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旅立ち
変化
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白は自分のステータスを見た瞬間声を漏らしてしまった。
「あ、れ……」
———————————————————
種族:水の守り人
職業:レベル 10%解放
性別:男
状態:良好
加護:サラスヴァティの加護 30%解放
Lv :1
HP :130/130
MP :130/130
攻撃力 :50
防御力 :10
魔法攻撃力 :10
スピード :10
特性: 『水属性』
耐性:なし
スキル: 《水の守り人》
称号:転生者
蛇の友達 20%解放
【サラスヴァティの加護】 30%解放
HP、MP共に成長補正。魔法において水の適正がある。あらゆる「波」に対して敏感。
サラスヴァティに関わりがあるものに授けられる。種族が「水の守り人」に変わる。
『水属性』
水属性の魔法を全て扱える素質を持つ。
《水の守り人》
水を守り、守られる。しかしこれは自分の支配下に置いた水のみに適応される。
———————————————————
「す、すいません。一応確認なんですが、種族名が変わる、なんてことは……」
「種族名が変わる? いや、聞いたことないですね」
「そうですか、もう一つ確認なんですが、「水の守り人」っていう種族は聞いたことありますか?」
「「水の守り人」? そう言う名前の種族ですか? それも聞いたことないですね。そう言う職業ならまだ分かるんですが」
「ちなみに私の職業はレベルと言うらしいですが、これを聞いたことも……」
「職業名が「レベル」ですか? 「職業レベル」なら職業によって設定されていますが」
「あ、ステータスにどういう風に書いてあるか、見せますね。多分そっちの方が早いですから」
直接ステータスを見せられないので白は会議室にあった書くための一式の道具を許可を取って手にもち、ステータスの職業の所のみを写す。
「こんな感じです」
白とワンドの間にいる4人のエルフに写した紙を渡し、ワンドに見せてもらうよう頼む。
「……」
しかしワンドは紙を見て止まってしまった。
「どうしました?」
「ハクさんと言いましたね、私のステータスもどのように書いてあるか見せてあげましょう」
そう言うと、ワンドは白と同様に書き始めた。
「出来ました」
そして4人のエルフを経由して写した紙を見せる。
「字が違う……」
「困りましたね……」
そう、白のステータスは日本語で書かれており、ワンドのステータスはこちらの言葉で書いてあった。
「で、でも! 言葉は通じるみたいだし俺が何者なのかはわからないままですが、少なくとも「敵」ではないことが分かったんではないでしょうか」
「そうですね……ちなみに先程まで言っていた種族名や職業名は本当のことですか?」
「本当のことですよ。信じるかどうかはあなた次第ですが」
「あまり信じたくないんですが、幸か不幸かこちらには嘘を見破る力があるんです。信じるしかないでしょう」
「良かった……」
「しかし、私の家で保護という名の軟禁をされてもらいますが」
「結構です。いや、ありがとうございます。助かりました。行くあても帰る場所もなく彷徨う所でしたので」
「そうですか、ところで、エレメントの長の会議にあなたのことを挙げてもよろしいでしょうか、これからその会議に出向かう所なんですが」
「大丈夫ですよ。しかし私が元「人間」だと知ったらエレメント?の長達が私を処刑する、なんてことはないですよね?」
「「人間」だったら話は別ですがあなたの場合まずないでしょう。シルエットだけ見たらあなたは「人間」ですが、「人間」に白い髪、真っ赤な目の人はいませんから。私も最初あなたを「人間」だと思ってましたがどうやら違うようでしたし」
「ん?」
「私の家へはツグが連れて行ってくれるでしょう。彼女は私の妹です。では行ってきますね」
そう言って彼はそれまでずっと黙っていた4人のエルフのうち1人を連れて会議室を出てしまった。白に大きな爆弾を落として。
(白い髪に赤い目? 文脈上俺のことだよな? 黒い髪と黒い目ではなくなったってことか。これはいわゆるアルビノか? いや、アルビノとは体の色素が足りないことによって体全体が薄い色になる症状だ。このことから考えると真っ赤な目の説明がつかない。じゃあなんだ、まるでわからない)
もし彼が異世界に来て、尻尾が生えていたり羽がついていたり、そういう変化があったら流石に分かっただろう。しかし、目の色や髪の毛の色は鏡を見ない限り分からない。彼が今、初めて自分の外見の変化に戸惑っているのも当たり前だといえよう。
顔をペタペタと触りだした白にツグはそ~っと声をかける
「えっと、そろそろおうちに行きましょうか? 大丈夫ですか、顔なんか触っちゃって」
「え? あ、あぁ。大丈夫だ。大丈夫。大丈夫だから。そう、大丈夫だよ」
大丈夫を連呼する大丈夫じゃない白にツグは混乱しだす。
「えぇ、ええぇ、全然大丈夫じゃないよ~」
「ツグちゃん、あなたまで落ち着かなくてどうするの。とりあえずハク君が落ち着くのを待って「ハク君て言うの?君」……クリプトメリアは黙ってなさい!」
2人して混乱しだした白とツグに、トーチが諌めようと試みたものの、クリプトメリアが割って入ってきた。もう収拾がつかない、そう思われた時バーチが声をあげた。
「ここにいる人で自己紹介をしませんか!」
「そ、そうだな。自己紹介は自分が分かるチャンスかもしれない」
「じ、自己紹介⁈ できるかな、できるよねきっと」
「そうですね、それがいいでしょう」
「いいわね。みんなでヤりましょ」
「はぁ、まあいいわ。一旦落ち着いたみたいだし」
そして彼らは自己紹介をし始めた。
「あ、れ……」
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種族:水の守り人
職業:レベル 10%解放
性別:男
状態:良好
加護:サラスヴァティの加護 30%解放
Lv :1
HP :130/130
MP :130/130
攻撃力 :50
防御力 :10
魔法攻撃力 :10
スピード :10
特性: 『水属性』
耐性:なし
スキル: 《水の守り人》
称号:転生者
蛇の友達 20%解放
【サラスヴァティの加護】 30%解放
HP、MP共に成長補正。魔法において水の適正がある。あらゆる「波」に対して敏感。
サラスヴァティに関わりがあるものに授けられる。種族が「水の守り人」に変わる。
『水属性』
水属性の魔法を全て扱える素質を持つ。
《水の守り人》
水を守り、守られる。しかしこれは自分の支配下に置いた水のみに適応される。
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「す、すいません。一応確認なんですが、種族名が変わる、なんてことは……」
「種族名が変わる? いや、聞いたことないですね」
「そうですか、もう一つ確認なんですが、「水の守り人」っていう種族は聞いたことありますか?」
「「水の守り人」? そう言う名前の種族ですか? それも聞いたことないですね。そう言う職業ならまだ分かるんですが」
「ちなみに私の職業はレベルと言うらしいですが、これを聞いたことも……」
「職業名が「レベル」ですか? 「職業レベル」なら職業によって設定されていますが」
「あ、ステータスにどういう風に書いてあるか、見せますね。多分そっちの方が早いですから」
直接ステータスを見せられないので白は会議室にあった書くための一式の道具を許可を取って手にもち、ステータスの職業の所のみを写す。
「こんな感じです」
白とワンドの間にいる4人のエルフに写した紙を渡し、ワンドに見せてもらうよう頼む。
「……」
しかしワンドは紙を見て止まってしまった。
「どうしました?」
「ハクさんと言いましたね、私のステータスもどのように書いてあるか見せてあげましょう」
そう言うと、ワンドは白と同様に書き始めた。
「出来ました」
そして4人のエルフを経由して写した紙を見せる。
「字が違う……」
「困りましたね……」
そう、白のステータスは日本語で書かれており、ワンドのステータスはこちらの言葉で書いてあった。
「で、でも! 言葉は通じるみたいだし俺が何者なのかはわからないままですが、少なくとも「敵」ではないことが分かったんではないでしょうか」
「そうですね……ちなみに先程まで言っていた種族名や職業名は本当のことですか?」
「本当のことですよ。信じるかどうかはあなた次第ですが」
「あまり信じたくないんですが、幸か不幸かこちらには嘘を見破る力があるんです。信じるしかないでしょう」
「良かった……」
「しかし、私の家で保護という名の軟禁をされてもらいますが」
「結構です。いや、ありがとうございます。助かりました。行くあても帰る場所もなく彷徨う所でしたので」
「そうですか、ところで、エレメントの長の会議にあなたのことを挙げてもよろしいでしょうか、これからその会議に出向かう所なんですが」
「大丈夫ですよ。しかし私が元「人間」だと知ったらエレメント?の長達が私を処刑する、なんてことはないですよね?」
「「人間」だったら話は別ですがあなたの場合まずないでしょう。シルエットだけ見たらあなたは「人間」ですが、「人間」に白い髪、真っ赤な目の人はいませんから。私も最初あなたを「人間」だと思ってましたがどうやら違うようでしたし」
「ん?」
「私の家へはツグが連れて行ってくれるでしょう。彼女は私の妹です。では行ってきますね」
そう言って彼はそれまでずっと黙っていた4人のエルフのうち1人を連れて会議室を出てしまった。白に大きな爆弾を落として。
(白い髪に赤い目? 文脈上俺のことだよな? 黒い髪と黒い目ではなくなったってことか。これはいわゆるアルビノか? いや、アルビノとは体の色素が足りないことによって体全体が薄い色になる症状だ。このことから考えると真っ赤な目の説明がつかない。じゃあなんだ、まるでわからない)
もし彼が異世界に来て、尻尾が生えていたり羽がついていたり、そういう変化があったら流石に分かっただろう。しかし、目の色や髪の毛の色は鏡を見ない限り分からない。彼が今、初めて自分の外見の変化に戸惑っているのも当たり前だといえよう。
顔をペタペタと触りだした白にツグはそ~っと声をかける
「えっと、そろそろおうちに行きましょうか? 大丈夫ですか、顔なんか触っちゃって」
「え? あ、あぁ。大丈夫だ。大丈夫。大丈夫だから。そう、大丈夫だよ」
大丈夫を連呼する大丈夫じゃない白にツグは混乱しだす。
「えぇ、ええぇ、全然大丈夫じゃないよ~」
「ツグちゃん、あなたまで落ち着かなくてどうするの。とりあえずハク君が落ち着くのを待って「ハク君て言うの?君」……クリプトメリアは黙ってなさい!」
2人して混乱しだした白とツグに、トーチが諌めようと試みたものの、クリプトメリアが割って入ってきた。もう収拾がつかない、そう思われた時バーチが声をあげた。
「ここにいる人で自己紹介をしませんか!」
「そ、そうだな。自己紹介は自分が分かるチャンスかもしれない」
「じ、自己紹介⁈ できるかな、できるよねきっと」
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