½ドラゴン少女の日常。

余白(´・ω - )...

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【ハーフ½ドラゴン少女とその主人。】第三話

【ハーフ½ドラゴン少女は主人を見つける。】

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 ジーナ
「……ぷっ…クスクス…。」

 いきなり、ライリの頭上を見たジーナは、笑いを堪えようと顔を反らす。
 だが、完全には笑いを堪えきれずに、クスクスと声が漏れている。

 メアリ
「……ジーナ様?」

 ライリ
「やっと笑ってくれたね♪ 」

 ジーナから見た、ライリの風船になった尻尾にはHAPPY《ハッピー》と、
 言う文字が浮かんでいたのだ。

 ジーナ
「まさか……尻尾をカンペがわりにするなんて反則です。
 そうですね、警戒は解きましょう。」

 そう言いつつ、笑いから立ち直るジーナ。

 ジーナ
「半人半竜とは言え、ココまで恩人がしてくれて居るのですから。」

 ライリ
「そうだよぉ~笑わなきゃ損だよ!
 こんな美味しそうな食事に失礼ってドラゴンなら言うよぉ?」

 満面の笑みを浮かべるライリ。

 ジーナ
「さっ、食べましょう!
 遠慮や作法は気にしないで下さい。」

 ライリ
「いっただっきまーす!」

 ジーナ
「ライリ、食べながらで結構ですので。
 聞いてもよろしいでしょうか?」

 ライリ
「…何?」

 口いっぱいに食事をかき込む豪快な食べっぷりを見せるライリ。

 ジーナ
「余程、お腹が空いていたのですね。
 今まではどの様な暮らしをしてたんでしょうか?」

 ゴクリと食事を飲み込むライリ。

 ライリ
「今までは、川で捕まえた魚に、木の根っこや木の皮と山菜食べてたかな~?」

 ジーナ
「……仕事はしなかったのですか?」

 食後の紅茶を飲むジーナ。

 ライリ
「一度だけ、お花屋さんのお婆さんに雇ってもらった時にさぁ…。」

 ーーーー。

 パリーン!

 花屋のお婆さん
「ハァ…ソレでいくつ目の植木鉢だい?」

 深くため息を付く、花屋のお婆さん。

 ライリ
「ごめんなさい!
 ちょっと不器用みたい。」

 割れてしまった植木鉢の中の花を両手ですくい上げるライリ。

 花屋のお婆さん
「……そう落ち込んじゃ行けない。
 きっと、アンタにも向いてる、
 人を笑顔にできるお仕事があるよ。」

 ーーーー。

 ライリ
「うん。」

 ジーナ
「なるほど、人を笑顔にですか。
 ですが、あれだけの戦闘能力があるのに勿体ないですね。」

 ライリ
「フゥ~ッ…!ご馳走様でした。」

 ジーナ
「良くあれだけの量を一人で食べられましたね。」

 ちょっと引くジーナ。

 ライリ
「ドラゴンはね!
 尻尾に栄養を溜められるんだ♪」

 ジーナ
「確かに先程よりも尻尾が大きくなりましたね。」

 ライリの尻尾は元気を取り戻し黒い鱗が輝いていた。

 ライリ
「でも、ちょっと食べ過ぎたかも…。」
 ライリの尻尾がこんもり脹れて垂れている。

 ジーナ
「では、隣に談話室があるので、暖炉の前のカウチ型のソファーで共に休みましょう。」

 ジーナが二つある、カウチのひとつに座るとライリもその隣に座った。

 ジーナ
「アチラなら横になれますよ?」

 ライリ
「ん~ん、私ジーナの膝の上が良い♪」

 ジーナ
「……まぁ、構いませんよ……?」
 ……え?いきなり距離が近すぎる気がするのですが!!
 いえ、ココは平常心です。

 ジーナの膝の上に頭を置くライリ。

 ライリ
「そう言えば、さっきなんで警戒してたの?」

 ジーナ
「本来、ドラゴン族とは人族どころか。
 全ての種族にとって、畏怖の象徴であり。
 天災級の扱いをされるものですから。」

 ジーナは軽く咳払いした。

 ジーナ
「……コホンッ!
 ですので、300年前の種族間戦争の際。
 唯一の勝者はドラゴン族だと言われていますし。
 種族間戦争から300年。
 今では、ドラゴン以外の種族間での争いを、避けるための条約が締結され。
 私達のクリムフリード王国もその条約に守られていると教わっています。」

 ライリ
「そっかぁ~、ドラゴン怖いかぁ…。」

 ライリはジーナの話を聞きながら、
 ジーナの手を取り自分の頭の上に置いた。

 ジーナ
「次はライリの話を聴かせて頂けませんか?」
 うわぁ、ライリの髪すっごくサラサラでとても羨ましいです!
 ライリの瞳、すごく澄んでいて。
 オレンジ色の色彩の中に、朱色や黄色が混じっていて、すごく綺麗ですね。

 ライリ
「私の場合はドラゴン社会で生きてきたんだけど。
 他の種族にはなるべく関わっちゃダメって、周りに言われて育ったから
 人間の国がどんなものなのか、気になっちゃって出て来ちゃった!」

 ジーナ
「なるほどぉ~…。
 何故だか分かりますか?」
 ドラゴン側もこちらを拒絶して居るのでしょうか。

 ライリ
「なんだか、優しくてのんびりやのドラゴン達が、
 集まって悪いドラゴン達を懲らしめたんだってさぁ~。」

 ジーナ
「それで、この300年間竜災が無かったのですね。」
 ……そうでしたか。
 だから、この三百年――
 私達は平和に街を広げてこられたのですね。
 城砦都市も、この王都も。
 ……あなた達のお陰で。

 ふと、窓の外を見るジーナ。
 王宮の窓の向こうでは、夜の王都に無数の灯りが瞬いていた。
 三百年守られてきた街の灯だ。

 ライリ
「私がジィジから聴いた話はそうみたいだよ?
 ところで、ジーナは何故さっき襲われてたの?」

 ジーナ
「……それは。」

 一瞬、言葉に詰まるジーナ。

 ジーナ
「それはですね。
 私がこの国の第一皇女ジーナ・クリムフリードだからですね。」

 ライリ
「へぇ~そうなんだ。」

 ジーナ
「…ゴクリ。」

 パチリと暖炉の薪がなる。
 夜の静寂が一瞬だけ2人を包んだ。

 ライリ
「じゃ、ジーナはかっこいいお姫様なんだね♪」

 ジーナ
「…そ、そう見えますか?」
 ……そっか。
 私、態度を変えられるのが怖かったんですね。

 ライリ
「ジーナはもう安全なの?」

 ジーナ
「それが全然なのです。」

 両手を上げてジェスチャーをするジーナ。

 ジーナ
「……おそらくは。
 今年の誕生日の式典で、正式に弟に家督を譲らなければ
 命を狙われ続けるでしょうね。」

 ライリ
「じゃ、私がジーナを守るよ!」

 ジーナ
「え?良いのですか?」

 ライリ
「……あ、ただ私…魔獣と魔物以外殺したくないや…。」

 ジーナ
「何故ですか?」

 ライリ
「…だって。
 どんなに悪い人でも、もしかしたら家族が居たり。
 何処かの誰かが生きた明かしなんだから、
 それを殺すのはなんだか悲しいなーって。」

 ジーナ
「ライリは優しいドラゴンなのですね。
 ……王族としては、覚悟はしていますが。
 なるべく、命を奪わない様にして頂いて結構ですので。」

 ライリ
「ありがとう!
 決まりだね!主人《あるじ》!?」

 ジーナ
「はい!こちらこそよろしくお願いします!!」

 ーーーー。

 翌朝。
 ジーナの執務室にて。

 ジーナ
「ライリはまだ起きて来ませんか?」

 メアリ
「はい~、それが…。」

 ジーナ
「どうしたんですか?」

 メアリ
「この通り…。」

 そこには、ナイトキャップと大きめの白いTシャツに
 パンイチ姿で、眠そうにウトウトしながら
 赤いドラゴンの枕を抱えた、ライリが立っていた。

 ジーナ
「あーこれはダメそうですね。」

 何故ならライリのシャツには(本日休竜日)と書いてあったからである。

 メアリ
「はい。
 着替えさせようとしましたが
 そもそも、お洋服ではなく鱗と仰っておられましたので
 どうすることもできず。」

 ジーナ
「ですが、そのシャツ……本日休竜日ってどんなセンスですか。」

ライリ
「主人|《あるじ》~……。」

 フラフラとジーナの膝に吸い寄せられるライリ。

「仕方ないので、先に書類から片付けますね。」

 ライリをに膝枕しつつ書類に目を通すジーナ。
 この静かな時間が彼女には心地よく感じた。
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みんなの感想(1件)

ミュリ
2026.03.07 ミュリ

とてもテンポ良く読めました。
短い休憩時間とかにもサクッと読めちゃうのがとても良いところだと思いました。

解除

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