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冬支度2
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「その子に会えないのは寂しくないの?」
「いえ、特に……子は里できちんと育ちますから、子には父もいますし、祖父母もいます。私はいなくても大丈夫です」
「いや、そういうことじゃなくてね……」
「ですが、薫様がいらしたので、私達はもう里に子作りに返されることはありません。お嫁様が渡って来られないからできたことなのです。それに母達世代のお嫁様付き侍女達は、何度も里帰りして何人も子を産んでいるので、私達は兄弟姉妹が多いのですよ」
「じゃあ、僕付きの君たちは、もう里帰りはしないってことなの?」
「はい、後は里に残った一族の者が血統を繋いでいきますので、その中から優秀なものが私達の次のお嫁様付き侍女として城へ上がってくるでしょう」
なんていうか……徹底的に合理的というか……
うーん、なんか引っかかる……でもこれがこちらのやり方と言うのなら、僕が口を挟むことではないしなあ……
「薫様、昼食のご用意ができたそうです。学び舎から翠紗様もお戻りですので、ご一緒にいかがでしょうか?」
「そうだったね、今日は授業が午前だけだったね」
翠の名前を聞いてとたんに笑顔になる僕。
ふと仙を見るとそんな僕を嬉しそうに見ている。
自分が産んだ我が子がかわいくないわけないだろうに……本当は会いたいってことはないのかな。
「おうひさま!ただいま帰りました」
トテトテと走り寄ってきた翠を抱き上げて頬にキスすると、嬉しそうに抱きついて小さな手を首に巻き付けてきた。
遠慮なくこうして抱きついてくるようになったのが本当に嬉しい。
「きちんとおやすみしましたか?」
朝だるくて起きれなかった僕を心配していた翠は顔を覗き込んできた。
「うん、もう大丈夫、翠を見たら元気になったよ」
「よかったです」
笑顔のまま僕たちは移動して昼食用の小さめの食堂に着いた。
そこは庭に面していて、美しく整えられた庭が見通せる。
小さな池もあり、そこには鯉のような色とりどりの魚が飼われていた。
すっかり冬が深まっていて、しんしんと降る雪が降り積もる庭は真っ白だ。
時折見える葉の濃い緑が美しい。
「今日は学び舎で何したの?」
「上級生と一緒に踊りのお稽古です」
「そうか、そろそろ発表会だね」
「はい!」
学び舎には4つの学年があり、それらすべてを合わせても25人という少なさだが、それもそうだ。全国から集められた優秀な生徒しかいないのだから。
その中に王族が混ざるのだが……はじめは何もわからずに放り込まれた翠のことが心配だった……でも、優秀な生徒達はいじめなんてつまらないことはしなかった。
将来この国を背負って立つ者たちなのだ、きちんとした目で世の中を見られるよう教育もされているし、本人たちの能力も高い。
そして、先生がとても丁寧に見てくれる。
その学び舎には日本であったみたいに習った事を発表する会があるのだ。
それは来週に迫っていた。
僕も翠の母として招待状をいただいている。
「踊りは覚えた?」
「えっと、るしゃと僕が真ん中で一人ずつ踊る部分の練習がまだのこっていて」
翠は右手の人差指をあごにあてて、ちょっと首を傾げて考えながら話してくれる。
この癖がまたかわいいんだよねえ……
「留紗と翠だけが踊るの?ソロなんだね」
「ソロ?」
「んと、皆で踊るのと違って、一人だけ違う振り付けで踊ることだよ」
「そうなの。るしゃと僕だけちがう踊りです」
「じゃあ、目立っちゃうね、頑張らないと」
「はい!」
翠が大きな声でお返事したと同時に運ばれてきたのは暖かな湯気の立つ具だくさんのスープと、ほんわりやわらかな甘いパン、そして鶏肉の蒸した物と温野菜だ。
洋風のメニューでいかにもランチといった感じで、寒くなってきた季節にぴったりの温かいスープがとってもおいしかった。
翠もすっかりお作法が上達して、きれいに食べれるようになって安心だよ。
「あとで衣装係が僕の所に来るんだよ、翠も一緒に衣装を頼もうね。冬のものを作らないと」
「はい!たのしみです」
どうやら相当おしゃれさんな翠は、衣装係との打ち合わせを心待ちにしていたらしいのだ。
翠のお祝いにいただいたたくさんの品の中には布も多くあった。
各地の名産である手織りの布はどれも高級品だった。
その中に冬に適したものもいくつかあったので、それを出してくれるよう侍女に話しかけた。
部屋に戻ると色とりどりの布が広げられ、ものすごく異国情緒が溢れていた。
各国から僕や翠に贈られたものだけでなくもちろん紗国の布もある。
「わあ!きれい!」
「そうだね、異国のマーケットみたいになってる!」
僕と翠が喜んだので、布を持ってきた衣装係は満面の笑みだ。
「薫様、お久しぶりでございます、翠紗様もしっかりされて」
そう言えば前に打ち合わせした時、衣装係達はちょうど赤ちゃんみたいになっちゃった翠を見たんだった。
指をちゅぱちゅぱして、あれはとってもかわいかった……えへへ
「はい!僕もうしっかりしてます」
凛々しくドヤ顔の翠に、皆が微笑ましく笑顔を向ける。
「今日はね、翠の分も頼みたいの。できたら蘭紗様のもどうかな……蘭紗様のはいつもどうしているの?」
「ご自分でご注文されることはあまりございません」
「なら、僕が頼んでもいいのかな」
「もちろんでございます、お嫁様でいらっしゃるのですから」
「じゃあ、3人でおそろいの作る?」
「おそろい!」
翠が嬉しそうにはしゃいだ。
それから白い生地を選んだ。地模様は細かい縞と、細かい水玉模様だ。
どちらもとてもあたたかそうな生地だった。
これを一番下の着物として3人分をお願いして、その上に重ねる着物を選ぶ時、目についた布があった。
それは美しいターコイズブルーの生地で、銀糸が織り込まれておりキラキラと光っていた。
美しい湖を思わせる。
少し冬には寒々しいかなと思いつつも手に取ると、しっとりと手に馴染む暖かい生地だった。
「これどうかな?銀糸が入っていて蘭紗様に似合いそう……」
「おうひさまにも似合う!僕も」
「そうだね、これ3人分できる?」
「はい、3反ございますので、十分ですよ」
「では、まずこれね。それからその、紫の市松模様のものも、それからその落ち着いた赤もいいね、あ、差し色に黄色もお願い。袴にいいのはどれ?」
「張りがあっていい生地がございますよ」
出してくれたもの中から美しい織柄のものを4つ選んで3人分お願いした。
3人分の注文はなかなか骨が折れて疲れたので、侍女にお茶と甘いものをお願いした。
翠もちょこんと座ってにこにこしている。
いつの間にか現れたクーちゃんが翠の肩に乗っているのが似合いすぎてかわいい。
「あら、クーちゃんいつの間に」
「さっき、布を見ていたらでてきたんです」
「もしかして、甘いもの目当て?」
そうなのだ。
最近わかったのだが、クーちゃんは実体のない神のようなものと神話になってしまったのだけど……実は甘いものが大好きでよく食べるのだ。
そしてケーキが出てきそうだなという瞬間によく現れる。
「じゃあ、クーちゃんの分もお皿におねがいね」
僕は笑いながら侍女にお願いをした。
「はい、かしこまりました」
侍女も楽しげに美しい絵皿に小さめに切った美しいケーキを乗せた。
それを見て嬉しそうに「クルクルゥ」と鳴きながらパクっと食べている。
翠はけらけら笑って楽しそうだし、僕も久しぶりに心から笑えた。
外は寒い雪なのに、僕の心は暖かかった。
「いえ、特に……子は里できちんと育ちますから、子には父もいますし、祖父母もいます。私はいなくても大丈夫です」
「いや、そういうことじゃなくてね……」
「ですが、薫様がいらしたので、私達はもう里に子作りに返されることはありません。お嫁様が渡って来られないからできたことなのです。それに母達世代のお嫁様付き侍女達は、何度も里帰りして何人も子を産んでいるので、私達は兄弟姉妹が多いのですよ」
「じゃあ、僕付きの君たちは、もう里帰りはしないってことなの?」
「はい、後は里に残った一族の者が血統を繋いでいきますので、その中から優秀なものが私達の次のお嫁様付き侍女として城へ上がってくるでしょう」
なんていうか……徹底的に合理的というか……
うーん、なんか引っかかる……でもこれがこちらのやり方と言うのなら、僕が口を挟むことではないしなあ……
「薫様、昼食のご用意ができたそうです。学び舎から翠紗様もお戻りですので、ご一緒にいかがでしょうか?」
「そうだったね、今日は授業が午前だけだったね」
翠の名前を聞いてとたんに笑顔になる僕。
ふと仙を見るとそんな僕を嬉しそうに見ている。
自分が産んだ我が子がかわいくないわけないだろうに……本当は会いたいってことはないのかな。
「おうひさま!ただいま帰りました」
トテトテと走り寄ってきた翠を抱き上げて頬にキスすると、嬉しそうに抱きついて小さな手を首に巻き付けてきた。
遠慮なくこうして抱きついてくるようになったのが本当に嬉しい。
「きちんとおやすみしましたか?」
朝だるくて起きれなかった僕を心配していた翠は顔を覗き込んできた。
「うん、もう大丈夫、翠を見たら元気になったよ」
「よかったです」
笑顔のまま僕たちは移動して昼食用の小さめの食堂に着いた。
そこは庭に面していて、美しく整えられた庭が見通せる。
小さな池もあり、そこには鯉のような色とりどりの魚が飼われていた。
すっかり冬が深まっていて、しんしんと降る雪が降り積もる庭は真っ白だ。
時折見える葉の濃い緑が美しい。
「今日は学び舎で何したの?」
「上級生と一緒に踊りのお稽古です」
「そうか、そろそろ発表会だね」
「はい!」
学び舎には4つの学年があり、それらすべてを合わせても25人という少なさだが、それもそうだ。全国から集められた優秀な生徒しかいないのだから。
その中に王族が混ざるのだが……はじめは何もわからずに放り込まれた翠のことが心配だった……でも、優秀な生徒達はいじめなんてつまらないことはしなかった。
将来この国を背負って立つ者たちなのだ、きちんとした目で世の中を見られるよう教育もされているし、本人たちの能力も高い。
そして、先生がとても丁寧に見てくれる。
その学び舎には日本であったみたいに習った事を発表する会があるのだ。
それは来週に迫っていた。
僕も翠の母として招待状をいただいている。
「踊りは覚えた?」
「えっと、るしゃと僕が真ん中で一人ずつ踊る部分の練習がまだのこっていて」
翠は右手の人差指をあごにあてて、ちょっと首を傾げて考えながら話してくれる。
この癖がまたかわいいんだよねえ……
「留紗と翠だけが踊るの?ソロなんだね」
「ソロ?」
「んと、皆で踊るのと違って、一人だけ違う振り付けで踊ることだよ」
「そうなの。るしゃと僕だけちがう踊りです」
「じゃあ、目立っちゃうね、頑張らないと」
「はい!」
翠が大きな声でお返事したと同時に運ばれてきたのは暖かな湯気の立つ具だくさんのスープと、ほんわりやわらかな甘いパン、そして鶏肉の蒸した物と温野菜だ。
洋風のメニューでいかにもランチといった感じで、寒くなってきた季節にぴったりの温かいスープがとってもおいしかった。
翠もすっかりお作法が上達して、きれいに食べれるようになって安心だよ。
「あとで衣装係が僕の所に来るんだよ、翠も一緒に衣装を頼もうね。冬のものを作らないと」
「はい!たのしみです」
どうやら相当おしゃれさんな翠は、衣装係との打ち合わせを心待ちにしていたらしいのだ。
翠のお祝いにいただいたたくさんの品の中には布も多くあった。
各地の名産である手織りの布はどれも高級品だった。
その中に冬に適したものもいくつかあったので、それを出してくれるよう侍女に話しかけた。
部屋に戻ると色とりどりの布が広げられ、ものすごく異国情緒が溢れていた。
各国から僕や翠に贈られたものだけでなくもちろん紗国の布もある。
「わあ!きれい!」
「そうだね、異国のマーケットみたいになってる!」
僕と翠が喜んだので、布を持ってきた衣装係は満面の笑みだ。
「薫様、お久しぶりでございます、翠紗様もしっかりされて」
そう言えば前に打ち合わせした時、衣装係達はちょうど赤ちゃんみたいになっちゃった翠を見たんだった。
指をちゅぱちゅぱして、あれはとってもかわいかった……えへへ
「はい!僕もうしっかりしてます」
凛々しくドヤ顔の翠に、皆が微笑ましく笑顔を向ける。
「今日はね、翠の分も頼みたいの。できたら蘭紗様のもどうかな……蘭紗様のはいつもどうしているの?」
「ご自分でご注文されることはあまりございません」
「なら、僕が頼んでもいいのかな」
「もちろんでございます、お嫁様でいらっしゃるのですから」
「じゃあ、3人でおそろいの作る?」
「おそろい!」
翠が嬉しそうにはしゃいだ。
それから白い生地を選んだ。地模様は細かい縞と、細かい水玉模様だ。
どちらもとてもあたたかそうな生地だった。
これを一番下の着物として3人分をお願いして、その上に重ねる着物を選ぶ時、目についた布があった。
それは美しいターコイズブルーの生地で、銀糸が織り込まれておりキラキラと光っていた。
美しい湖を思わせる。
少し冬には寒々しいかなと思いつつも手に取ると、しっとりと手に馴染む暖かい生地だった。
「これどうかな?銀糸が入っていて蘭紗様に似合いそう……」
「おうひさまにも似合う!僕も」
「そうだね、これ3人分できる?」
「はい、3反ございますので、十分ですよ」
「では、まずこれね。それからその、紫の市松模様のものも、それからその落ち着いた赤もいいね、あ、差し色に黄色もお願い。袴にいいのはどれ?」
「張りがあっていい生地がございますよ」
出してくれたもの中から美しい織柄のものを4つ選んで3人分お願いした。
3人分の注文はなかなか骨が折れて疲れたので、侍女にお茶と甘いものをお願いした。
翠もちょこんと座ってにこにこしている。
いつの間にか現れたクーちゃんが翠の肩に乗っているのが似合いすぎてかわいい。
「あら、クーちゃんいつの間に」
「さっき、布を見ていたらでてきたんです」
「もしかして、甘いもの目当て?」
そうなのだ。
最近わかったのだが、クーちゃんは実体のない神のようなものと神話になってしまったのだけど……実は甘いものが大好きでよく食べるのだ。
そしてケーキが出てきそうだなという瞬間によく現れる。
「じゃあ、クーちゃんの分もお皿におねがいね」
僕は笑いながら侍女にお願いをした。
「はい、かしこまりました」
侍女も楽しげに美しい絵皿に小さめに切った美しいケーキを乗せた。
それを見て嬉しそうに「クルクルゥ」と鳴きながらパクっと食べている。
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