完全超悪 ~おまえたちを殺せるのなら、俺は悪にだって染まろう~

枯井戸

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ジャスティス・イズ・アンストッパブル

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 女性に言われるがまま茶屋の2階へ上がり、部屋に入ると、そこには──


「ほ、ほんじつは……ごご、御指名、まこ、誠に、あ、ありがとう、ございました……」


 俺と同級生くらいの女子が、色鮮やかな着物を着て、こちらに深々とお辞儀をしていた。
 俺の頭の中が、疑問符でいっぱいになる。
 どういうことだ? 意味が分からん。
 なぜこの桂美里と思しき女子は、着物を着ているのか。なぜこの桂美里と思しき女子は、深々と俺に頭を下げているのか。
 なぜこの桂美里と思しき女子は、小刻みに体を震わせているのか。


「……あの、もしかして、冬浜市立第2中の、桂美里……?」


 長い沈黙を破り、最初に声を発したのは俺だった。
〝冬浜市立第2中〟に反応したのか、〝桂美里〟という名前に反応したのか、目の前の女子はひときわ大きく体をビクッと震わせると「は、はい……」とだけ答えた。
 やっぱりだ。
 俺の勘は当たっていた。あの時、孤児院で黒服たちに拘束され、車に乗せられたのはユナの友達の、桂美里だったんだ。


「ユナって知ってるか? 大春由奈。あんたの友達だって、ユナから聞いたんだが……」


 俺がそれを言うと、桂はここで初めて顔を上げて俺を見た。


「ひっ!? だ、誰……!?」


 しかし桂は俺の顔を見るなり、怯えきったような表情で俺を見た。
 そりゃそうか。いきなりこんなナリのやつが現れたら、そりゃビビるのも当たり前だ。
 とはいえ、こんなところで変身を解除することもできない。
 俺は人差し指を仮面の口部分にあてると、「シー」と音を出して、ジェスチャーを送った。


「大丈夫、怯えなくていい。俺はユナに言われてあんたを助けに来た者だ」

「も、もしかしてあなた……ジャスティス・カケル?」

「驚いた。知ってるのか、俺のことを」

「う、うん。だってあなた……有名人だから……」


 有名人、か。
 ふふん。
 まあ? 悪い気はしないよな?


「それにしても、あなた、どうやってここへ? ここへは会員じゃなと入れないって聞いたけど……」

「あんたが孤児院で拘束されて、車に押し込められてたところをたまたま見ててな、それでそのまま追ってきた」

「そんな力技で……」

「それで、ここはどういう所なんだ? 俺はあんたを助けてもいいのか?」

「あ、あなた……もしかして、ここがどういうところなのか知らないで来たの?」

「『知らないの?』てことは、あんたはここがどこか知ってるんだよな? 教えてくれ、ここは何なんだ? 山の中に変な街があるし、変に古風だし……」

「わ、わかった。……じゃあ、とりあえず、こうやって話しているだけだと怪しまれるから、そこで一緒に座りましょう」


 そう言って、桂が指さしたのは部屋の中央に敷かれている布団だった。
 しかし、どう見ても一人用でしかない。それによく見たら、ここの部屋自体すこし薄暗くて、なんかお香も炊いてて、灯りもピンクだし、なんだ、この空間は!?


「お、おい、もしかして、一緒に座るって、あの布団の上で至近距離で座るって事じゃないだろうな?」

「は? なに言って……あ、もしかして、ここがどういう所か知らないで入ってきたの?」

「いや、ここはあれだろ? 遊ぶところだろ?」


 俺がそう言うと、桂はこれ見よがしに深いため息をついてきた。なんて失礼な奴だ。


「……じゃあ、何をして遊ぶところなの?」

「何って……トランプとか、あとはオセロとか?」

「あなた童貞?」

「──ド!? ドド、ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!」

「はぁ……ま、その反応見たらまるわかりね……」

「い、いやいや、中学生なんだから、逆に普通だろ!」

「ちょっと待って、あなた……ジャスティス・カケルって中学生なの!?」

「中学生だよ!」

「う、うそ……マジで……?」

「ああ! つか、俺の事をその……童貞だって馬鹿にするんだったら、あんたは……桂はどうなんだよ!」

「どうって……何がよ」

「桂は童て……処女かって訊いてんだよ」

「あ、あたしは……さっきまで捨てる覚悟してたわよ」

「捨てる覚悟って……」


 ちょっと待て。
 捨てるとか捨てないとか。
 今まで話を総合すると、これって……この施設って、そういう所だよな?
〝ナニ〟をするところ、なんだよな?


「──その様子、ようやく理解したようね、ここがどういう所なのか」

「いやいや、ちょっと待て。わかったっちゃあ、わかったけど……おまえ中学生だろ? なんでそんなやつが、こんな所で……その……は、働いてるんだよ! やばいだろ! まずいだろ! ダメだろ! いけませんよ!」

「ちょ、声大きいって」

「す、すまん……」

「だから、ここはそういう所なの。あたしみたいな、普通なら違法になるような年齢の子に客を取らせて、その、いろいろして、働かせて、お金を得る場所なの」

「ま、まじか……え? じゃあ……まじか……」


 混乱はしている。が、なんとなくだが、理解は出来てきた。腑に落ちてきた。
 ということは、さっきの女性が言っていた〝吉原〟も、つまりはそういう所なんだよな。しかも、ここよりももっとすごい場所って……そりゃ、行ってみた……くはないけど、すこしだけ気にはなるな。


「ちょっと? だらしない顔になってるんだけど?」

「か、仮面してるからわかるわけないだろ……!」

「わかるわよ。仮面の上からでも、エッチな顔してる」

「くっ……! す、すまん。なにぶんこういう場所は初めてで……!」

「まあ、中学生なら初めてなのが普通なんでしょうけど」

「とりあえず、ここがどういう場所かわかったよ」

「はいはい、よかったわね。……というか、本当にジャスティス・カケルって中学生だったんだ……」

「本当にって?」

「いや、周りの噂では背の低い男かおっさんか、ていう説が多くてね。でも、あたしは学生で、しかも中学生くらいなんじゃないかって」

「なるほど。だから、あんなに驚いてたのか」

「うん。まさか本当に当たってるなんて……しかも、だって、名前のセンスが……ねえ?」

「ちょ、名前のセンス云々は俺のせいじゃねえよ! 俺だってこんな名前嫌だわ! ほんとはデスKが良かったんだって!」

「デスK……って、あのアニメの?」

「お? もしかして知ってるのか? 珍しいな。同世代で、しかも女子であの作品を知ってるなんて」

「知ってるも何も……あれ、痛い人が見るアニメなんじゃないの?」

「そッ!? ……んなことはねえよ! 語ってやろうか? C.I.T.Dの魅力を! たっぷり一時間ほど!」

「い、いらないわよ……。それにそんなことしてる暇ないでしょ」

「それは……まぁ……そうだけど。とにかく、御覧の通り、ジャスティス・カケルはおまえと同じ中学生だ」

「ふぅん……それで、ここへは──」

「──いかがなさいましたかー?」


 突然、部屋の外から声が聞こえてきた。さっきの女性のとは違って、今度は男性の声だ。
 声の感じからして、部屋のすぐ外にいるのだろう。


「ちょ、ちょっと来て……!」


 桂に腕を掴まれ、強引に布団の中へと引きずり込まれる。
 布団の中は、なんというか、とても変な香りで、頭がくらくらするようなニオイで充満していた。そして俺がその変なニオイで目を回していると、突然、桂が俺の頭をぎゅっと抱き寄せてきた。俺はすぐさま桂を引きはがそうとしたが──「動かないで……!」と桂に釘を刺されてしまった。


「どうされましたか? その子はお気に召しませんでしたか?」


 再び部屋の外から男性の声が聞こえてくるが、もはやそんなことを考えている場合じゃなくなっていた。変な体勢、変な匂い、変な雰囲気に、俺の頭は爆発寸前になっていた。体が熱い。とりわけ、顔が熱い。脳が溶けて、鼻の穴から流れ出ているみたいだ。


「だ、だいじょうぶでーす! いますこしお姉ちゃんプレイをしてあげているのでー!」

「お、お姉ちゃんプレイ……!?」


 なんなんだ、その謎すぎるプレイは!?
 意味が分からんが、俺がお姉ちゃんという事でいいのか!?
 いや、弟は俺か!? 俺は本当に弟なのか?
 いや、俺は一人っ子だったじゃないか!
 なんだこれ!


「しっ……! ちょっと黙って……!」


 桂がより一層、腕に力を込めてくる。仮面越しだから微妙だけど、何か柔らかいものが当たっている気がする。なんだこれ。いや、なにかは大体わかっているんだけど、なんだこれ。


「──わかりました。初めてだからと言って、お客様に失礼なことをしてはいけませんよ。では、ごゆっくり……」


 再び男性の声が聞こえてくると、やがて足音とともにどこかへ去って行った。


「ご、ごめん、だいじょう……」


 桂の腕の力が緩む。おそらく、もう顔を出してもいいという事なのだろう。
 しかしまあ、仮面をしていてよかった。おそらく今の俺はどうしようもない顔になっているだろうからな。頭がぼーっとして、うまく思考が働かない。
 俺は布団から顔を出すと──


「ちょ、鼻血、鼻血……! 出てるから……! いっぱい! たくさん!」


 桂が大きく目を見開きながら、俺の仮面を素手でゴシゴシと拭ってくる。
 鼻血? もしかして──
 俺は急いで布団をはがし、その場で正座すると、仮面をぺたぺたと触った。
 すると、べっとりと生暖かいものが手に付いたのを感じた。俺はそれを恐る恐る見てみると──手のひらが真っ赤に染まっていた。


「てぃ、ティシュ、あるから……! ティシュ!」


 桂はそう言うと、枕元にあったティッシュ箱から大量のティッシュを抜き取り、俺の仮面に貼っていった。
 なんてこった。
 変身後の、強化された俺を出血させるなんて……桂、恐ろしい奴……!


 ◇


「──どうやら、血は止まったみたいね」


 血でパリパリに渇いたティッシュを、桂が丁寧にぺりぺりと剥がしていく。俺の鼻血が出てから数分後、血はすっかり止まっていた。


「それにしても、まさかその仮面、外せないなんてね……」

「これは……まあ、体の一部だからな」

「あー……うん、眼鏡かけてる人も、眼鏡は体の一部、みたいなこと言うよね」

「そういう事ではないんだけど……まあ、めんどくさいからそんな感じでいいよ。それよりも、本当なのか? その……孤児院……〝浜田児童養護施設〟の実態が〝児童人身売買施設〟だって」


 鼻血を止めているときにちょろっとだけ聞いた。あまりにもさらっと言ってきたから、思わず聞き流しそうになったけど、ハマゾーは慈善事業で孤児院を経営しているんじゃなく、違法に子どもを取引する、謂わば〝養人場〟として、浜田児童養護施設を運営しているのだそうだ。なんという事実。そしてなんというあっさり感。


「あ、やっぱり聞いてたんだ」

「そりゃあな。そんな衝撃的な話、聞き流せねえよ」

「……ええ。本当よ。あたしも最近知ったの。あそこでは親のいない子どもたちを集めて、ある程度まで面倒を見たらあたしみたいに売っちゃうの」

「売るって……つまり、こういう感じの、ふ、風俗……的なのところだろ?」

「そう。でも、あたしみたいに、こういう所に売られるのはまだマシなほうなの」

「これが……こんなひどいのが、マシ? どういうことだ?」

「ひどいケースになると、ドナー……つまり臓器提供者として、無理やり、その……」

「……はあ? う、売られるのか? 臓器を? 勝手に?」

「そう。生きたまま臓器を抜き取られたりするの。元気な子どもの臓器って、それだけで高値がつくし、何より、お金持ちは自分の子どもが助かるのに、金に糸目を付けないの。だから、すごくいいお金儲けになるって……」

「お金儲けになるって……それ、だけが言ったんだよ」

「浜田よ。浜田幸三。こうやって、商品・・を売る直前で、その商品に教えるんだって。『おまえは今からこうやって売られるんだ』……みたいなね。それで思い知らされるの。私には助けてくれる人がいないんだって。そもそも、お父さんもお母さんも、親戚もいないんだし。だから、仕方ないの。受け入れるしかないんだって」


 桂はそう言って気丈に笑ってはいるものの、その瞳は黒く、泥のように濁っていた。
 正直、どうやって話しかけてやればいいかわからない。元気づけてやるのも、励ましてやるのも、どれも違う気がする。俺は……ただ黙って、桂の顔をじっと見ていた。


「だから、逃げ場なんてないんだよ。どこにも。たとえあなたがあたしを助けてくれたとしても、ここから出してくれたとしても、あたしを引き取ってくれる人はいない。むしろ、外で野垂れ死ぬよりはましだって……」

「それ、浜田幸三に言われたのかよ」


 俺がそう尋ねると、桂はすこし驚いたような顔をして、もう一度顔を伏せて答えた。


「うん。……そう」

「そんなわけねえだろ!」

「……え?」

「どうあれ、ここで、このままずっとこうやっているよりも、ずっとずっとマシなんだよ! こんな所にいたって、この後もずっと死んでるのと同じじゃねえか! 何も考えず、何も感じず、ただ生き長らえさせられているだけって……」

「じ……じゃあ! どうしろってのよ! 外に出て、今までの家にも帰れなくて!」

「そ、それは……ほとぼりが冷めるまで、俺の家とか……あとはユナの家に……いれば……」

「それで?」

「それから……」

「ふざけないで! あんたはいいわよね、親もいて、帰るところがあって! あたしはない! 何もない! なら、この後も死んでるのと同じとかじゃなくて、もう、すでに死んでるのと同じじゃない! ならもう、何も考えなくて生きてもいいじゃない……!」


 桂はそう言うと、ぎゅっと着物の袖をつかみ、唇をかんだ。ぽろぽろと、その目からは涙が零れ落ちている。


「ごめん、あたし、あたし、なんであんたに当たってるんだろ……。ほんとごめん。でも、あたしのことはもういいから。今すぐ死ぬわけじゃないし、でも、もうユナと会えないのは……きついな……」

「いや、だめだ……!」

「……は?」

「約束したんだ。ユナと。桂を連れ戻すって。だから、おまえを見捨てるわけにはいかない」

「な、なんでそんな……自分勝手な……! あたしはもういいって……!」

「自分勝手で結構だ! 俺はおまえを絶対に見捨てない! それがユナの為でもあり、俺の為でもあり、おまえの為でもあるんだよ!」

「だ、だから、あたしの為を想ってるなら、もう見捨ててって──」

「見捨てない! 自分から諦めるやつがあるか! せめて足掻いて足掻いて、どん詰まりになってから、諦めろ! まだ道半ばだろ! まだ、諦めていい場所じゃないだろ! ここは!」

「あ、あたしだって……あきらめたわけじゃ……でも──」

「わかってる! 桂一人でダメなら、今度は俺も手を貸す! ジャスティス・カケルが、ここから出してやる! 必ずだ! 俺の命に代えても! その為に来たんだ!」

「でも……」

「あいにく、桂を預かってくれそうなやつにも心当たりはある。そいつも俺みたいに仮面かぶってて、かなり変なやつだけど、桂が今まで暮らしてた孤児院よりはずっとマシなはずだ!」

「な、なんで……そこまで……」

「関わったからだ! 正義の味方は絶対に、自分とかかわった人間を見捨てない! 正義の味方は、絶対に自分に助けを求めてきた人間を助ける!」

「正義の……味方……?」

「そうだ。俺はジャスティス・カケル。正義の味方だ」


 俺はその場に立ち上がると、桂に向かって手を差し伸べた。桂は俺の差し出した手を、見ると、俺の顔を見上げてきた。その顔は涙でぐちゃぐちゃに濡れていた。


「……桂、手を取れ。俺に助けを求めろ。絶対に助けてやる」

「でも、あたし……」

「桂!」

「あ、あたしだって、こんなところ、いたくない……! もっとユナと、みんなと、楽しいことしたい! 普通のことをしたい!」


 桂はそう言うと、俺の手を取った。微かに震えてはいるが、確かな力強さを感じる。
 桂は決心したのだ。


「だから、助けて……あたしを助けて、ジャスティス・カケル……!」

「わかった」


 俺は桂の手をつかみ、力いっぱい引っ張り上げると、そのままお姫様抱っこをした。
 桂も最初は驚いていたが、すぐに俺に体を預けてきた。


「お客様! お客様ー? いかがなさいましたかー? 大丈夫ですかー?」


 再び部屋の外から男性の声が聞こえてくる。おそらく、さっきのやつだろう。


「ど、どうしよう、カケル! あの人に捕まっちゃったら!」

「心配ない。俺はこう見えて意外と強いんだ」

「……え?」


 俺は部屋の扉の近くまで歩いていくと、桂を抱えたまま一本足で立ち、上げたほうの膝を曲げた。


「いくぞ」

「い、いくぞって……え?」


 ──ドガン!
 一息に扉を蹴り飛ばす。
 無理な力を加えられた扉は、そのまま水平に飛んでいくと、そのすぐ後ろにいた男ごと弾き飛ばした。男は飛んで行った扉と、壁とでサンドイッチのようになると、そのままうつ伏せに倒れて気絶した。


「な、なにやってんの、あんた!?」

「正義の味方は手段を択ばないんだ」

「いやいや、それ、正義の味方じゃなくない?」

「うるせえ。しっかり捕まってろよ。今からここを出るまでノンストップだ」
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