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君と僕の物語
僕の話④
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まずは部屋を片付ける。
極力私物は残さない、少しずつ少しずつ自分の荷物を片付けて必要最低限の量に纏める。
次に手紙を書いた、エディ宛と領主様宛てに一通ずつ。きっとこの事を知ったらエディは僕を追いかけて来てしまうから、絶対追わせるなと領主様宛ての手紙に釘を刺す。
部屋を見回せばずいぶん綺麗にすっきりした。僕はもうここには戻らない。
「出てく気なのか?」
「何のこと? グノーには関係ないよ」
グノーは何かを察したように溜息を零した。
「あいつ、怒るぞ」
「知らないよ、そんな事。僕には関係ない」
「こんな言葉は使いたくないがお前とあいつは『運命』なんだろ?」
「すべての『運命』が結ばれる運命だとは限らない」
僕の言葉にグノーからは動揺したような様子が窺えた。相変わらず長いその髪が邪魔をして、その感情は分かりにくいが確かに僕はその時そう思ったんだ。
「結ばれない『運命』もある……か」
「邪魔はしないでね。そんな事したら僕はあなたを恨むよ」
「そんな事、しないよ」
彼は静かにそう言って部屋を出て行った。
この家を出て行くのは今夜、僕には最後にひとつだけやっておきたい事があった。
ブラック達、エディの家族が全員旅立ってしまい家族が誰も居なくなったエディは僕の帰還から数日後に我が家へと引っ越してきた。
そもそもエディは領主様の息子であるという事が分かったのだから、ここに住む事に文句をつける人間は誰もいない。
エディの部屋を訪ねると彼は驚いたような表情を見せたが、何も言わず部屋へと招き入れてくれた。
「どうしました、こんな夜更けに。寝られなかったですか?」
「う、ん。ちょっとエディと話がしたくて……」
「昼間の話なら私の意見は変わりませんよ。私は今の自分の立場を変えるつもりはありません」
「またそういうこと言う……本当にエディは頑固だよね」
「私がこういう性格なのは重々承知しているはずでしょう?」
僕は息を吐く、こんな話になるのは分かっていた。でも今はそんな口論をする為にここに来た訳ではない。
「ねぇ、エディ僕もうこの喧嘩飽きちゃった。もうやめよ……僕エディと喧嘩なんかしたくない」
「それは私も同感ですね、なんでこんなくだらない事であなたと口論にならなければいけないのか分かりません」
「エディってさ、僕のこと立ててるつもりで全然僕の話聞いてくれないよね」
「ちゃんと聴いた上で、それはないと否定しているだけですよ?」
「もういいよ、喧嘩はいや」
キスしてと手を伸ばせば彼はそれに応えてくれる。
一応恋人同士として過した期間は長いのでこんな事だって出来てしまうのに、彼はそれ以上の事を僕にしてこようとはしない。でも今日は駄目、僕はここに彼に抱かれにきたのだ。
Ωのフェロモンは番になれば番相手のαにしか効かなくなる。
今彼に抱かれて項を噛んで貰えばヒートがきても誰を惑わす事もなくなるはずだ。
自分は出て行く気満々なのに、彼に対して酷い事をしようとしている事は分かっている、だがこの契約はαの方からなら一方的に解除ができる。
自分が出て行った後、エディは自分の好きなタイミングで僕との番解除ができるのだ、だったら少しの間でも彼と番になりたかった。
もし解除されれば、自分は苦しむ事になるだろうが、それは覚悟の上だ、だって今自分は彼を捨てて出て行こうとしているのだから。
「ねぇ、エディ……僕を抱いてよ」
意を決したように言った僕の言葉にエディは驚いたように目を見開く。
「何を突然。それは発情期がきたらと約束したでしょう?」
それはその通りだ。ヒートがきたら僕達は晴れて番になる、それは幼い頃からの約束だ。でも今の僕にはそれが待てない。
「Ωとして未熟な僕に魅力はない?」
一瞬エディが息を飲み込むのが分かった、だがそれでも彼は僕から目を逸らした。
「馬鹿な事言ってないで、今日はもうお休みなさい。私はいつでもあなたを愛していますよ」
いつもの常套句、いつものようにあしらわれる、悲しくて泣きたくなった。今日が最後の夜だから、最後に彼に抱かれたかった。だけど彼はそれすら僕には与えてくれなかった。
泣いて縋って抱いてくれとでも言えばよかったのか? でもそんな事、僕にはできない。
もし彼が僕を抱いてくれたら、抱いて僕の項を噛んでくれたら、踏みとどまれたかもしれないのに。
エディはいつもの笑みで「おやすみなさい」と僕に口付け部屋まで送り届けると何もせずに去って行った。
「さよならだよ、エディ」
僕は零れそうになる涙を拭って荷物を掴んだ。
最後の思い出もくれなかった鈍いあなたには何も言わない。闇夜へ足を踏み出す。暗闇はあの夜を思い出して足が竦むけれど、それでも僕は前に踏み出さないといけないんだ。
「やっぱりあいつは置いていくんだな」
気が付くと何故かグノーが横を歩いていた。僕はそれを無視して歩いて行く。
「黙って行くのか?」
「………………」
「あいつ絶対怒るって、領主も心配するから、ホントやめとけ」
「グノー、うるさい!」
あまりに言い募られて思わず声が出た。
「行き先はランティスか?」
「………………」
また無視を決め込んで歩き出そうとすると腕を捕まれた。
「都会は俺たちΩにとっては危険ばかりだ、やめた方がいい。それでなくてもあんたは狙われてるんだろ、安全な場所で暮らすのが一番だ」
「やればなんでも出来るって言ったのグノーだろ! 僕はやめない、離してよ」
腕は簡単に外れた、グノーは黙り込んでそれでも歩く僕の横をついて来た。
「なんでついて来るの?」
「行く方向が一緒なだけだ、他意はない」
「迷惑なんだけど……」
言った所でどこかで獣の遠吠えが聞こえた。僕は瞬間立ち止まり身を竦ませる。
この辺には子供を攫う程度には大きな獣がいるのは確実なのだ、辺りを見回してもその姿は見えないが暗闇は恐ろしい。
「無理すんな……怖いんだろ?」
「怖くなんか、ない!」
虚勢を張って再び歩き出せばまた彼は横を付いてきた。
「お前、あいつの事好きなんだろ?」
無視・無視・無視、僕は何も聞こえないよ!
「あいつは絶対お前を追ってくるぞ」
歩くスピードをあげても、少し駆け足になっても、彼は息も切らさずずっと僕の横を付いて来た。逆に僕の息の方が上がって苦しいんだけど、ホント体力無くて嫌になる。
「お前はあいつに追わせたいのか?」
「グノー、うるさい! エディは追ってこないよ、ちゃんと来るなって書置きも残してきたし、領主様の方にも追わせるなって書いて置いてきた」
「そんな手紙に拘束力なんてない」
「エディは僕の言う事は聞くんだよ」
「聞けない相談はがん無視じゃないか。これは明らかに聞けない方のヤツだろ」
「もう、ホントうるさい! 付いて来ないでよ! なんにも知らないくせに!!」
グノーの纏う空気がざわっと揺れたのが分かった。
彼の纏うブラックの薫り、それを上回るほどの甘い薫り。
僕は鼻が効かないからバース性の人間は感情に合わせてこんな風に空気が揺れるというのを初めて知った。
「そうさ、俺は何も知らない。なんにも知らないのに渦中に放り込まれて、これでも結構怒ってるんだ」
「別にもういいよ、好きに旅に出たらいいじゃないか。僕達の事に首を突っ込む事ないよ」
「それじゃあ、俺の腹の虫が収まらない」
「そんな事僕に言われたって……どっちかって言えば僕だって被害者なんだからね、文句があるなら僕を襲ったそれこそランティスの人達に言ってよ」
「あぁ、そうだな。そうする」
何故かあっさり頷いたグノーに僕は首を傾げる。
「どうせあんたはまだ襲われ続けるんだろう、俺は腹いせにそいつらを叩きのめしてやる、実にいい考えだ」
「え? はぁ? ちょっと意味分かんないんだけど!」
「旅の護衛には俺はちょうどいいと思うけど? 俺は強いぞ。ついでにあんたは襲われ放題、俺はやり放題だろ」
「襲われ放題は嫌だなぁ……」
「旅に危険は付き物だ。獣、盗賊、俺たちΩにとってはαだって危険の内だ、そんなのから守ってやるって言ってるんだよ。その代わり、俺がそいつらをどうしようとあんたに文句は言わせないけど」
「その人達、どうする気?」
少しグノーの事が怖くなってそう尋ねたら、彼の口元がにいっと弧を描いた。
「さぁ、どうしようかなぁ」
口元に指を当てて嗤う笑みは恐ろしくも妖艶だった。表情は見えないのに、僕はその時そう思ったのだ。
月光の下、彼の表情を隠す髪の隙間から紅く光る瞳が見えた気がした。
「グノーって実は怖い人?」
「そう思うなら、そうなんじゃねぇの?」
「不思議な人だね、付いて来てもきっと何も楽しくないよ」
「楽しみは自分で見付けるから別に構わねぇよ。そうと決まったら行こうぜ相棒、早く行かないと夜が明けちまう」
促されるように歩き出す。なんだか凄く変な人、でも不思議と心強い。長く暮らしたルーンの街を振り返る、僕はもうここへはきっと戻らない。
「アジェ~何してる、置いてくぞ」
「もう、さっきまで帰れ帰れ言ってたくせに勝手な事ばっかり!」
「俺はそういう人間だから、覚えといて」
やっぱり凄く変な人! 僕はグノーの後を追う、こうして僕達のメルクードへの旅は始まった。
極力私物は残さない、少しずつ少しずつ自分の荷物を片付けて必要最低限の量に纏める。
次に手紙を書いた、エディ宛と領主様宛てに一通ずつ。きっとこの事を知ったらエディは僕を追いかけて来てしまうから、絶対追わせるなと領主様宛ての手紙に釘を刺す。
部屋を見回せばずいぶん綺麗にすっきりした。僕はもうここには戻らない。
「出てく気なのか?」
「何のこと? グノーには関係ないよ」
グノーは何かを察したように溜息を零した。
「あいつ、怒るぞ」
「知らないよ、そんな事。僕には関係ない」
「こんな言葉は使いたくないがお前とあいつは『運命』なんだろ?」
「すべての『運命』が結ばれる運命だとは限らない」
僕の言葉にグノーからは動揺したような様子が窺えた。相変わらず長いその髪が邪魔をして、その感情は分かりにくいが確かに僕はその時そう思ったんだ。
「結ばれない『運命』もある……か」
「邪魔はしないでね。そんな事したら僕はあなたを恨むよ」
「そんな事、しないよ」
彼は静かにそう言って部屋を出て行った。
この家を出て行くのは今夜、僕には最後にひとつだけやっておきたい事があった。
ブラック達、エディの家族が全員旅立ってしまい家族が誰も居なくなったエディは僕の帰還から数日後に我が家へと引っ越してきた。
そもそもエディは領主様の息子であるという事が分かったのだから、ここに住む事に文句をつける人間は誰もいない。
エディの部屋を訪ねると彼は驚いたような表情を見せたが、何も言わず部屋へと招き入れてくれた。
「どうしました、こんな夜更けに。寝られなかったですか?」
「う、ん。ちょっとエディと話がしたくて……」
「昼間の話なら私の意見は変わりませんよ。私は今の自分の立場を変えるつもりはありません」
「またそういうこと言う……本当にエディは頑固だよね」
「私がこういう性格なのは重々承知しているはずでしょう?」
僕は息を吐く、こんな話になるのは分かっていた。でも今はそんな口論をする為にここに来た訳ではない。
「ねぇ、エディ僕もうこの喧嘩飽きちゃった。もうやめよ……僕エディと喧嘩なんかしたくない」
「それは私も同感ですね、なんでこんなくだらない事であなたと口論にならなければいけないのか分かりません」
「エディってさ、僕のこと立ててるつもりで全然僕の話聞いてくれないよね」
「ちゃんと聴いた上で、それはないと否定しているだけですよ?」
「もういいよ、喧嘩はいや」
キスしてと手を伸ばせば彼はそれに応えてくれる。
一応恋人同士として過した期間は長いのでこんな事だって出来てしまうのに、彼はそれ以上の事を僕にしてこようとはしない。でも今日は駄目、僕はここに彼に抱かれにきたのだ。
Ωのフェロモンは番になれば番相手のαにしか効かなくなる。
今彼に抱かれて項を噛んで貰えばヒートがきても誰を惑わす事もなくなるはずだ。
自分は出て行く気満々なのに、彼に対して酷い事をしようとしている事は分かっている、だがこの契約はαの方からなら一方的に解除ができる。
自分が出て行った後、エディは自分の好きなタイミングで僕との番解除ができるのだ、だったら少しの間でも彼と番になりたかった。
もし解除されれば、自分は苦しむ事になるだろうが、それは覚悟の上だ、だって今自分は彼を捨てて出て行こうとしているのだから。
「ねぇ、エディ……僕を抱いてよ」
意を決したように言った僕の言葉にエディは驚いたように目を見開く。
「何を突然。それは発情期がきたらと約束したでしょう?」
それはその通りだ。ヒートがきたら僕達は晴れて番になる、それは幼い頃からの約束だ。でも今の僕にはそれが待てない。
「Ωとして未熟な僕に魅力はない?」
一瞬エディが息を飲み込むのが分かった、だがそれでも彼は僕から目を逸らした。
「馬鹿な事言ってないで、今日はもうお休みなさい。私はいつでもあなたを愛していますよ」
いつもの常套句、いつものようにあしらわれる、悲しくて泣きたくなった。今日が最後の夜だから、最後に彼に抱かれたかった。だけど彼はそれすら僕には与えてくれなかった。
泣いて縋って抱いてくれとでも言えばよかったのか? でもそんな事、僕にはできない。
もし彼が僕を抱いてくれたら、抱いて僕の項を噛んでくれたら、踏みとどまれたかもしれないのに。
エディはいつもの笑みで「おやすみなさい」と僕に口付け部屋まで送り届けると何もせずに去って行った。
「さよならだよ、エディ」
僕は零れそうになる涙を拭って荷物を掴んだ。
最後の思い出もくれなかった鈍いあなたには何も言わない。闇夜へ足を踏み出す。暗闇はあの夜を思い出して足が竦むけれど、それでも僕は前に踏み出さないといけないんだ。
「やっぱりあいつは置いていくんだな」
気が付くと何故かグノーが横を歩いていた。僕はそれを無視して歩いて行く。
「黙って行くのか?」
「………………」
「あいつ絶対怒るって、領主も心配するから、ホントやめとけ」
「グノー、うるさい!」
あまりに言い募られて思わず声が出た。
「行き先はランティスか?」
「………………」
また無視を決め込んで歩き出そうとすると腕を捕まれた。
「都会は俺たちΩにとっては危険ばかりだ、やめた方がいい。それでなくてもあんたは狙われてるんだろ、安全な場所で暮らすのが一番だ」
「やればなんでも出来るって言ったのグノーだろ! 僕はやめない、離してよ」
腕は簡単に外れた、グノーは黙り込んでそれでも歩く僕の横をついて来た。
「なんでついて来るの?」
「行く方向が一緒なだけだ、他意はない」
「迷惑なんだけど……」
言った所でどこかで獣の遠吠えが聞こえた。僕は瞬間立ち止まり身を竦ませる。
この辺には子供を攫う程度には大きな獣がいるのは確実なのだ、辺りを見回してもその姿は見えないが暗闇は恐ろしい。
「無理すんな……怖いんだろ?」
「怖くなんか、ない!」
虚勢を張って再び歩き出せばまた彼は横を付いてきた。
「お前、あいつの事好きなんだろ?」
無視・無視・無視、僕は何も聞こえないよ!
「あいつは絶対お前を追ってくるぞ」
歩くスピードをあげても、少し駆け足になっても、彼は息も切らさずずっと僕の横を付いて来た。逆に僕の息の方が上がって苦しいんだけど、ホント体力無くて嫌になる。
「お前はあいつに追わせたいのか?」
「グノー、うるさい! エディは追ってこないよ、ちゃんと来るなって書置きも残してきたし、領主様の方にも追わせるなって書いて置いてきた」
「そんな手紙に拘束力なんてない」
「エディは僕の言う事は聞くんだよ」
「聞けない相談はがん無視じゃないか。これは明らかに聞けない方のヤツだろ」
「もう、ホントうるさい! 付いて来ないでよ! なんにも知らないくせに!!」
グノーの纏う空気がざわっと揺れたのが分かった。
彼の纏うブラックの薫り、それを上回るほどの甘い薫り。
僕は鼻が効かないからバース性の人間は感情に合わせてこんな風に空気が揺れるというのを初めて知った。
「そうさ、俺は何も知らない。なんにも知らないのに渦中に放り込まれて、これでも結構怒ってるんだ」
「別にもういいよ、好きに旅に出たらいいじゃないか。僕達の事に首を突っ込む事ないよ」
「それじゃあ、俺の腹の虫が収まらない」
「そんな事僕に言われたって……どっちかって言えば僕だって被害者なんだからね、文句があるなら僕を襲ったそれこそランティスの人達に言ってよ」
「あぁ、そうだな。そうする」
何故かあっさり頷いたグノーに僕は首を傾げる。
「どうせあんたはまだ襲われ続けるんだろう、俺は腹いせにそいつらを叩きのめしてやる、実にいい考えだ」
「え? はぁ? ちょっと意味分かんないんだけど!」
「旅の護衛には俺はちょうどいいと思うけど? 俺は強いぞ。ついでにあんたは襲われ放題、俺はやり放題だろ」
「襲われ放題は嫌だなぁ……」
「旅に危険は付き物だ。獣、盗賊、俺たちΩにとってはαだって危険の内だ、そんなのから守ってやるって言ってるんだよ。その代わり、俺がそいつらをどうしようとあんたに文句は言わせないけど」
「その人達、どうする気?」
少しグノーの事が怖くなってそう尋ねたら、彼の口元がにいっと弧を描いた。
「さぁ、どうしようかなぁ」
口元に指を当てて嗤う笑みは恐ろしくも妖艶だった。表情は見えないのに、僕はその時そう思ったのだ。
月光の下、彼の表情を隠す髪の隙間から紅く光る瞳が見えた気がした。
「グノーって実は怖い人?」
「そう思うなら、そうなんじゃねぇの?」
「不思議な人だね、付いて来てもきっと何も楽しくないよ」
「楽しみは自分で見付けるから別に構わねぇよ。そうと決まったら行こうぜ相棒、早く行かないと夜が明けちまう」
促されるように歩き出す。なんだか凄く変な人、でも不思議と心強い。長く暮らしたルーンの街を振り返る、僕はもうここへはきっと戻らない。
「アジェ~何してる、置いてくぞ」
「もう、さっきまで帰れ帰れ言ってたくせに勝手な事ばっかり!」
「俺はそういう人間だから、覚えといて」
やっぱり凄く変な人! 僕はグノーの後を追う、こうして僕達のメルクードへの旅は始まった。
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