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第四章
身分証の偽造は犯罪です
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人攫いに攫われかけてすっかり脅えてしまった小太郎をどうにか宥めすかして僕達は目的地へと足を向ける。とはいえ、この街にかつて来た事があるのはルーファウスだけなので、僕達はただ付いて行くだけなのだけど。
「それにしても、さっきはロイド君が気付いてくれて本当に助かったよ。ありがとう」
自分が小太郎の面倒を見るからと言って彼の同行を認めてもらったのに、さっそくこんな事になってしまって僕は反省しきりだ。僕が改めてロイドに礼を述べると、ロイドは少しだけ気まずそうに「いや……」と言葉を濁す。
そして、そんなロイドの傍に何故かすっかり彼に懐いてしまった小太郎が所在なさげに彼の服の端を掴んで彼の横を歩いている。
そんな小太郎の行動に困惑している様子のロイドは視線を泳がせて「実は俺も最初は気付いてなかったんだ」とそう言った。
「あれ? そうなんだ?」
「この剣に引っ張られて振り向いたら、こいつが攫われそうになっててさ……それがなかったら俺もたぶん気付いてなかった」
そう言ってロイドはベルトホルダーに大人しく収まっている剣の柄を撫でた。
「俺が柄に手をかけたらこいつが勝手に戦闘モードで切りかかっていったもんだから俺はこの剣を抑えてたってのが正しくて、実は俺は何もしてない」
なんと……てっきりロイドは小太郎を守って人攫いと戦っていたのかと思いきや、実は暴れ出しそうな剣を抑えていただけだったのか。
でも、そうするとこの剣はロイドの手に渡っていながら、まだ小太郎を守ろうとしているって事になるのだけど、その解釈で合っているのだろうか?
「呪いの剣って言うわりに随分忠義に厚い剣だな、その剣、本当に呪われているのか?」
「それを今から鑑定しに行くんでしょう、さぁ、着きましたよ」
呪いの剣を鑑定するために僕達が訪れたのは小さな一軒家だった。家の前には小さな看板が立っていて『鑑定承ります』と書かれている。
「あれ? 教会じゃないんですね」
「教会には鑑定水晶がありますけど、あそこでは物の鑑定はしてくれませんよ。こういった物の鑑定は鑑定士にしてもらうものです」
「あ、そうじゃなくて小太郎君の身分証、必要ですよね? 先に剣の鑑定って感じですか?」
僕の言葉にルーファウスが「ああ」と合点の言ったような声を上げた。
この世界、まるでパスポートのように何処へ行くにも身分証を提示する事を求められるのだけれど、この街に入るための身分証を小太郎は当然持っていなかった。だから今回も僕の時のようにルーファウスとアランが『盗賊に襲われていたのを助けた、身ぐるみはがされ身分を証明できるものを一切合切奪われてしまっている』と説明して身分証を再発行することを条件に街に入れてもらったんだよね。
だから僕は当たり前に小太郎の身分証を作成するためにまずは教会へ行くものなのだと思っていたのだけど、今回はちょっと違うみたいだ。
「はは、教会は駄目ですよ。コタローを教会になんて連れて行ったらタケルの二の舞です。コタローが本物の召喚勇者なのだとしたら尚更に、エリシア様がすっ飛んできますよ」
ああ……確かにそれはありそう。
「でも、だったら身分証は……?」
「そこは蛇の道は蛇って事で、それもこの店で解決ですよ」
そう言ってルーファウスは店の呼び鈴を鳴らす。しばらくして「開いてるよ」という声が中から聞こえて、その返事を聞きルーファウスは玄関扉を開けた。
建物の外もあまり店舗らしい外観をしていなかったが、扉をくぐって覗き込んだ店内もあまり店のような作りをしていない。玄関を入ってすぐがリビング兼客間のようになっていて、こちらの世界では割とよくある間取りの普通の家で僕は少し困惑した。
「あの、ここ本当にお店なんでしょうか……?」
「まぁ、普通に自宅兼店舗でしょうね」
店内(?)はあまり広くない。リビングには店主と思わしき老人が一人、ソファーにかけてこちらを見やる。老人は少し気難しげな雰囲気を漂わせ、くいっと眼鏡を指で押し上げ訝し気な表情だ。
ぞろぞろと僕達が店内に入るとあっという間にその部屋は満杯で、これは何人かは外に出ていた方がいいのでは? と感じるほど部屋は狭かった。
「随分と大所帯だな。客人には申し訳ないが茶は出せないぞ、そもそもこの人数じゃカップも椅子も足りやしない」
そんな老人の言葉にルーファウスがロイドと小太郎の背を押すようにして老人の前に差し出し「そこはお構いなく、鑑定さえしてもらえれば長居はしませんので」と、そう言った。
「ふむ、一体何の鑑定依頼なんだ? その小僧二人の鑑定なのならば教会に行けば済む話だと思うのだが?」
「行けない事情があるのですよ。依頼はふたつ、こちらの少年の身分証作成と……」
そこまで言った所で老人の眉がピクリと動いた。けれどそんな事は気にもとめず「こちらの少年の剣の鑑定です」と、ルーファウスが依頼を一気に告げる。
「剣の鑑定はともかく、裏の仕事か。そんな風には見えなかったがな。あんた、金は有るのか? 人数揃えて踏み倒し、なんて――」
「金ならありますよ」
ルーファウスが懐から何やら袋を引っ張り出して、そのまま老人の目の前にあった机の上に置いた。老人は訝し気に眼鏡を外してその袋を凝視する。そしてしばらくすると「どうやら金は本物のようだな」と大きく息を吐いた。
「さすがに儂ももう歳だ、あまり危険な橋は渡りたくないのだが……」
「危険だなんてとんでもない、彼は犯罪者でもないただの一市民、そんな彼が身分証を失くして困っている、とそれだけの話ですよ」
「いけしゃあしゃあとよく言ったもんだな、それなら教会に言って身分証の再発行をしてもらえばこんな金はかからない、金貨を積み上げてでも隠蔽したい何かがその小僧にあるという事だろう。ああ、もういい、余計な詮索はしない、これがこの商売の鉄則だからな」
そう言って老人は金貨の詰まっているであろう袋を受け取り、何やらゴソゴソと机の引き出しを漁ると一枚の何も書かれていないカードを取り出した。
それは恐らく身分証の元となるものなのだろう。
「身分証が欲しいのはこっちの小僧だけか?」
「はい」
「ふむ」と一言呟いて店主は小太郎の片手を取ってじっと小太郎の瞳を凝視する。その瞬間、老人の瞳の色が濃い茶色から紅に変わる。瞳孔が閉じたり開いたりしていて何かを読み取っているのは分かるのだけど、僕には何が起こっているのか分からない。
もしかすると店主の鑑定スキルは根本的に僕の鑑定スキルとは別種のものであるのかもしれないなと僕は思う。だって僕は自前で鑑定してもこんな風にはなっていないと思うのだ。それとも僕が気付いていないだけで、僕もこんな風になっているのだろうか?
店主の片手は小太郎の手を取り、もう片方の手は無地のカードに添えられて、カードは僅かに光っているようにも見える。そんな感じで数分が経過、瞳が元の色に戻ると同時に店主は大きく息を吐いた。
「あんた、本当にとんでもない小僧を連れて来たな。こんなとんでもステータスの小僧を一市民なんてよく言ったもんだ」
「そこまでですか?」
「一言で言うなら規格外、体力値も魔力量も常人の数値を遥かに超えておる、儂も長年この商売をやっているが、こんなステータスの人間は初めて見たわ」
ああ、やっぱりね。たぶん僕も数値的に似たり寄ったりだと思うけど、さすがに召喚勇者だよ、その辺は本人に自覚がなかっただけで小太郎もちゃんとチーターだったな。
「そんな数値を叩き出している割にはスキルレベルが低すぎて違和感を覚えるがな。職業は『勇者』か……だとすればこのステータスに納得いくが、何故勇者様がこんな犯罪者みたいにコソコソしてるんだ? 教会に行けばそれこそ厚遇で迎えてくれるだろうに」
「ボ、ボクには勇者なんて無理です、絶対、嫌です」
店主が小太郎の台詞に怪訝な表情で片眉を上げる。
「職業ってのは資質があってこそ神により付与され、ステータスに刻まれるものなんだぞ、それを嫌ってどういう事だ? 『勇者』なんて子供なら一度は憧れる特別な職業だろうに」
「あ~……彼に関しては色々と訳アリなのですよ、これ以上はノーコメントで」
ルーファウスが余計な詮索を遮るように店主からのコメントを遮る。けれど店主もその辺は心得たもののようでひとつ頷くと、それ以上にはもう干渉はしてこなかった。
「で、身分証はこのままでいいのか? 書きかえも必要か?」
「そうですね、職業の『勇者』を『冒険者』へと書きかえて欲しいのと、数値がおかしいのであればそれも一般常識範囲内に書きかえをお願いしたいです」
「これだけ書きかえ箇所が多いと追加料金が発生するぞ」
「まぁ、それも予想の範囲内ですよ」
そう言ってルーファウスは先程と同じサイズの金貨の詰まった袋を店主の前に差し出し「釣りはいらないので、他言無用でお願い致します」と、じっと店主の瞳を見つめた。
店主はそんなルーファウスの視線に少しだけ瞳を細めると「承った」と、口角を上げた。
店主は今度はカードに手を添えてじっとそのカードを凝視する。今度は鑑定とは別のスキルが発動しているのか店主の瞳の色は変わることもなく数分、「できたぞ」と差し出されたそれは僕達の持つ身分証と寸分違わぬものになっていた。
カードの表面には名前と年齢・種族・職業、そこにはきっちり『冒険者』と刻まれている。小太郎はまだ冒険者登録もしていないのに冒険者、これは明らかな偽装カードだと僕でも分かる。だけど、通行証として使うだけならこれで充分だ。
お金を積めばこんな事もできてしまうのだなと僕は感心しきりである(犯罪だけど)
ルーファウスの差し出したあの袋の中には一体どれだけの金貨が詰まっていたのだろうか。後で聞いてちゃんと返さないとだな、僕の有り金で足りるといいけれど……
「それにしても、さっきはロイド君が気付いてくれて本当に助かったよ。ありがとう」
自分が小太郎の面倒を見るからと言って彼の同行を認めてもらったのに、さっそくこんな事になってしまって僕は反省しきりだ。僕が改めてロイドに礼を述べると、ロイドは少しだけ気まずそうに「いや……」と言葉を濁す。
そして、そんなロイドの傍に何故かすっかり彼に懐いてしまった小太郎が所在なさげに彼の服の端を掴んで彼の横を歩いている。
そんな小太郎の行動に困惑している様子のロイドは視線を泳がせて「実は俺も最初は気付いてなかったんだ」とそう言った。
「あれ? そうなんだ?」
「この剣に引っ張られて振り向いたら、こいつが攫われそうになっててさ……それがなかったら俺もたぶん気付いてなかった」
そう言ってロイドはベルトホルダーに大人しく収まっている剣の柄を撫でた。
「俺が柄に手をかけたらこいつが勝手に戦闘モードで切りかかっていったもんだから俺はこの剣を抑えてたってのが正しくて、実は俺は何もしてない」
なんと……てっきりロイドは小太郎を守って人攫いと戦っていたのかと思いきや、実は暴れ出しそうな剣を抑えていただけだったのか。
でも、そうするとこの剣はロイドの手に渡っていながら、まだ小太郎を守ろうとしているって事になるのだけど、その解釈で合っているのだろうか?
「呪いの剣って言うわりに随分忠義に厚い剣だな、その剣、本当に呪われているのか?」
「それを今から鑑定しに行くんでしょう、さぁ、着きましたよ」
呪いの剣を鑑定するために僕達が訪れたのは小さな一軒家だった。家の前には小さな看板が立っていて『鑑定承ります』と書かれている。
「あれ? 教会じゃないんですね」
「教会には鑑定水晶がありますけど、あそこでは物の鑑定はしてくれませんよ。こういった物の鑑定は鑑定士にしてもらうものです」
「あ、そうじゃなくて小太郎君の身分証、必要ですよね? 先に剣の鑑定って感じですか?」
僕の言葉にルーファウスが「ああ」と合点の言ったような声を上げた。
この世界、まるでパスポートのように何処へ行くにも身分証を提示する事を求められるのだけれど、この街に入るための身分証を小太郎は当然持っていなかった。だから今回も僕の時のようにルーファウスとアランが『盗賊に襲われていたのを助けた、身ぐるみはがされ身分を証明できるものを一切合切奪われてしまっている』と説明して身分証を再発行することを条件に街に入れてもらったんだよね。
だから僕は当たり前に小太郎の身分証を作成するためにまずは教会へ行くものなのだと思っていたのだけど、今回はちょっと違うみたいだ。
「はは、教会は駄目ですよ。コタローを教会になんて連れて行ったらタケルの二の舞です。コタローが本物の召喚勇者なのだとしたら尚更に、エリシア様がすっ飛んできますよ」
ああ……確かにそれはありそう。
「でも、だったら身分証は……?」
「そこは蛇の道は蛇って事で、それもこの店で解決ですよ」
そう言ってルーファウスは店の呼び鈴を鳴らす。しばらくして「開いてるよ」という声が中から聞こえて、その返事を聞きルーファウスは玄関扉を開けた。
建物の外もあまり店舗らしい外観をしていなかったが、扉をくぐって覗き込んだ店内もあまり店のような作りをしていない。玄関を入ってすぐがリビング兼客間のようになっていて、こちらの世界では割とよくある間取りの普通の家で僕は少し困惑した。
「あの、ここ本当にお店なんでしょうか……?」
「まぁ、普通に自宅兼店舗でしょうね」
店内(?)はあまり広くない。リビングには店主と思わしき老人が一人、ソファーにかけてこちらを見やる。老人は少し気難しげな雰囲気を漂わせ、くいっと眼鏡を指で押し上げ訝し気な表情だ。
ぞろぞろと僕達が店内に入るとあっという間にその部屋は満杯で、これは何人かは外に出ていた方がいいのでは? と感じるほど部屋は狭かった。
「随分と大所帯だな。客人には申し訳ないが茶は出せないぞ、そもそもこの人数じゃカップも椅子も足りやしない」
そんな老人の言葉にルーファウスがロイドと小太郎の背を押すようにして老人の前に差し出し「そこはお構いなく、鑑定さえしてもらえれば長居はしませんので」と、そう言った。
「ふむ、一体何の鑑定依頼なんだ? その小僧二人の鑑定なのならば教会に行けば済む話だと思うのだが?」
「行けない事情があるのですよ。依頼はふたつ、こちらの少年の身分証作成と……」
そこまで言った所で老人の眉がピクリと動いた。けれどそんな事は気にもとめず「こちらの少年の剣の鑑定です」と、ルーファウスが依頼を一気に告げる。
「剣の鑑定はともかく、裏の仕事か。そんな風には見えなかったがな。あんた、金は有るのか? 人数揃えて踏み倒し、なんて――」
「金ならありますよ」
ルーファウスが懐から何やら袋を引っ張り出して、そのまま老人の目の前にあった机の上に置いた。老人は訝し気に眼鏡を外してその袋を凝視する。そしてしばらくすると「どうやら金は本物のようだな」と大きく息を吐いた。
「さすがに儂ももう歳だ、あまり危険な橋は渡りたくないのだが……」
「危険だなんてとんでもない、彼は犯罪者でもないただの一市民、そんな彼が身分証を失くして困っている、とそれだけの話ですよ」
「いけしゃあしゃあとよく言ったもんだな、それなら教会に言って身分証の再発行をしてもらえばこんな金はかからない、金貨を積み上げてでも隠蔽したい何かがその小僧にあるという事だろう。ああ、もういい、余計な詮索はしない、これがこの商売の鉄則だからな」
そう言って老人は金貨の詰まっているであろう袋を受け取り、何やらゴソゴソと机の引き出しを漁ると一枚の何も書かれていないカードを取り出した。
それは恐らく身分証の元となるものなのだろう。
「身分証が欲しいのはこっちの小僧だけか?」
「はい」
「ふむ」と一言呟いて店主は小太郎の片手を取ってじっと小太郎の瞳を凝視する。その瞬間、老人の瞳の色が濃い茶色から紅に変わる。瞳孔が閉じたり開いたりしていて何かを読み取っているのは分かるのだけど、僕には何が起こっているのか分からない。
もしかすると店主の鑑定スキルは根本的に僕の鑑定スキルとは別種のものであるのかもしれないなと僕は思う。だって僕は自前で鑑定してもこんな風にはなっていないと思うのだ。それとも僕が気付いていないだけで、僕もこんな風になっているのだろうか?
店主の片手は小太郎の手を取り、もう片方の手は無地のカードに添えられて、カードは僅かに光っているようにも見える。そんな感じで数分が経過、瞳が元の色に戻ると同時に店主は大きく息を吐いた。
「あんた、本当にとんでもない小僧を連れて来たな。こんなとんでもステータスの小僧を一市民なんてよく言ったもんだ」
「そこまでですか?」
「一言で言うなら規格外、体力値も魔力量も常人の数値を遥かに超えておる、儂も長年この商売をやっているが、こんなステータスの人間は初めて見たわ」
ああ、やっぱりね。たぶん僕も数値的に似たり寄ったりだと思うけど、さすがに召喚勇者だよ、その辺は本人に自覚がなかっただけで小太郎もちゃんとチーターだったな。
「そんな数値を叩き出している割にはスキルレベルが低すぎて違和感を覚えるがな。職業は『勇者』か……だとすればこのステータスに納得いくが、何故勇者様がこんな犯罪者みたいにコソコソしてるんだ? 教会に行けばそれこそ厚遇で迎えてくれるだろうに」
「ボ、ボクには勇者なんて無理です、絶対、嫌です」
店主が小太郎の台詞に怪訝な表情で片眉を上げる。
「職業ってのは資質があってこそ神により付与され、ステータスに刻まれるものなんだぞ、それを嫌ってどういう事だ? 『勇者』なんて子供なら一度は憧れる特別な職業だろうに」
「あ~……彼に関しては色々と訳アリなのですよ、これ以上はノーコメントで」
ルーファウスが余計な詮索を遮るように店主からのコメントを遮る。けれど店主もその辺は心得たもののようでひとつ頷くと、それ以上にはもう干渉はしてこなかった。
「で、身分証はこのままでいいのか? 書きかえも必要か?」
「そうですね、職業の『勇者』を『冒険者』へと書きかえて欲しいのと、数値がおかしいのであればそれも一般常識範囲内に書きかえをお願いしたいです」
「これだけ書きかえ箇所が多いと追加料金が発生するぞ」
「まぁ、それも予想の範囲内ですよ」
そう言ってルーファウスは先程と同じサイズの金貨の詰まった袋を店主の前に差し出し「釣りはいらないので、他言無用でお願い致します」と、じっと店主の瞳を見つめた。
店主はそんなルーファウスの視線に少しだけ瞳を細めると「承った」と、口角を上げた。
店主は今度はカードに手を添えてじっとそのカードを凝視する。今度は鑑定とは別のスキルが発動しているのか店主の瞳の色は変わることもなく数分、「できたぞ」と差し出されたそれは僕達の持つ身分証と寸分違わぬものになっていた。
カードの表面には名前と年齢・種族・職業、そこにはきっちり『冒険者』と刻まれている。小太郎はまだ冒険者登録もしていないのに冒険者、これは明らかな偽装カードだと僕でも分かる。だけど、通行証として使うだけならこれで充分だ。
お金を積めばこんな事もできてしまうのだなと僕は感心しきりである(犯罪だけど)
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皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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