½ドラゴン少女の日常。

余白(´・ω - )...

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【ハーフ½ドラゴン少女とその主人。】第二話

【ハーフ½ドラゴン少女の王城でのごちそうと出会う。】

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 馬車内部にてライリをじっと眺めるジーナ。

 ジーナ
「何故縮んで居るのですか?」
 何コレ!可愛いいっ!この生き物、ものすごく可愛いです!!

 二十センチ程度に縮んで居るライリ。
 必死に小さな手が鎧の隙間を掴み。
 ジーナの膝に、よじ登ろうとする。

 ライリ
「省エネモード…。」

 ジーナ
「……か。」

 ジーナはそっと膝を寄せる。

 ライリ
「うん…?」

 ジーナ
「いえっ…何でもありません。」

 ジーナは王族としての自分の威厳と葛藤する。
 そんな事を微塵も考えもせず。
 やっとジーナの膝に登り切ったライリは、
 勝手に膝の上で丸まって眠り始めた。

 ジーナ
「……んっ。」
 コレ、触っても良いのでしょうか……?

 ジーナはそっと顔をそらし……。
 そっとライリの背中をさする。

 その時、馬の脚音が聞こえてきた。
 ライリは一瞬片目を開けたが、またすぐに目を閉じた。
 馬車をノックするバートン。

 バートン
「バートンです。
 あの者達は全員捕縛したまま、口の中の丸薬を回収し。
 騎士隊に引き渡しました。」

 ジーナ
「分かりました。
 では、後に尋問に掛けます。
 あなた達は、そのまま城門までこの馬車の護衛に戻って下さい。」

 バートン
「かしこまりました!」

 ーーーー。

 ……城門をくぐる馬車。

 雨音が石畳に変わる。

 ジーナ
「着きましたよライリ。」

 ライリ
「……。」

 ジーナ
 ……さすがに、動けませんか……。
 仕方ありません…。
 このまま私が抱いて行きましょう。

 ライリを両手で抱えて馬車を降りるジーナ。

 メイド
「ジーナ様、お帰りなさいませ。」

 メイド達が、ジーナを出迎える。

 ジーナ
「メアリ、この子に湯浴みと食事を大至急…頼めませんか!」

 ジーナは急足で、歩きながら話す。

 メアリ
「ご報告は受けておりましたので、ご用意して置きました。
 この方が、姫様を救って下さったのですね。」

 ジーナ
「ええ、王族の恩人になります。
 …ですが、今は空腹で衰弱して居る様です。」

 一瞬だけ、腕の中のライリに目を落とすジーナ。

 メアリ
「……では、お食事は消化の良い物をご用意致しましょう。」

 ジーナ
「本人曰く。
 半分は人間で…もう、ドラゴンらしいので……。
 一応、お肉もこの子が食べやすい大きさに切り分けておいて貰えますか?」

 メアリ
「かしこまりました。
 お召し変えの準備も出来ております。」

 メアリは一歩後ろを保ち、歩調を崩さず応じる。

 メアリ
「湯殿に着きましたので、恩人様をお預かり致します。」

 ジーナ
「……頼みます。」

 ジーナは少し名残り押しそうにライリをメアリへと預け。
 自身の鎧や外套をメイド達に外してもらい始めた。

 メアリ
「……申し訳ありません姫様。
 初めて眼にするお召し物でして、
 お洋服の脱がせ方が分からないのですが。」

 メイド達
「お外套どころか、手袋も肌にくっ付いて居るかの様です。」

 ジーナ
「ライリ、今から湯浴みをするので。
 お洋服脱げますか?」

 優しく問いかけるジーナ。

 ライリ
「んっ…ん~っ!?」

 小さい身体で背伸びをするライリ。

 ライリ
「コレね…私の鱗だから収納すればいいんだ~♪」

 次の瞬間、衣服がライリの胸へと吸い込まれる。

 メアリ
「…まっ!?」

 メアリどころか、メイド達やジーナまで驚く。

 ジーナ
「……コレはすごく便利ですね。
 では、お風呂に行きましょうか。」
 …今まで見てたのが鱗だった何て…。

 困り顔で、必死に笑顔を作るジーナ。

 ライリ
「うんっ!」

 そう言いながら、鱗で作った手拭いを肩に掛け両手組んで。
 小さい身体で意気揚々と浴場へ歩き出すライリ。

 ライリ
「うむ…参る!」

 ジーナ
「誰ですかそれ。」

 ………カポーン………

 ライリが浴場に向かうとそこには、豪華な一面大理石の浴槽が広がっていた。

 メイド
「丁度いい温度です。」

 ジーナ
「では、背中を流しましょう。」

 ライリ
「はーい。」

 ジーナ
「そう言えば、ライリは羽根はないのですか?」

 ライリ
「うん、まだ15才で幼体だからねぇ~。」

 ジーナ
「なるほど15で幼体だからと。」
 ……ん?

 ジーナはその瞬間。

 ジーナ
「……私と同い年なんですかっ!?」

 っとつい、ツッコンでしまった。

 ライリ
「そうなの?」

 ライリは特に気にしてない様だ。

 浴槽に入る際には、ライリの身体の大きさに配慮して。
 ジーナの膝の上にライリを置こうとしたが。
 ライリは既に尻尾を変化させて、小さいリクライニング椅子を作り入浴を楽しんでいた。

 ジーナ
「かなり便利そうですね…その尻尾。」

 ライリ
「ジーナも欲しい?
 あと一人分と風かせる事くらいなら出来るよ!」

 尻尾でプロペラとジーナ分の椅子を作るライリ。

 ジーナ(てれ顔)
「……お願いできますか?」
 誘惑に抗えなかった…。

 ーーーー。

 ライリ
「ふぃ~、気持ちよかったなりぃ~。」

 ジーナ
「それ、誰のマネでなのですか?」

 ライリ
「んー?パパ。」

 ジーナ
「……お父上が?」

 ライリ
「うん。お風呂好きだったから。」

 ジーナ
「……そう、ですか。」
 …と、言うことは少なくとも、
 ライリの両親は、自宅に浴槽を持ってらっしゃると言うことですね。
 ならば、何故路銀や仕送り金がなかったのでしょうか……?

 メイド
「では、お拭き致しますね。」

 ライリ
「ちょっと離れてて。」

 メイド
「……か、かしこまりました。」

 一歩、二歩と下がるメイド達。

 その瞬間。

 ライリの身体が音もなく本来の大きさへ戻る。
 空気がわずかに震え、湯気が渦を巻いた。

 ライリ
「熱で乾燥出来るんだ~♪」

 ふわり、と。

 彼女の周囲の水滴が一瞬で蒸気へと変わる。
 石造りの床に、細かな霧が降りる。

 メイド
「……っ、湯気が逆巻いて……」

 ジーナ
「……火傷などは、しないのですか?」

 ライリ
「平気平気ー。周りの空気だけ温めてる感じだし!
 一応、半分は炎竜レッドドラゴンだしね~♪」

 ジーナ
「そうなんだすね。」
 レッドドラゴンと言えば古竜の中でも最強格のドラゴン!
 ソレが人間との間に子を設けるなど信じられませんが。
 ……実際に目の前に実例が。

 メアリ
「お着替えは一応ご用意がありますが。」

 ライリ
「……私、鱗あるし要らないよ?」

 メアリ(小声)
「せっかく作ったドレスをまた誰にも来て貰えませんでした……。」

 メアリは、肩を落とし落ち込んだ様に言葉を吐いた。
 周囲のメイド達は「またか」と、言う顔でメアリを見ていた。

 ジーナ
「では、食堂へ参りましょう。」

 長い廊下を歩く。

 磨き上げられた床に、橙の瞳が映る。

 ジーナ「コチラです。」

 大きな扉を開けるとそこにはいくつも連なるテーブル。
 壁にかかる巨大な絵画。
 高い天井。
 豪奢なシャンデリア。

 ライリ
「……広っ。」

 ライリの尻尾がピンと立つ!

 ライリ
「でも、お料理ないんだね?」

 ライリの尻尾が、また床に落ちる。

 ジーナ
「ここは政治に関わる者が集うグレートホールです。
 食事はこの奥になります。」

 歩いていくと、ドンドンいい匂いがし始めた。

 ライリ
「くん。
 くんくん。」

 ライリ尻尾がまた持ち上がり左右に揺れる。

 ライリ
「美味しそうな匂い!?」

 ライリの尻尾が待ちきれず先に伸びる。
 その尻尾を両手で押さえるライリ。

 扉を開けるメアリ。

 そこは、派手な装飾はないが。
 窓から見える夜景と落ち着いた雰囲気の空間だった。

 そして、テーブルの上に盛られた品々がどれも輝いて居る!
 温かいスープ、とろけるチーズにパン、焦げ目のついたロースト肉。

 ライリ
「……これ、全部?」

 ジーナ
「ええ。控えめに。」

 ライリ、無言で椅子に座る。

 尻尾が、ふわりと七色の風船に弾けた。

 ――王城の静かな夜が、少しだけ不穏に震える。

 ジーナ
「……はい?」

 ジーナの頬が、わずかに引きつる。
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