82 / 222
第三章
ルーファウスの秘密
しおりを挟む
「酒が入ったルーファウスは相変らず甘えただなぁ」
「元凶が何を言ってるんですか、反省してください!」
「こういうのは新人が入ったらとりあえず見せとくのが一番なんだよ、こいつは酒が入ったらこうなるって事前に分かっていれば変な誤解もなくなるだろう? そもそも酒が入ったら誰にでも甘えたになるこいつが悪い、甘えられて誘惑される方だって充分被害者だ」
アランはそんな事をけろっと言ってのける。ってか、これ確信犯か!
『なんだ、こいつは酒が入ると人が変わるのか? けったいな奴だな』
呆れたような表情を見せるオロチ、確かにルーファウスは酒癖が悪いけど、ちゃんとそれを分かっていて自戒していたのだからそこをとやかく言われるのもな。
そうこうしているうちにロイドがコップに汲んだ水を持ってきて、僕へと手渡してくれた。
「ルーファウス、これ飲んで。それで今日はもう寝よう、ね」
「いや、飲まない! 僕は、彼が、きらいです」
完全子供返りのルーファウス、ロイドの持ってきた水が気に入らないのかぷいっとそっぽを向いてしまった。
「なんでルーファウスはそんなにロイド君を嫌うの? ロイド君はルーファウスに何もしてないでしょう?」
「名前がきらい」
「へ?」
「その名前を聞くだけで嫌な事ばっかり思い出す。存在がきらい、僕から全部奪っていった、だから大嫌い!」
全く意味が分からない。一体ロイドがルーファウスから何を奪ったというのだろう? っていうか、ロイドという同じ名前の人に恨みでもあるのか? それって完全に八つ当たりなのでは?
「俺もルーファウスのロイドに対する態度は前々からどうかと思っていたが名前か……ロイドなんてよくある名前だからな、何かトラウマでもある名前なんかねぇ」
「まさか名前で嫌われてたとか俺もショックなんだけど。どうりでルーファウスさん、一度も俺の名前呼ばない訳だよ……」
「ロイドって、そんなによくある名前なんですか?」
「まぁ、だろうな。なんせグランバルト王国、初代国王陛下のお名前だ。勇猛果敢にして頭脳明晰、人柄に優れた賢人だったと聞く、親としてはあやかりたいと思うのは当然だろう」
!? 初代国王陛下って、もしかして聖者タロウさんの結婚相手!? あれ? でも確か歴史書で読んだ時はそんな名前じゃなかった気がするんだけど……僕がその疑問を率直に問うてみると「ロイドは愛称だからな」と返された。
「正式名称はフロイド・グランバルト。ロイドってのは冒険者時代に仲間が呼んでた愛称らしい」
「そうなんだ……」
「そういえば嘘か真かは分からんが、初代国王陛下はドラゴンをも従わせる事ができる強大な力を持っていたという逸話も残っているな」
『はん、ドラゴン族がそう易々と人になぞ従うものか!』
オロチがそう言った所で「あのドラゴンは陛下に従っていた訳じゃない、タロウに従っていたんです」とルーファウスが不貞腐れたように言葉を添えた。
「まるで見てきたように語るな、ってか、タロウって誰だ?」
「教会を設立した聖者様らしいですよ」
「教会を設立した聖者? それは聖女様の間違いだろう? 確か教会を設立したのは国王陛下の妻になった聖女テレサのはずだが?」
ルーファウスは聖者タロウ・スズキの存在は歴史の中で隠蔽されたと語っていた、実際どうやらアランはタロウさんの事は知らないように見える。
「それに、ついでに言うならその聖女様、たぶんルーファウスの血縁だと思うぞ」
「え?」
「俺も詳しくはないんだが、その聖女様はエルフ族の出身だったらしい。エルフの貴族って言ったらホーリーウッド、確かルーファウスはホーリーウッドの出なんだろう? その辺の詳しい事情をルーファウスは話したがらないけどな。まぁ、俺も詮索する気はないが」
!!!
その『ホーリーウッド』という名に僕は聞き覚えがある。初めてダンジョン城へ挑戦した日、冒険者ギルドのギルドマスターがルーファウスに対して確かにその名を口にしたのだ。その時ルーファウスは「ホーリーウッドとは縁を切っている」と言っていて、それ以上詳しい事を僕は聞いた事がない。
それは勿論ルーファウスが話したがらなかったからなのだが、なんというかピースがひとつはまっていく度に少しずつルーファウスの全体像が見えてくる感じがして、僕は未だ僕に抱きつきグズグズしているルーファウスの顔を覗き込んだ。
「それよりもタケル、そろそろこいつを解いて欲しいんだが、まだ駄目か?」
光の輪に囚われたままのアランはそう言っておどけて見せる。ルーファウスに酒を飲ませたのが確信犯なのはいただけないけど、恐らくアランはオロチにルーファウスのこの状態を見せたかっただけでこれ以上の無理強いはしないだろうと判断した僕はアランとオロチの拘束を解いた。
「言っておきますけど、お酒はもう今出てる分で全部ですから! あと、この大惨事は二人の責任なんで後片付けは任せますからね!」
歓迎会を兼ねての夕食だったので少し品数も多かった卓上の皿は食い散らかされているし、酒瓶はその辺に転がりまくっている、宴会と言えば大体こんなものだろうけど、後片付けだって大変なのだ。そのくらいやってもらっても罰は当たるまい。
僕はグダグダになっているルーファウスを自室へと導いてやる。しばらく酒を飲んでいなかったのだろう彼はすっかり酒に弱くなっているのかアルコールの回りも早かったのだろう、ベッドに連れて行くと突っ伏すようにしてケラケラと笑いだした。
ルーファウスは完全に泣き上戸かと思っていたが、笑い上戸も入っていたのか。
「楽しそうですね、ルーファウス。皺になるのでローブは脱ぎましょう」
ルーファウスのローブを脱がせ壁に付いているハンガーフックにそれを掛けると「タケル」と名を呼ばれた。
「はい、何ですか?」
こいこいと手招きをされて寄って行くと両腕を「ん」と差し出された。幼い子供がするような仕草に僕は戸惑う、これはハグをしろという事だろうか? いや、でも、さすがにそれはなぁ……と戸惑っていたら、ルーファウスがふらりと起き上がり、ぱちんと指を鳴らした。
指を鳴らすのは無詠唱の術式の発動によく使われる手段で、一体何をと思ったら背後にあるクローゼットの扉が僅かにきしむ音がした。
「タケル」
またしてもルーファウスが僕を呼ぶ。それに呼応するようにクローゼットの中で何かが動いた。
「あの、クローゼットの中に何か居るんですか?」
「ふふふ、おいで」
そんな声と共にクローゼットの中から飛び出してきたのは言ってしまえば「子供」だった。綺麗な青味かかった黒髪を靡かせてルーファウスの腕の中に飛び込んでいく。
「え? は!?」
「タケル、ただいま」
ルーファウスはこちらにお構いなしでその子供を抱き締め頭を撫でる、全く状況が理解できない僕は硬直したまま動けない。一体今、僕の目の前で何が起こっている?
不意にその子供の顔がこちらを向いた、その顔立ちは僕に似ていると思う、いや似ているというか似せている? よくよく見れば子供が身に付けている物も僕の私物にあるものばかり。けれどその瞳は玻璃の瞳、まるで感情が乗っていない。
「にん、ぎょう……?」
そう、それは等身大の僕の人形。それ以外に形容しようがない、だって姿形があまりにも僕に酷似しすぎてる。
またしても僕の背後でかたりと何かが動く物音に振り向くと、そこにはあと二体、同じような人形が並んでこちらを見ていた。
僕はゾッと肌を粟立たせる、なにこれ、怖い怖い怖い怖い!!!
二体の人形はそれぞれサイズが異なっていて現在ルーファウスが抱いている子が一番小さい、たぶん僕の成長と共にサイズも大きくなっているのだろう、クローゼットの中の二体は黙ってじっとこちらを見つめていた。
「ちょ、ルーファウス! 一体これ何なんですか!!」
「タケルの身代わり人形ですよ」
まるで悪びれた様子のないルーファウスは相変らず幼げな僕の人形をぎゅうぎゅうと抱き締めている。
「可愛いでしょう? もう必要ないと分かっていても処分が出来なくて困っています」
「いやいやいや、怖いから!! 何でこんなの作ったのか、まずそこから説明して!!」
こんなの狂人じみている、ルーファウスは僕の事が好きすぎてとうとう狂ってしまったのか?
「説明、と言われましても言った通りの身代わり人形ですよ。貴方が教会に攫われないように私一人で別の場所に赴く時にはこの子を連れ歩いていたのです。よく出来ているでしょう?」
「確かによく出来てるけれども……」
なるほど。教会に追われていた三年前、ルーファウスは僕の居場所を特定させないようにあちらこちらへと赴いて依頼を受けてくれていた。その際には僕の身代わりであるこの人形を連れて、あたかも僕とルーファウスが一緒に行動しているかのように偽装していたとそういう事か。
ルーファウスがこんな人形を作った理由は分った、だけど怖いものは怖い!
「それにしても三体はいらないでしょう!?」
「タケルは日々成長していますからねぇ……タケルの成長を模したこの子達は私のいわばコレクションのようなもので、もう手放せません」
そう言って彼は幼い僕を模した人形を撫でまわす。
だからそれが怖いって言ってるんだけど!? なに人の事勝手にコレクションしてくれちゃってんの!?
僕はルーファウスに抱きついている10歳の頃の自分によく似た人形を引き剥がした。
「タケル、何をするんですか!」
「この子は没収!」
「!? そんな、酷い!」
「酷いのはどっちですか! こんなもの勝手に作ってコレクションしないでください! これ以上増やす気なら全部目の前で燃やしますよ!」
「そんな……」
愕然としたような表情のルーファウス、僕は二体の人形を自分のマジックバックに収納した。一体だけ残してあげたのは僕のせめてもの優しさだと理解して欲しい。
それにしてもこの人形精巧すぎる。よく見れば人形だというのはすぐに分かるのだが、肌の質感や指先の造形などこれでもかと言わんばかりに作りこまれていて職人の作り出す芸術品のようにすら見えるのだ。こんなからくり人形をどうやって作り出したのか知らないけど、これこそ才能の無駄使いだよ!
「元凶が何を言ってるんですか、反省してください!」
「こういうのは新人が入ったらとりあえず見せとくのが一番なんだよ、こいつは酒が入ったらこうなるって事前に分かっていれば変な誤解もなくなるだろう? そもそも酒が入ったら誰にでも甘えたになるこいつが悪い、甘えられて誘惑される方だって充分被害者だ」
アランはそんな事をけろっと言ってのける。ってか、これ確信犯か!
『なんだ、こいつは酒が入ると人が変わるのか? けったいな奴だな』
呆れたような表情を見せるオロチ、確かにルーファウスは酒癖が悪いけど、ちゃんとそれを分かっていて自戒していたのだからそこをとやかく言われるのもな。
そうこうしているうちにロイドがコップに汲んだ水を持ってきて、僕へと手渡してくれた。
「ルーファウス、これ飲んで。それで今日はもう寝よう、ね」
「いや、飲まない! 僕は、彼が、きらいです」
完全子供返りのルーファウス、ロイドの持ってきた水が気に入らないのかぷいっとそっぽを向いてしまった。
「なんでルーファウスはそんなにロイド君を嫌うの? ロイド君はルーファウスに何もしてないでしょう?」
「名前がきらい」
「へ?」
「その名前を聞くだけで嫌な事ばっかり思い出す。存在がきらい、僕から全部奪っていった、だから大嫌い!」
全く意味が分からない。一体ロイドがルーファウスから何を奪ったというのだろう? っていうか、ロイドという同じ名前の人に恨みでもあるのか? それって完全に八つ当たりなのでは?
「俺もルーファウスのロイドに対する態度は前々からどうかと思っていたが名前か……ロイドなんてよくある名前だからな、何かトラウマでもある名前なんかねぇ」
「まさか名前で嫌われてたとか俺もショックなんだけど。どうりでルーファウスさん、一度も俺の名前呼ばない訳だよ……」
「ロイドって、そんなによくある名前なんですか?」
「まぁ、だろうな。なんせグランバルト王国、初代国王陛下のお名前だ。勇猛果敢にして頭脳明晰、人柄に優れた賢人だったと聞く、親としてはあやかりたいと思うのは当然だろう」
!? 初代国王陛下って、もしかして聖者タロウさんの結婚相手!? あれ? でも確か歴史書で読んだ時はそんな名前じゃなかった気がするんだけど……僕がその疑問を率直に問うてみると「ロイドは愛称だからな」と返された。
「正式名称はフロイド・グランバルト。ロイドってのは冒険者時代に仲間が呼んでた愛称らしい」
「そうなんだ……」
「そういえば嘘か真かは分からんが、初代国王陛下はドラゴンをも従わせる事ができる強大な力を持っていたという逸話も残っているな」
『はん、ドラゴン族がそう易々と人になぞ従うものか!』
オロチがそう言った所で「あのドラゴンは陛下に従っていた訳じゃない、タロウに従っていたんです」とルーファウスが不貞腐れたように言葉を添えた。
「まるで見てきたように語るな、ってか、タロウって誰だ?」
「教会を設立した聖者様らしいですよ」
「教会を設立した聖者? それは聖女様の間違いだろう? 確か教会を設立したのは国王陛下の妻になった聖女テレサのはずだが?」
ルーファウスは聖者タロウ・スズキの存在は歴史の中で隠蔽されたと語っていた、実際どうやらアランはタロウさんの事は知らないように見える。
「それに、ついでに言うならその聖女様、たぶんルーファウスの血縁だと思うぞ」
「え?」
「俺も詳しくはないんだが、その聖女様はエルフ族の出身だったらしい。エルフの貴族って言ったらホーリーウッド、確かルーファウスはホーリーウッドの出なんだろう? その辺の詳しい事情をルーファウスは話したがらないけどな。まぁ、俺も詮索する気はないが」
!!!
その『ホーリーウッド』という名に僕は聞き覚えがある。初めてダンジョン城へ挑戦した日、冒険者ギルドのギルドマスターがルーファウスに対して確かにその名を口にしたのだ。その時ルーファウスは「ホーリーウッドとは縁を切っている」と言っていて、それ以上詳しい事を僕は聞いた事がない。
それは勿論ルーファウスが話したがらなかったからなのだが、なんというかピースがひとつはまっていく度に少しずつルーファウスの全体像が見えてくる感じがして、僕は未だ僕に抱きつきグズグズしているルーファウスの顔を覗き込んだ。
「それよりもタケル、そろそろこいつを解いて欲しいんだが、まだ駄目か?」
光の輪に囚われたままのアランはそう言っておどけて見せる。ルーファウスに酒を飲ませたのが確信犯なのはいただけないけど、恐らくアランはオロチにルーファウスのこの状態を見せたかっただけでこれ以上の無理強いはしないだろうと判断した僕はアランとオロチの拘束を解いた。
「言っておきますけど、お酒はもう今出てる分で全部ですから! あと、この大惨事は二人の責任なんで後片付けは任せますからね!」
歓迎会を兼ねての夕食だったので少し品数も多かった卓上の皿は食い散らかされているし、酒瓶はその辺に転がりまくっている、宴会と言えば大体こんなものだろうけど、後片付けだって大変なのだ。そのくらいやってもらっても罰は当たるまい。
僕はグダグダになっているルーファウスを自室へと導いてやる。しばらく酒を飲んでいなかったのだろう彼はすっかり酒に弱くなっているのかアルコールの回りも早かったのだろう、ベッドに連れて行くと突っ伏すようにしてケラケラと笑いだした。
ルーファウスは完全に泣き上戸かと思っていたが、笑い上戸も入っていたのか。
「楽しそうですね、ルーファウス。皺になるのでローブは脱ぎましょう」
ルーファウスのローブを脱がせ壁に付いているハンガーフックにそれを掛けると「タケル」と名を呼ばれた。
「はい、何ですか?」
こいこいと手招きをされて寄って行くと両腕を「ん」と差し出された。幼い子供がするような仕草に僕は戸惑う、これはハグをしろという事だろうか? いや、でも、さすがにそれはなぁ……と戸惑っていたら、ルーファウスがふらりと起き上がり、ぱちんと指を鳴らした。
指を鳴らすのは無詠唱の術式の発動によく使われる手段で、一体何をと思ったら背後にあるクローゼットの扉が僅かにきしむ音がした。
「タケル」
またしてもルーファウスが僕を呼ぶ。それに呼応するようにクローゼットの中で何かが動いた。
「あの、クローゼットの中に何か居るんですか?」
「ふふふ、おいで」
そんな声と共にクローゼットの中から飛び出してきたのは言ってしまえば「子供」だった。綺麗な青味かかった黒髪を靡かせてルーファウスの腕の中に飛び込んでいく。
「え? は!?」
「タケル、ただいま」
ルーファウスはこちらにお構いなしでその子供を抱き締め頭を撫でる、全く状況が理解できない僕は硬直したまま動けない。一体今、僕の目の前で何が起こっている?
不意にその子供の顔がこちらを向いた、その顔立ちは僕に似ていると思う、いや似ているというか似せている? よくよく見れば子供が身に付けている物も僕の私物にあるものばかり。けれどその瞳は玻璃の瞳、まるで感情が乗っていない。
「にん、ぎょう……?」
そう、それは等身大の僕の人形。それ以外に形容しようがない、だって姿形があまりにも僕に酷似しすぎてる。
またしても僕の背後でかたりと何かが動く物音に振り向くと、そこにはあと二体、同じような人形が並んでこちらを見ていた。
僕はゾッと肌を粟立たせる、なにこれ、怖い怖い怖い怖い!!!
二体の人形はそれぞれサイズが異なっていて現在ルーファウスが抱いている子が一番小さい、たぶん僕の成長と共にサイズも大きくなっているのだろう、クローゼットの中の二体は黙ってじっとこちらを見つめていた。
「ちょ、ルーファウス! 一体これ何なんですか!!」
「タケルの身代わり人形ですよ」
まるで悪びれた様子のないルーファウスは相変らず幼げな僕の人形をぎゅうぎゅうと抱き締めている。
「可愛いでしょう? もう必要ないと分かっていても処分が出来なくて困っています」
「いやいやいや、怖いから!! 何でこんなの作ったのか、まずそこから説明して!!」
こんなの狂人じみている、ルーファウスは僕の事が好きすぎてとうとう狂ってしまったのか?
「説明、と言われましても言った通りの身代わり人形ですよ。貴方が教会に攫われないように私一人で別の場所に赴く時にはこの子を連れ歩いていたのです。よく出来ているでしょう?」
「確かによく出来てるけれども……」
なるほど。教会に追われていた三年前、ルーファウスは僕の居場所を特定させないようにあちらこちらへと赴いて依頼を受けてくれていた。その際には僕の身代わりであるこの人形を連れて、あたかも僕とルーファウスが一緒に行動しているかのように偽装していたとそういう事か。
ルーファウスがこんな人形を作った理由は分った、だけど怖いものは怖い!
「それにしても三体はいらないでしょう!?」
「タケルは日々成長していますからねぇ……タケルの成長を模したこの子達は私のいわばコレクションのようなもので、もう手放せません」
そう言って彼は幼い僕を模した人形を撫でまわす。
だからそれが怖いって言ってるんだけど!? なに人の事勝手にコレクションしてくれちゃってんの!?
僕はルーファウスに抱きついている10歳の頃の自分によく似た人形を引き剥がした。
「タケル、何をするんですか!」
「この子は没収!」
「!? そんな、酷い!」
「酷いのはどっちですか! こんなもの勝手に作ってコレクションしないでください! これ以上増やす気なら全部目の前で燃やしますよ!」
「そんな……」
愕然としたような表情のルーファウス、僕は二体の人形を自分のマジックバックに収納した。一体だけ残してあげたのは僕のせめてもの優しさだと理解して欲しい。
それにしてもこの人形精巧すぎる。よく見れば人形だというのはすぐに分かるのだが、肌の質感や指先の造形などこれでもかと言わんばかりに作りこまれていて職人の作り出す芸術品のようにすら見えるのだ。こんなからくり人形をどうやって作り出したのか知らないけど、これこそ才能の無駄使いだよ!
35
あなたにおすすめの小説
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる