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第一章
アランと帰宅
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僕の従魔はスライムで、名前は「ライム」。僕が腕にスライムを抱いて歩いていると、何故か周りはくすくすと笑いだす。それが何故なのか分からない僕は首を傾げた。
「なんで皆君を見ると笑うんだろう?」
『ん~わかんない!』
ライムは周りに笑われても一切気にする様子はない、だから僕も気にする事はやめにする。だって、もしライムを抱いてる事で僕が笑われているのだとして、それを気にしたらライムに失礼だからね。
「お、タケル! そのスライムどうした?」
「アランさん。この子、僕の従魔です。名前はライム!」
帰り道、遭遇したアランに嬉々としてライムを見せたら「タケルには従魔師の素質もあんのかよ?」と苦笑された。
「変ですか?」
「いや、そうじゃない。タケルは多才だなって思ってさ。ルーファウスが惚れ込むほどの魔術師の才能があるのに、料理もできる家事もできる、それで従魔師って、どれだけ才能隠してんだ? その才能俺にも分けてくれよ」
「アランさんには冒険者の才能があるでしょう? アランさんは能力的にはAランクだってルーファウスさん言ってましたよ。それに他の冒険者からは疾風のアランって呼ばれてるって聞きましたよ? 二つ名があるって凄いじゃないですか」
「ああ……まぁ、俺にはそれしか才能がないから、突き詰めたらそうなったってだけの話だけどな」
そういえば僕はアランが戦闘では近接戦闘、体術で戦っている事を知っているが、直接この目でアランの戦う姿を見た事がない。それで言えばルーファウスが本気で戦う姿も見た事はないのだが、ルーファウスは僕に魔術を教えてくれながら幾つかの魔術を見せてくれているので凄い魔術師なのはそれだけでよく分かっていた。
一方でアランの方は一緒に行動していても常に傍観、依頼を受ける時は一人で行ってしまうし、僕が知っている姿と言えばシェアハウスで楽しく飲んでいる姿くらいなので、彼がどんな戦い方をするのかすら僕は知らないのだ。
「そういえば、友達がアランさんとお話してみたいって言ってたんですよ、今度連れて来てもいいですか?」
「友達? 俺と?」
「はい、すごくアランさんのこと尊敬してるって言ってました!」
ロイドのあれは尊敬というか崇拝に近い。恐れ多くて近寄りがたいって、相当だよなぁ。
「別にいいけど、俺はただのおっさんだぞ?」
「でも、今までも握手求められたりしてましたよね?」
「ルーファウスが一緒にいたからだろ? 俺の名前が売れだしたのはルーファウスと組んでからだからな、ルーファウスが後衛でフォローしてくれるから俺は前衛で思い切り戦えるようになったってだけで、他の奴とパーティ組んでも俺はあんま役に立たないからな」
「? そうなんですか?」
「そういえばタケルは俺の戦い方を知らないんだったな」
アランが苦笑するように僕の頭を撫でた。
「そういえば僕、魔術ばっかりで体術の方はからっきしなので自分の身を護れる程度に少し戦い方教えて欲しいです」
「俺でいいのか?」
「アランさんがいいです」
僕の言葉ににっと笑みを浮かべたアランがひょいっと僕を抱き上げた。アランって実は子供好きだよな、こうやって抱き上げてみたり、肩車してみたり、アランはいつでも距離が近い。
「じゃあ明日な」
「教えてくれるんですか?」
「まぁ、弟子には出来ないけど少しならな」
「アランさんは弟子をとらないんですか? 友達が弟子になりたいって言ってましたよ」
アランがまた困ったように「ははは」と笑って「俺の戦い方は弟子に教えるようなもんじゃないから」とシェアハウスに向かってゆっくり歩き出した。
シェアハウスに戻ると最近では住人たちが「これで何か作ってくれ!」と採取してきた食材や狩ってきた魔物を持って待っている事が増えた。僕は冒険者達にモテモテである! モテ期到来! ただ、主にハラ減りの野郎どもに、だけどな。
これも魅了スキルの高さゆえか、僕はあまり嫌われる事もなくこの異世界にに馴染み始めている。とはいえ、モテる相手は可愛い女の子! という訳にはいかないのが僕らしいと言えば僕らしいのかな。
冒険者の中には勿論美人なお姉さんはたくさんいる、例えばウサ耳のラナさんやそのパーティーの女性陣だってとても魅力的な女性たちだ。だけど、彼女たちに好意を持たれても恋愛方面に行く気がしない。何故なら僕は現在10歳の子供だから!
そう、僕は子供なんだよ。中身がいくら大人でも見た目には完全にただの子供、二十歳そこそこの彼女たちの恋愛対象になれるわけがない。可愛い可愛いと愛でられてはいるけれど、それはあくまで愛玩動物的な可愛がられ方で恋愛対象ではない。
恋愛に興味があると神様に告げたお陰で魅了スキルが高くなっていると思われる僕は人に嫌われる事はほぼないけど、現在の僕は恋愛にはほど遠い所にいる気がしてならない。
それなら年相応な相手を探せと言われそうだが、もし僕が現在の自分の年齢相応の相手を探すのなら10歳前後の女の子、という事になる。可愛らしい初恋やもじもじしてしまうような青春に憧れがない訳ではないけれど、自分がそれをするとなったら話は別で、中身がおっさんのこの僕が、そんな幼い子相手に手を出したら犯罪臭が尋常じゃなくて無理。僕の倫理観がそれを許さない。
二十歳そこそこの娘さん相手でも申し訳ない気持ちになるというのに子供なんて論外だ。僕はロリコンではない! そう、断じてロリコンではないのです! (大事な事なので二度言った)
という訳で恋愛方面は興味がありつつも自分自身がもう少し育つまでは保留、今は生活の基盤を固める事に注力しようと僕は思っている。
お駄賃目当てで始めた料理は最初のうちは少し手間どったものの最近では僕もだいぶ慣れたものだ。
肉と言えば焼肉オンリー、食べるとなったら味付けは塩一択みたいな環境に焼き肉のたれと生姜焼きを持ち込んだのは大ヒットだったよね、味噌やら醤油やらの調味料を探すのは骨が折れたけど、存在しない訳ではなかったのが幸いだった。
使い方が分からなければ多量に流通する訳もなく、けれど一度その味を知ってしまえば味噌味、醤油味は食いしん坊の冒険者たちの胃袋をがっちり掴んだ。
元の流通量が少ないだけに今後の調味料確保ができるかどうかが心配なくらいだよ。
「なんで皆君を見ると笑うんだろう?」
『ん~わかんない!』
ライムは周りに笑われても一切気にする様子はない、だから僕も気にする事はやめにする。だって、もしライムを抱いてる事で僕が笑われているのだとして、それを気にしたらライムに失礼だからね。
「お、タケル! そのスライムどうした?」
「アランさん。この子、僕の従魔です。名前はライム!」
帰り道、遭遇したアランに嬉々としてライムを見せたら「タケルには従魔師の素質もあんのかよ?」と苦笑された。
「変ですか?」
「いや、そうじゃない。タケルは多才だなって思ってさ。ルーファウスが惚れ込むほどの魔術師の才能があるのに、料理もできる家事もできる、それで従魔師って、どれだけ才能隠してんだ? その才能俺にも分けてくれよ」
「アランさんには冒険者の才能があるでしょう? アランさんは能力的にはAランクだってルーファウスさん言ってましたよ。それに他の冒険者からは疾風のアランって呼ばれてるって聞きましたよ? 二つ名があるって凄いじゃないですか」
「ああ……まぁ、俺にはそれしか才能がないから、突き詰めたらそうなったってだけの話だけどな」
そういえば僕はアランが戦闘では近接戦闘、体術で戦っている事を知っているが、直接この目でアランの戦う姿を見た事がない。それで言えばルーファウスが本気で戦う姿も見た事はないのだが、ルーファウスは僕に魔術を教えてくれながら幾つかの魔術を見せてくれているので凄い魔術師なのはそれだけでよく分かっていた。
一方でアランの方は一緒に行動していても常に傍観、依頼を受ける時は一人で行ってしまうし、僕が知っている姿と言えばシェアハウスで楽しく飲んでいる姿くらいなので、彼がどんな戦い方をするのかすら僕は知らないのだ。
「そういえば、友達がアランさんとお話してみたいって言ってたんですよ、今度連れて来てもいいですか?」
「友達? 俺と?」
「はい、すごくアランさんのこと尊敬してるって言ってました!」
ロイドのあれは尊敬というか崇拝に近い。恐れ多くて近寄りがたいって、相当だよなぁ。
「別にいいけど、俺はただのおっさんだぞ?」
「でも、今までも握手求められたりしてましたよね?」
「ルーファウスが一緒にいたからだろ? 俺の名前が売れだしたのはルーファウスと組んでからだからな、ルーファウスが後衛でフォローしてくれるから俺は前衛で思い切り戦えるようになったってだけで、他の奴とパーティ組んでも俺はあんま役に立たないからな」
「? そうなんですか?」
「そういえばタケルは俺の戦い方を知らないんだったな」
アランが苦笑するように僕の頭を撫でた。
「そういえば僕、魔術ばっかりで体術の方はからっきしなので自分の身を護れる程度に少し戦い方教えて欲しいです」
「俺でいいのか?」
「アランさんがいいです」
僕の言葉ににっと笑みを浮かべたアランがひょいっと僕を抱き上げた。アランって実は子供好きだよな、こうやって抱き上げてみたり、肩車してみたり、アランはいつでも距離が近い。
「じゃあ明日な」
「教えてくれるんですか?」
「まぁ、弟子には出来ないけど少しならな」
「アランさんは弟子をとらないんですか? 友達が弟子になりたいって言ってましたよ」
アランがまた困ったように「ははは」と笑って「俺の戦い方は弟子に教えるようなもんじゃないから」とシェアハウスに向かってゆっくり歩き出した。
シェアハウスに戻ると最近では住人たちが「これで何か作ってくれ!」と採取してきた食材や狩ってきた魔物を持って待っている事が増えた。僕は冒険者達にモテモテである! モテ期到来! ただ、主にハラ減りの野郎どもに、だけどな。
これも魅了スキルの高さゆえか、僕はあまり嫌われる事もなくこの異世界にに馴染み始めている。とはいえ、モテる相手は可愛い女の子! という訳にはいかないのが僕らしいと言えば僕らしいのかな。
冒険者の中には勿論美人なお姉さんはたくさんいる、例えばウサ耳のラナさんやそのパーティーの女性陣だってとても魅力的な女性たちだ。だけど、彼女たちに好意を持たれても恋愛方面に行く気がしない。何故なら僕は現在10歳の子供だから!
そう、僕は子供なんだよ。中身がいくら大人でも見た目には完全にただの子供、二十歳そこそこの彼女たちの恋愛対象になれるわけがない。可愛い可愛いと愛でられてはいるけれど、それはあくまで愛玩動物的な可愛がられ方で恋愛対象ではない。
恋愛に興味があると神様に告げたお陰で魅了スキルが高くなっていると思われる僕は人に嫌われる事はほぼないけど、現在の僕は恋愛にはほど遠い所にいる気がしてならない。
それなら年相応な相手を探せと言われそうだが、もし僕が現在の自分の年齢相応の相手を探すのなら10歳前後の女の子、という事になる。可愛らしい初恋やもじもじしてしまうような青春に憧れがない訳ではないけれど、自分がそれをするとなったら話は別で、中身がおっさんのこの僕が、そんな幼い子相手に手を出したら犯罪臭が尋常じゃなくて無理。僕の倫理観がそれを許さない。
二十歳そこそこの娘さん相手でも申し訳ない気持ちになるというのに子供なんて論外だ。僕はロリコンではない! そう、断じてロリコンではないのです! (大事な事なので二度言った)
という訳で恋愛方面は興味がありつつも自分自身がもう少し育つまでは保留、今は生活の基盤を固める事に注力しようと僕は思っている。
お駄賃目当てで始めた料理は最初のうちは少し手間どったものの最近では僕もだいぶ慣れたものだ。
肉と言えば焼肉オンリー、食べるとなったら味付けは塩一択みたいな環境に焼き肉のたれと生姜焼きを持ち込んだのは大ヒットだったよね、味噌やら醤油やらの調味料を探すのは骨が折れたけど、存在しない訳ではなかったのが幸いだった。
使い方が分からなければ多量に流通する訳もなく、けれど一度その味を知ってしまえば味噌味、醤油味は食いしん坊の冒険者たちの胃袋をがっちり掴んだ。
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