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31 城壁都市ラキアの異変
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リオの体調を考え、休憩を多くとりのんびりとした旅路だったため、西の城壁都市ラキアへ到着したのは、城門が堅く閉まっている夜半過ぎだった。
西翼城壁部隊に許されている裏木戸にまわり、合図を送ると、ゆっくりと跳ね橋が降ろされた。
「ロズベルト隊長、ご帰還お待ちしておりました。聖女様もご一緒でしたか」
「開門、感謝する。聖女の護衛騎士を任命された段階で、俺はもう隊長ではない。リオ様だけ薬師ばぁのところへ預け、城門前で野宿の予定だ」
「そんな、ラキアに入っていただいて大丈夫です。……それに薬師ばぁも、ちょっと……」
夜間警備兵のようすがなにか変だ?
「なにか異変でも?」
口ごもっていた隊員が、すがるように顔をあげる。
「領主館に呼ばれたあと、薬師ばぁの姿を確認した者は誰もいません。ラキアから出ていった記録はなく、領主館に問いあわせしたのですが、帰したの一点張りで……城内防衛部隊の奴らも、真剣に探しているようすがなく……よろしかったら副隊長、あっ、えっと、隊長の相談にのっていただけませんか?」
「了解した」
うなずいた俺に、心底ほっとしたような表情をした彼は「ロズベルト様のお部屋はまだそのままなので、そこでお休みください」と、笑った。
とくに執着している物は置いてないが、私物を全部置いたままにされた隊員たちは、あつかいに困ったことだろう。部屋の整理もしていかないとな……
「気をつかわせて、すまない」
「聖女様もお休みのようですし、どうぞ」
隊員の館へつづく扉を開け、俺たちを通した彼は、深くお辞儀をした。残していく彼らのために、彼らの憂いを少しでも取り除いてやりたい……
隊員の館にある自室は、俺が出て行ったときのままだった。脱いだ服がソファーの背もたれに、かかったままになっている。ベッドも脱皮か? と思うほど布団が空洞を作った状態で、冷たくかたまっていた。
リオをここに寝かせる? 無理だろ? 宿屋でもとったほうが……少し悩んだが、腕のなかで熟睡しているリオの寝顔を見ていると、起こしてしまうのは可哀想になってくる。布団を足で蹴り落とし、リオをそっと横たえた。
衣装戸棚から儀礼用のマントをひっぱりだす。一度も身につけたことのない品だ。これならいいだろう。布団がわりにリオにかけ、満足する。
「さて、行くか……」
部屋の窓から、執務室に灯りがともっているのが見えていた。現隊長は、まだ起きているようだ……早めに話しあうために、リオの寝る部屋をあとにした。
執務室の扉をノックすると、疲れたような元副隊長の返事が聞こえた。
「失礼する。今、いいか?」
「隊長!」
「おいおい、今の隊長はおまえだろ」
「あ、失礼しました。ロズベルト様」
俺は否定するように、首を横に振った。
「ただのアランだ。爵位を返上してきたんだ」
「――!」
驚いたように目を見開いた彼は、俺を室内へうながした。
「お互い、じっくり話しあわないといけないようですね。お入りください。こちらの状況を説明します」
長い夜になりそうだ……
聖女を王都へ護衛したあと、彼ら西翼城壁部隊はすぐラキアへ引き返すことになっていた。王都到着と同時に俺から副隊長だった彼へ、隊長の肩書きは移動した。長年、俺の補佐をしていた彼のこと、部隊の仕事は問題なくこなすだろう。部下からの信頼も厚い。そのことは気にしていなかった。
ただ、気になることは、俺が抜けたために西翼城壁部隊は、平民出身の騎士だけになってしまうことだった。
貴族からの無茶な要望を彼らが避けられるように……ラキアに存在する他の騎士団、城内防衛部隊と同じ待遇が受けられるように……彼らだけ魔獣討伐の前線に立たされつづけることがないように……ラキア領主ガラナミア伯爵に『約定の証書』を用意してもらう手はずになっていた。
「部隊への『約定の証書』は?」
「それが、ガラナミア伯爵の準備がととのわないとのことで、まだ……」
「そうか、夜が明けたら挨拶に行く。そのとき、確認してみよう」
西翼城壁部隊の騎士たちを守りながら、このラキアも魔獣の脅威から守るため、彼らには伝えなくていけない。ふぅ~と一息吐き、リオの『順応の義』が失敗したことを話した。
聖女は失われてしまったこと、期待していた癒し、浄化、豊穣、強化、結界の魔法がシャルナ王国にもたらされることはなく。国が富むこともなく、個々の魔法が強化されることもなく、魔獣などの害悪から国を守る結界が出現することもないのだ。と……
リオの心が壊れてしまった原因は話さなかった。いや、話せなかった……。媚薬のせいとはいえ、リオが自分以外に肌をさらし、自慰行為を見せたなどと、誰にも言いたくなかった。ただ、『順応の義』の失敗で、神殿内部の一部の者が暴走し、リオを虐待したのだと、告げた。
「――聖女……様が……お辛いめにあわれたことは、わかります。でも、壊れた彼女のために、あなたまで犠牲になることはない。私達の隊長として、部隊に戻ってきていただけないのでしょうか?」
「できない。彼女は、シャルナにとっての聖女にはなれなかったが、俺にとっては、俺だけの聖女なんだ。降臨に立ちあい、候補者になれた喜びを今さら忘れることはできない。俺のせいなんだ。『順応の義』の前に治癒魔法にふれたから儀式は失敗した。彼女にたいしての責任と贖罪、シャルナ王国へたいしての責任と贖罪。それを考えての爵位返上であり、市井にくだり、リオの面倒を見ると決めた理由だよ」
まぁ、リオのそばにいられるのは、俺にとっては褒美のようなものなのだが――毎日、毎分、毎秒ごとに彼女に惹かれる自分がいる。
「魔力の強化もなく、結界もあらわれない……おまえたちの負担を軽くしてやることが出来ず、申し訳なく思う。負担ばかりおわせ、魔獣討伐の前線から抜ける俺を許してくれとは言わない。ただ、無茶な命令だけはくだされないよう『約定の証書』だけはガラナミア伯爵から、もぎ取ってくると約束する」
俺の意志がかたいことを知り、彼は静かに涙を落とした……
――問題の薬師ばぁは、ガラナミア伯爵から直々の呼び出しだったらしい。きっとリオの治療と面倒をみていたのが、薬師ばぁだったので、『順応の義』の失敗の理由を領主みずから探ろうとしての行動だろう……ただ、なぜ行方がわからなくなったのか? それが気がかりだった。
ガラナミア伯爵に緊急の謁見の申し込みを依頼し、一眠りしに部屋へ戻ると、リオがベッドにいなかった。ベッドの上には、儀礼用のマントだけが残されている。
部屋は扉が開かないよう、ちょっとした仕掛けをしていた(部屋の前に重い本棚を移動しておいただけだが……)ので、なかから出ることはできないはずだ。
持っていた灯りをかかげ、部屋のようすを確認する。暗闇のなか、ベッドの下に蹴り落とした布団のなかで、丸まっているリオを見つけた。
「リオ……?」
リオは、涙でぐしゃぐしゃになった顔で、俺を睨んでいる。
「どうした?」
「……た、から……」
「んっ?」
「アランがいなかったから……ふええええんっ」
泣きだしたリオを抱きしめる。
「ひとりにして、すまなかった。こうしているからゆっくり寝るといい」
「ぐすっ……本当? ヒック……ここにいてくれる? 起きたら知らない、誰もいない場所で怖かったの。暗闇から、大きな手が私を殴りにくるの。ひとりは嫌なの、怖いの」
リオの恐怖を取りのぞけるよう、頭を撫でた。リオは、ふふっ……と笑い……
「アランの匂い、このお布団と同じだわ! 安心する!」
また可愛いことを言う! 勘弁してくれ……赤くなったであろう目元を手で覆いかくした。リオは本当に安心したのか、俺の腕のなかで、コテンと寝てしまった。
今度は儀礼用のマントを乱暴にベッドから引きずり落とし、リオと共に横たわる。その上に俺の万年布団を引きあげた。
リオの髪を撫で、涙で濡れた頬を舌で舐めとっていく……唇にふれ、そのまま首筋へ……俺の唾液がリオに染みつけばいい。自分の巣穴に獲物をひっぱりこんだような……そんな仄暗い欲望に支配されながら、夜が明けるまで、リオの涙と汗を堪能しながらすごした。
西翼城壁部隊に許されている裏木戸にまわり、合図を送ると、ゆっくりと跳ね橋が降ろされた。
「ロズベルト隊長、ご帰還お待ちしておりました。聖女様もご一緒でしたか」
「開門、感謝する。聖女の護衛騎士を任命された段階で、俺はもう隊長ではない。リオ様だけ薬師ばぁのところへ預け、城門前で野宿の予定だ」
「そんな、ラキアに入っていただいて大丈夫です。……それに薬師ばぁも、ちょっと……」
夜間警備兵のようすがなにか変だ?
「なにか異変でも?」
口ごもっていた隊員が、すがるように顔をあげる。
「領主館に呼ばれたあと、薬師ばぁの姿を確認した者は誰もいません。ラキアから出ていった記録はなく、領主館に問いあわせしたのですが、帰したの一点張りで……城内防衛部隊の奴らも、真剣に探しているようすがなく……よろしかったら副隊長、あっ、えっと、隊長の相談にのっていただけませんか?」
「了解した」
うなずいた俺に、心底ほっとしたような表情をした彼は「ロズベルト様のお部屋はまだそのままなので、そこでお休みください」と、笑った。
とくに執着している物は置いてないが、私物を全部置いたままにされた隊員たちは、あつかいに困ったことだろう。部屋の整理もしていかないとな……
「気をつかわせて、すまない」
「聖女様もお休みのようですし、どうぞ」
隊員の館へつづく扉を開け、俺たちを通した彼は、深くお辞儀をした。残していく彼らのために、彼らの憂いを少しでも取り除いてやりたい……
隊員の館にある自室は、俺が出て行ったときのままだった。脱いだ服がソファーの背もたれに、かかったままになっている。ベッドも脱皮か? と思うほど布団が空洞を作った状態で、冷たくかたまっていた。
リオをここに寝かせる? 無理だろ? 宿屋でもとったほうが……少し悩んだが、腕のなかで熟睡しているリオの寝顔を見ていると、起こしてしまうのは可哀想になってくる。布団を足で蹴り落とし、リオをそっと横たえた。
衣装戸棚から儀礼用のマントをひっぱりだす。一度も身につけたことのない品だ。これならいいだろう。布団がわりにリオにかけ、満足する。
「さて、行くか……」
部屋の窓から、執務室に灯りがともっているのが見えていた。現隊長は、まだ起きているようだ……早めに話しあうために、リオの寝る部屋をあとにした。
執務室の扉をノックすると、疲れたような元副隊長の返事が聞こえた。
「失礼する。今、いいか?」
「隊長!」
「おいおい、今の隊長はおまえだろ」
「あ、失礼しました。ロズベルト様」
俺は否定するように、首を横に振った。
「ただのアランだ。爵位を返上してきたんだ」
「――!」
驚いたように目を見開いた彼は、俺を室内へうながした。
「お互い、じっくり話しあわないといけないようですね。お入りください。こちらの状況を説明します」
長い夜になりそうだ……
聖女を王都へ護衛したあと、彼ら西翼城壁部隊はすぐラキアへ引き返すことになっていた。王都到着と同時に俺から副隊長だった彼へ、隊長の肩書きは移動した。長年、俺の補佐をしていた彼のこと、部隊の仕事は問題なくこなすだろう。部下からの信頼も厚い。そのことは気にしていなかった。
ただ、気になることは、俺が抜けたために西翼城壁部隊は、平民出身の騎士だけになってしまうことだった。
貴族からの無茶な要望を彼らが避けられるように……ラキアに存在する他の騎士団、城内防衛部隊と同じ待遇が受けられるように……彼らだけ魔獣討伐の前線に立たされつづけることがないように……ラキア領主ガラナミア伯爵に『約定の証書』を用意してもらう手はずになっていた。
「部隊への『約定の証書』は?」
「それが、ガラナミア伯爵の準備がととのわないとのことで、まだ……」
「そうか、夜が明けたら挨拶に行く。そのとき、確認してみよう」
西翼城壁部隊の騎士たちを守りながら、このラキアも魔獣の脅威から守るため、彼らには伝えなくていけない。ふぅ~と一息吐き、リオの『順応の義』が失敗したことを話した。
聖女は失われてしまったこと、期待していた癒し、浄化、豊穣、強化、結界の魔法がシャルナ王国にもたらされることはなく。国が富むこともなく、個々の魔法が強化されることもなく、魔獣などの害悪から国を守る結界が出現することもないのだ。と……
リオの心が壊れてしまった原因は話さなかった。いや、話せなかった……。媚薬のせいとはいえ、リオが自分以外に肌をさらし、自慰行為を見せたなどと、誰にも言いたくなかった。ただ、『順応の義』の失敗で、神殿内部の一部の者が暴走し、リオを虐待したのだと、告げた。
「――聖女……様が……お辛いめにあわれたことは、わかります。でも、壊れた彼女のために、あなたまで犠牲になることはない。私達の隊長として、部隊に戻ってきていただけないのでしょうか?」
「できない。彼女は、シャルナにとっての聖女にはなれなかったが、俺にとっては、俺だけの聖女なんだ。降臨に立ちあい、候補者になれた喜びを今さら忘れることはできない。俺のせいなんだ。『順応の義』の前に治癒魔法にふれたから儀式は失敗した。彼女にたいしての責任と贖罪、シャルナ王国へたいしての責任と贖罪。それを考えての爵位返上であり、市井にくだり、リオの面倒を見ると決めた理由だよ」
まぁ、リオのそばにいられるのは、俺にとっては褒美のようなものなのだが――毎日、毎分、毎秒ごとに彼女に惹かれる自分がいる。
「魔力の強化もなく、結界もあらわれない……おまえたちの負担を軽くしてやることが出来ず、申し訳なく思う。負担ばかりおわせ、魔獣討伐の前線から抜ける俺を許してくれとは言わない。ただ、無茶な命令だけはくだされないよう『約定の証書』だけはガラナミア伯爵から、もぎ取ってくると約束する」
俺の意志がかたいことを知り、彼は静かに涙を落とした……
――問題の薬師ばぁは、ガラナミア伯爵から直々の呼び出しだったらしい。きっとリオの治療と面倒をみていたのが、薬師ばぁだったので、『順応の義』の失敗の理由を領主みずから探ろうとしての行動だろう……ただ、なぜ行方がわからなくなったのか? それが気がかりだった。
ガラナミア伯爵に緊急の謁見の申し込みを依頼し、一眠りしに部屋へ戻ると、リオがベッドにいなかった。ベッドの上には、儀礼用のマントだけが残されている。
部屋は扉が開かないよう、ちょっとした仕掛けをしていた(部屋の前に重い本棚を移動しておいただけだが……)ので、なかから出ることはできないはずだ。
持っていた灯りをかかげ、部屋のようすを確認する。暗闇のなか、ベッドの下に蹴り落とした布団のなかで、丸まっているリオを見つけた。
「リオ……?」
リオは、涙でぐしゃぐしゃになった顔で、俺を睨んでいる。
「どうした?」
「……た、から……」
「んっ?」
「アランがいなかったから……ふええええんっ」
泣きだしたリオを抱きしめる。
「ひとりにして、すまなかった。こうしているからゆっくり寝るといい」
「ぐすっ……本当? ヒック……ここにいてくれる? 起きたら知らない、誰もいない場所で怖かったの。暗闇から、大きな手が私を殴りにくるの。ひとりは嫌なの、怖いの」
リオの恐怖を取りのぞけるよう、頭を撫でた。リオは、ふふっ……と笑い……
「アランの匂い、このお布団と同じだわ! 安心する!」
また可愛いことを言う! 勘弁してくれ……赤くなったであろう目元を手で覆いかくした。リオは本当に安心したのか、俺の腕のなかで、コテンと寝てしまった。
今度は儀礼用のマントを乱暴にベッドから引きずり落とし、リオと共に横たわる。その上に俺の万年布団を引きあげた。
リオの髪を撫で、涙で濡れた頬を舌で舐めとっていく……唇にふれ、そのまま首筋へ……俺の唾液がリオに染みつけばいい。自分の巣穴に獲物をひっぱりこんだような……そんな仄暗い欲望に支配されながら、夜が明けるまで、リオの涙と汗を堪能しながらすごした。
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