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番外編
ある日の僕の冒険12
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ぴょこぴょこと長い耳を揺らして現れたのは、ウェンだった。
僕はその可愛らしい姿を見て嬉しくなって手を振った、なぜかちょっと迷惑そうな顔をされたのは、気のせいだろうか?
「ああ、ウェン、わざわざありがとう」
ユベンさんはウェンをテーブルに招き、お茶が出されるのを待って話し始めた。
「紗国の皆さまにご紹介をしましょう、こちらは花守のウェン、精霊です」
「精霊……」
蘭紗様も涼鱗さんもさすがに驚いてウェンを凝視した。
翠は小さく手を上げ下げして、ウェンをじっと見ている、ほおは紅潮し、興奮しているようだ、きっとあれだね、うさぎ耳のウェンがかわいくて触りたいんだよね!
「僕をエルフの里につれてきてくれたのも、ウェンさんなんですよ」
僕は蘭紗様に説明する。
「それは……薫を助けてくれて感謝します」
「いえ……その、えっと、薫って、何者?」
ウェンさんの疑問に、ユベンさんは僕たちが紗国の王家の者だと説明したけれど、ピンと来ていないようだった。
「よく、わからない、僕は人のそういうことに興味なくって」
ウェンさんはちょっと困ったように眉を寄せた、かわいい耳も少し垂れちゃった。
「ああ、でもね、薫は心がとてもやさしくてきれいだったんですよ、だから、僕は連れ帰ったんです、あんなところにほっといたら、死んじゃったと思うし」
「見渡す限り雪原でしたものね」
「すごい偶然だよ、たまたま出会うなんてね」
ウェンさんはようやく笑ってくれた。
心にずきゅんとくるかわいさだった。
「そうそう、ウェン、実はね、紗国にスレイスルウの花畑があるんだそうだ」
「え、それはどこなのです?」
「中原だね、阿羅国や、森とは違う場所だ」
「……それは……ありえないでしょう、だってあれはどこにでも生えるものじゃないから、世話だって大変なのに」
そういって、小さな手を組んで考え込んでしまった。
「それがね、昔、あるエルフがね、紗国の恩人のために移植したというんだ、そんなことできるものかね?」
ユベンさんは優しい声で、ウェンさんに話しかける。
この二人を見ていて、精霊たちはエルフ達に働かされているのではなく、共存しているのだとわかる。
「移植……移植?」
ウェンはしばらく考え込んで、そして「あ」と小さな声を出した。
「もしかして、プリシラ?」
「プリシラとは?」
「もう、大昔、花守の中でプリシラという少女がいて、人間界に行ったまま帰ってこなかったんだ、だけど……そう、確か一度、いや、二度?里に帰ってきていたな……最後は子を連れていたはず、少し肌の浅黒い混血の子で」
「それってまさか……」
「ラージ先生では!」
僕と涼鱗さんの声に、蘭紗様はうなずいた。
「その子供は今、紗国の学び舎で子らに教育してくれているのだ、私もその教え子の一人でして」
「なんと」
ウェンさんは、かわいい丸い目を見開いて蘭紗様を見た。
「ですけど、プリシラだったとしても、どうやってスレイスルウを移植したかは、やっぱり謎です、そんな技術、僕は知らない」
「ではウェンさん、あなたはそのころからここに?プリシラさんを知っているのですか?」
僕の問いに、ウェンさんはこくりとうなずいた。
「そうです、プリシラにスレイスルウの世話を教えたのは僕なんだ。かわいい子だったよ。そうか、紗国で結婚していたんだね」
「ウェンさん、ラージ先生はきっと、ウェンさんに会うと喜ぶとおもいます、いつか、ラージ先生に会いに来てください」
「うん、そうするよ」
ウェンさんは嬉しそうに両手でカップを持ってごくごくとお茶を飲んだ。
「長、巫女姫様から、薫様にお会いしてお話したいことがあるとのことです」
ユベンさんの横に立った世話役の一人が、そう静かに告げた。
「蘭紗様」
僕はなんとなく蘭紗様の顔を見た。
「薫、巫女姫様はそなたによほど会いたいようだな」
「そのようです」
僕は思わず笑ってしまって、つられて笑った翠のほおをツンツンした。
「行ってくるがいいよ、我はここで待つ」
涼鱗さんもうなずいてくれた。
僕はその可愛らしい姿を見て嬉しくなって手を振った、なぜかちょっと迷惑そうな顔をされたのは、気のせいだろうか?
「ああ、ウェン、わざわざありがとう」
ユベンさんはウェンをテーブルに招き、お茶が出されるのを待って話し始めた。
「紗国の皆さまにご紹介をしましょう、こちらは花守のウェン、精霊です」
「精霊……」
蘭紗様も涼鱗さんもさすがに驚いてウェンを凝視した。
翠は小さく手を上げ下げして、ウェンをじっと見ている、ほおは紅潮し、興奮しているようだ、きっとあれだね、うさぎ耳のウェンがかわいくて触りたいんだよね!
「僕をエルフの里につれてきてくれたのも、ウェンさんなんですよ」
僕は蘭紗様に説明する。
「それは……薫を助けてくれて感謝します」
「いえ……その、えっと、薫って、何者?」
ウェンさんの疑問に、ユベンさんは僕たちが紗国の王家の者だと説明したけれど、ピンと来ていないようだった。
「よく、わからない、僕は人のそういうことに興味なくって」
ウェンさんはちょっと困ったように眉を寄せた、かわいい耳も少し垂れちゃった。
「ああ、でもね、薫は心がとてもやさしくてきれいだったんですよ、だから、僕は連れ帰ったんです、あんなところにほっといたら、死んじゃったと思うし」
「見渡す限り雪原でしたものね」
「すごい偶然だよ、たまたま出会うなんてね」
ウェンさんはようやく笑ってくれた。
心にずきゅんとくるかわいさだった。
「そうそう、ウェン、実はね、紗国にスレイスルウの花畑があるんだそうだ」
「え、それはどこなのです?」
「中原だね、阿羅国や、森とは違う場所だ」
「……それは……ありえないでしょう、だってあれはどこにでも生えるものじゃないから、世話だって大変なのに」
そういって、小さな手を組んで考え込んでしまった。
「それがね、昔、あるエルフがね、紗国の恩人のために移植したというんだ、そんなことできるものかね?」
ユベンさんは優しい声で、ウェンさんに話しかける。
この二人を見ていて、精霊たちはエルフ達に働かされているのではなく、共存しているのだとわかる。
「移植……移植?」
ウェンはしばらく考え込んで、そして「あ」と小さな声を出した。
「もしかして、プリシラ?」
「プリシラとは?」
「もう、大昔、花守の中でプリシラという少女がいて、人間界に行ったまま帰ってこなかったんだ、だけど……そう、確か一度、いや、二度?里に帰ってきていたな……最後は子を連れていたはず、少し肌の浅黒い混血の子で」
「それってまさか……」
「ラージ先生では!」
僕と涼鱗さんの声に、蘭紗様はうなずいた。
「その子供は今、紗国の学び舎で子らに教育してくれているのだ、私もその教え子の一人でして」
「なんと」
ウェンさんは、かわいい丸い目を見開いて蘭紗様を見た。
「ですけど、プリシラだったとしても、どうやってスレイスルウを移植したかは、やっぱり謎です、そんな技術、僕は知らない」
「ではウェンさん、あなたはそのころからここに?プリシラさんを知っているのですか?」
僕の問いに、ウェンさんはこくりとうなずいた。
「そうです、プリシラにスレイスルウの世話を教えたのは僕なんだ。かわいい子だったよ。そうか、紗国で結婚していたんだね」
「ウェンさん、ラージ先生はきっと、ウェンさんに会うと喜ぶとおもいます、いつか、ラージ先生に会いに来てください」
「うん、そうするよ」
ウェンさんは嬉しそうに両手でカップを持ってごくごくとお茶を飲んだ。
「長、巫女姫様から、薫様にお会いしてお話したいことがあるとのことです」
ユベンさんの横に立った世話役の一人が、そう静かに告げた。
「蘭紗様」
僕はなんとなく蘭紗様の顔を見た。
「薫、巫女姫様はそなたによほど会いたいようだな」
「そのようです」
僕は思わず笑ってしまって、つられて笑った翠のほおをツンツンした。
「行ってくるがいいよ、我はここで待つ」
涼鱗さんもうなずいてくれた。
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