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48 エバンティス侯爵の到着
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セフィロース領の伯爵邸に20台近い馬車が、入門を待って行列をつくっていた。護衛騎士も馬車のまわりに配置されており、物々しい雰囲気だ。
伯爵邸の使用人も、来賓の対応におわれている。
「父上、お待ちしておりました。ずいぶん大人数でのお越しいただき、驚きを禁じ得ないですね」
「堅苦しい挨拶はいい! 聖女様は?」
「来訪者様ですよ。彼女は『順応の義』に失敗している」
「ああ、そうだったな。だが我がエバンティスにとって、『順応の義』の失敗など、たいした問題ではない」
父は私の執務室に当然のように居座り、伯爵邸の執事や従僕を自分の手足のようにつかい、同伴した来賓の部屋割りを指示していた。シシーリア聖皇国の皇族と高位貴族、周辺国の王族や外交官の名まである……そうそうたる顔ぶれだ。
「お義父様、ごぶさたしております」
僕のウーニャが奇麗なカーテシーで父に挨拶をする。
父は、彼女をチラリと見ると「レディ・ピアディ、今回はラズ侯爵も同行しておる。父親とは、久方ぶりの再会だろう。私のことは気にせず、話してきなさい」と、一見、優しげに見える態度で彼女を追い払おうとした。
「……ご配慮、感謝いたします」
寂しそうな彼女の返答。父の態度にいらつくが、表情にでないよう注意しながら、僕のウーニャに声をかけた。
「あとで私も挨拶に行くから、よろしく伝えておいて」
彼女の頬に口づけを落とす。僕のウーニャは微笑みながら、立ち去った。
「ずいぶん、仲がよさそうだな」
「婚約者ですから」
「血族の血の力が強まる正妻は、来訪者様だ!」
「リオは……来訪者様は、アランを愛していますよ」
「おお、そうだった! シャルナの軍神も我がエバンティス侯爵家のものになるとは、喜ばしいことだ」
話がなにもつうじずイライラする。
「リオも、アランも我が家の所有物ではないし、私はピアディを手放すつもりはありません!」
「なにを言っておるかー! 血を残せない花嫁など、エバンティス侯爵家は望んでおらん!」
ガッシャーン――――――!!
振り向くと、紅茶のトレイを落としてしまった僕のウーニャが、目を見開き呆然と立っていた。その手がカタカタとふるえている……
「……あ、も、申し訳……ありません……わ、わたくし……」
「紅茶を持ってきてくれたんだね。ありがとう。怪我してないかい?」
彼女の歯がカタカタ鳴っている。僕のウーニャをぎゅっと抱きしめ、父を睨んだ。父もさすがに、気まずそうな顔をしていた。
「なにも私は、おまえたちの婚姻に反対しているわけではない。レディ・ピアディに子供が産まれれば、すぐ婚姻していい。子供ができなければ血が途絶える。聖者の血を途絶えさせてはならぬ。
エバンティスの血の力が弱まってきている今、来訪者様の魔力を子供につなぎ、血族の力をとりもどそうと考えるのは、血族の長として当然のことだ。
ジリオーラは血族の次期当主だ。その伴侶に強い魔力を求めるのはあたりまえのことだろう」
父は、ふぅ~っとため息を吐きながら、言い訳をつづける。
「1人だけでもいい。来訪者様とジリオーラの子供ができれば、聖者と聖女の混血だ。その子を次世代の当主とあおぎ、エバンティスは繁栄していける。
来訪者様にはそのあと好きな男の子供を身ごもってもらって、かまわない。何人産まれようと、すべておまえたちの養子とすればよい。
レディ・ピアディに子供ができていれば、その子と来訪者様の子を婚約させたのだが……子供ができないから、来訪者様にジリオーラの正妻になっていただく必要があるんだ。
エバンティス血族は、正式な跡継ぎを必要としている……」
僕のウーニャの肩がビクリっと跳ねる。
「父上! 言いすぎです。彼女はまだ若い。子供はこれからいくらでもできる」
噛みしめた奥歯がギリギリ鳴った。僕のウーニャを追いつめたのは、おまえたちのくせに! これ以上、まだ彼女を追いつめようというのか!
「……リオ様に頼まなくちゃ……わたくしの……わたくしの……」
ぽろぽろ涙をこぼす僕のウーニャが、私の手をふりはらい、執務室から駆けだした。
「この話はまた今度だ!」
父を怒鳴りつけ、彼女のあとを追う。彼女は、まっすぐリオのいる客室へ向かっていた。
リオの部屋に飛びこむ前に、腕を掴み、彼女の動きをとめる。
「はなして! はなして! ジリィ~」
僕のウーニャの悲痛な声が聞こえてしまったのか? 客室の扉が開き、リオが顔をのぞかせた。
「リオ様!」
彼女はリオの胸に飛びこんだ。リオの後ろからアランも顔をのぞかせる。
「リオ様、お願いよ……わたくしの、わたくしの子を産んで」
ふたりとも意味がわからないといった表情をしている。それでも泣く彼女を室内へ入れてくれた。僕のウーニャはリオに抱きついたまま泣きじゃくっている。
「レディ・ピアディ、落ちついて。あなたの子供は、あなたにしか産めないわ」
「いいえ、いいえ。産めますわ。リオ様なら産めますの。リオ様の産んだジリィの子が……わたくしの子供になるの」
リオとアランが息を呑む音が聞こえた。
「どういうことだ」
アランの怒気をふくんだ声……やめてくれ……僕のウーニャを追いつめないで。
「レディ・ピアディ、ごめんなさい。それはできないわ。私は婚姻相手の子供しか産みません」
「ジリィの正妻になるのだから、問題ないわ」
リオは優しく、僕のウーニャの頭を撫で、首を横に振った。
「私は愛している人の唯一になりたいし、唯一しか欲しくないの。そして私が唯一の婚姻相手と望んでいるのは、ジリオ様じゃない。アラン様なの」
――ヒュッ! っとアランが息を呑む音がした。彼の顔は首まで真っ赤だ。
彼は、嘘だ……信じられない……まさか……本当に……とぶつぶつ、つぶやいている。リオのまっすぐな愛に気がつかないなんて、バカな男だ。
バシンッ! っと、彼の背中を叩き喝をいれてやる。
「リオ、『約定の証書』があるから婚姻しなくても、私はリオを抱けるんだよ」
今度は、僕のウーニャがぷるぷるとふるえだし、不安そうに私を見つめた。ああ、嬉しいな。君も私に執着してくれるんだね。
「ジリオ様、たとえ『約定の証書』があっても、私はあなたに抱かれることはない。ファリアーナ神は私の神様ではないもの。私はファリアーナ神の『契約』に縛られない」
強く、唯一神を否定したリオ……君は答えを導きだした。
ふところから『約定の証書』を取りだすと、リオは少し不安そうな表情をしながらも、私をきっ! と、正面から見つめた。
魔力を高める方法は邪魔がはいらないほうが都合がいいから、ふたりのときに教えてあげる。
貴方と別室だと、私の聖女に出会えたことが、夢か現か錯覚しそうだよ。貴方とすごせる時間が現実だと実感させて。
シャルナ王国の騎士に気づかれるとうるさいから、こっそりこの手紙の下に返事を請う。
今宵、静寂の夜の夢を貴方に捧ぐ――ジリオーラ・エバンティス・セフィロース
「魔力を高める方法は、リオはもう知っているし、聖女もシャルナ王国の騎士も、ここにはいない。あの日の『今宵』は、もう過ぎた過去の日だ。『約定の証書』の効力は、すでに無くなっている」
そう、宣言すると同時に『約定の証書』はボロボロと崩れはじめ、風に飛ばされ消えていった。ほっとしたように、リオの強張った体から力が抜ける。
「なんで! なんでですのジリィ! 『約定の証書』は、双方が認めなければ破棄できない! なんで破棄しちゃうんですの!」
消えていく『約定の証書』に飛びついてきた僕のウーニャを、正面から抱きとめた。彼女は怒って手足をバタつかせる。
「同じなんだ……」
「え?」
「同じなんだよ僕のウーニャ。私はリオと同じで、ずっと自分の唯一が欲しかった。それは君だよ。愛しいお姫様」
暴れていた彼女が、腕のなかでおとなしくなる。真っ白な髪に口づけながら、告白をつづけた。
「……わたくしも、あなただけが欲しいわ……」
「ああ、嬉しいな。私たちに自由になる部分は少ないけれど、お互いが唯一の存在だ。嬉しいな」
「ええ、嬉しいわ。わたくしのジリィ」
「僕のウーニャ、ゆっくりでいいんだ。子供のこともゆっくり考えよう……かならず、ふたりの子供は産まれるからね。大丈夫だよ」
「ええ……そうね。わたくしもジリィの子供が産みたいわ」
彼女を抱きしめて、ふたりして泣いた。
僕のウーニャに子供ができない理由を、たぶんアランは気がついている。無言をつらぬいてくれている彼に感謝する。彼といい友人のように語りあえることができたなら……今はまだ、望めない未来を思い描き、自嘲めいた笑みがこぼれた。
「リオ、アラン、騒動に巻きこんですまない。私たちは、なにか似ているね」
「お互いを求めあっているのに、それぞれが一方通行なところとか……ですね」
リオの返答に、こくんと、うなずき。笑いあう。
「いつでも伯爵邸を出れる準備を! 目的のものが手にはいり次第、ふたりはここを出たほうがいい……夜会参加者の顔ぶれに、違和感がある。父は『聖者の手記』の持参をおとりにリオたちを足どめし、夜会参加者を当日まで秘匿した。
アランはもう気がついているだろう? リオからあたえられる魔力の高まりを。シャルナ王国は知らなかったからリオを手放した。『順応の義』と関係なく、来訪者が内包する魔力は利用できると、来賓のシシーリア聖皇国の者たちは知っている。じゅうぶん気をつけてくれ」
伯爵邸の使用人も、来賓の対応におわれている。
「父上、お待ちしておりました。ずいぶん大人数でのお越しいただき、驚きを禁じ得ないですね」
「堅苦しい挨拶はいい! 聖女様は?」
「来訪者様ですよ。彼女は『順応の義』に失敗している」
「ああ、そうだったな。だが我がエバンティスにとって、『順応の義』の失敗など、たいした問題ではない」
父は私の執務室に当然のように居座り、伯爵邸の執事や従僕を自分の手足のようにつかい、同伴した来賓の部屋割りを指示していた。シシーリア聖皇国の皇族と高位貴族、周辺国の王族や外交官の名まである……そうそうたる顔ぶれだ。
「お義父様、ごぶさたしております」
僕のウーニャが奇麗なカーテシーで父に挨拶をする。
父は、彼女をチラリと見ると「レディ・ピアディ、今回はラズ侯爵も同行しておる。父親とは、久方ぶりの再会だろう。私のことは気にせず、話してきなさい」と、一見、優しげに見える態度で彼女を追い払おうとした。
「……ご配慮、感謝いたします」
寂しそうな彼女の返答。父の態度にいらつくが、表情にでないよう注意しながら、僕のウーニャに声をかけた。
「あとで私も挨拶に行くから、よろしく伝えておいて」
彼女の頬に口づけを落とす。僕のウーニャは微笑みながら、立ち去った。
「ずいぶん、仲がよさそうだな」
「婚約者ですから」
「血族の血の力が強まる正妻は、来訪者様だ!」
「リオは……来訪者様は、アランを愛していますよ」
「おお、そうだった! シャルナの軍神も我がエバンティス侯爵家のものになるとは、喜ばしいことだ」
話がなにもつうじずイライラする。
「リオも、アランも我が家の所有物ではないし、私はピアディを手放すつもりはありません!」
「なにを言っておるかー! 血を残せない花嫁など、エバンティス侯爵家は望んでおらん!」
ガッシャーン――――――!!
振り向くと、紅茶のトレイを落としてしまった僕のウーニャが、目を見開き呆然と立っていた。その手がカタカタとふるえている……
「……あ、も、申し訳……ありません……わ、わたくし……」
「紅茶を持ってきてくれたんだね。ありがとう。怪我してないかい?」
彼女の歯がカタカタ鳴っている。僕のウーニャをぎゅっと抱きしめ、父を睨んだ。父もさすがに、気まずそうな顔をしていた。
「なにも私は、おまえたちの婚姻に反対しているわけではない。レディ・ピアディに子供が産まれれば、すぐ婚姻していい。子供ができなければ血が途絶える。聖者の血を途絶えさせてはならぬ。
エバンティスの血の力が弱まってきている今、来訪者様の魔力を子供につなぎ、血族の力をとりもどそうと考えるのは、血族の長として当然のことだ。
ジリオーラは血族の次期当主だ。その伴侶に強い魔力を求めるのはあたりまえのことだろう」
父は、ふぅ~っとため息を吐きながら、言い訳をつづける。
「1人だけでもいい。来訪者様とジリオーラの子供ができれば、聖者と聖女の混血だ。その子を次世代の当主とあおぎ、エバンティスは繁栄していける。
来訪者様にはそのあと好きな男の子供を身ごもってもらって、かまわない。何人産まれようと、すべておまえたちの養子とすればよい。
レディ・ピアディに子供ができていれば、その子と来訪者様の子を婚約させたのだが……子供ができないから、来訪者様にジリオーラの正妻になっていただく必要があるんだ。
エバンティス血族は、正式な跡継ぎを必要としている……」
僕のウーニャの肩がビクリっと跳ねる。
「父上! 言いすぎです。彼女はまだ若い。子供はこれからいくらでもできる」
噛みしめた奥歯がギリギリ鳴った。僕のウーニャを追いつめたのは、おまえたちのくせに! これ以上、まだ彼女を追いつめようというのか!
「……リオ様に頼まなくちゃ……わたくしの……わたくしの……」
ぽろぽろ涙をこぼす僕のウーニャが、私の手をふりはらい、執務室から駆けだした。
「この話はまた今度だ!」
父を怒鳴りつけ、彼女のあとを追う。彼女は、まっすぐリオのいる客室へ向かっていた。
リオの部屋に飛びこむ前に、腕を掴み、彼女の動きをとめる。
「はなして! はなして! ジリィ~」
僕のウーニャの悲痛な声が聞こえてしまったのか? 客室の扉が開き、リオが顔をのぞかせた。
「リオ様!」
彼女はリオの胸に飛びこんだ。リオの後ろからアランも顔をのぞかせる。
「リオ様、お願いよ……わたくしの、わたくしの子を産んで」
ふたりとも意味がわからないといった表情をしている。それでも泣く彼女を室内へ入れてくれた。僕のウーニャはリオに抱きついたまま泣きじゃくっている。
「レディ・ピアディ、落ちついて。あなたの子供は、あなたにしか産めないわ」
「いいえ、いいえ。産めますわ。リオ様なら産めますの。リオ様の産んだジリィの子が……わたくしの子供になるの」
リオとアランが息を呑む音が聞こえた。
「どういうことだ」
アランの怒気をふくんだ声……やめてくれ……僕のウーニャを追いつめないで。
「レディ・ピアディ、ごめんなさい。それはできないわ。私は婚姻相手の子供しか産みません」
「ジリィの正妻になるのだから、問題ないわ」
リオは優しく、僕のウーニャの頭を撫で、首を横に振った。
「私は愛している人の唯一になりたいし、唯一しか欲しくないの。そして私が唯一の婚姻相手と望んでいるのは、ジリオ様じゃない。アラン様なの」
――ヒュッ! っとアランが息を呑む音がした。彼の顔は首まで真っ赤だ。
彼は、嘘だ……信じられない……まさか……本当に……とぶつぶつ、つぶやいている。リオのまっすぐな愛に気がつかないなんて、バカな男だ。
バシンッ! っと、彼の背中を叩き喝をいれてやる。
「リオ、『約定の証書』があるから婚姻しなくても、私はリオを抱けるんだよ」
今度は、僕のウーニャがぷるぷるとふるえだし、不安そうに私を見つめた。ああ、嬉しいな。君も私に執着してくれるんだね。
「ジリオ様、たとえ『約定の証書』があっても、私はあなたに抱かれることはない。ファリアーナ神は私の神様ではないもの。私はファリアーナ神の『契約』に縛られない」
強く、唯一神を否定したリオ……君は答えを導きだした。
ふところから『約定の証書』を取りだすと、リオは少し不安そうな表情をしながらも、私をきっ! と、正面から見つめた。
魔力を高める方法は邪魔がはいらないほうが都合がいいから、ふたりのときに教えてあげる。
貴方と別室だと、私の聖女に出会えたことが、夢か現か錯覚しそうだよ。貴方とすごせる時間が現実だと実感させて。
シャルナ王国の騎士に気づかれるとうるさいから、こっそりこの手紙の下に返事を請う。
今宵、静寂の夜の夢を貴方に捧ぐ――ジリオーラ・エバンティス・セフィロース
「魔力を高める方法は、リオはもう知っているし、聖女もシャルナ王国の騎士も、ここにはいない。あの日の『今宵』は、もう過ぎた過去の日だ。『約定の証書』の効力は、すでに無くなっている」
そう、宣言すると同時に『約定の証書』はボロボロと崩れはじめ、風に飛ばされ消えていった。ほっとしたように、リオの強張った体から力が抜ける。
「なんで! なんでですのジリィ! 『約定の証書』は、双方が認めなければ破棄できない! なんで破棄しちゃうんですの!」
消えていく『約定の証書』に飛びついてきた僕のウーニャを、正面から抱きとめた。彼女は怒って手足をバタつかせる。
「同じなんだ……」
「え?」
「同じなんだよ僕のウーニャ。私はリオと同じで、ずっと自分の唯一が欲しかった。それは君だよ。愛しいお姫様」
暴れていた彼女が、腕のなかでおとなしくなる。真っ白な髪に口づけながら、告白をつづけた。
「……わたくしも、あなただけが欲しいわ……」
「ああ、嬉しいな。私たちに自由になる部分は少ないけれど、お互いが唯一の存在だ。嬉しいな」
「ええ、嬉しいわ。わたくしのジリィ」
「僕のウーニャ、ゆっくりでいいんだ。子供のこともゆっくり考えよう……かならず、ふたりの子供は産まれるからね。大丈夫だよ」
「ええ……そうね。わたくしもジリィの子供が産みたいわ」
彼女を抱きしめて、ふたりして泣いた。
僕のウーニャに子供ができない理由を、たぶんアランは気がついている。無言をつらぬいてくれている彼に感謝する。彼といい友人のように語りあえることができたなら……今はまだ、望めない未来を思い描き、自嘲めいた笑みがこぼれた。
「リオ、アラン、騒動に巻きこんですまない。私たちは、なにか似ているね」
「お互いを求めあっているのに、それぞれが一方通行なところとか……ですね」
リオの返答に、こくんと、うなずき。笑いあう。
「いつでも伯爵邸を出れる準備を! 目的のものが手にはいり次第、ふたりはここを出たほうがいい……夜会参加者の顔ぶれに、違和感がある。父は『聖者の手記』の持参をおとりにリオたちを足どめし、夜会参加者を当日まで秘匿した。
アランはもう気がついているだろう? リオからあたえられる魔力の高まりを。シャルナ王国は知らなかったからリオを手放した。『順応の義』と関係なく、来訪者が内包する魔力は利用できると、来賓のシシーリア聖皇国の者たちは知っている。じゅうぶん気をつけてくれ」
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