167 / 317
沫雪-あわゆき-2
しおりを挟む
顔は見えないけど声だけがする。
そんな状況で何も知らない翠は怖がるかと思ったが、意外にもスタスタとベッドに近寄り、つま先立ちになってベッドを覗き込んで、小さな手を差し出した。
「……ふふ……かわいい子だね……薫はこんなかわいい子の親なんだね……翠、薫をたのんだよ。薫を……まもってあげてね……それから薫、本当に色々とありがとう、君がこの先ずっと幸せでいてくれるように……僕も天から見守るから……ね」
「ハリル様」
僕もそっと近寄って翠の後に立つと、翠の手は力なく動かないハリル様の左手をさすっていた。
「これで僕も、ようやく……この世界から解放されるわけ?……もうちょっと早くても良かったと……思わない?」
力なく笑ったハリル様の目に薄っすらと涙が浮かんだ。
僕もハリル様を見つめながら一筋涙が流れるのを感じた。
「ねえ薫……僕があの世に行ったらさ、誰が迎えてくれるんだろ」
「それは……」
僕はうまく答えられない。
「汀紗様……なんてね。先に逝っちゃってるんだから、今度ぐらいは……ちゃんと……遅れないで来て……くれるかな」
ハッとしてハリル様を見つめると、彼は力を振り絞るようにして、棚を指差した。
「そこの棚から汀紗様の絵姿取って……きて」
僕は慌てて棚に近寄り、小さな絵姿を見つけると、それを持ちベッドに寄った。
そしてそれを見えるように差し出した。
汀紗様……それは先代の紗国王で、蘭紗様のお父様だ。
絵姿は写実的に描かれていて、ほとんど写真と変わらない。
銀色の真っ直ぐな髪を腰の長さで切りそろえてあり、厳しい銀色の瞳はこちらをじっと見据えるようで、絵でありながら見つめているとこちらが観察されているように感じてしまう。
まだ若い頃の先代のようで、20代の若者のように見える。
色は蘭紗様に似ているのに、まるで似ていないこの先代の姿を僕は初めて見た。
「絵姿を……見て……なんてすてきな人だろうって……会ってみたかった……だからね僕……できたら、王墓にね……行きたかったんだ……ほんとはね」
「王墓に……」
「この人も、この人だって……きっと僕のこと、待っていて……くれたんだろうなって」
「それはそうですよ。お待ちになっていらしたんです」
「会って……みたかった……こんな素敵な人が……僕を待っていてくれているのなら……会いたかった」
僕は涙が抑えられずに震える手で絵姿を持つのが精一杯だったけど……もう片方の手で、彼の手をにぎる翠の上から自分の手も重ねた。
「お会いできますでしょう……きっと……今度こそ」
「そう……だね……なら……こわくない……よね」
絵姿をじっと見つめたまま、薄く笑ってハリル様はスッと目を閉じられた。
シンとなった部屋に「クルゥ」という悲しげなクーちゃんの鳴き声が響き、僕はハリル様が逝ってしまわれたことを感じた。
「ん……ハリル様……うぅ」
僕が泣き崩れると翠が僕の背中をさすってくれた。
小さな温かい手が僕を必死に慰めてくれた。
肩に乗るクーちゃんはやわらかな羽で僕の頬をさするようにしてくれた。
止めどもなく溢れてくる涙は暖かくて……ああ僕は生きている。
そう感じさせてくれた。
こんな風に儚く逝ってしまわれたハリル様のことを思うと、どうして僕だけがこんなにも恵まれているのかと……そうも思ってしまう。
でも違うのだ。
「僕なんて……」などと卑下してはいけない……僕を愛してくれる人に感謝して生きていくこと。
それがハリル様の残してくれた言葉への答えにもなるのだから。
僕はよろよろと次の間につながる襖を開けて、心配そうに立っていた3人にハリル様が逝ってしまわれたことを告げた。
喜紗さんは静かに涙を流して、僑先生はスッと部屋に入りハリル様の状態を見た。
蘭紗様は僕を抱きしめて、そして翠を抱き上げた。
「葬儀のことなど……」
「私がすべて取り仕切ります。先代のお嫁様でいらっしゃるのです、これぐらいはさせてくださいませ」
蘭紗様の言葉に、喜紗さんが絞り出すように言った。
「ああ、それでは任せよう」
「……ハリル様は……汀紗様がお迎えに来てくださるかもと、嬉しそうにおっしゃっていました」
「ええ!」
喜紗さんが驚愕に目を見開いた。
「ハリル様は……父をお許しになられたのか?」
蘭紗様も僕を覗き込む。
「はい、最期は絵姿をじっとご覧になって……素敵な人だとおっしゃって……お会いしてみたかったと、今度こそちゃんと迎えに来てくれるかな?って」
そこで僕は涙がこみ上げてきてもう話せなくなってしまった。
蘭紗様の着物が濡れるのも構わず顔を押さえつけてしまう。
優しく優しく髪を撫でてくれて、救われた気分になった。
ハリル様の人生を思うと、涙が止まらない。
だけど、この世界で彼のために涙を流す人はほんの少数だ。
ハリル様の最後の時をより良いものとするために、里に戻っていたところを呼び出された侍女達。
彼女達は悔しい気持ちと喪失感でいっぱいだろうと思う、そして静かに皆が一列に並び表情を変えずに立っていた。
王がいる前で泣いたりなどしないよう、厳しく律しているのだと聞いたことがある。
僕は彼女達に最後の思いを伝えさせてあげたくて、蘭紗様を促して家族で退室することにした。
蘭紗様は一度だけハリル様に近寄り、小さくお祈りの言葉を捧げ、綺麗な礼をした。
そして部屋を出た僕たち3人は何も言わず静かに歩いた。
僕の手を離さない翠と蘭紗様に囲まれて。
廊下はシンとして冷気が漂っていた。
立ち止まり紫の小花が咲く庭を見た。
相変わらず雪が降ってきていた、でもその花の上ですっと消えていく雪。
地面にも花にも葉にも触れることができないで消えてしまう雪を見て、思った。
あの方は、この雪のような人だったなと。
今頃きっと、ようやく会えた運命の人と手を取り合って笑顔になっているだろうと、そう思えた。
どうかハリル様……心安らかにお眠りください。
僕は2人の手のぬくもりを感じながらじっと空を眺め続けた。
そんな状況で何も知らない翠は怖がるかと思ったが、意外にもスタスタとベッドに近寄り、つま先立ちになってベッドを覗き込んで、小さな手を差し出した。
「……ふふ……かわいい子だね……薫はこんなかわいい子の親なんだね……翠、薫をたのんだよ。薫を……まもってあげてね……それから薫、本当に色々とありがとう、君がこの先ずっと幸せでいてくれるように……僕も天から見守るから……ね」
「ハリル様」
僕もそっと近寄って翠の後に立つと、翠の手は力なく動かないハリル様の左手をさすっていた。
「これで僕も、ようやく……この世界から解放されるわけ?……もうちょっと早くても良かったと……思わない?」
力なく笑ったハリル様の目に薄っすらと涙が浮かんだ。
僕もハリル様を見つめながら一筋涙が流れるのを感じた。
「ねえ薫……僕があの世に行ったらさ、誰が迎えてくれるんだろ」
「それは……」
僕はうまく答えられない。
「汀紗様……なんてね。先に逝っちゃってるんだから、今度ぐらいは……ちゃんと……遅れないで来て……くれるかな」
ハッとしてハリル様を見つめると、彼は力を振り絞るようにして、棚を指差した。
「そこの棚から汀紗様の絵姿取って……きて」
僕は慌てて棚に近寄り、小さな絵姿を見つけると、それを持ちベッドに寄った。
そしてそれを見えるように差し出した。
汀紗様……それは先代の紗国王で、蘭紗様のお父様だ。
絵姿は写実的に描かれていて、ほとんど写真と変わらない。
銀色の真っ直ぐな髪を腰の長さで切りそろえてあり、厳しい銀色の瞳はこちらをじっと見据えるようで、絵でありながら見つめているとこちらが観察されているように感じてしまう。
まだ若い頃の先代のようで、20代の若者のように見える。
色は蘭紗様に似ているのに、まるで似ていないこの先代の姿を僕は初めて見た。
「絵姿を……見て……なんてすてきな人だろうって……会ってみたかった……だからね僕……できたら、王墓にね……行きたかったんだ……ほんとはね」
「王墓に……」
「この人も、この人だって……きっと僕のこと、待っていて……くれたんだろうなって」
「それはそうですよ。お待ちになっていらしたんです」
「会って……みたかった……こんな素敵な人が……僕を待っていてくれているのなら……会いたかった」
僕は涙が抑えられずに震える手で絵姿を持つのが精一杯だったけど……もう片方の手で、彼の手をにぎる翠の上から自分の手も重ねた。
「お会いできますでしょう……きっと……今度こそ」
「そう……だね……なら……こわくない……よね」
絵姿をじっと見つめたまま、薄く笑ってハリル様はスッと目を閉じられた。
シンとなった部屋に「クルゥ」という悲しげなクーちゃんの鳴き声が響き、僕はハリル様が逝ってしまわれたことを感じた。
「ん……ハリル様……うぅ」
僕が泣き崩れると翠が僕の背中をさすってくれた。
小さな温かい手が僕を必死に慰めてくれた。
肩に乗るクーちゃんはやわらかな羽で僕の頬をさするようにしてくれた。
止めどもなく溢れてくる涙は暖かくて……ああ僕は生きている。
そう感じさせてくれた。
こんな風に儚く逝ってしまわれたハリル様のことを思うと、どうして僕だけがこんなにも恵まれているのかと……そうも思ってしまう。
でも違うのだ。
「僕なんて……」などと卑下してはいけない……僕を愛してくれる人に感謝して生きていくこと。
それがハリル様の残してくれた言葉への答えにもなるのだから。
僕はよろよろと次の間につながる襖を開けて、心配そうに立っていた3人にハリル様が逝ってしまわれたことを告げた。
喜紗さんは静かに涙を流して、僑先生はスッと部屋に入りハリル様の状態を見た。
蘭紗様は僕を抱きしめて、そして翠を抱き上げた。
「葬儀のことなど……」
「私がすべて取り仕切ります。先代のお嫁様でいらっしゃるのです、これぐらいはさせてくださいませ」
蘭紗様の言葉に、喜紗さんが絞り出すように言った。
「ああ、それでは任せよう」
「……ハリル様は……汀紗様がお迎えに来てくださるかもと、嬉しそうにおっしゃっていました」
「ええ!」
喜紗さんが驚愕に目を見開いた。
「ハリル様は……父をお許しになられたのか?」
蘭紗様も僕を覗き込む。
「はい、最期は絵姿をじっとご覧になって……素敵な人だとおっしゃって……お会いしてみたかったと、今度こそちゃんと迎えに来てくれるかな?って」
そこで僕は涙がこみ上げてきてもう話せなくなってしまった。
蘭紗様の着物が濡れるのも構わず顔を押さえつけてしまう。
優しく優しく髪を撫でてくれて、救われた気分になった。
ハリル様の人生を思うと、涙が止まらない。
だけど、この世界で彼のために涙を流す人はほんの少数だ。
ハリル様の最後の時をより良いものとするために、里に戻っていたところを呼び出された侍女達。
彼女達は悔しい気持ちと喪失感でいっぱいだろうと思う、そして静かに皆が一列に並び表情を変えずに立っていた。
王がいる前で泣いたりなどしないよう、厳しく律しているのだと聞いたことがある。
僕は彼女達に最後の思いを伝えさせてあげたくて、蘭紗様を促して家族で退室することにした。
蘭紗様は一度だけハリル様に近寄り、小さくお祈りの言葉を捧げ、綺麗な礼をした。
そして部屋を出た僕たち3人は何も言わず静かに歩いた。
僕の手を離さない翠と蘭紗様に囲まれて。
廊下はシンとして冷気が漂っていた。
立ち止まり紫の小花が咲く庭を見た。
相変わらず雪が降ってきていた、でもその花の上ですっと消えていく雪。
地面にも花にも葉にも触れることができないで消えてしまう雪を見て、思った。
あの方は、この雪のような人だったなと。
今頃きっと、ようやく会えた運命の人と手を取り合って笑顔になっているだろうと、そう思えた。
どうかハリル様……心安らかにお眠りください。
僕は2人の手のぬくもりを感じながらじっと空を眺め続けた。
16
あなたにおすすめの小説
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!
夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。 ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる