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1章 サリオン編
2話 大聖堂と選ばれし者。
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空いた門の先にあったのは中世ヨーロッパのような建物がずらりと列を作って並んでおり、その先にはサグラダファミリアのような大きな建物が鎮座していた。
「あの奥の建物が大聖堂だ、とりあえず行くぞ。」
カイが言う。
建物の前には出店が出ており、野菜や果物、動物の肉なんかが売ってる。
「なんだよ、そんなに店をジロジロ見て腹でも減ってんのか?」
カイはニヤニヤしながら私に問う。
「そう、昨日の夜から何も食べれてなくて。」
こいつの顔は常に私を小馬鹿にしてるようなニヤつき方だが、空腹と疲れで相手をする元気がない。
「しゃーねーな、おっちゃん俺の分とこいつらの分で三本な。」
カイがとあるで店の前にいく。
「カイじゃねぇか、このトンチキな服きた女は誰だ?見ねぇ顔だな。」
どうやら串肉を売っている店のようだ。
「俺もわかんねぇけど、とりあえず聖堂連れてってみるわ。」
「ま、適正とか色々あるしな。」
二人の会話に聞き耳を立てているとカイについていた兵士が話し出す。
「この国は聖騎士団、我々が所属している組織が統治をしてます。才能のある人間は意志の有無関係なく騎士団に入ります。」
「才能って?」
私の能力が使われる可能性もあるってこと?
「あの木を1人で倒せるほどとなると第1部隊にも入れるかもしれないですが、多分女である以上そこに入るのも難しいかと思うので…」
「何ブツブツと一人で喋ってんだよ行くぞ大聖堂」
カイが言う。
「なんこれ、カエル?」
長々とした話を聞くのは苦手なのでそそくさと離れるとカイから串焼きの肉を渡された。
「これめっちゃうまいんだぞ、カエルなんて高級品食ったことねぇだろ!」
カイは自慢げに言うが正直全くもって羨ましくない。
「いただきます。」
さすがに無下には出来ないし、腹も減ってたのでひと口かじると、よく聞く話だがまるで鶏肉だった。
「うまいだろ姉ちゃん」
店の親父の問いかけには首を縦に振る。
別に特筆する点はない。
「これなら鶏肉で良くない?」
この世界では意味の無い共感を、カエル肉に向けた。
「あっ、兄さん!」
視界のほぼ八割に大聖堂が占めるくらい近くなった時、こちらに向かってくる少年がいた。
「おー、ライじゃねぇか!今日もしっかり働いてるか?」
カイより身長は少し小さく、とても小動物みたいだ。
「うん、最近騎士団のお仕事忙しいって手紙が家に来てたから会えないと思ってたのに!どうして大聖堂に?」
ライに尋ねられたカイは私を指さしてきた。
「あの女が森で暴れてて、身元不明だから連れてきたって感じ。」
カイの発言にライはゆっくりとこちらを見るとカイの後ろに隠れる。
「危ないお姉さんなんですか。」
ライはこちらを少し覗いて言う。
「おう、こいつはとんでもねぇ危険人物だ。」
よく言ってくれるわ。
「そんなことないし!まず私このせか、、、国に初めて来たからよくわかんない事だらけで。」
私がそう言うとカイは不意にこういった。
「やっぱし雰囲気似てるな、並んでみてくれよ。」
ライの背中を押して私の隣へと連れてくる。
見た感じ年齢は12か13かといったところか、、、。
ほんの一瞬。
ライの周りだけぼやける。
「氣だ。」
私が睨むとライはカイの背中に隠れ戻る。
「何うちの弟にガン飛ばしてんだ」
カイが言う。
「この子強い。」
私の気が触発された、体が熱い、血が沸騰したようなそんな感覚に襲われる。
「何言ってんだよ、こいつは無能力だぞ。」
「そ、そうです。僕の能力は、、、。」
ライが俯く。
「おい、何を聖堂前で騒いでいるのですか!」
頭は中心部は禿げ上がり、頭を囲むように鳥の巣のような白髪があるジジイが出てくる。
「神父様!」
ヒゲの威圧感のすごい老人だ。
「こいつは見ない顔だ。」
神父の顔は少し引き攣っている。
「祈りと判断をするのですね、騎士は帰りなさい、己の仕事を全うしなさい。」
神父の鋭い眼光がカイ達に突きつけられる。
「ういっす、またなライ!」
カイはそそくさと去っていった。
「またね、おにぃちゃ、ん。」
ライは手を振り、カイもそれに応えた
「さて、ようこそサリオン大聖堂へ、お客様。」
鋭い眼光の対象が私に変わる。
「早く中へ行きましょうか、我々の主神がお待ちです。」
神父についていくと中にはとても大きな像があった。
「我が国を作った英雄魔法使いシュリザネータ・サリオン様と獣人族の女王となられたヒダル・サリオン様、この世界で魔法を使わずに武術だけで戦ったアヤノ・サリオン様です。」
「アヤノ、、、、。」
耳馴染みがある名前だが思い出すことができなかった。
過去にも転生者がいる、しかも日本から。
「そしたらこの像の下にある水晶に触れて見なさい、そうすれば能力がわかる。」
神父に促される。
私が水晶に手を触れると、腹の底から力が湧いてくる感覚、全身を駆け巡る。氣だ。
「これは、まさか。」
神父のその言葉。
「アヤノさまが光っている!」
神父の叫びを最後に私は気を失ってしまった。
「あの奥の建物が大聖堂だ、とりあえず行くぞ。」
カイが言う。
建物の前には出店が出ており、野菜や果物、動物の肉なんかが売ってる。
「なんだよ、そんなに店をジロジロ見て腹でも減ってんのか?」
カイはニヤニヤしながら私に問う。
「そう、昨日の夜から何も食べれてなくて。」
こいつの顔は常に私を小馬鹿にしてるようなニヤつき方だが、空腹と疲れで相手をする元気がない。
「しゃーねーな、おっちゃん俺の分とこいつらの分で三本な。」
カイがとあるで店の前にいく。
「カイじゃねぇか、このトンチキな服きた女は誰だ?見ねぇ顔だな。」
どうやら串肉を売っている店のようだ。
「俺もわかんねぇけど、とりあえず聖堂連れてってみるわ。」
「ま、適正とか色々あるしな。」
二人の会話に聞き耳を立てているとカイについていた兵士が話し出す。
「この国は聖騎士団、我々が所属している組織が統治をしてます。才能のある人間は意志の有無関係なく騎士団に入ります。」
「才能って?」
私の能力が使われる可能性もあるってこと?
「あの木を1人で倒せるほどとなると第1部隊にも入れるかもしれないですが、多分女である以上そこに入るのも難しいかと思うので…」
「何ブツブツと一人で喋ってんだよ行くぞ大聖堂」
カイが言う。
「なんこれ、カエル?」
長々とした話を聞くのは苦手なのでそそくさと離れるとカイから串焼きの肉を渡された。
「これめっちゃうまいんだぞ、カエルなんて高級品食ったことねぇだろ!」
カイは自慢げに言うが正直全くもって羨ましくない。
「いただきます。」
さすがに無下には出来ないし、腹も減ってたのでひと口かじると、よく聞く話だがまるで鶏肉だった。
「うまいだろ姉ちゃん」
店の親父の問いかけには首を縦に振る。
別に特筆する点はない。
「これなら鶏肉で良くない?」
この世界では意味の無い共感を、カエル肉に向けた。
「あっ、兄さん!」
視界のほぼ八割に大聖堂が占めるくらい近くなった時、こちらに向かってくる少年がいた。
「おー、ライじゃねぇか!今日もしっかり働いてるか?」
カイより身長は少し小さく、とても小動物みたいだ。
「うん、最近騎士団のお仕事忙しいって手紙が家に来てたから会えないと思ってたのに!どうして大聖堂に?」
ライに尋ねられたカイは私を指さしてきた。
「あの女が森で暴れてて、身元不明だから連れてきたって感じ。」
カイの発言にライはゆっくりとこちらを見るとカイの後ろに隠れる。
「危ないお姉さんなんですか。」
ライはこちらを少し覗いて言う。
「おう、こいつはとんでもねぇ危険人物だ。」
よく言ってくれるわ。
「そんなことないし!まず私このせか、、、国に初めて来たからよくわかんない事だらけで。」
私がそう言うとカイは不意にこういった。
「やっぱし雰囲気似てるな、並んでみてくれよ。」
ライの背中を押して私の隣へと連れてくる。
見た感じ年齢は12か13かといったところか、、、。
ほんの一瞬。
ライの周りだけぼやける。
「氣だ。」
私が睨むとライはカイの背中に隠れ戻る。
「何うちの弟にガン飛ばしてんだ」
カイが言う。
「この子強い。」
私の気が触発された、体が熱い、血が沸騰したようなそんな感覚に襲われる。
「何言ってんだよ、こいつは無能力だぞ。」
「そ、そうです。僕の能力は、、、。」
ライが俯く。
「おい、何を聖堂前で騒いでいるのですか!」
頭は中心部は禿げ上がり、頭を囲むように鳥の巣のような白髪があるジジイが出てくる。
「神父様!」
ヒゲの威圧感のすごい老人だ。
「こいつは見ない顔だ。」
神父の顔は少し引き攣っている。
「祈りと判断をするのですね、騎士は帰りなさい、己の仕事を全うしなさい。」
神父の鋭い眼光がカイ達に突きつけられる。
「ういっす、またなライ!」
カイはそそくさと去っていった。
「またね、おにぃちゃ、ん。」
ライは手を振り、カイもそれに応えた
「さて、ようこそサリオン大聖堂へ、お客様。」
鋭い眼光の対象が私に変わる。
「早く中へ行きましょうか、我々の主神がお待ちです。」
神父についていくと中にはとても大きな像があった。
「我が国を作った英雄魔法使いシュリザネータ・サリオン様と獣人族の女王となられたヒダル・サリオン様、この世界で魔法を使わずに武術だけで戦ったアヤノ・サリオン様です。」
「アヤノ、、、、。」
耳馴染みがある名前だが思い出すことができなかった。
過去にも転生者がいる、しかも日本から。
「そしたらこの像の下にある水晶に触れて見なさい、そうすれば能力がわかる。」
神父に促される。
私が水晶に手を触れると、腹の底から力が湧いてくる感覚、全身を駆け巡る。氣だ。
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