ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

西羽咲 花月

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当日

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カズの誕生日当日は店内の賑わいが最高潮に達していた。
今まで何度も店の人気ナンバーワンに輝いたことのあるカズだけあって、ファンの女のコたちがこぞってお店に駆けつけているのだ。

みんなの目的はカズに席についてもらうこと。
そのために着飾り、大金とプレゼントを用意してきているのだ。

「カズ、今度はこっちに来て!」
「私の方が先に指名してるのよ!?」

「みなさま落ち着いてください。カズは順番にお客様の席を回っていますので、慌てないでください」
カズを巡って喧嘩が怒ってしまいそうな気配まであり、ボーイや他のホストたちが一生懸命場を取り持っている。

それでも他のホストでは間が持たず、ついには怒って帰ってしまうお客さんまでいる。
「おまたせ日奈子ちゃん」

カズがにこやかに微笑んで日奈子の隣に座った。


今日の日奈子は真っ赤なミニのワンピースを着ている。
カズの誕生日だから、思いっきり目立つつもりで来たのだ。

「待ってたよカズ。お誕生日おめでとう」
シャンパンで乾杯している間にも他のお客さんたちがカズを求めた声を上げる。

どこの席でも長居できないのが、今日の主役だった。
「これ、カズが欲しいっていってたブレスレッド」

丁寧に包装されたプレゼントを手渡すと、カズは目を輝かせた。
「本当に!?  ありがとう日奈子ちゃん。実は俺このブレスレッドの値段を知らなくて欲しいって言っちゃったんだ。高かっただろう?」

カズが心配そうな視線をこちらへ向けるので、日奈子は余裕の笑みを浮かべた。
「これくらい大丈夫だよ。だってカズのためだもん」

「そんな風に言ってくれるのは日奈子ちゃんだけだよ。お礼に日奈子ちゃんの誕生日には店で盛大にお祝いしてあげるからね」
「本当に!? 嬉しい!」

店を上げて誕生日のお祝いをしてもらえるのは一部のVIP客のみだ。
その中に自分が入れるとなれば、特別扱いされている気分になる。

「当然だよ。だって日奈子ちゃんは俺にとって特別なお客さんだからね」
カズはそう言ってウインクしてみせたのだった。


☆☆☆

店から出るといつも夢の中を漂っているような浮遊感がある。
まだまだ夢から覚めたくない。

この夢はきっと永遠に続いてくれるはずだ。
そう思って、冬の夜の寒さだって気にならなくなる。

日奈子が現実へ引き戻されるのはボロアパートへ戻ってきたときだった。
暖房もなくガランとした部屋に1人でいると嫌でもこれが現実なのだと突きつけられてしまう。

そして部屋に残っているのは残高ゼロ円になった通帳だった。
「どうしよう。これで本当にお金がなくなっちゃった」

残っているのはギリギリの生活費のみ。
少しの贅沢も許されない状況になっていることに気がついて寒気が走った。

「お米、まだあったっけ。おかずはどうしよう。なにか残ってたっけ」
ぶつぶつと呟きやがら冷蔵庫の中を確認してみるけれど、モヤシが一袋に鮭のフレークがひとビン残っているだけだ。

これで来月の給料日まで過ごすのはさすがにきつい。
だけどお金はもうない……。


☆☆☆

少しだけでもお金を稼ぐ必要がある。
日奈子は赤いミニのワンピース姿で今度は橋へやってきていた。

明日食べるものすら危うい状況になるとわかっていたはずなのに、どうしてもホスト通いをやめることができない。
やめたいとも思わない。

若い女のコに嫌味を言われるのが嫌で、日奈子は橋の一番端っこでポツンと立っていた。
少しうつむいてあまり顔が見えないように気をつける。

おとなしくしていればおばさんだって文句を言われることはないはずだ。
だけど、案の定なかなか声をかけてくれる人はいなかった。

高級スーツを着た男たちが橋の上を行き交うたびに少しだけ顔をあげて確認してみるけれど、誰も日奈子を見てはいない。
他の子に声をかけているか、単純に橋を渡っているだけだ。

足元からどんどん冷気が上がってきて体が冷えてくる。
他の立ちんぼたちも寒さに悲鳴を上げて帰っていく。


そんな中、日奈子はひとりポツンと橋の上に取り残されたように立っていた。
せめて1人だけでもいい。

自分に声をかけてくれないだろうか。
そう思っている間に時間だけが過ぎていく。

もう、帰ろうか。
そう思い始めたときのことだった。

「あれ? 小平くんじゃないかい?」
聞き慣れた声で名前を呼ばれてつい振り向いてしまった。

そこにいたのは日奈子の会社の部長だったのだ。
いつも優しくて穏やかな性格をしている部長が、驚いた顔で日奈子を見つめる。

咄嗟に日奈子はうつむいた。
返事をしないことで人違いだったと思い、立ち去ってほしい。

そんな気持ちでいたけれど、部長はそのまま日奈子に近づいてきた。
いくら化粧をしていても至近距離で見られればさすがにバレてしまう。

日奈子は必死に顔をそむけて後ずさりをする。
「やっぱり、小平くんじゃないか。驚いたよ、昼間とは随分雰囲気が違うから」

部長の驚いた声が徐々に笑いに代わっていく。


日奈子はいたたまれなくなりその場から離れようとしたけれど、右腕を掴まれて引き止められてしまった。
無理に引き離そうとしても相手はビクともしない。

「どうしたんだいこんなところで、そんな格好で。あ、もしかして小平くん……」
立ちんぼをしているんじゃないだろうね?

耳元で囁かれて全身に鳥肌が立った。
同時にバレてしまったことで体の芯はカッと熱くなる。

「ひ、人違いです」
「その声! やっぱり僕の知ってる小平くんだ」

大声で名前を呼ばれて日奈子は周囲から視線を浴びる。
「や、やめてください!」

思わず部長を睨みつけてそう言ってしまった。
それで完全に日奈子だとバレることになってしまった。

部長はとたんに鼻の下を伸ばして笑い「大丈夫誰にも言わないよ。君が立ちんぼだなんてさ」と囁いてきた。
本当だろうか?


日奈子はマジマジと部長の顔を見つめた。
さっきからニヤついた笑みを貼り付けていて、なんだか気味が悪い。

「給料が出たばかりなのにもう金欠なの? 相手しようか?」
その気味悪い言葉に咄嗟に拒絶しようとしたけれど、明日からの生活のことを考えるとすぐに拒否することができなかった。

喉にグッと言葉が詰まって出てこない。
黙り込んでいることを肯定の意味に捉えたのだろう、部長は日奈子の手を握りしめて歩き出す。

日奈子は抵抗しようとしたけれどできなかった。
これで少し楽になる。

普段の男たちだって部長と対して変わらない。
そんな気持ちが出てきてしまったのだ。

気がつけば日奈子の前にはきらびやかなホテル街が見えていたのだった。


☆☆☆

翌日の会社は最悪だった。
普段は日奈子のことを見向きもしない部長が、ことあるごとに視線をよこしてくる。

そしてニヤついた笑みを浮かべて見せるのだ。
日奈子はできるだけ部長の席を見ないようにしてやり過ごすしかなかった。

「今日の小平さんなんか変じゃない? 疲れてるの?」
先輩に聞かれて日奈子は作り笑いを浮かべた。

体はそれほど疲れていないけれど、精神的には随分と疲れている。
それもこれも昨日の出来事が原因だ。

「ちょっと……彼氏と喧嘩して」
「やっぱり? そうじゃないかと思ってたの。結婚前って色々あるしねぇ」

先輩は訳知り顔で何度も頷いている。
「マリッジブルーってやつなんじゃない? 無理しなくていいのよ?」

「ありがとうございます」
今は先輩の優しさも重みにしか感じない。

マリッジブルーだったらどれほど良かったことか。
日奈子は自分の部署から逃げるように、席を立ったのだった。


☆☆☆

長い長い午前中の仕事が終わって会議室へ向かうとホッとため息が出た。
午後からもまだ4時間仕事をしなければならないのかと思うとすでに気が重たくて、胃も重たく感じられる。

席に座っておにぎりを取り出したものの食べる気になれなくてお茶を一口飲んだ。
暖かなお茶がお腹の中に染み渡っていくのを感じて少しだけ落ち着く。

スカートの中から財布を取り出して中身を確認すると、昨日部長からもらった3万円がそのまま入っている。
これで今月分の食費には困らない。

節約すれば1万円は光熱費に当てることができるかもしれない。
そんなことを考えている自分がどんどん惨めに見えてくる。

昨日のホストクラブではあんなにキラキラと輝いていたのに、まるで別人みたいだ。
「小平くん」

呼ばれて顔を上げると部長が会議室に入ってくるのが見えた。
日奈子は返事をせずにおにぎりを巾着袋の中に片付けた。


「昨日のことは誰にも言ってないよ。安心して」
ニヤついた笑みを貼り付けたまま日奈子に近づいてくる。

すぐに逃げようと思ったのに、狭い通路に立たれては逃げ道がない。
「それにしても、お昼はおにぎりだけ? それじゃあ栄養バランスが悪いね。今夜あたり、食事でもどうだい?」

その誘い文句に日奈子の心が動く。
夕飯をおごってもらえたらその分自由に使えるお金が増える。

増えたお金はカズに……。
そこまで考えて慌てて左右に首を振った。

部長と食事をするだけで終わるとは思えない。
これ以上関係を続ければ会社に居づらくなってしまうのはわかりきったことだった。

「ごめんなさい。今日は予定があるので」
日奈子はそう言うと、部長の体を押しのけるようにして会議室を出たのだった。

日奈子が会議室から飛び出したタイミングでポケットの中のスマホが震えた。
カズからのメッセージかもしれない!


昨日は沢山お金を落としてあげたから、そのお礼にメッセージが届いてもおかしくなかった。
日奈子はすぐに女子トイレへと駆け込んでスマホを確認した。

メッセージをくれた相手は友人の武井由利だった。
由利は1年前まで同じ派遣会社からこの会社に来ていた同僚で、当時席が隣同士になったことで意気投合した。

由利とは今でも時々食事に行く仲を続けている。
《由利:やっほー! 今休憩中だよね? 最近どうしてる?》

その文面を見て日奈子は自然と笑みを浮かべていた。
由利はおめでた結婚をして退職してもなにも変わった様子はなさそうだ。

今は育児で大変な時期だろうに、その文章からは微塵にもそんな雰囲気は感じられなかった。
《日奈子:元気にしてるよ! 由利はどう? 息子くんと旦那さんは元気?》

《由利:元気元気! 実は昨日から旦那と息子が実家に戻ってるの。私への有給休暇だって言って。それで今夜開いてるんだけど、よかったらご飯でもいかない?》

その誘いに日奈子はスマホを持ったまま逡巡した。


相手が由利となるとおごってもらうことは無理だろう。
だけど専業主婦になった由利が高級レストランに誘ってくるとも思えない。

きっとファミレスとかだろう。
そう考えて誘いに乗ることにした。

《日奈子:いいよ! 仕事が終わってから、駅前に集合でいい?》
《由利:OK! 楽しみにしてる!》

久しぶりの友達との約束にさっきまで疲弊していた気持ちが回復しているのを感じた。
カズに会うために社内での食事や誘いをすべて断ってきているけれど、やはり気晴らしは必要なのかもしれない。

由利に何を話そう。
なにを聞いてもらおう。

日奈子は久しぶりにワクワクとした気持ちになっていたのだった。


☆☆☆

午後からの仕事中も相変わらず部長からの視線を感じていたけれど、どうにかやり過ごして終業時間が来ていた。
日奈子はデスクに座った状態で両手を大きく突き上げて伸びをする。

仕事から開放されるこの瞬間が好きだった。
気の早い社員たちはすぐに荷物をまとめてさっさと部屋から出ていっている。

日奈子も送れまいとそれに続いた。
のんびりしていると、まだ部長から声をかけられるかもしれないという心配もあった。

女子更衣室で着替えをして無事に外へ出ると寒さに首をすぼめた。
季節はまた一歩前進したようで冷たい風が吹いている。

もうすぐ12月になればホスト店もきらびやかな装飾に変わる。
店の前には大きなクリスマスツリーが出現し、クリスマス当日にはキャストたちがサンタクロースの格好をする。

「クリスマスイベントの日は絶対にお店に行きたい」
由利との約束場所へ向いながらつい口に出して呟いていた。


今月はカズの誕生日で、来月はクリスマス。
クリスマスプレゼントは勘弁してもらいたいけれど、お店へ行くつもりならなにかしら準備しておかないといけない。

カズになにが欲しいが聞きたいけれど、聞くのも怖い。
子供の頃からのお年玉はすべて使い果たしてしまったし。

悶々と考えながら歩いているといつの間にか駅に到着していた。
寒さに耐えかねて改札の手前まで移動して由利が来るのを待つ。

しばらくその場で待っていると、足音と共に「日奈子」と呼ぶ声が聞こえてきて振り向いた。
低い運動靴をはいて動きやすそうな格好をした由利が改札を抜けて駆け寄ってくる。

妊娠していたころはふっくらしていたけれど、今はすっかり元の体型に戻っている。
スラッとした足にタイトなジーンズがよく似合う。

「由利、久しぶり!」
「本当に久しぶりだねぇ! ごめんね、息子がいるとなかなか会えなくて」

「そんなの気にすることないよぉ!」
二人で並んで歩きだすと、会えなかった日々がすぐに埋まっていく。


まるで懐かしい旧友にで会ったような気分だ。
それからふたりは駅前のファミレスへと入っていった。

「由利、体型がすっかり元通りだね。まだまだ独身でいけそう」
「そうかな? 毎日『お母さん』をやってると、自分が女だってこと忘れちゃいそう」

そういいながらも由利の顔には幸せが満ちている。
不満なんてほとんどないんだろう。

「旦那さんは元気?」
「メッセージでも伝えたけど、もう嫌になるくらい元気だよぉ? 仕事から帰ってきてから、毎日息子と遊んでる。見てる私の方が疲れちゃいそう」

「いい旦那さんだね」
由利の旦那さんは元々カズの家でホストをしていた従業員だ。

由利は見事ホストだった旦那さんの心を射止め、今では普通の会社員に転職している。
「それで、そっちはどう?」

聞かれて日奈子は少し暗い気分で左右に首を振った。
お金が底を尽きて、とてもいい感じだとは言えなかった。


おまけに会社の上司とまで関係を持つことになっただなんて、口が裂けても言えない。
「そっか。でもカズくんだって人間だからね、いつか日奈子に甘えたくなる日がくるよ」

日奈子を始めてホストに連れて行ってくれたのは由利だ。
だから由利もカズのことをよく知っていた。

当時は日奈子と由利、どちらが自分のお気に入りのホストを射止められるかで勝負したこともある。
結果は日奈子の惨敗だったことは、言うまでもない。

「そうなればいいんだけどね……」
日奈子には正直自身がなかった。

昨日あれだけ高級なものを持っていったのに、お礼の連絡も未だに来ない。
気になるのなら自分から連絡してみればいいのだけれど、カズの負担になるかもしれないと思うとなかなあk行動に移せなかった。

ウザイ客だと思われたくない。


「それとも新しい恋愛をしてみるとか」
「新しい恋愛?」

思ってもいない言葉に日奈子はむせそうになった。
「だってさ、いつまでも同じ人を思い続けるのって大変じゃない? 誰か他にいい人がいたりしないの?」

由利が運ばれてきたパスタを口に運ぶ。
日奈子はそれをぼんやりと見つめながら頭の中に数人の男性の顔を浮かべてみた。

そのどれもがカズと同じホスト店の男の子たちばかりで、ゆるゆるとため息を吐き出した。
「いないかも」

「そっかぁ。あの職場おじさんばかりだもんね。もっといいところに派遣してくれればいいのにねぇ」
由利が不満そうに唇を尖らせる。

出会いが少ないのは事実だけれど、きっとそれだけじゃない。
今の日奈子にはカズしか考えられなかったからだ。

「由利みたいに推しと結婚できるように頑張る」
「うん、そうだね! 次はクリスマスイベントもあるだろうし、日奈子が一番いい女に見えるように着飾って行きな!」

由利はそう言い豪快に笑ってみせたのだった。
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