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12 恥ずかしすぎる治療
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「――んっ……はぁ……」
アラン様の舌が口内に侵入してきたため、思わず吐息が漏れた。艶をふくんでいるような自分の声が恥ずかしい。体を硬直させ、ただこの時間が早くすぎることを祈っている……
いったん唇を離した彼は、甘い吐息を吐きながらささやく。
「もう少し、口を開いて。舌をだして……」
恥ずかしすぎて、無理~
涙目になりながら彼を睨むが、彼は返事を聞くこともせず、私の唇をみずからのものでふさいだ。私の口内を執拗に暴き侵略する熱く大きい舌は、なにか得体の知れない意識を持った生き物のように感じ……未知の恐怖で、背筋にゾワリとした感覚が走る。
つつーっと頬に涙が流れ落ちたとき、彼は治癒魔法を唱え、この行為をやめた。
――やっと終わった。
バッと彼から離れ、唇を肩でぬぐう(両手が使えないから、肩を使うようになりました)
「……治療……ありがとうございました!」
ぶっきらぼうに言いはなつ私にたいし、彼は熱く潤んだ碧眼の瞳を向け微笑んだ。治療行為だとわかっている! わかっているんだけれど……なんか、腹が立つ。
イーダ! と、眉間にシワをよせ、歯を剥きだして威嚇してやった。彼は口元を大きな手で覆い、肩をふるわせた。――笑ってる! 顔が、真っ赤だ。耳まで赤い! 小犬がキャンキャン! 威嚇しているぐらいにしか思っていないんだ! む・か・つ・く~
『順応の義』をしていない私に、魔法は効きづらかったらしく、このHな治療を日に何度もうけなくてはいけなかった。最初は、おばぁ様の薬湯だけでいい! と、断固拒否した。……けど、気絶しているあいだにされた最初の治療効果が薄れてくると、激痛と熱とで苦しむことに……
おばぁ様に痛み止めの薬湯を何度も飲ませてもらっていたけれど、結局、また痛みで気を失ってしまい……意識を取り戻したときには、アラン様による2度目の治癒魔法がかけられたあとだった。
アラン様の魔法を拒否すれば、気に入る者を選んでいい……と、他のかたを連れて来られそうで(しかも大量に!)――怖いから、アラン様で我慢してあげることにした! そう、我慢してあげているのだ! 私に怪我させたのアラン様なんだから、責任とって私にこき使われればいい!――そう思っていたのに……
アラン様とのキスに、甘い声をだしてしまうようになったのは……お腹の奥のキュッウと、疼くような感覚に、身悶えしてしまうようになったのは……アラン様のキスが気持ちいいから……とか、そんなことはない……はず。
自分の変化が恐ろしく、日に何度もされるこの治癒魔法のせいで、大切なものがゴリゴリ削られていくような――そんなモヤッとしたイライラが心の底に溜まっていく。
アラン様とのキスになれていく反面、彼の瞳に、情欲に燃えた熱い炎を見つけるたび、恐怖し、彼を拒絶する自分がいる。
宿でのジリオ様との一件を思いだし、悲鳴をあげ飛び起きるのは、あの日から毎晩だ。――少なくとも、アラン様は治療のとき以外、私にふれてこないし、「接吻だけよ……」と、お願いした約束を守ってくれている。
それでもあの大きな体が室内に入ってくるたび、助けを求める私の手を握りながら、じっと、ジリオ様との行為を見つめていた――助けてくれなかった、見捨てられた記憶が蘇り、体がふるえる。
――彼は私を助けてくれないがわの人間だ――その本能的な拒絶は、いつまでも私の心の奥底に居座りつづけていた。
アラン様の舌が口内に侵入してきたため、思わず吐息が漏れた。艶をふくんでいるような自分の声が恥ずかしい。体を硬直させ、ただこの時間が早くすぎることを祈っている……
いったん唇を離した彼は、甘い吐息を吐きながらささやく。
「もう少し、口を開いて。舌をだして……」
恥ずかしすぎて、無理~
涙目になりながら彼を睨むが、彼は返事を聞くこともせず、私の唇をみずからのものでふさいだ。私の口内を執拗に暴き侵略する熱く大きい舌は、なにか得体の知れない意識を持った生き物のように感じ……未知の恐怖で、背筋にゾワリとした感覚が走る。
つつーっと頬に涙が流れ落ちたとき、彼は治癒魔法を唱え、この行為をやめた。
――やっと終わった。
バッと彼から離れ、唇を肩でぬぐう(両手が使えないから、肩を使うようになりました)
「……治療……ありがとうございました!」
ぶっきらぼうに言いはなつ私にたいし、彼は熱く潤んだ碧眼の瞳を向け微笑んだ。治療行為だとわかっている! わかっているんだけれど……なんか、腹が立つ。
イーダ! と、眉間にシワをよせ、歯を剥きだして威嚇してやった。彼は口元を大きな手で覆い、肩をふるわせた。――笑ってる! 顔が、真っ赤だ。耳まで赤い! 小犬がキャンキャン! 威嚇しているぐらいにしか思っていないんだ! む・か・つ・く~
『順応の義』をしていない私に、魔法は効きづらかったらしく、このHな治療を日に何度もうけなくてはいけなかった。最初は、おばぁ様の薬湯だけでいい! と、断固拒否した。……けど、気絶しているあいだにされた最初の治療効果が薄れてくると、激痛と熱とで苦しむことに……
おばぁ様に痛み止めの薬湯を何度も飲ませてもらっていたけれど、結局、また痛みで気を失ってしまい……意識を取り戻したときには、アラン様による2度目の治癒魔法がかけられたあとだった。
アラン様の魔法を拒否すれば、気に入る者を選んでいい……と、他のかたを連れて来られそうで(しかも大量に!)――怖いから、アラン様で我慢してあげることにした! そう、我慢してあげているのだ! 私に怪我させたのアラン様なんだから、責任とって私にこき使われればいい!――そう思っていたのに……
アラン様とのキスに、甘い声をだしてしまうようになったのは……お腹の奥のキュッウと、疼くような感覚に、身悶えしてしまうようになったのは……アラン様のキスが気持ちいいから……とか、そんなことはない……はず。
自分の変化が恐ろしく、日に何度もされるこの治癒魔法のせいで、大切なものがゴリゴリ削られていくような――そんなモヤッとしたイライラが心の底に溜まっていく。
アラン様とのキスになれていく反面、彼の瞳に、情欲に燃えた熱い炎を見つけるたび、恐怖し、彼を拒絶する自分がいる。
宿でのジリオ様との一件を思いだし、悲鳴をあげ飛び起きるのは、あの日から毎晩だ。――少なくとも、アラン様は治療のとき以外、私にふれてこないし、「接吻だけよ……」と、お願いした約束を守ってくれている。
それでもあの大きな体が室内に入ってくるたび、助けを求める私の手を握りながら、じっと、ジリオ様との行為を見つめていた――助けてくれなかった、見捨てられた記憶が蘇り、体がふるえる。
――彼は私を助けてくれないがわの人間だ――その本能的な拒絶は、いつまでも私の心の奥底に居座りつづけていた。
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