築けるやも!」
彼らの顔に希望が灯る。
「わかったアルフィン……その言葉、聖王陛下にお伝えしよう。我らを生かして帰してくれたこと。感謝する」
ロイドお父様が、神妙な表情で頭を垂れた。お父様が王族以外に頭を下げるところなど、初めて見た。
「もっとも、聖王陛下が納得するかは、わからぬ。この城には、さらに軍勢が差し向けられるやもしらないが。それでも、俺たちを生かして帰すのか?」
「その時までに、私の魔王城は、もっともっと強化します。やがて、誰もが戦いを挑むだけ無駄だと思ってくれる日まで」
今回、聖騎士団から奪った武装がある。これをお金に替えて、さらに魔王城の施設や兵器を作るつもりだった。
多分、今回獲得できるお金は100万ゴールド以上になるんじゃないかと思う。
ようやく書庫も設置できるわ。
「なにより、アルフィン様には私たちがついています。絶対に負けません!」
ティファが鼻息も荒く宣言した。
「そうだな。それに俺はアルフィンほど甘くない。もし、アルフィンを脅かす者がいたら容赦なく殲滅する。
貴様らは今回、たまたま運が良かっただけだと思え」
ランギルスお父様が険しい表情で告げると、聖騎士たちは縮み上がった。
「無論だランギルス。アルフィンのことをよろしく頼む」
ロイドお父様が発した意外な言葉に、私は息を飲んだ。
「ミリアの理想。人と魔物の和睦など不可能だと、俺はバカにしていた。だが、アルフィンならできるやも知れぬ……」
「お前の口からそんな言葉が出るとはな、勇者ロイド」
「俺は危うく天使に意識を乗っ取られるところだった。その俺を……部下たちを殺さず救ってくれたこと感謝する」
勇者が魔王に感謝するという有り得ない光景が、そこに出現した。
「お父様、どうかお達者で……」
「これで二度目の別れだな。ああっ、アルフィン、良く見れば本当にお前は若い頃のミリアにそっくりだ。ミリアは俺の太陽だった……
もう2度とお前に剣を向けたりはしない。例え、誰の命令でもな」
ロイドお父様は微笑した。
「それとお前の願い通り、エンジェル・ダストの開発は破棄することを約束しよう。被験体として捕らえたエルフも、すべて解放する。あれは人が手を出して良いモノではなかった……」
天使に意識を乗っ取られそうになったことは、ロイドお父様にとって相当なトラウマになったようだ。
ロイドお父様はうなだれると、聖騎士団を引き連れて去っていた。
私はその背中を見送った。
「アルフィンお嬢様、捕らえた聖女シルヴィアでありますが。天使を召喚されると厄介です。
闇魔法【呪縛(カースバインド)】で、天使を召喚したら死ぬという呪いをかけましょう。その上で、魔王城の下働きとして一生こき使うのが、よろしいかと……」
ヴィクトルが提案してくる。
シルヴィアの処遇については悩んでいたが、それが良いかも知れない。
「わかりました。人質として、牢屋にずっと閉じ込めておくのもかわいそうですし、そうしてください」
「承りました。この私めが、聖女シルヴィアをアルフィン様に絶対服従する下女に教育いたしましょう」
ニヤリとヴィクトルは自信ありそうに笑った。
何か不穏なモノを感じたけれど、多分、大丈夫だろう。それよりも、緊張から解放されて、お腹が猛烈に空いてきた。
「じゃあ、みんな今日は勝利の宴ね!」
「「魔王アルフィン様、バンザーイ!」」
最大の危機を乗り越えて、魔物たちは喜びの声を上げた。
エルフたちが楽器を打ち鳴らす。
魔王城の盛大な宴が、始まった。
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