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運命に花束を①
運命は廻る⑥
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翌日、グノーは心の整理がついたのか普段通りにアジェの隣に立っていた。父はアジェの話が真実なのか調べているようで、その晩は帰ってこなかった。
「おはようございます。今日はどこへ行きましょうか?」
「ん~昨日みたいな事があると少し怖くなってしまいますよね。行きたい所はたくさんあるんですけど」
アジェは少し困ったような表情でそう言った。
「あんな輩が常にいるとは思わないで下さい、昨日はたまたま運が悪かっただけで、観光くらい平気ですよ」
「アジェはちゃんと俺が守るから、お前は好きな事してればいいよ」
グノーはそう言ってまたアジェに擦り寄っていった。
「そういえばグノー、昨日の身のこなし素晴らしかったですね。何か武術をやっているのですか?」
「あ?」
ナダールの言葉にグノーがこちらを見やる。
「別に、自分の身を守るために覚えただけだ。剣を振るうのは嫌いじゃない、剣は俺を裏切らない」
「すべて自己流?」
「ん~まぁ、多少人に習ったりもしたけど、ほとんどは……」
「素晴らしいですね!」
ナダールの言葉にグノーはたじろいだ様に後ずさった。
「あ? 褒めても何も出ないぞ」
「別にそんな事は期待していませんよ。単純に素晴らしいと思ったのでそう言っただけです。私、実を言うとあまり戦闘は得意ではなくて、いえ、人並みにはちゃんと戦えますよ、護衛任務だとて手を抜くつもりは一切ありませんが、なんて言うんですかね、やはり人に剣を向けるのにどうしても躊躇してしまうというか、ぶっちゃけあまり好きではないというか、どうにも人と争うのが好きではないんですよね。なので、昨日みたいな場面ではどうしても一歩出遅れてしまって……その点あなたの動きは無駄も隙もなくて本当に素晴らしいとそう思ったのですよ!!」
一気に畳み掛けるようにそう言うと、グノーは更に困惑した様子で「そうか」と一言言ってアジェの後ろに隠れられる訳もないのに隠れてしまう。
「ナダールさんもそう思います!? 僕も常々グノーは凄いって思ってたんです! 格好いいですよね! 僕もあんな風に戦えるようになりたい!」
アジェにまでそんな事を言われ、ますますグノーはうろたえた様子で挙動不審に「あ」とか「う」とか妙な声を発している。これでいて照れているのだろうか。
「もし良かったら、少し手合わせ願えませんか?」
ナダールの言葉にグノーは顔を上げる。
「なに? 俺と戦いたいの?」
彼の口元がにぃっと弧を描いたのが分かる。喜んでいるのか、自嘲の笑みなのかはよく分からなかったが、感触的には悪くない。彼はきっと剣が好きなのだ。
「はい、もし良ければ」
「やるなら、手加減しねぇぞ?」
「望む所です」
アジェも楽しそうににこにこと二人を見ていて、それじゃあと庭へと移動した。
家の庭は四方を建物に囲まれる形になっていて、もともと騎士の家系であるデルクマン家にふさわしく、そこは小さな闘技場のような場所になっていた。
「なんか凄いな、剣の稽古し放題だ」
「遊び場みたいなものですよ」
そこには練習用に使えとばかりに何本も剣が置いてあったり、試し切り用だろうか、藁人形なども転がっていた。
「これ好きに使っていいの?」
「どうぞ、その為に置いてあります」
グノーの空気があからさまにぱぁっと華やいだ。ナダールの読み通り彼は剣技や武術、戦うこと全般が大好きなのだという事は一目瞭然だった。
「うぁ~いいな、いいな。ここは天国だな」
「そうですか?」
ナダールは苦笑する。殺伐とした感じがして自分はあまり好きではないのだ。子供の頃から慣れ親しんだその稽古場はグノーが言うほど楽しい場所ではなかったのだが、グノーが楽しそうなのでひとまずはよしとする。
「好きな剣を選んでください、必要なら防具などもありますよ」
「いらね。そんなの重いばっかりで役に立たねぇもん」
グノーはそう言っていくつかの剣を手に取った。
持っては戻し、振っては頷いて一本の剣を選び出す。
「これに決めた!」
そう言った彼の声が弾んでいて、彼を見るまでもなく楽しげな様子が分かる。少し気分が浮上したようで、ナダールもほっとする。
アジェもそれは同じだったようで「僕そっちで見てるね」とにこにこと端に寄った。
「さすがにお前の選ぶ剣は大きいな」
「なかなか自分の体に合うサイズが見付からなくて困っているんですけどね」
大きいと重すぎるものが多くて、とナダールは苦笑した。
剣を振りながらグノーはナダールへと相対する。一つ礼をして剣を構える、ナダールが様子を見ていると、グノーは思い切り踏み込んで横殴りに斬り込んできた。
速い!
ナダールはかろうじてそれをかわして体勢を整えた。だが、完全に体勢が整いきる前にくるりと回転して勢いをつけたグノーの剣がナダールの剣を捕らえてからめとった。剣はするりと手から奪われ、からんと小気味良い音を立てて地に落ちる。
「え?」
何が起こったのかよく分からなかった、なにせ動きが速すぎる。アジェは凄い凄いと笑顔で拍手を贈っていた。
「え? 待って下さい、今のなんですか?」
「何って、なに?」
「私、何されたかまるで分からなかったんですけど……」
「そんなのお前の動きが遅いからだろ」
剣を肩に担いでグノーは呆れたようにそう言った。
「え? それだけ?」
「まぁ、俺あんまり体重も無いしさ、力比べじゃやっぱり不利じゃん? で、スピード突き詰めてったらこうなった」
だから体重増やすと動き鈍くなるから嫌なんだよ、とグノーは続けた。
「だからと言って食べないのはもっての外ですからね!」
「お前のその食に対する情熱はなんなんだよ……」
「むしろあなたの食への執着のなさは異常です。人間の三大欲求舐めないで下さい」
「今そういう話してた訳じゃないだろ?」
昨晩グノーは引き籠もったまま夕食に顔を出すことはなかった。そして、それにも関わらず、朝食もたいして食べてはいないのだ、ナダールからしてみたら由々しき事態だ。
「確かにあなたのそのスピードは素晴らしいです。ですが、倒れたら元も子もないですからね。それに筋肉は健全な食生活から作られるのです、あなたのその腕のどこに筋肉があるって言うんですか」
「ム・カ・つ・く! しょうがねぇだろ! 元々筋肉付きにくいんだよ! 好きでこんな身体に生まれたわけじゃねぇよ!!」
そういえばアジェは男性Ωは線が細いらしいという話をしていた、それも彼がΩだからとそういう事なのだろうか?
「俺だって普通に出来るなら、その辺にいるような普通の男になりたかったよ! お前に何が分かる。何もしなくても、普通に生活できてる坊ちゃん育ちが口出すな!」
彼の怒りの琴線に触れてしまったようで、ナダールはまたやってしまった……と肩を落とした。
嫌われている事は分かっている。それでも普通の友人くらいにはなれないものだろうかと思っているのに、自分は何かにつけ彼を怒らせてしまう。
「すみません、軽率な発言でした」
「お前のそういう所もムカつくんだよ! 謝ればなんでも許されると思うなよ。人のトラウマやらデリケートな部分ごりごり削ってきやがって、本当ムカつく! いっそ潔いくらいに見下してくれればこっちだって対処できるのに中途半端に優しくすんな!!」
え? と彼の方を見やると彼はまたそっぽを向いている。アジェはそんな彼をにこにこ見守っている。
あれ? 怒ってるわけじゃない?
「グノーは心配してくれるのは嬉しいんだもんね。素直じゃない」
「なっ! そんな事ねぇし! こんな奴嫌いだし」
あぁ、こっちのライフが削られるのでやめてください、人に嫌われるの慣れてないんです。
「あぁ、もう! とりあえずもう一戦! これで終わりだなんて言わねぇだろ? まさか、腹が空いて動けませんとか言い出すんじゃねぇだろうな?」
「え? そんな事は言いませんよ。私なんかで相手になるならいくらでも」
「それは楽しみ。もっと俺を楽しませてくれよ」
彼の口元がまた弧を描く。
あぁ、さして怒っていた訳ではなかったのか。口が悪いので、どうにも怒っているように感じてしまうが、その辺の機微はまだアジェの方がよく分かっている。彼が笑っているという事は、きっとまだ大丈夫だ。
「では、もう一戦お願いします」
再び二人は剣を交える。それはあと一戦あと一戦とグノーが飽きるまで続けられ、その日は一日それに費やされてしまった。
だが、余程満足したのかその日のグノーは上機嫌で、そんな彼の姿を眺めてはナダールは瞳を細めた。
「おはようございます。今日はどこへ行きましょうか?」
「ん~昨日みたいな事があると少し怖くなってしまいますよね。行きたい所はたくさんあるんですけど」
アジェは少し困ったような表情でそう言った。
「あんな輩が常にいるとは思わないで下さい、昨日はたまたま運が悪かっただけで、観光くらい平気ですよ」
「アジェはちゃんと俺が守るから、お前は好きな事してればいいよ」
グノーはそう言ってまたアジェに擦り寄っていった。
「そういえばグノー、昨日の身のこなし素晴らしかったですね。何か武術をやっているのですか?」
「あ?」
ナダールの言葉にグノーがこちらを見やる。
「別に、自分の身を守るために覚えただけだ。剣を振るうのは嫌いじゃない、剣は俺を裏切らない」
「すべて自己流?」
「ん~まぁ、多少人に習ったりもしたけど、ほとんどは……」
「素晴らしいですね!」
ナダールの言葉にグノーはたじろいだ様に後ずさった。
「あ? 褒めても何も出ないぞ」
「別にそんな事は期待していませんよ。単純に素晴らしいと思ったのでそう言っただけです。私、実を言うとあまり戦闘は得意ではなくて、いえ、人並みにはちゃんと戦えますよ、護衛任務だとて手を抜くつもりは一切ありませんが、なんて言うんですかね、やはり人に剣を向けるのにどうしても躊躇してしまうというか、ぶっちゃけあまり好きではないというか、どうにも人と争うのが好きではないんですよね。なので、昨日みたいな場面ではどうしても一歩出遅れてしまって……その点あなたの動きは無駄も隙もなくて本当に素晴らしいとそう思ったのですよ!!」
一気に畳み掛けるようにそう言うと、グノーは更に困惑した様子で「そうか」と一言言ってアジェの後ろに隠れられる訳もないのに隠れてしまう。
「ナダールさんもそう思います!? 僕も常々グノーは凄いって思ってたんです! 格好いいですよね! 僕もあんな風に戦えるようになりたい!」
アジェにまでそんな事を言われ、ますますグノーはうろたえた様子で挙動不審に「あ」とか「う」とか妙な声を発している。これでいて照れているのだろうか。
「もし良かったら、少し手合わせ願えませんか?」
ナダールの言葉にグノーは顔を上げる。
「なに? 俺と戦いたいの?」
彼の口元がにぃっと弧を描いたのが分かる。喜んでいるのか、自嘲の笑みなのかはよく分からなかったが、感触的には悪くない。彼はきっと剣が好きなのだ。
「はい、もし良ければ」
「やるなら、手加減しねぇぞ?」
「望む所です」
アジェも楽しそうににこにこと二人を見ていて、それじゃあと庭へと移動した。
家の庭は四方を建物に囲まれる形になっていて、もともと騎士の家系であるデルクマン家にふさわしく、そこは小さな闘技場のような場所になっていた。
「なんか凄いな、剣の稽古し放題だ」
「遊び場みたいなものですよ」
そこには練習用に使えとばかりに何本も剣が置いてあったり、試し切り用だろうか、藁人形なども転がっていた。
「これ好きに使っていいの?」
「どうぞ、その為に置いてあります」
グノーの空気があからさまにぱぁっと華やいだ。ナダールの読み通り彼は剣技や武術、戦うこと全般が大好きなのだという事は一目瞭然だった。
「うぁ~いいな、いいな。ここは天国だな」
「そうですか?」
ナダールは苦笑する。殺伐とした感じがして自分はあまり好きではないのだ。子供の頃から慣れ親しんだその稽古場はグノーが言うほど楽しい場所ではなかったのだが、グノーが楽しそうなのでひとまずはよしとする。
「好きな剣を選んでください、必要なら防具などもありますよ」
「いらね。そんなの重いばっかりで役に立たねぇもん」
グノーはそう言っていくつかの剣を手に取った。
持っては戻し、振っては頷いて一本の剣を選び出す。
「これに決めた!」
そう言った彼の声が弾んでいて、彼を見るまでもなく楽しげな様子が分かる。少し気分が浮上したようで、ナダールもほっとする。
アジェもそれは同じだったようで「僕そっちで見てるね」とにこにこと端に寄った。
「さすがにお前の選ぶ剣は大きいな」
「なかなか自分の体に合うサイズが見付からなくて困っているんですけどね」
大きいと重すぎるものが多くて、とナダールは苦笑した。
剣を振りながらグノーはナダールへと相対する。一つ礼をして剣を構える、ナダールが様子を見ていると、グノーは思い切り踏み込んで横殴りに斬り込んできた。
速い!
ナダールはかろうじてそれをかわして体勢を整えた。だが、完全に体勢が整いきる前にくるりと回転して勢いをつけたグノーの剣がナダールの剣を捕らえてからめとった。剣はするりと手から奪われ、からんと小気味良い音を立てて地に落ちる。
「え?」
何が起こったのかよく分からなかった、なにせ動きが速すぎる。アジェは凄い凄いと笑顔で拍手を贈っていた。
「え? 待って下さい、今のなんですか?」
「何って、なに?」
「私、何されたかまるで分からなかったんですけど……」
「そんなのお前の動きが遅いからだろ」
剣を肩に担いでグノーは呆れたようにそう言った。
「え? それだけ?」
「まぁ、俺あんまり体重も無いしさ、力比べじゃやっぱり不利じゃん? で、スピード突き詰めてったらこうなった」
だから体重増やすと動き鈍くなるから嫌なんだよ、とグノーは続けた。
「だからと言って食べないのはもっての外ですからね!」
「お前のその食に対する情熱はなんなんだよ……」
「むしろあなたの食への執着のなさは異常です。人間の三大欲求舐めないで下さい」
「今そういう話してた訳じゃないだろ?」
昨晩グノーは引き籠もったまま夕食に顔を出すことはなかった。そして、それにも関わらず、朝食もたいして食べてはいないのだ、ナダールからしてみたら由々しき事態だ。
「確かにあなたのそのスピードは素晴らしいです。ですが、倒れたら元も子もないですからね。それに筋肉は健全な食生活から作られるのです、あなたのその腕のどこに筋肉があるって言うんですか」
「ム・カ・つ・く! しょうがねぇだろ! 元々筋肉付きにくいんだよ! 好きでこんな身体に生まれたわけじゃねぇよ!!」
そういえばアジェは男性Ωは線が細いらしいという話をしていた、それも彼がΩだからとそういう事なのだろうか?
「俺だって普通に出来るなら、その辺にいるような普通の男になりたかったよ! お前に何が分かる。何もしなくても、普通に生活できてる坊ちゃん育ちが口出すな!」
彼の怒りの琴線に触れてしまったようで、ナダールはまたやってしまった……と肩を落とした。
嫌われている事は分かっている。それでも普通の友人くらいにはなれないものだろうかと思っているのに、自分は何かにつけ彼を怒らせてしまう。
「すみません、軽率な発言でした」
「お前のそういう所もムカつくんだよ! 謝ればなんでも許されると思うなよ。人のトラウマやらデリケートな部分ごりごり削ってきやがって、本当ムカつく! いっそ潔いくらいに見下してくれればこっちだって対処できるのに中途半端に優しくすんな!!」
え? と彼の方を見やると彼はまたそっぽを向いている。アジェはそんな彼をにこにこ見守っている。
あれ? 怒ってるわけじゃない?
「グノーは心配してくれるのは嬉しいんだもんね。素直じゃない」
「なっ! そんな事ねぇし! こんな奴嫌いだし」
あぁ、こっちのライフが削られるのでやめてください、人に嫌われるの慣れてないんです。
「あぁ、もう! とりあえずもう一戦! これで終わりだなんて言わねぇだろ? まさか、腹が空いて動けませんとか言い出すんじゃねぇだろうな?」
「え? そんな事は言いませんよ。私なんかで相手になるならいくらでも」
「それは楽しみ。もっと俺を楽しませてくれよ」
彼の口元がまた弧を描く。
あぁ、さして怒っていた訳ではなかったのか。口が悪いので、どうにも怒っているように感じてしまうが、その辺の機微はまだアジェの方がよく分かっている。彼が笑っているという事は、きっとまだ大丈夫だ。
「では、もう一戦お願いします」
再び二人は剣を交える。それはあと一戦あと一戦とグノーが飽きるまで続けられ、その日は一日それに費やされてしまった。
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