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眠る
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その日の夕飯ができても、次の日になっても、またその次の日になっても切神は本殿から出てこなかった。
時折物音が聞こえてくるからそこにいるのは間違いなさそうだけれど、飲まず食わずの状態が続いていた。
相手は神様だから大丈夫だとわかっているものの、薫子からすれば気が気ではなかった。
毎食準備をととえて本殿の前へ置いておくものの、それが減っている様子はなかった。
薫子の不安と反比例するように、兄弟が目を覚ましたのは3日目の朝のことだった。
「ここはどこ?」
まずは弟の勇が目を覚ました。
みたことのない部屋の様子に不思議そうに顔をめぐらせている。
薫子と菊乃を見て不安そうに顔をゆがめた。
「大丈夫よ。お兄ちゃんもいるからね」
菊乃が言うと、ようやく隣で眠っている大志の存在に気がついたようで「おにいちゃん!!」と、声をあげた。
その声に反応するように大志のまつ毛が揺れる。
それからほどなくして大志も目を覚ましたのだ。
ふたりの顔色はよく、菊乃が用意したお粥もすごい勢いで平らげてしまった。
体はガリガリだけれど、病はすっかり抜け落ちてしまったようだ。
そんなふたりを菊乃にまかせて薫子は本殿へと急いだ。
病が落ちたということは縁切りができたということだ。
「切神さま」
薫子は少し躊躇してから、そっと声をかけた。
もう仕事は終わったはずだけれど、出てこないところを見るとまだやることが残っているのかもしれない。
薫子の声かけに返事はなく、本殿の中は静かだ。
出直してこようと薫子が立ち去りかけたとき、火が飛んできて本殿の戸に張り付いた。
切神の火だから燃えることはないけれど、なにかを必死で訴えかけてきているように見えて足を止めた。
「どうしたの?」
薫子が手を伸ばした火を戸から引き離そうとしても、火はそこから離れなかった。
火は時折大きく燃え盛り、かと思ったら消えてしまいそうなほど小さくしぼむ。
それを何度も繰り返した。
その不可解な動きにすぐに薫子は眉間にシワをよせ、戸を叩いた。
「切神さまいますか? 開けてもいいですか?」
返事はない。
けれど薫子は戸を思いっきり開いていた。
本殿は薄暗くて様子がよくわからない。
すぐに火が本殿へと飛び込んで薫子にも周囲の様子が見えるようにしてくれた。
本殿の真ん中で切神が倒れているのだ。
薫子はハッと息を飲んですぐに駆け寄った。
「切神さま! 切神さましっかりしてください!」
呼びかけ、肩をゆさぶっても返事はない。
目はきつく閉じられていて顔色もよくないようだ。
切神がここまで弱っている姿は今までみたことがなかった。
どんなものでも簡単に縁切りしているように見えていたけれど、実際はそうじゃないのかもしれない。
大きなものが相手になったとき、切神は自分の力を使い果たしてしまうのかも。
そう考えて全身が寒くなった。
もしもこのまま切神さまが起きなかったら?
そんな恐ろしい想像をしてしまう。
「切神さま起きてください! お願い、起きて!!」
火も切神の周りをクルクルと回る。
それでも切神は目を開けることはなかったのだった……。
☆☆☆
「それで、その子たちをどうする気だ?」
切神が大志と勇をムッとした表情で見下ろして、薫子へ訪ねた。
大志と勇は切神におびえて部屋の隅に逃げて抱き合っている。
「ここで仕事をしてもらおうと思っています」
薫子はなんの躊躇もなく答えた。
切神は昨日まで眠っていたとは思えない回復っぷりで、すでにその威厳を取り戻していた。
切神が倒れているのを発見した時はどうしようかと動揺したけれど、翌日までぐっすり眠ると体力を取り戻したのだ。
一瞬でも切神さまが死んでしまうんじゃないかと不安になったことは、薫子だけの秘密だった。
「仕事は菊乃がしてくれているだろう」
「この子たちには力仕事を。もちろん、もう少し大きくなってからですけれど。それまでは菊乃の手伝いをしてもらいます」
薫子の言葉に切神は大きなため息を吐き出した。
「もちろんです。このふたりは切神さまのおかげで病が治ったんです。ふたりともぜひ恩返しがしたいそうです」
薫子はそう言うと二人へ向けて目配せをしてみせた。
大志がハッとしたように居ずまいを正すと、畳に額をこすりつけて「ぜひ、恩返しをさせてください!」と申し出る。
隣の勇も同じように「おんがえしさせてください」と、たどたどしく言った。
これではさすがの縁切りの神様でも断ることは難しいだろう。
なによりこのお願いは薫子の願いでもある。
「これほどまで沢山の縁ができたのは始めてのことだ。薫子にはまいったものだ」
これで兄弟がここで働けることは決定したようなものだ。
兄弟がその場でとびはねて喜んでいる。
「切神さま、それについてですが……」
薫子は体の向きを変えて切神の右手を握りしめた。
それを自分の腹部へもってくる。
暖かくて柔らかな感触が切神の手のひらに伝わってきた。
「もうひとつ、縁ができそうです」
「まさか……」
一番に反応したのは菊乃だった。
お茶を用意してきた菊乃がその場で目を輝かせ、頬を紅潮させる。
切神はキョトンとした表情で薫子を見つめた。
薫子はクスッと微笑むと「赤ちゃんができたようです」と、報告したのだった。
時折物音が聞こえてくるからそこにいるのは間違いなさそうだけれど、飲まず食わずの状態が続いていた。
相手は神様だから大丈夫だとわかっているものの、薫子からすれば気が気ではなかった。
毎食準備をととえて本殿の前へ置いておくものの、それが減っている様子はなかった。
薫子の不安と反比例するように、兄弟が目を覚ましたのは3日目の朝のことだった。
「ここはどこ?」
まずは弟の勇が目を覚ました。
みたことのない部屋の様子に不思議そうに顔をめぐらせている。
薫子と菊乃を見て不安そうに顔をゆがめた。
「大丈夫よ。お兄ちゃんもいるからね」
菊乃が言うと、ようやく隣で眠っている大志の存在に気がついたようで「おにいちゃん!!」と、声をあげた。
その声に反応するように大志のまつ毛が揺れる。
それからほどなくして大志も目を覚ましたのだ。
ふたりの顔色はよく、菊乃が用意したお粥もすごい勢いで平らげてしまった。
体はガリガリだけれど、病はすっかり抜け落ちてしまったようだ。
そんなふたりを菊乃にまかせて薫子は本殿へと急いだ。
病が落ちたということは縁切りができたということだ。
「切神さま」
薫子は少し躊躇してから、そっと声をかけた。
もう仕事は終わったはずだけれど、出てこないところを見るとまだやることが残っているのかもしれない。
薫子の声かけに返事はなく、本殿の中は静かだ。
出直してこようと薫子が立ち去りかけたとき、火が飛んできて本殿の戸に張り付いた。
切神の火だから燃えることはないけれど、なにかを必死で訴えかけてきているように見えて足を止めた。
「どうしたの?」
薫子が手を伸ばした火を戸から引き離そうとしても、火はそこから離れなかった。
火は時折大きく燃え盛り、かと思ったら消えてしまいそうなほど小さくしぼむ。
それを何度も繰り返した。
その不可解な動きにすぐに薫子は眉間にシワをよせ、戸を叩いた。
「切神さまいますか? 開けてもいいですか?」
返事はない。
けれど薫子は戸を思いっきり開いていた。
本殿は薄暗くて様子がよくわからない。
すぐに火が本殿へと飛び込んで薫子にも周囲の様子が見えるようにしてくれた。
本殿の真ん中で切神が倒れているのだ。
薫子はハッと息を飲んですぐに駆け寄った。
「切神さま! 切神さましっかりしてください!」
呼びかけ、肩をゆさぶっても返事はない。
目はきつく閉じられていて顔色もよくないようだ。
切神がここまで弱っている姿は今までみたことがなかった。
どんなものでも簡単に縁切りしているように見えていたけれど、実際はそうじゃないのかもしれない。
大きなものが相手になったとき、切神は自分の力を使い果たしてしまうのかも。
そう考えて全身が寒くなった。
もしもこのまま切神さまが起きなかったら?
そんな恐ろしい想像をしてしまう。
「切神さま起きてください! お願い、起きて!!」
火も切神の周りをクルクルと回る。
それでも切神は目を開けることはなかったのだった……。
☆☆☆
「それで、その子たちをどうする気だ?」
切神が大志と勇をムッとした表情で見下ろして、薫子へ訪ねた。
大志と勇は切神におびえて部屋の隅に逃げて抱き合っている。
「ここで仕事をしてもらおうと思っています」
薫子はなんの躊躇もなく答えた。
切神は昨日まで眠っていたとは思えない回復っぷりで、すでにその威厳を取り戻していた。
切神が倒れているのを発見した時はどうしようかと動揺したけれど、翌日までぐっすり眠ると体力を取り戻したのだ。
一瞬でも切神さまが死んでしまうんじゃないかと不安になったことは、薫子だけの秘密だった。
「仕事は菊乃がしてくれているだろう」
「この子たちには力仕事を。もちろん、もう少し大きくなってからですけれど。それまでは菊乃の手伝いをしてもらいます」
薫子の言葉に切神は大きなため息を吐き出した。
「もちろんです。このふたりは切神さまのおかげで病が治ったんです。ふたりともぜひ恩返しがしたいそうです」
薫子はそう言うと二人へ向けて目配せをしてみせた。
大志がハッとしたように居ずまいを正すと、畳に額をこすりつけて「ぜひ、恩返しをさせてください!」と申し出る。
隣の勇も同じように「おんがえしさせてください」と、たどたどしく言った。
これではさすがの縁切りの神様でも断ることは難しいだろう。
なによりこのお願いは薫子の願いでもある。
「これほどまで沢山の縁ができたのは始めてのことだ。薫子にはまいったものだ」
これで兄弟がここで働けることは決定したようなものだ。
兄弟がその場でとびはねて喜んでいる。
「切神さま、それについてですが……」
薫子は体の向きを変えて切神の右手を握りしめた。
それを自分の腹部へもってくる。
暖かくて柔らかな感触が切神の手のひらに伝わってきた。
「もうひとつ、縁ができそうです」
「まさか……」
一番に反応したのは菊乃だった。
お茶を用意してきた菊乃がその場で目を輝かせ、頬を紅潮させる。
切神はキョトンとした表情で薫子を見つめた。
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