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第六話 掃除
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「さて、あたいは今日も魂を回収しなきゃいけないから死体をとってきてちょうだい!」
死神ちゃんは私に命令する。死体の回収は問題ないのだが彼女はその間どうするつもりなのだろう。私の疑問を見透かしたように彼女は続ける。
「あたしはその間にこの部屋を片付けて買い物にいくから。死体はよろしくね?」
にこにこと話す彼女。特に問題ないように思えた。だが私はちょっとした問題に気がついた。彼女の着ているワンピースはフリルがたっぷり付いている、いわゆるゴスロリと言った部類のものなのだ。この服はこの辺りでは目立ってしまう。どうしたものか。
私は死神ちゃんに文句を言われながらクローゼットの中をひっくり返してあるものを探した。出来上がった洋服、というかジャージの山の中からサイズアウトしたものの可愛いからと捨てていなかったワンピースを見つけ出した。真っ黒でシンプルで可愛らしいワンピース。さっそく死神ちゃんに着てもらう。
「うん。やっぱり似合ってるよ!!」
くるくると回る死神ちゃんに声をかける。
「落ち着かないわ」
「だろうね。まあそのうち慣れるから。お外に出る時だけでもそれ着ておいて」
そういうとむすぅっとされたがこの生活を守るため仕方ないのだ。私は彼女の頭を撫でてから一階におりる。ワンピースを探している時に見つけた黒いリボンで髪をまとめる。スニーカーを履き、玄関を出る。さあ、仕事だ。
一方そのころ死神ちゃんは元の服に着替えてひとまず2階を大掃除していた。クローゼットに入っていた服は黒の半袖Tシャツが5枚、長袖が5枚、黒の短パンが5本、黒の長ズボンが5本と全て黒なのだ。おそらく返り血が目立たないからだろう。丁寧に畳んで種類ごとに分けて収納する。
どこにしまったかラベルを貼ろうかとも考えたが貼らなかったらあたしに聞いてくれる、つまり構ってくれる時間が増えるのでそのままにした。
「あたしは可愛い姉さんが大好きなんだからちょっとぐらい構ってもらってもいいよね」
幼い彼女は誰かに許可を求めるように呟いた。だが部屋にいるのは一人。誰も許可なんかくれやしない。自分で責任を持って決めるしかないのだ。
「姉さんのためにおうちを綺麗にしたら許されるかな?」
不安げに呟きながら彼女は掃除の続きをする。窓を全開にして、埃っぽい部屋の空気を入れかえる。ほうきで床のゴミをはらったあと、固く絞った濡れ雑巾で床を拭く。
端から端まで勢いよく駆ける、駆ける、転ける。しめった床で足を滑らして顔面を強く打ち付けてしまった。思わず涙目になる。それでも彼女はめげずに部屋中に雑巾をかけてピカピカにした。
「これでいいかな?」
死神ちゃんは綺麗になった部屋にこぼした。
死神ちゃんは私に命令する。死体の回収は問題ないのだが彼女はその間どうするつもりなのだろう。私の疑問を見透かしたように彼女は続ける。
「あたしはその間にこの部屋を片付けて買い物にいくから。死体はよろしくね?」
にこにこと話す彼女。特に問題ないように思えた。だが私はちょっとした問題に気がついた。彼女の着ているワンピースはフリルがたっぷり付いている、いわゆるゴスロリと言った部類のものなのだ。この服はこの辺りでは目立ってしまう。どうしたものか。
私は死神ちゃんに文句を言われながらクローゼットの中をひっくり返してあるものを探した。出来上がった洋服、というかジャージの山の中からサイズアウトしたものの可愛いからと捨てていなかったワンピースを見つけ出した。真っ黒でシンプルで可愛らしいワンピース。さっそく死神ちゃんに着てもらう。
「うん。やっぱり似合ってるよ!!」
くるくると回る死神ちゃんに声をかける。
「落ち着かないわ」
「だろうね。まあそのうち慣れるから。お外に出る時だけでもそれ着ておいて」
そういうとむすぅっとされたがこの生活を守るため仕方ないのだ。私は彼女の頭を撫でてから一階におりる。ワンピースを探している時に見つけた黒いリボンで髪をまとめる。スニーカーを履き、玄関を出る。さあ、仕事だ。
一方そのころ死神ちゃんは元の服に着替えてひとまず2階を大掃除していた。クローゼットに入っていた服は黒の半袖Tシャツが5枚、長袖が5枚、黒の短パンが5本、黒の長ズボンが5本と全て黒なのだ。おそらく返り血が目立たないからだろう。丁寧に畳んで種類ごとに分けて収納する。
どこにしまったかラベルを貼ろうかとも考えたが貼らなかったらあたしに聞いてくれる、つまり構ってくれる時間が増えるのでそのままにした。
「あたしは可愛い姉さんが大好きなんだからちょっとぐらい構ってもらってもいいよね」
幼い彼女は誰かに許可を求めるように呟いた。だが部屋にいるのは一人。誰も許可なんかくれやしない。自分で責任を持って決めるしかないのだ。
「姉さんのためにおうちを綺麗にしたら許されるかな?」
不安げに呟きながら彼女は掃除の続きをする。窓を全開にして、埃っぽい部屋の空気を入れかえる。ほうきで床のゴミをはらったあと、固く絞った濡れ雑巾で床を拭く。
端から端まで勢いよく駆ける、駆ける、転ける。しめった床で足を滑らして顔面を強く打ち付けてしまった。思わず涙目になる。それでも彼女はめげずに部屋中に雑巾をかけてピカピカにした。
「これでいいかな?」
死神ちゃんは綺麗になった部屋にこぼした。
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