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8章 炎と氷が交わる地獄
40話 女騎士の誇り
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後ろからヒダカさんの呼び声が聞こえた。爆弾を投げる合図なのだろうと私、ヒートヘイズ騎士団長のフレイヤはすぐに勘付く。
巻き込まれないようにヒダカさんが投げるであろう場所から離れると火石の爆弾が大量に破裂する。それはまるで一斉に畳み掛けるかのような量だった。
と同時に赤い粉も後ろから飛んできてアイスマンと女王に降りかかる。イグニ王子の従者2人は一体何をしているのだと流石の私も読み取れなかった。
「それでも…!」
私がやるべきことは1つ。アイシクルの女王を拘束すること。
……ブリザードの攻撃を受けて、砦に不安と混乱を招いた時には既にアイシクルの人間の姿が私達騎士団に近づいていた。しかし不思議なことにアイシクルの人間は数人しか確認できない。
最初はブリザードのせいで視界が鈍くなっているのかと思ったけど、直後に現れたフェニックスの炎で確かに数人だけゆっくり歩いてくるのを確認出来た。
そしてフェニックスを生み出したのは国王様……焔の神であることも確信する。でも、そこからが地獄の始まりだった。
アイシクルの人間は何かを口に含むと一気に氷の人間を作り出したのだ。それは私達騎士団を遥かに超える数で太刀打ちは難しいと瞬間的にそう思ってしまう。他の騎士達もその様子に後ろ腰になっていた。
「行け、アイスマン」
誰かがそう言えば命を吹き込まれたように氷の人間、アイスマンは動き出す。無機質に動く足音とその冷たさは遠くからでもわかる恐怖の塊。
私達はこれを相手には出来ないかもしれない。初めて敵に対してそう思ってしまった。
しかしフェニックスの炎がアイスマンを一気に溶かした時、ここにいる誰もが希望の炎を灯したのだ。私やイグニ王子以外の知らない者からしたら、何故火山から火の鳥が出ているのかわからないだろう。
それでも私達の味方をしてくれていると騎士達全員の支えとなってくれた。
「焔の神が私達の背中を守ってくれるぞ!ヒートヘイズの騎士団よ!烈火の如く立ち向かえ!!」
私の指示は騎士の中に灯された炎を燃え上がらせる材料となれただろうか。そんな心配を考える暇もなくアイシクルの人間はアイスマンを出してくる。
砦を守りながら剣を振るう者。高い場所から爆弾や火の矢を落とす者。それぞれの役割を全うするために誇り高き騎士達は戦い始めたのだった。
「フレイヤ様!」
そんな時、私の元へ1人の騎士が来る。砦には配属されず別の場所で待機していた者だ。急いだ様子で馬を降りると少し足をもつれさせながら走ってきた。
「報告です!ここから北方面にアイシクルの者と思われる人物を確認!その人物は周りを凍らせながら火山方角へ向かったとされています!」
「火山…!?」
火山といえば焔の神がフェニックスを舞い上がらせている場所だ。その下に炎の祠がある。中には先代の国王様がいらっしゃるのだ。
私は騎士にここを離れると言って馬を借り、すぐに炎の祠へと向かう。砦を襲った集団の中にアイシクルの女王と思われる人物は居なかった。
その事実は火山に向かったのは女王説を濃厚にさせる。あれほど凄まじいフェニックスを作り出したのは誰でもヒートヘイズの国王だとわかってしまうだろう。
女王はイグニ王子が新国王になったことを知らない。きっと焔の神になった先代国王様を狙うはずだ。
「あ、あれは!」
砦から離れている火山へ馬を走らせていれば、妙な赤い光と白い光が瞬いている。遠くからでも見えるその光は炎と氷だった。
「イグニ王子…!」
姿は見えなくてもイグニ王子の炎だと私はわかる。となると今、イグニ王子は女王と思われる人と戦っているのだ。私は馬の速度を上げるようと手綱を強く持つ。しかし馬が更に速く走り出す前に私の中で何かがよぎった。
“このまま私だけが行ったとして、イグニ王子の助けになれるだろうか?”
それを感じてしまえば自分がしようとした行動に疑いを持ってしまう。私は歯を食いしばってギリっと音を立てると馬の進行方向をヒートヘイズに向けて走らせた。
私1人ではどうにかすることは出来ない。ならば力を借りるしかない。その時の私の頭の中には2人の顔が思い浮かんでいた。
それが今、女王と共に戦うヒダカさんとヒメナさん。イグニ王子が1番信頼している従者だった。
「熱い…熱い…!」
私の前方では爆弾と赤い粉…火石を使ったカイロを喰らった女王が熱さに耐えるような声を出す。
イグニ王子は?と思い後ろを見るとそこには従者の2人しか居なかった。
「イグニ王子…?」
「フレイヤ様!前!」
私はヒメナさんの声にハッとして爆弾が当たらなかったアイスマンの攻撃を弾き返す。アイスマンは火石の熱によって脆くなっていたため、剣で押し返しただけでバラバラになって溶けていった。
その直後、フェニックスが何度目かの炎を吐き出す。爆弾とカイロ、フェニックスの炎によって蒸発した霧の向こうにいる女王は力無く座り込んでいた。
「拘束を!」
「「はい!!」」
ヒダカさんとヒメナさんにそう伝えれば3人で女王へ飛びかかる。抵抗する力も無いのか女王は俯きながら私達に拘束を許したのだった。
巻き込まれないようにヒダカさんが投げるであろう場所から離れると火石の爆弾が大量に破裂する。それはまるで一斉に畳み掛けるかのような量だった。
と同時に赤い粉も後ろから飛んできてアイスマンと女王に降りかかる。イグニ王子の従者2人は一体何をしているのだと流石の私も読み取れなかった。
「それでも…!」
私がやるべきことは1つ。アイシクルの女王を拘束すること。
……ブリザードの攻撃を受けて、砦に不安と混乱を招いた時には既にアイシクルの人間の姿が私達騎士団に近づいていた。しかし不思議なことにアイシクルの人間は数人しか確認できない。
最初はブリザードのせいで視界が鈍くなっているのかと思ったけど、直後に現れたフェニックスの炎で確かに数人だけゆっくり歩いてくるのを確認出来た。
そしてフェニックスを生み出したのは国王様……焔の神であることも確信する。でも、そこからが地獄の始まりだった。
アイシクルの人間は何かを口に含むと一気に氷の人間を作り出したのだ。それは私達騎士団を遥かに超える数で太刀打ちは難しいと瞬間的にそう思ってしまう。他の騎士達もその様子に後ろ腰になっていた。
「行け、アイスマン」
誰かがそう言えば命を吹き込まれたように氷の人間、アイスマンは動き出す。無機質に動く足音とその冷たさは遠くからでもわかる恐怖の塊。
私達はこれを相手には出来ないかもしれない。初めて敵に対してそう思ってしまった。
しかしフェニックスの炎がアイスマンを一気に溶かした時、ここにいる誰もが希望の炎を灯したのだ。私やイグニ王子以外の知らない者からしたら、何故火山から火の鳥が出ているのかわからないだろう。
それでも私達の味方をしてくれていると騎士達全員の支えとなってくれた。
「焔の神が私達の背中を守ってくれるぞ!ヒートヘイズの騎士団よ!烈火の如く立ち向かえ!!」
私の指示は騎士の中に灯された炎を燃え上がらせる材料となれただろうか。そんな心配を考える暇もなくアイシクルの人間はアイスマンを出してくる。
砦を守りながら剣を振るう者。高い場所から爆弾や火の矢を落とす者。それぞれの役割を全うするために誇り高き騎士達は戦い始めたのだった。
「フレイヤ様!」
そんな時、私の元へ1人の騎士が来る。砦には配属されず別の場所で待機していた者だ。急いだ様子で馬を降りると少し足をもつれさせながら走ってきた。
「報告です!ここから北方面にアイシクルの者と思われる人物を確認!その人物は周りを凍らせながら火山方角へ向かったとされています!」
「火山…!?」
火山といえば焔の神がフェニックスを舞い上がらせている場所だ。その下に炎の祠がある。中には先代の国王様がいらっしゃるのだ。
私は騎士にここを離れると言って馬を借り、すぐに炎の祠へと向かう。砦を襲った集団の中にアイシクルの女王と思われる人物は居なかった。
その事実は火山に向かったのは女王説を濃厚にさせる。あれほど凄まじいフェニックスを作り出したのは誰でもヒートヘイズの国王だとわかってしまうだろう。
女王はイグニ王子が新国王になったことを知らない。きっと焔の神になった先代国王様を狙うはずだ。
「あ、あれは!」
砦から離れている火山へ馬を走らせていれば、妙な赤い光と白い光が瞬いている。遠くからでも見えるその光は炎と氷だった。
「イグニ王子…!」
姿は見えなくてもイグニ王子の炎だと私はわかる。となると今、イグニ王子は女王と思われる人と戦っているのだ。私は馬の速度を上げるようと手綱を強く持つ。しかし馬が更に速く走り出す前に私の中で何かがよぎった。
“このまま私だけが行ったとして、イグニ王子の助けになれるだろうか?”
それを感じてしまえば自分がしようとした行動に疑いを持ってしまう。私は歯を食いしばってギリっと音を立てると馬の進行方向をヒートヘイズに向けて走らせた。
私1人ではどうにかすることは出来ない。ならば力を借りるしかない。その時の私の頭の中には2人の顔が思い浮かんでいた。
それが今、女王と共に戦うヒダカさんとヒメナさん。イグニ王子が1番信頼している従者だった。
「熱い…熱い…!」
私の前方では爆弾と赤い粉…火石を使ったカイロを喰らった女王が熱さに耐えるような声を出す。
イグニ王子は?と思い後ろを見るとそこには従者の2人しか居なかった。
「イグニ王子…?」
「フレイヤ様!前!」
私はヒメナさんの声にハッとして爆弾が当たらなかったアイスマンの攻撃を弾き返す。アイスマンは火石の熱によって脆くなっていたため、剣で押し返しただけでバラバラになって溶けていった。
その直後、フェニックスが何度目かの炎を吐き出す。爆弾とカイロ、フェニックスの炎によって蒸発した霧の向こうにいる女王は力無く座り込んでいた。
「拘束を!」
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