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ユキと千夜 気に食わないけど実力は認めてるケンカップル
全員が1500mの持久走をするまで出れない部屋
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「次は何の部屋?」
「なんかトラックがある」
部屋の中央には陸上用と思われるトラックが描かれている。
大きさは一般的な規格の一周400mだろう。
「カード発見。……走るのか」
今回は1500mを走るまで出れない部屋らしい。
しかも全員。
つまりユキも走る必要がある。
「走りたくない……」
「だよね」
私一人なら余裕だがユキが走るとなると話が違う。
ユキは驚くほど動けない。
体育の持久走もあれやこれやと理由をつけて一回も走っていない。
というかまともに体育の授業を受けているところを見たことがない。
教室までの階段で瀕死になっているユキが持久走……本当に死んでしまいそうだ。
「あ、そうだ」
「ユキ、どうしたの?」
何か思いついたらしい。
「カードさん。私たちがそれぞれ何メートル走ったかのカウントを出してくれる?」
カードから文字が浮かび上がった。
それぞれ0/1500となっている。
「走れないなら歩けばいい!」
「1500m歩けるのかさえ怪しいと思うけど」
「大丈夫だよ!」
そう言ってカードを持ったユキがトラックの上を歩き始めた。だが。
「カウントが進んでいない」
「一定以上の速さを出さないとカウントされないみたいだね」
失敗に終わってしまった。
残念だ。ユキには頑張って走ってもらおう。
「あ、もしかしたら一定の速度以上で動いていたらOKなのかもしれない」
「だからどうしたの?」
「千夜が僕を持って1500m走れば良い!」
「ご自慢の頭は故障中か?」
それ行ける訳がない。
全然走っていない。
歩くほうがマシだと思う。
「何事も実験して見なければわからない。さぁ私を運びなさい!」
「わかったよ」
僕はユキの膝裏と背中を支えて抱きかかえた。
ユキは思った以上に軽い。
内臓が詰まっているか怪しい。
「落ちないように捕まっといてよ」
軽く走ってみる。
意外と走れるものだ。
ユキが軽いおかげかもしれない。
「判定はOKみたいだよ。カウントが進んでる」
「なんで歩いちゃ駄目で運ぶのは良いんだよ」
「それはこの空間に聞いて。でもその前にさっさと1500走っちゃって」
「はいはい」
そのまま1500mを走り切り、無事に部屋を脱出した。
「なんかトラックがある」
部屋の中央には陸上用と思われるトラックが描かれている。
大きさは一般的な規格の一周400mだろう。
「カード発見。……走るのか」
今回は1500mを走るまで出れない部屋らしい。
しかも全員。
つまりユキも走る必要がある。
「走りたくない……」
「だよね」
私一人なら余裕だがユキが走るとなると話が違う。
ユキは驚くほど動けない。
体育の持久走もあれやこれやと理由をつけて一回も走っていない。
というかまともに体育の授業を受けているところを見たことがない。
教室までの階段で瀕死になっているユキが持久走……本当に死んでしまいそうだ。
「あ、そうだ」
「ユキ、どうしたの?」
何か思いついたらしい。
「カードさん。私たちがそれぞれ何メートル走ったかのカウントを出してくれる?」
カードから文字が浮かび上がった。
それぞれ0/1500となっている。
「走れないなら歩けばいい!」
「1500m歩けるのかさえ怪しいと思うけど」
「大丈夫だよ!」
そう言ってカードを持ったユキがトラックの上を歩き始めた。だが。
「カウントが進んでいない」
「一定以上の速さを出さないとカウントされないみたいだね」
失敗に終わってしまった。
残念だ。ユキには頑張って走ってもらおう。
「あ、もしかしたら一定の速度以上で動いていたらOKなのかもしれない」
「だからどうしたの?」
「千夜が僕を持って1500m走れば良い!」
「ご自慢の頭は故障中か?」
それ行ける訳がない。
全然走っていない。
歩くほうがマシだと思う。
「何事も実験して見なければわからない。さぁ私を運びなさい!」
「わかったよ」
僕はユキの膝裏と背中を支えて抱きかかえた。
ユキは思った以上に軽い。
内臓が詰まっているか怪しい。
「落ちないように捕まっといてよ」
軽く走ってみる。
意外と走れるものだ。
ユキが軽いおかげかもしれない。
「判定はOKみたいだよ。カウントが進んでる」
「なんで歩いちゃ駄目で運ぶのは良いんだよ」
「それはこの空間に聞いて。でもその前にさっさと1500走っちゃって」
「はいはい」
そのまま1500mを走り切り、無事に部屋を脱出した。
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