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第二章「セントエクリーガ城下町」
第四十八話「礼儀」
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「……そういえば、図書館とかってこの町にある?」
「あったらその地図に書いてほしいんだけど……」
「あぁ、あとデリカサンドって店も」
俺は先程スーツの懐に入れた地図を再び取り出し、ノアに差し出した。
ノアは一瞬、地図を受けとる素振りを見せたが直ぐに手をひっこめた。
「それだったらトレバーに聞け!」
「お前、話すきっかけが無いと、どうせ話し掛けないだろ!」
俺はドキッとして咄嗟にノアに苦笑いを返し、4階を後にした。
……完全なる図星だ。
階段を下りながら、これからこの段差を上り下りする日々が始まると想像していると、この仕事がさっそく嫌になってきた。
一階に着き、朝トレバーさんがいた場所の職員用ドアを恐る恐る開け中を覗くと奥の方で資料整理をしているトレバーさんの姿が見えた。
一応<猫足>が発動していない事を確認してからトレバーさんに近づく。
「あのー、トレバーさんちょっといいですか?」
俺はトレバーさんから1mほど離れた所から声をかける。
先程のノアの話を聞く限り、トレバーさんは俺の事を嫌ってはいないが、あまり良く思っていないことは確実だ。
「アレンさん、どうかしましたか?」
トレバーさんは笑顔で振り返ったが、先程の話を聞いた後だと、その表情は薄っぺらく感じる。
しかし、どこかシンパシーのような物も感じることが少し不思議だ。
「そのー、図書館とデリカサンドの場所を教えてもらいたいんですけど……」
俺はそういいながら地図を胸元から取り出し、トレバーさんに渡した。
「……はい、わかりました!」
そう言うとトレバーさんは空中で地図を開き、一瞬も迷わず地図に印を書き込む。
職人技だ。
「おぉ……」
「あ、ありがとうございます」
俺は呆気にとられながらも地図をトレバーさんから受け取る。
トレバーさんは笑顔を俺に向けると、直ぐに仕事に戻った。
さて、次はヒナコと合流しよう。
俺はその場を立ち去ろうと振り返ったが、一瞬考えた後、その場で止まり、再びトレバーさんに近づいた。
「これからよろしくお願いします!」
俺はトレバーさんに向かって深くお辞儀をする。
トレバーさんは俺に背を向けて仕事をしているが、多分、俺の動きはこの空間を出るまで一挙一動、把握しているだろう。
「はい、こちらこそお願いします」
顔を上げるとトレバーさんが軽く顔を下げながら笑顔を向けている。
先程の笑顔よりは柔らかくなった気もするが、気のせいかもしれない。
まぁ、でも最初はこんなものだろう。
俺はもう一度トレバーさんにお辞儀をしてからその場を後にする。
なぜこんな面倒な事をしたのかは自分でも不思議だった。
「あったらその地図に書いてほしいんだけど……」
「あぁ、あとデリカサンドって店も」
俺は先程スーツの懐に入れた地図を再び取り出し、ノアに差し出した。
ノアは一瞬、地図を受けとる素振りを見せたが直ぐに手をひっこめた。
「それだったらトレバーに聞け!」
「お前、話すきっかけが無いと、どうせ話し掛けないだろ!」
俺はドキッとして咄嗟にノアに苦笑いを返し、4階を後にした。
……完全なる図星だ。
階段を下りながら、これからこの段差を上り下りする日々が始まると想像していると、この仕事がさっそく嫌になってきた。
一階に着き、朝トレバーさんがいた場所の職員用ドアを恐る恐る開け中を覗くと奥の方で資料整理をしているトレバーさんの姿が見えた。
一応<猫足>が発動していない事を確認してからトレバーさんに近づく。
「あのー、トレバーさんちょっといいですか?」
俺はトレバーさんから1mほど離れた所から声をかける。
先程のノアの話を聞く限り、トレバーさんは俺の事を嫌ってはいないが、あまり良く思っていないことは確実だ。
「アレンさん、どうかしましたか?」
トレバーさんは笑顔で振り返ったが、先程の話を聞いた後だと、その表情は薄っぺらく感じる。
しかし、どこかシンパシーのような物も感じることが少し不思議だ。
「そのー、図書館とデリカサンドの場所を教えてもらいたいんですけど……」
俺はそういいながら地図を胸元から取り出し、トレバーさんに渡した。
「……はい、わかりました!」
そう言うとトレバーさんは空中で地図を開き、一瞬も迷わず地図に印を書き込む。
職人技だ。
「おぉ……」
「あ、ありがとうございます」
俺は呆気にとられながらも地図をトレバーさんから受け取る。
トレバーさんは笑顔を俺に向けると、直ぐに仕事に戻った。
さて、次はヒナコと合流しよう。
俺はその場を立ち去ろうと振り返ったが、一瞬考えた後、その場で止まり、再びトレバーさんに近づいた。
「これからよろしくお願いします!」
俺はトレバーさんに向かって深くお辞儀をする。
トレバーさんは俺に背を向けて仕事をしているが、多分、俺の動きはこの空間を出るまで一挙一動、把握しているだろう。
「はい、こちらこそお願いします」
顔を上げるとトレバーさんが軽く顔を下げながら笑顔を向けている。
先程の笑顔よりは柔らかくなった気もするが、気のせいかもしれない。
まぁ、でも最初はこんなものだろう。
俺はもう一度トレバーさんにお辞儀をしてからその場を後にする。
なぜこんな面倒な事をしたのかは自分でも不思議だった。
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