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番外編
ある日の僕の冒険14
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美しい花々の咲く広間、遠くけむる高嶺から落ちる瀑布が虹を作り、青く美しい小鳥が飛んでいて、これぞエルフの里といった具合の景色のなか、僕たち紗国の4人は帰国しようとしていた。
まわりをぐるりと囲むエルフ達は、僕が巫女姫のニィシェ様を起こしたと知り、誰もが捧げものを持って集まってきてくれた。
だけどね、それ全部持って帰るのは無理だからね!
一つ一つを受け取る笑顔の蘭紗様を、冷や汗をかきながら僕は見つめた。
「これらは後ほど私どもの便で紗国に必ずお届けしますよ、1週間もあれば届きます」
「それはありがたい」
「ああ、そうですよね、とても全部は持てませんから」
思わず出た僕の言葉に、周りのエルフ達は皆笑顔になった。
「薫様、我々がどれほどの言葉を並べようとも、この感謝の気持ちが伝わるとは思えません、それほどまでに、我々はあなたに特別な思いを持っているのです」
「いえそんな……僕はただ、お呼ばれしただけですよ」
「ご謙遜を……それから、紗国では森のしずくはもうあるということですので、代わりと言っては何ですが」
そういって、ユベンさんは巫女らに合図を送る、巫女が4人前に出てきた。
捧げ持っているのは、白い布の上に置かれた腕輪が4つ。
「これは?」
「はい、これさえ持っていれば、エルフの里が見えますし、結界に自由に入れます。いつでも、歓迎いたします」
皆が一斉に美しく膝を降り、頭を下げてくれた。
その様の美しいこと。
エルフ達の周りの空気は輝き、きらきらとしていた。
「ああ、それは……このようなものをいただけるとは、嬉しく思います」
蘭紗様も驚いたようだった。
僕たちはそれぞれ腕輪を取り、腕にはめてみる。
シュルシュルと勝手にそれぞれの腕の太さにぴたりとおさまる、翠の小さい腕にもはまったよ。
「これを機に、紗国と友好を深めていただけるよう、我は願います」
蘭紗様の言葉に、ユベンさんは大きくうなずいた。
「ええ、私もそう願っております。これからは巫女姫様も交え、エルフの里の行く末を考えていきますよ、もちろん、もう少し交流の幅も広げられたらと、そう、思っております」
そして翠がふとしゃべった。
「あの、もう帰っていいですか?」
一斉に笑い声が溢れる。
そうだよね、早くおうちに帰りたいよね。
「ええ、もちろんでございますよ、麒麟様」
「ぼく、きりんだけど、翠紗っていうんです。名前あります」
「そうでございました、申し訳ございません、翠紗様」
「うん、怒ってるわけじゃないですよ」
またもや起きた笑いに、翠は不思議そうな顔をしながらも、ちょっと恥ずかしそうに僕の手をぎゅっと握った。
「ではここで、ユベンさん、いろんなお話楽しかったです、そうニィシェ様にお伝えください、また来ますと」
「はい」
そう言い終わると白い光が辺りを覆い、皆が目を瞑った。
そして、やがて光が収まり目を開けると、紗国城の東側の鳥居前に僕たち4人は立っていた。
急に現れた王族に慌てふためいた門番は腰を抜かしそうになりながらも、なんとか敬礼をして、僕たちを迎えてくれた。
「帰ってきたね」
「うん、やっと……ってかんじ?でも、そんなに時間たってないかな?」
「半日ってところですか?」
「いや、見ろ、もう夕暮れじゃないか?」
「うむ、しかし一日は経っておらぬな」
翠はふぁーっとあくびをした。
僕はそんな翠を抱っこして、背中をさすった。
この子は日に二度も、あんな遠くまで瞬間移動をしたのだ、皆を連れて。
それがどれほど疲れることか、想像もつかない。
「疲れたよね、翠」
「はい、おかあさま、ねむたいです」
「うんうん、じゃあ一緒に寝ようね」
「はい!」
翠の小さなかわいい手が首に回される、あたたかくて若草の匂いがした。
「では、帰ろう、我らの部屋に」
「はい、蘭紗様」
遠くから手を振る人が見えた、喜紗さんとカジャルさんだ、僕も思いっきり手を振り返したよ!
思わぬ冒険になってしまった僕の一日、アラト君、見ていてくれたかな?
僕、君の話ができる相手ができたんだ、君のことを笑顔で話せる友達ができたんだ。
アラト君、どうか天で安らかに……ね。
まわりをぐるりと囲むエルフ達は、僕が巫女姫のニィシェ様を起こしたと知り、誰もが捧げものを持って集まってきてくれた。
だけどね、それ全部持って帰るのは無理だからね!
一つ一つを受け取る笑顔の蘭紗様を、冷や汗をかきながら僕は見つめた。
「これらは後ほど私どもの便で紗国に必ずお届けしますよ、1週間もあれば届きます」
「それはありがたい」
「ああ、そうですよね、とても全部は持てませんから」
思わず出た僕の言葉に、周りのエルフ達は皆笑顔になった。
「薫様、我々がどれほどの言葉を並べようとも、この感謝の気持ちが伝わるとは思えません、それほどまでに、我々はあなたに特別な思いを持っているのです」
「いえそんな……僕はただ、お呼ばれしただけですよ」
「ご謙遜を……それから、紗国では森のしずくはもうあるということですので、代わりと言っては何ですが」
そういって、ユベンさんは巫女らに合図を送る、巫女が4人前に出てきた。
捧げ持っているのは、白い布の上に置かれた腕輪が4つ。
「これは?」
「はい、これさえ持っていれば、エルフの里が見えますし、結界に自由に入れます。いつでも、歓迎いたします」
皆が一斉に美しく膝を降り、頭を下げてくれた。
その様の美しいこと。
エルフ達の周りの空気は輝き、きらきらとしていた。
「ああ、それは……このようなものをいただけるとは、嬉しく思います」
蘭紗様も驚いたようだった。
僕たちはそれぞれ腕輪を取り、腕にはめてみる。
シュルシュルと勝手にそれぞれの腕の太さにぴたりとおさまる、翠の小さい腕にもはまったよ。
「これを機に、紗国と友好を深めていただけるよう、我は願います」
蘭紗様の言葉に、ユベンさんは大きくうなずいた。
「ええ、私もそう願っております。これからは巫女姫様も交え、エルフの里の行く末を考えていきますよ、もちろん、もう少し交流の幅も広げられたらと、そう、思っております」
そして翠がふとしゃべった。
「あの、もう帰っていいですか?」
一斉に笑い声が溢れる。
そうだよね、早くおうちに帰りたいよね。
「ええ、もちろんでございますよ、麒麟様」
「ぼく、きりんだけど、翠紗っていうんです。名前あります」
「そうでございました、申し訳ございません、翠紗様」
「うん、怒ってるわけじゃないですよ」
またもや起きた笑いに、翠は不思議そうな顔をしながらも、ちょっと恥ずかしそうに僕の手をぎゅっと握った。
「ではここで、ユベンさん、いろんなお話楽しかったです、そうニィシェ様にお伝えください、また来ますと」
「はい」
そう言い終わると白い光が辺りを覆い、皆が目を瞑った。
そして、やがて光が収まり目を開けると、紗国城の東側の鳥居前に僕たち4人は立っていた。
急に現れた王族に慌てふためいた門番は腰を抜かしそうになりながらも、なんとか敬礼をして、僕たちを迎えてくれた。
「帰ってきたね」
「うん、やっと……ってかんじ?でも、そんなに時間たってないかな?」
「半日ってところですか?」
「いや、見ろ、もう夕暮れじゃないか?」
「うむ、しかし一日は経っておらぬな」
翠はふぁーっとあくびをした。
僕はそんな翠を抱っこして、背中をさすった。
この子は日に二度も、あんな遠くまで瞬間移動をしたのだ、皆を連れて。
それがどれほど疲れることか、想像もつかない。
「疲れたよね、翠」
「はい、おかあさま、ねむたいです」
「うんうん、じゃあ一緒に寝ようね」
「はい!」
翠の小さなかわいい手が首に回される、あたたかくて若草の匂いがした。
「では、帰ろう、我らの部屋に」
「はい、蘭紗様」
遠くから手を振る人が見えた、喜紗さんとカジャルさんだ、僕も思いっきり手を振り返したよ!
思わぬ冒険になってしまった僕の一日、アラト君、見ていてくれたかな?
僕、君の話ができる相手ができたんだ、君のことを笑顔で話せる友達ができたんだ。
アラト君、どうか天で安らかに……ね。
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