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微妙な成績
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エロ垢作成未遂から一週間、長い長い中間考査が終わった。
なんやかんやで終わった中間テストの結果は微妙だった。
さして良い成績でもなく、特別悪い成績でもなく、少し順位を落としただけに終わった。
勉強に対してそれほどやる気はなく、かといって遊び呆けるほど気にしていない訳でもない。
ダラダラとローペースに教科書と戯れているうちにテストが終わっていた。
なんの手応えもなかった。一切の後悔もなかった。
海の上で、一人浮かんでいるような感覚のまま時間が過ぎていった。
テストの返却中に調子のいい男子たちが点数を比べあい騒いでいた。
いつもなら鬱陶しい、邪魔くさい、くらいは考えた。
けれど今回は縁側で孫を見守る老婆のように元気そうだなとしか思わなかった。
「俺45点」
「うわ負けた。俺42点」
どちらも赤点ギリギリじゃないかというツッコミも浮かばなかった。
周りの野次でようやくそのことに気がついても、なんの感想も出なかった。
身の回りで起きるほとんどの事象が遠く離れた地の御伽噺のように聞こえた。
心は凪いで、つまらない平穏を生み出していた。
「俺93点だった」
野次の中にときどき混じる元カレの声だけが私の感情を揺さぶる。
彼の自慢げで、楽しそうな声が私の中に眠っていた怒りを燃やさせた。
あんなクズ野郎がのうのうと生きてなんでもないように生活していることへの憎しみ。
アイツは何も気にしていないのに、私はこうも傷ついていることへの怒り。
腹の底からドス黒いものが溢れ出す。
どうして私はこれだけ苦しんでいるのにアイツはなんともない?
どうして彼は何も傷付かず、いつものように高得点を取っているのに私はこれほど傷付き点数を落としているの?
どうして、どうして、どうして。どうしてアイツは幸せに生きている?
のうのうと生きてる彼が憎らしく、腹立たしく、許せない。
腹の底からあふれた感情はアイツへと矛先を向けて膨れ上がる。
膨れ上がって、膨れ上がって、けれどアイツにぶつけることができずに私を苦しめる。
この場で彼を罵り糾弾することができればどんなによかっただろうか。
実際の私は机につっぷし宙をにらむことしかできないけれど、今彼の胸倉を掴み、大声で今までの悪事を叫び、あの脂肪の詰まった腹を殴って、蹴って、吐くまで潰して、殺してやりたい。
いや、殺す前に内臓を引き摺り出してカッターで微塵切りにしてやりたい。
どうせ彼のことだ。リスカ用のカッターの一つや二つ持っているに違いない。
いや、やっぱり切り刻むよりも擦り潰す方がいいか。切られるのは慣れているかもしれない。
内臓を潰して、関節を破壊し、全身を骨の数と同じくらいにバラして潰す。
それくらいのことはやってやりたい。いや、それでも私の傷と比べれば浅いだろう。
どんなに彼を傷つけ苦しめて殺そうとも満足できそうにない。
どれだけ彼が痛めつけられたところで私の頭の中で彼は暴れ、浮気されたことを思い出させる。
けれど、彼をこの教室またはこの学校、この世界から排除するだけでも少しは生きやすくなる気がする。
彼のことを思い出す頻度も減るだろうし、彼の存在も忘れやすくなる気がする。
彼さえここからいなくなれば、いつかは私も「あんなこともあったね」と笑い話にできるかもしれない。
一番いいのは彼が勝手に問題を起こして、勝手に処分されて、勝手に退学になることだ。
未成年飲酒か不純異性交遊かなんかやらかして退学しそうな気もする。
でも無駄に賢いからバレずにやりやがるかもしれない。
そもそも退学になるとしてそれがいつになるかわからない。
そう考えるとやっぱり直接手を下した方がいいんじゃないかと思ってしまう。
たとえ、自分自身が罪に問われようとも私は彼を傷つけたいし殺したい。
故意に相手を傷付けようと思ったのはこれが初めてな気がする。
腹の底が煮え繰り返るような怒りと冷や水を浴びたように冷静に思考する理性が同時に存在して頭が割れそうだ。
私は60点の解答用紙を握りつぶした。
なんやかんやで終わった中間テストの結果は微妙だった。
さして良い成績でもなく、特別悪い成績でもなく、少し順位を落としただけに終わった。
勉強に対してそれほどやる気はなく、かといって遊び呆けるほど気にしていない訳でもない。
ダラダラとローペースに教科書と戯れているうちにテストが終わっていた。
なんの手応えもなかった。一切の後悔もなかった。
海の上で、一人浮かんでいるような感覚のまま時間が過ぎていった。
テストの返却中に調子のいい男子たちが点数を比べあい騒いでいた。
いつもなら鬱陶しい、邪魔くさい、くらいは考えた。
けれど今回は縁側で孫を見守る老婆のように元気そうだなとしか思わなかった。
「俺45点」
「うわ負けた。俺42点」
どちらも赤点ギリギリじゃないかというツッコミも浮かばなかった。
周りの野次でようやくそのことに気がついても、なんの感想も出なかった。
身の回りで起きるほとんどの事象が遠く離れた地の御伽噺のように聞こえた。
心は凪いで、つまらない平穏を生み出していた。
「俺93点だった」
野次の中にときどき混じる元カレの声だけが私の感情を揺さぶる。
彼の自慢げで、楽しそうな声が私の中に眠っていた怒りを燃やさせた。
あんなクズ野郎がのうのうと生きてなんでもないように生活していることへの憎しみ。
アイツは何も気にしていないのに、私はこうも傷ついていることへの怒り。
腹の底からドス黒いものが溢れ出す。
どうして私はこれだけ苦しんでいるのにアイツはなんともない?
どうして彼は何も傷付かず、いつものように高得点を取っているのに私はこれほど傷付き点数を落としているの?
どうして、どうして、どうして。どうしてアイツは幸せに生きている?
のうのうと生きてる彼が憎らしく、腹立たしく、許せない。
腹の底からあふれた感情はアイツへと矛先を向けて膨れ上がる。
膨れ上がって、膨れ上がって、けれどアイツにぶつけることができずに私を苦しめる。
この場で彼を罵り糾弾することができればどんなによかっただろうか。
実際の私は机につっぷし宙をにらむことしかできないけれど、今彼の胸倉を掴み、大声で今までの悪事を叫び、あの脂肪の詰まった腹を殴って、蹴って、吐くまで潰して、殺してやりたい。
いや、殺す前に内臓を引き摺り出してカッターで微塵切りにしてやりたい。
どうせ彼のことだ。リスカ用のカッターの一つや二つ持っているに違いない。
いや、やっぱり切り刻むよりも擦り潰す方がいいか。切られるのは慣れているかもしれない。
内臓を潰して、関節を破壊し、全身を骨の数と同じくらいにバラして潰す。
それくらいのことはやってやりたい。いや、それでも私の傷と比べれば浅いだろう。
どんなに彼を傷つけ苦しめて殺そうとも満足できそうにない。
どれだけ彼が痛めつけられたところで私の頭の中で彼は暴れ、浮気されたことを思い出させる。
けれど、彼をこの教室またはこの学校、この世界から排除するだけでも少しは生きやすくなる気がする。
彼のことを思い出す頻度も減るだろうし、彼の存在も忘れやすくなる気がする。
彼さえここからいなくなれば、いつかは私も「あんなこともあったね」と笑い話にできるかもしれない。
一番いいのは彼が勝手に問題を起こして、勝手に処分されて、勝手に退学になることだ。
未成年飲酒か不純異性交遊かなんかやらかして退学しそうな気もする。
でも無駄に賢いからバレずにやりやがるかもしれない。
そもそも退学になるとしてそれがいつになるかわからない。
そう考えるとやっぱり直接手を下した方がいいんじゃないかと思ってしまう。
たとえ、自分自身が罪に問われようとも私は彼を傷つけたいし殺したい。
故意に相手を傷付けようと思ったのはこれが初めてな気がする。
腹の底が煮え繰り返るような怒りと冷や水を浴びたように冷静に思考する理性が同時に存在して頭が割れそうだ。
私は60点の解答用紙を握りつぶした。
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