神を越えたその先へ

blaster

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2.5章 それぞれの物語

閑話 魔族

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 今回はクラスメイトたちのエピソードです。
 気がつけばこれで20話目ですね。

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「ふぅ、、、。」

 涼乃が朝の鍛練を終え、タオルを肩にかけ休憩してると、

「宵波さん。」
「あら、進藤くんじゃない。どうかした?」
「いや、朝から特訓だなんて偉いなと思っただけだよ。毎日やってるでしょ?」
「ええ、あんなことをもう二度と起こさないようにね。もしもの時は私が護れるぐらいに強くならないと。もう守られるのはごめんよ。」
「守られる?まあ、彼のことは残念だったね、、、。宵波さんは彼と仲が良かったから。」
「そうね、残念だわ。でも、そんな話をしに来たわけではないでしょ?」
「ああ、そうだった。今から僕と手合わせしてくれないか?」
「、、、なぜ?」
「自分の力を試したいんだ。クラスの皆じゃちょっと危ないからね。」
「魔法の使用は禁止、寸止めでなら良いわよ。」
「それで構わない。ありがとう。」
「じゃあ始めましょうか。」

 2人は向かい合った。先に動いたのは、進藤だった。

「はっ!」

──ギンッ!──

 振り下ろされる剣に涼乃は横から自らの剣をぶつけ受け流す。
 攻撃を防がれた進藤は焦らず、冷静に違う角度から連撃を重ねていく。涼乃はそれを丁寧に、正確に捌いていく。ずっと続くかと思われたが、戦いは唐突に終わりを迎えた。

「シッ」
「うぐっ!?」

 涼乃が進藤の膝目掛けて蹴りを放ったのだ。バランスを崩した進藤に剣を突きつける涼乃。

「、、、参りました。」
「ありがとうございました。」
「こちらこそ。宵波さんは剣道をやってたの?」
「ええ、家が道場をやっていてね。剣道よりかは剣術と言った方が良いかも知れないけれど。」
「へぇ、実戦向きなんだね、それは強いわけだ。」

「進藤様、宵波様!」

 他愛もない会話をしていると、王城のメイドさんが走ってきた。

「すみませんが、大広間に来て頂けないでしょうか?」

 メイドさんが申し訳なさそうにそう言ってきた。

「はい、わかりました。何かあったんですか?」
「は、はい。何でも魔族の侵攻があったようなのですが、、、。 」
「なんだって!?魔族との戦いはもっと後ではなかったのか!?」
「は、はい。急に攻めてきて王国の兵士も困惑しています。」
「成る程、それで俺らが駆り出されるってわけか。、、、わかりました、行きましょう。宵波さんもそれで良いかな?」
「ええ、私たちの安全が脅かされるのは御免よ。」
「ありがとうございます。では、私についてきてください。」


 進藤と涼乃が通されたのは、召喚された後に案内されたいつしか蓮が「最後の晩餐」と称した部屋だった。そこにはもう既にクラスメイトたちが集まっていて、不安そうに話していた。
 進藤と涼乃が入ってきたのを確認したアイザー騎士団長が話し始めた。

「あー、全員揃ったようだな、今集まってもらってるのは他でもない、魔族たちの進攻についてだ。今日からおよそ3日ごに大軍の魔物を率いてやって来るらしい。お前たちにはそれの討伐をお願いしたい。」

「そんな、、、。」
「死にたくない!」
「何でそんなことしなきゃいけないんだよ!」
「静かにしてくれ!」

 ざわつく場をアイザーが静める。

「聞いてくれ、まず、一番最初に言った通りお前たちに強制する気はない。嫌なら城内で待っていてくれて構わない。それと、戦ってくれた者には報酬も用意してある。王女様がただで戦わせては勇者様が奴隷のようだと仰ったのでな。」
「おお、、、!」

 報酬という言葉を聞いたクラスメイトがどよめく。

「アイザーさん。魔人族は王国を攻めてきているんですか?」

 進藤が聞いた。

「ああ、その通りだ。」
「なら僕は戦います。外で戦うか王国内で戦うかの違いです。国民のみなさんにも犠牲にはなってほしくはないので。」
「私もやるわ。戦うなら万全の状態で迎え撃ちたいしね。」

 涼乃も覚悟を決めた。

「俺もやるぜ。」

 内山も立候補した。

「意外ね、あなたはこういうことはやりたがらないと思ってたわ。」
「ああ、まあな。」
「一緒に頑張ろうね!山内くん!」
「お、おう。よろしく。」

 香奈がそう言って、山内が照れた。とてもわかりやすいのだが、蓮のことで頭が埋め尽くされてる香奈は気づかない。

「お、俺も参加するから。よ、よろしく、宵波さん。」

 細井が涼乃にそう言うも、こちらは嫌悪で気づかない。蓮に嫌がらせをしたことを涼乃は絶対に忘れない。

「そ、よろしく。」


 結局、3日後の戦いには35人のクラスメイト中、30人が参加した。本当は全員が行こうとしたのだが、王城の護衛が必要だということで、5人残ることになった。

「そうと決まったら皆で特訓しよう!」
「そうね、万が一にも死なないようにね。」

 こうして、対魔族戦は幕を開けようとしていた。

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 全然書く暇が無かった、、、。私の頭の中で「課題」と「テスト勉強」の字が舞ってます。
 このあともう1話更新しようと思ってます。そこからが第3章です。
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