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便り2
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タイミング良く美しく盛られたフルーツがテーブルに並んだので、僕は筆を置き、その中から桃をつまみながらぼんやりと外を眺めた。
僕が外を見るのを好きだと知っている侍女達は、部屋にいるときは必ず窓を開けてくれるのだ。
開けなくても外はガラス越しに見えるけど、やっぱり開けてある方が開放感があって良いよね。
今日は雪が止んでいて、雲は多いものの晴れている。
波成様は今日も王墓にお参りにいかれたのだろうか?
どんなに高熱があろうとも必ず日参されていると伝え聞いていて、そんなに無理をなさって大丈夫だろうか?と少し心配していたのだ。
「カジャル様と葛貫様がお着きです」
「入ってもらって」
僕は応接室に移動して二人を迎えた。
「お仕事の途中なのに呼びつけてすみません」
「いえ、何をおっしゃいます。大丈夫でございますよ」
葛貫さんは丸い顔でにっこりと微笑んだ、堅物で真面目一本!という感じの人なのに笑うと可愛くなるのが熊っぽくて良い……
カジャルさんはリラックスした様子でさっさと椅子に座り、出されたお茶を飲んだ。
「どうかしたのか?」
「うん、これなんだけどね」
僕は各地から取り寄せた情報の文を並べた。
「これ、先月ぐらいから徐々に集まってきてて。葛貫さんにも少しは話してたんだけどね、各地の他の孤児院のことなんだ」
「ああ……なるほど」
カジャルさんは難しい顔でその一つを手に取り中を読みだした。
「葛貫さんもどうぞ」
「はい、それでは失礼して……」
カジャルさんも葛貫さんも、硬い表情でじっと文を読み進めた。
僕はその間に、墨を磨り返事の続きを書いていた。
「……まあ、だいたい読んだが……ヒドイな」
「はい、まあ城下町の孤児院があの様子でしたから、他もそうでは?とは思っていましたが」
「うん、大方予想通りだよね」
「義兄上、これは……城下町の孤児院のように予算を付けてもらえるのかな?」
「もちろんできますよ、佐佐殿は、ああ見えて本当に子煩悩な方というのもあって、子供のことに関しては熱心に取り組まれるのですよ。それに国にとって子供は宝でございます。本来あってはならぬことなんですから、早く手を打ちたいものです」
「じゃあさ、早速、佐佐にこのことを伝えて予算の目安を出してもらわないとな」
「それはそうなのですが、孤児院の建て替えまでは必要なくとも、備品などの買い替えや買い足し、使用人の雇い直しなどは行う必要があるでしょうしね。どの程度の予算が必要かはこの目で見てみないとなかなか……」
二人は溜息をついた。
「じゃあ……手分けをして皆で見てこない?」
「……いや……手分けはまずい……薫様一人で行くのは……」
カジャルさんが少し慌てて身を乗り出した。
「そうですよ……あそこまでの悲惨さは無いと思いたいですが……」
葛貫さんも反対した。
「我ら二人にお任せくださいませ」
「そうだよ、俺もすごく反省してるんだ。あの状態の孤児院を見逃したのは俺だからな」
カジャルさんは悲しそうな顔を見せた。
僕が紗国に来る前には、カジャルさんが伴侶候補として孤児院の視察を2度ほどしたらしいから、責任を感じるのもわかる気はする。
「じゃあ……僕が直接行くのがまずいほど……やっぱり悲惨な状況なのかな」
「まあ……その可能性が大きいということです。私がまず確認してまいります。そしてご報告いたしましょう」
「うん……わかったよ。じゃあそのようにね」
「かしこまりました」
二人はホッとしたように小さく頷いてから、文をたたみだした。
「でね、まざりの子を産んでしまって迫害されている親子とか母親とかは、どうなってるの?保護対象として探すということだったよね?そういう状況の人見つかったの?」
「いえ、それが……全く見つからないのですよ。まざりの子も、現在孤児院に預けられていたのは翠紗様だけだったようで」
「でも、翠の時も登録がなかったわけだよね?書類上ではわからなくて当たり前だよ?そのあたりもきちんと、絶対にきちんと見てきてね。翠は瑞兆として現れた麒麟だったけど、他のまざりの子は先祖返りや先天性の病気の可能性が高いから、きっと体が弱いはずなんだ、必ずちゃんと見てきてほしい」
「はい、そこはもう……きちんと見てまいりますからご心配なく」
ふたりとも大きく頷いて僕をしっかりと見つめた。
この二人なら安心できる……そう思った。
僕が外を見るのを好きだと知っている侍女達は、部屋にいるときは必ず窓を開けてくれるのだ。
開けなくても外はガラス越しに見えるけど、やっぱり開けてある方が開放感があって良いよね。
今日は雪が止んでいて、雲は多いものの晴れている。
波成様は今日も王墓にお参りにいかれたのだろうか?
どんなに高熱があろうとも必ず日参されていると伝え聞いていて、そんなに無理をなさって大丈夫だろうか?と少し心配していたのだ。
「カジャル様と葛貫様がお着きです」
「入ってもらって」
僕は応接室に移動して二人を迎えた。
「お仕事の途中なのに呼びつけてすみません」
「いえ、何をおっしゃいます。大丈夫でございますよ」
葛貫さんは丸い顔でにっこりと微笑んだ、堅物で真面目一本!という感じの人なのに笑うと可愛くなるのが熊っぽくて良い……
カジャルさんはリラックスした様子でさっさと椅子に座り、出されたお茶を飲んだ。
「どうかしたのか?」
「うん、これなんだけどね」
僕は各地から取り寄せた情報の文を並べた。
「これ、先月ぐらいから徐々に集まってきてて。葛貫さんにも少しは話してたんだけどね、各地の他の孤児院のことなんだ」
「ああ……なるほど」
カジャルさんは難しい顔でその一つを手に取り中を読みだした。
「葛貫さんもどうぞ」
「はい、それでは失礼して……」
カジャルさんも葛貫さんも、硬い表情でじっと文を読み進めた。
僕はその間に、墨を磨り返事の続きを書いていた。
「……まあ、だいたい読んだが……ヒドイな」
「はい、まあ城下町の孤児院があの様子でしたから、他もそうでは?とは思っていましたが」
「うん、大方予想通りだよね」
「義兄上、これは……城下町の孤児院のように予算を付けてもらえるのかな?」
「もちろんできますよ、佐佐殿は、ああ見えて本当に子煩悩な方というのもあって、子供のことに関しては熱心に取り組まれるのですよ。それに国にとって子供は宝でございます。本来あってはならぬことなんですから、早く手を打ちたいものです」
「じゃあさ、早速、佐佐にこのことを伝えて予算の目安を出してもらわないとな」
「それはそうなのですが、孤児院の建て替えまでは必要なくとも、備品などの買い替えや買い足し、使用人の雇い直しなどは行う必要があるでしょうしね。どの程度の予算が必要かはこの目で見てみないとなかなか……」
二人は溜息をついた。
「じゃあ……手分けをして皆で見てこない?」
「……いや……手分けはまずい……薫様一人で行くのは……」
カジャルさんが少し慌てて身を乗り出した。
「そうですよ……あそこまでの悲惨さは無いと思いたいですが……」
葛貫さんも反対した。
「我ら二人にお任せくださいませ」
「そうだよ、俺もすごく反省してるんだ。あの状態の孤児院を見逃したのは俺だからな」
カジャルさんは悲しそうな顔を見せた。
僕が紗国に来る前には、カジャルさんが伴侶候補として孤児院の視察を2度ほどしたらしいから、責任を感じるのもわかる気はする。
「じゃあ……僕が直接行くのがまずいほど……やっぱり悲惨な状況なのかな」
「まあ……その可能性が大きいということです。私がまず確認してまいります。そしてご報告いたしましょう」
「うん……わかったよ。じゃあそのようにね」
「かしこまりました」
二人はホッとしたように小さく頷いてから、文をたたみだした。
「でね、まざりの子を産んでしまって迫害されている親子とか母親とかは、どうなってるの?保護対象として探すということだったよね?そういう状況の人見つかったの?」
「いえ、それが……全く見つからないのですよ。まざりの子も、現在孤児院に預けられていたのは翠紗様だけだったようで」
「でも、翠の時も登録がなかったわけだよね?書類上ではわからなくて当たり前だよ?そのあたりもきちんと、絶対にきちんと見てきてね。翠は瑞兆として現れた麒麟だったけど、他のまざりの子は先祖返りや先天性の病気の可能性が高いから、きっと体が弱いはずなんだ、必ずちゃんと見てきてほしい」
「はい、そこはもう……きちんと見てまいりますからご心配なく」
ふたりとも大きく頷いて僕をしっかりと見つめた。
この二人なら安心できる……そう思った。
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