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1章 サリオン編
1話 来訪者天音
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「っ、」
眼前に広がる黄金の空に真っ黒な月。
「これが異世界?」
一瞬、目の前に天使が現れる。
その羽は真っ黒に染っている。
その瞬間私は真っ逆さまに落ちて言った。
「どこ、ここ」
木漏れ日が顔を照らしてくる、資格からの情報でここが森であることは一目瞭然だ。
「なんか食べ物ないかな。」
昨日の朝から何も食べていない事を一息ついて思い出す。
「あれってリンゴかな?」
よくよく見ると見なれた赤い実が頭上にあった。
しかしどうやって取るか、木に登るか、気を揺らすか。
「物は試しだ!」
大きく息を吸って右手の拳に全身の血液を集めるような感覚、そしてそれを一気に押し流すようにして。
「破!」
こんなに太い幹を揺らすことが出来るのかと疑心暗鬼でやって見たはいいものの、結果としてはものすごい轟音と共に木は地面へと倒れ落ちた。
「――・――・・――!」
向こう側から叫び声が聞こえるが、何を言っているのかは全く理解できない。
「なんか見つかっちゃった!」
ひとまず声と逆方向に向かって走り出す。
「――・・――!」
後ろからそう聞こえてきた瞬間、私の体は一瞬にして拘束される。
「なんだ、魔物かと思ったら人間じゃないか!」
鎧を身にまとったひょろひょろとした少年が現れた。
「誰が、魔物だっ!」
突然耳に聞き馴染みのある言語になって聞こえてくる。
「うおっ!見ない顔立ちだな。」
「さっきの魔力の覇気はえぐかったぞ、団長レベルだ。」
兵士が2人私の元に駆け寄ってきた。
「こんなものっ!」
腕に力を込めて氣を発動させて縄を破り解く。
「なんだコイツ、怪力もだが魔力なのか分からんが気圧される。」
兵士のひとりが後ずさりをする。
「弟に似た雰囲気だなお前」
もう1人の兵士がわたしのかおをのぞきこんできた。
「なにそれ、どういう意味。」
この世界の人間がまだどんななのか掴めてないうちは全てに警戒するしかない。
「どうもこうもねぇけどよ、とりあえず俺の名はカイ、カイ・キルシュアだ。」
「私は天音。」
差し出された手に私は応じた。
「捕まえたぜ、ひとまず大聖堂に連れてくぞ!」
カイは私の手首にさっきと同じ呪文を唱えた。
「それをやめろっ!」
力を入れてひっぱるとその縄はすぐにちぎれた。
「お前どっから来たんだ、見たことねぇ装備だし。」
カイはなんというか、教室に一人はいる空気読めない系男子みたいな雰囲気だ。
「遠いところ、私だって何が何だか状態だよ。」
とにかくここが地球では無いことは分かる、地祈のことやばあちゃんのこと、あの2冊の本もだし、あの堕天使のような見た目のやつも気になる。
「空は青空なの?」
それじゃあ、さっき見た金色の空と黒い月ってなんだったんだろうか、本にだって書いてあった。
「何言ってんだよ、空は青色って常識だろ?それともお前が前居たとこは空が金色とかだったんか?豪華そうでいいなその空。」
カイは小馬鹿にするように笑い転げる。
「空が金色なんて、御伽噺じゃないですか。」
カイの隣にいた男が言う。
「あー、そんな話あったな。なんだっけ金色の空に彗星が降ってきて、地が割れて人々が神に祈ると、最強の魔女が降りてきたとかだっけ?」
カイは絞り出すように話す。
「なにそれ、変なおとぎ話。」
私は少し気が緩んできたのか笑う。
「ま、いい国だからここは。」
カイはそう言いながら目の前の大きな門を指さした。
「この国は聖都市サリオン!あそこの大教会で部外者は祈りとかしなきゃなんだよ。」
私は恐る恐るその国に足を踏み入れた。
眼前に広がる黄金の空に真っ黒な月。
「これが異世界?」
一瞬、目の前に天使が現れる。
その羽は真っ黒に染っている。
その瞬間私は真っ逆さまに落ちて言った。
「どこ、ここ」
木漏れ日が顔を照らしてくる、資格からの情報でここが森であることは一目瞭然だ。
「なんか食べ物ないかな。」
昨日の朝から何も食べていない事を一息ついて思い出す。
「あれってリンゴかな?」
よくよく見ると見なれた赤い実が頭上にあった。
しかしどうやって取るか、木に登るか、気を揺らすか。
「物は試しだ!」
大きく息を吸って右手の拳に全身の血液を集めるような感覚、そしてそれを一気に押し流すようにして。
「破!」
こんなに太い幹を揺らすことが出来るのかと疑心暗鬼でやって見たはいいものの、結果としてはものすごい轟音と共に木は地面へと倒れ落ちた。
「――・――・・――!」
向こう側から叫び声が聞こえるが、何を言っているのかは全く理解できない。
「なんか見つかっちゃった!」
ひとまず声と逆方向に向かって走り出す。
「――・・――!」
後ろからそう聞こえてきた瞬間、私の体は一瞬にして拘束される。
「なんだ、魔物かと思ったら人間じゃないか!」
鎧を身にまとったひょろひょろとした少年が現れた。
「誰が、魔物だっ!」
突然耳に聞き馴染みのある言語になって聞こえてくる。
「うおっ!見ない顔立ちだな。」
「さっきの魔力の覇気はえぐかったぞ、団長レベルだ。」
兵士が2人私の元に駆け寄ってきた。
「こんなものっ!」
腕に力を込めて氣を発動させて縄を破り解く。
「なんだコイツ、怪力もだが魔力なのか分からんが気圧される。」
兵士のひとりが後ずさりをする。
「弟に似た雰囲気だなお前」
もう1人の兵士がわたしのかおをのぞきこんできた。
「なにそれ、どういう意味。」
この世界の人間がまだどんななのか掴めてないうちは全てに警戒するしかない。
「どうもこうもねぇけどよ、とりあえず俺の名はカイ、カイ・キルシュアだ。」
「私は天音。」
差し出された手に私は応じた。
「捕まえたぜ、ひとまず大聖堂に連れてくぞ!」
カイは私の手首にさっきと同じ呪文を唱えた。
「それをやめろっ!」
力を入れてひっぱるとその縄はすぐにちぎれた。
「お前どっから来たんだ、見たことねぇ装備だし。」
カイはなんというか、教室に一人はいる空気読めない系男子みたいな雰囲気だ。
「遠いところ、私だって何が何だか状態だよ。」
とにかくここが地球では無いことは分かる、地祈のことやばあちゃんのこと、あの2冊の本もだし、あの堕天使のような見た目のやつも気になる。
「空は青空なの?」
それじゃあ、さっき見た金色の空と黒い月ってなんだったんだろうか、本にだって書いてあった。
「何言ってんだよ、空は青色って常識だろ?それともお前が前居たとこは空が金色とかだったんか?豪華そうでいいなその空。」
カイは小馬鹿にするように笑い転げる。
「空が金色なんて、御伽噺じゃないですか。」
カイの隣にいた男が言う。
「あー、そんな話あったな。なんだっけ金色の空に彗星が降ってきて、地が割れて人々が神に祈ると、最強の魔女が降りてきたとかだっけ?」
カイは絞り出すように話す。
「なにそれ、変なおとぎ話。」
私は少し気が緩んできたのか笑う。
「ま、いい国だからここは。」
カイはそう言いながら目の前の大きな門を指さした。
「この国は聖都市サリオン!あそこの大教会で部外者は祈りとかしなきゃなんだよ。」
私は恐る恐るその国に足を踏み入れた。
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