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第二章
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「一ノ瀬さん、ちょっといい?」
後ろを振り返ると、真剣な眼差しの村田くんの姿が。
ハチマキを見てみると、汗で一部色が変化していた。
それぐらい頑張ったって事なんだよね......なのに、私はちゃんと見ていてあげられなかった。
翼くんの方に視線がいっていて、いつの間にか......翼くんを応援していた。自然と。
見るって言ったのに、最低......だよね。ほんと......
「う、うん」
男子全員リレーでは翼くんの色が数秒差で勝った。
そこからはあっという間で、午前の部が終了し、今は1時間のお昼休み。
ご飯食べないといけないな......と思うと同時に、翼くんはどうするのかな?
って、不安になった。
だ伝統のハチマキ交換はこの時間帯に行われるから、もしかしたら翼くんは......
「一ノ瀬さん?」
「あ、ごめん!考え事しちゃってて」
村田くんの前でこんな顔してたら心配されるから、今は翼くんの事は考えでおこう......
内ズックに履き換えて、校舎内に入ると、直射日光があたらないせいか、涼しさが感じられた。
でも、じわじわと滲んでいる汗は離れない。
汗臭くないかな?
って、思いながら下を向いていた。
今思ったけど、どこ行くのかな?ここら辺は確か......
「最初は引っ込み思案な子だけだと思ってました」
ふと村田くんが急に立ち止まる。
それで、バランスを崩しそうになったけど、なんとかこらえた。
ここは木工室?人気のないところを......何で?
そもそも、私に言いたい事って......
「だけど、人のために頑張れるっていいなって思って」
急に私と村田くんの間にあった距離が一気に縮まる。
ートクン
な、何?
急に鼓動が......って、意識してしまってる?
「気づいたら、いつの間にか目で追ってしました」
村田くんは顔を真っ赤に染めながら、でも、真剣な眼差しで揺るぎない瞳。
告白じゃないって分かってるのに、
村田くんには好きな人が他に居るって分かってるのに、この空気と緊張感を感じたら......もう...
「好きです」
ートクン
「一ノ瀬さんのこと好きです」
今まで関わりがなかった人に告白をされてきたから、
なんとなく慣れていたけど、
身近にいた人に告白されるのは初めてだから、
こんなにも気持ちが率直に伝わるなんて知らなかった...
もちろん、今までの告白の気持ちも読み取ってきた。
相手の気持ちを考えた上で返事もした。
けど、こんなの、こんなの…………告白されている最中に涙を流すのは初めてで、
どうやって対応するべきなのか、分からなかった。
村田くんの気持ち、ちゃんと受け止めたいけど、真っ直ぐに見れそうにない。
ど、どうしよう。気持ちを伝えてくれたのに、しっかりと受け止めてあげられない…
その場に立っても居られなくて、
村田くんの側に居る資格なんてないんじゃないかって、そう思っていたら、ふと足が勝手に動いていた。
「一ノ瀬さん!?」
さっきまでこらえていた大粒の涙が溢れてくる。
その場にしゃがみこんだ。
もう、頭がぐちゃぐちゃだ。
村田くんの気持ち、受け止めてあげられなかった。
せめて、告白の返事をしないといけないのに……
返事をした後が怖くて、怖くて、ただ逃げただけ。
村田くんは自分の気持ちを話してくれたのに。
ものすごく勇気がいることだったのに…
「一ノ瀬さん!」
村田くんの声が廊下から段々と聞こえてきた。
教室の窓からはその姿がはっきりと見える。
「一ノ瀬さん!」
汗かいてる。私を探すために……
「返事は今、しなくていいから……出てきて!」
私の気持ちを考えて、そう言ってくれたんだ……返事も何もしないままじゃダメだ。
ちゃんと村田くんの気持ち、受け止めないと。
ーガラッ
「む、村田くん!」
「一ノ瀬さん!?」
村田くんは、
誰かが困っている時に助ける事の出来る人。
ヒーローみたいな人。
そして、
自分の事よりも人の事ばっかりで、自分の事は後回しにする人なんだよね?
分かってるようで分かってなかった。村田くんの事を。
私はさっき、
「……さ、さっきは……逃げてごめんなさい」
逃げ出してばかりだった。
自分の都合のいいようにしてただけだ。
「もう村田くんと………これから先話せなくてもいいから、聞いてくだ、さい」
それだけじゃ、これから前に進めない。
「私は、翼くんの事、好きです」
村田くんと話せなくなるのは辛いけど、現実としっかりと向き合っていかないといけない。
「翼くんが居なかったら、今の私はいません」
村田くんが自分の気持ちを私に見せてくれたように、
「だから、村田くんの気持ちは答えられません」
私もはっきりと自分の気持ちを見せたい。
「………そっか」
「村田くんの真剣な気持ち、嬉しかった」
私なんかを好きになってくれて、嬉しかった。
私が返事もせずに勝手に逃げ出したのに、村田くんは探しに来てくれたよね?
「好きになってくれて、ありが……」
ーグイッ
え、え?今、何が起こっているのかよく分からない。
村田くんに抱かれ……て、る?あれ?え、なんで?
好きになってくれてありがとうって言おうとしたら、
村田くんが引き寄せたんだよ、ね?
え、でもなんで?理解が出来ない......
「ごめん。諦められない」
村田くんは更に私を強く、強く抱いた。
村田くんの鼓動の音が聞こえてくる。
正常じゃないくらい、速い。
「お試しで付き合って」
「で、でも、私は……翼くんのこと、好きで……」
「分かってる。分かってるよ」
村田くんは頭をくしゃくしゃしながら、そう呟いた。
その声はいつもと違って、なんだか弱々しくて。
いつもの村田くんから想像できないような声。
「けど、諦めきれないんだよ......」
「村田くん……」
それぐらい、私のことを大切に思ってくれてるんだ。
私が翼くんを思っているように。
それなのに、私は村田くんの気持ちに応えられない。
応えてあげられない。
「じゃあ、1日だけ俺に時間をください」
村田くんの真剣な表情。
真っ直ぐに見つめてるけど、何故か不意に翼くんと重なってしまうの………
サッカーを一生懸命練習している翼くんの顔と。
私、本当に最低な奴だよね。
今は村田くんと話してるのに、翼くんの事が頭の中から離れなれないよ。
「日曜日、12時に駅前で待ってて」
私の手をぎゅっと、強く、強く、握りしめた。
村田くんの真剣な気持ちは十分伝わったよ。
後は、翼くんじゃなくて、日曜日は1日中、村田くんの事を考えるだけ。
村田くんの気持ち、次はしっかりと受け止めるよ。
「じゃあ、行こっか」
「う、うん」
ふと外を眺めてみると、そこには藍ちゃんの姿が。
木の下で泣きじゃくっていて、たくさんの大粒の涙が溢れているように見えた。
その近くには、静紅の姿も。
静紅も藍ちゃんと同じように涙していた。
一体、何があったんだろうか。
藍ちゃんは確か、さっきまで真山先輩と居たはず。
って事は、真山先輩と何かあったんだ。
「村田くん、先に行ってて」
「え?あ、うん。分かった」
私が行っても、何も変わらないかもしれない。
けど、なんだか今行かなきゃ、気が持たなかった。
何があったんだろうと強く思ううちに、段々と歩くスピードは徐々に速くなっていった。
いつの間にか、目の前には藍ちゃんの姿が。
「藍ちゃ……」
声をかけようとした瞬間、
「もう、葵依ちゃんの顔……見たくないよ」
と、藍ちゃんが言っていた。
どういうこと?もしかして、私が原因で泣いてるんじゃ……と、
そんな気持ちに押し潰されて、段々と後ろに下がっていると、
ーガッ
何かが勢い良くあたり、私の体は後ろに倒れてい……
ーグイッ
「大丈夫か?」
「杉戸尾くん!な、なんでここに……?」
今頃みんなは校舎内で昼ご飯を食べているはずなのに。
「たまたま通りかかった」
普段通りの涼し気な顔をしているかと思いきや、何故か杉戸尾くんには珍しい汗をかいて……
「一ノ瀬、どーした?」
「え?」
「いつもと違うから」
本当は少し……いや、大分落ち込んでる。
というか、自分自身を責めている。
藍ちゃんを泣かしたのは、私が原因だって。
「……ううん。何にもないよ」
気持ちだけにしか出していない、この感情。
「それならいいけどな」
それに気づいてくれる杉戸尾くんは、
「ありがとう、支えてくれて」
私にとって、数少ないかけがえのない友達だよ。
「別に。……そーいえば、昼食べたのか?」
「ううん、まただよ。杉戸尾くんは?」
「まだだ」
ここにいるから、てっきり昼ご飯食べたかと……
「じゃあ、一緒に食べようよ」
1人て静かに食べるよりも、誰かと一緒に笑いながら食べる方がずっとずっと良い。
「星野と食べないのか?」
「美香ちゃんのところはリーダー会があるから」
「だからって、俺じゃなくて、翼を誘えば?」
杉戸尾くんの口から翼くんの名前が出るなんて、まず何にも思ってもいなかったから、驚きを隠せず、
「な、なんで、つ、翼くん!?」
思いっきり杉戸尾くんの前で動揺をしてしまっていた。
「………なんとなく」
「そ、そーなんだぁ?」
バレてしまった、のかな?
「まぁ、一緒に食べるのも悪くないけどな」
「じゃあ、食べよう」
でも、杉戸尾くんなら誰にも言わないでくれそう。
後ろを振り返ると、真剣な眼差しの村田くんの姿が。
ハチマキを見てみると、汗で一部色が変化していた。
それぐらい頑張ったって事なんだよね......なのに、私はちゃんと見ていてあげられなかった。
翼くんの方に視線がいっていて、いつの間にか......翼くんを応援していた。自然と。
見るって言ったのに、最低......だよね。ほんと......
「う、うん」
男子全員リレーでは翼くんの色が数秒差で勝った。
そこからはあっという間で、午前の部が終了し、今は1時間のお昼休み。
ご飯食べないといけないな......と思うと同時に、翼くんはどうするのかな?
って、不安になった。
だ伝統のハチマキ交換はこの時間帯に行われるから、もしかしたら翼くんは......
「一ノ瀬さん?」
「あ、ごめん!考え事しちゃってて」
村田くんの前でこんな顔してたら心配されるから、今は翼くんの事は考えでおこう......
内ズックに履き換えて、校舎内に入ると、直射日光があたらないせいか、涼しさが感じられた。
でも、じわじわと滲んでいる汗は離れない。
汗臭くないかな?
って、思いながら下を向いていた。
今思ったけど、どこ行くのかな?ここら辺は確か......
「最初は引っ込み思案な子だけだと思ってました」
ふと村田くんが急に立ち止まる。
それで、バランスを崩しそうになったけど、なんとかこらえた。
ここは木工室?人気のないところを......何で?
そもそも、私に言いたい事って......
「だけど、人のために頑張れるっていいなって思って」
急に私と村田くんの間にあった距離が一気に縮まる。
ートクン
な、何?
急に鼓動が......って、意識してしまってる?
「気づいたら、いつの間にか目で追ってしました」
村田くんは顔を真っ赤に染めながら、でも、真剣な眼差しで揺るぎない瞳。
告白じゃないって分かってるのに、
村田くんには好きな人が他に居るって分かってるのに、この空気と緊張感を感じたら......もう...
「好きです」
ートクン
「一ノ瀬さんのこと好きです」
今まで関わりがなかった人に告白をされてきたから、
なんとなく慣れていたけど、
身近にいた人に告白されるのは初めてだから、
こんなにも気持ちが率直に伝わるなんて知らなかった...
もちろん、今までの告白の気持ちも読み取ってきた。
相手の気持ちを考えた上で返事もした。
けど、こんなの、こんなの…………告白されている最中に涙を流すのは初めてで、
どうやって対応するべきなのか、分からなかった。
村田くんの気持ち、ちゃんと受け止めたいけど、真っ直ぐに見れそうにない。
ど、どうしよう。気持ちを伝えてくれたのに、しっかりと受け止めてあげられない…
その場に立っても居られなくて、
村田くんの側に居る資格なんてないんじゃないかって、そう思っていたら、ふと足が勝手に動いていた。
「一ノ瀬さん!?」
さっきまでこらえていた大粒の涙が溢れてくる。
その場にしゃがみこんだ。
もう、頭がぐちゃぐちゃだ。
村田くんの気持ち、受け止めてあげられなかった。
せめて、告白の返事をしないといけないのに……
返事をした後が怖くて、怖くて、ただ逃げただけ。
村田くんは自分の気持ちを話してくれたのに。
ものすごく勇気がいることだったのに…
「一ノ瀬さん!」
村田くんの声が廊下から段々と聞こえてきた。
教室の窓からはその姿がはっきりと見える。
「一ノ瀬さん!」
汗かいてる。私を探すために……
「返事は今、しなくていいから……出てきて!」
私の気持ちを考えて、そう言ってくれたんだ……返事も何もしないままじゃダメだ。
ちゃんと村田くんの気持ち、受け止めないと。
ーガラッ
「む、村田くん!」
「一ノ瀬さん!?」
村田くんは、
誰かが困っている時に助ける事の出来る人。
ヒーローみたいな人。
そして、
自分の事よりも人の事ばっかりで、自分の事は後回しにする人なんだよね?
分かってるようで分かってなかった。村田くんの事を。
私はさっき、
「……さ、さっきは……逃げてごめんなさい」
逃げ出してばかりだった。
自分の都合のいいようにしてただけだ。
「もう村田くんと………これから先話せなくてもいいから、聞いてくだ、さい」
それだけじゃ、これから前に進めない。
「私は、翼くんの事、好きです」
村田くんと話せなくなるのは辛いけど、現実としっかりと向き合っていかないといけない。
「翼くんが居なかったら、今の私はいません」
村田くんが自分の気持ちを私に見せてくれたように、
「だから、村田くんの気持ちは答えられません」
私もはっきりと自分の気持ちを見せたい。
「………そっか」
「村田くんの真剣な気持ち、嬉しかった」
私なんかを好きになってくれて、嬉しかった。
私が返事もせずに勝手に逃げ出したのに、村田くんは探しに来てくれたよね?
「好きになってくれて、ありが……」
ーグイッ
え、え?今、何が起こっているのかよく分からない。
村田くんに抱かれ……て、る?あれ?え、なんで?
好きになってくれてありがとうって言おうとしたら、
村田くんが引き寄せたんだよ、ね?
え、でもなんで?理解が出来ない......
「ごめん。諦められない」
村田くんは更に私を強く、強く抱いた。
村田くんの鼓動の音が聞こえてくる。
正常じゃないくらい、速い。
「お試しで付き合って」
「で、でも、私は……翼くんのこと、好きで……」
「分かってる。分かってるよ」
村田くんは頭をくしゃくしゃしながら、そう呟いた。
その声はいつもと違って、なんだか弱々しくて。
いつもの村田くんから想像できないような声。
「けど、諦めきれないんだよ......」
「村田くん……」
それぐらい、私のことを大切に思ってくれてるんだ。
私が翼くんを思っているように。
それなのに、私は村田くんの気持ちに応えられない。
応えてあげられない。
「じゃあ、1日だけ俺に時間をください」
村田くんの真剣な表情。
真っ直ぐに見つめてるけど、何故か不意に翼くんと重なってしまうの………
サッカーを一生懸命練習している翼くんの顔と。
私、本当に最低な奴だよね。
今は村田くんと話してるのに、翼くんの事が頭の中から離れなれないよ。
「日曜日、12時に駅前で待ってて」
私の手をぎゅっと、強く、強く、握りしめた。
村田くんの真剣な気持ちは十分伝わったよ。
後は、翼くんじゃなくて、日曜日は1日中、村田くんの事を考えるだけ。
村田くんの気持ち、次はしっかりと受け止めるよ。
「じゃあ、行こっか」
「う、うん」
ふと外を眺めてみると、そこには藍ちゃんの姿が。
木の下で泣きじゃくっていて、たくさんの大粒の涙が溢れているように見えた。
その近くには、静紅の姿も。
静紅も藍ちゃんと同じように涙していた。
一体、何があったんだろうか。
藍ちゃんは確か、さっきまで真山先輩と居たはず。
って事は、真山先輩と何かあったんだ。
「村田くん、先に行ってて」
「え?あ、うん。分かった」
私が行っても、何も変わらないかもしれない。
けど、なんだか今行かなきゃ、気が持たなかった。
何があったんだろうと強く思ううちに、段々と歩くスピードは徐々に速くなっていった。
いつの間にか、目の前には藍ちゃんの姿が。
「藍ちゃ……」
声をかけようとした瞬間、
「もう、葵依ちゃんの顔……見たくないよ」
と、藍ちゃんが言っていた。
どういうこと?もしかして、私が原因で泣いてるんじゃ……と、
そんな気持ちに押し潰されて、段々と後ろに下がっていると、
ーガッ
何かが勢い良くあたり、私の体は後ろに倒れてい……
ーグイッ
「大丈夫か?」
「杉戸尾くん!な、なんでここに……?」
今頃みんなは校舎内で昼ご飯を食べているはずなのに。
「たまたま通りかかった」
普段通りの涼し気な顔をしているかと思いきや、何故か杉戸尾くんには珍しい汗をかいて……
「一ノ瀬、どーした?」
「え?」
「いつもと違うから」
本当は少し……いや、大分落ち込んでる。
というか、自分自身を責めている。
藍ちゃんを泣かしたのは、私が原因だって。
「……ううん。何にもないよ」
気持ちだけにしか出していない、この感情。
「それならいいけどな」
それに気づいてくれる杉戸尾くんは、
「ありがとう、支えてくれて」
私にとって、数少ないかけがえのない友達だよ。
「別に。……そーいえば、昼食べたのか?」
「ううん、まただよ。杉戸尾くんは?」
「まだだ」
ここにいるから、てっきり昼ご飯食べたかと……
「じゃあ、一緒に食べようよ」
1人て静かに食べるよりも、誰かと一緒に笑いながら食べる方がずっとずっと良い。
「星野と食べないのか?」
「美香ちゃんのところはリーダー会があるから」
「だからって、俺じゃなくて、翼を誘えば?」
杉戸尾くんの口から翼くんの名前が出るなんて、まず何にも思ってもいなかったから、驚きを隠せず、
「な、なんで、つ、翼くん!?」
思いっきり杉戸尾くんの前で動揺をしてしまっていた。
「………なんとなく」
「そ、そーなんだぁ?」
バレてしまった、のかな?
「まぁ、一緒に食べるのも悪くないけどな」
「じゃあ、食べよう」
でも、杉戸尾くんなら誰にも言わないでくれそう。
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