【完結】優しい君に「死んで」と言われたある夏の日

雪村

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夏休み初旬 私と名も無き青年

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才田さんとのランチの後、私は車で家まで送ってきて貰った。

距離も遠くないし電車もあるから帰れると言ったのだが、送らせてくれと言うことでまた甘える。

私は才田さんにお礼を言って頭を下げた後、車が見えなくなるまで見送り、完全に車の姿が消えると私は家の中に入った。

玄関は開いてなくて、私より大きな靴も無い。

私は自分の部屋に入ってスマホを取り出し連絡アプリを開く。

新しく上には才田さんのアイコンが載っていた。

しかし才田さんではなく、涼のトーク欄をタップする。

今の時間帯だからご飯では無いと思う。

涼の事だ。暇しているだろう。

私は涼宛にメッセージを打つ。



【海の件】



全く可愛くも無い一言で送信すると、すぐに既読が着いた。

やはり暇していたようだ。

うさぎが驚いているスタンプを送ってくる。

これはどう言う意味だと頭を捻っていると



【まさか行けなくなった!?】



と返ってきた。

スタンプはそう言う意味ねと理解する。



【違う。日程を決めて欲しくて】

【紛らわしい文送るなよ】

【焦った?】

【1人で青春かと思った】

【涼が1人でも青春出来るなら行かないけど?】

【ご冗談を】



急に改まった言葉を使ってくる涼にフッと笑う。

やっぱり涼みたいな友達と話している時が1番肩の力が抜ける。

なんだか完全に抜けたのは今この瞬間かもしれない。

同世代の友達って凄いな。

息を吐くたびに力が抜けてくる。

私は涼に感謝しながら返信を打った。



【ご冗談です】

【安心したわ。それで?桜はいつあたりがいい?】

【私はどこでも】

【部活は?】

【そこまで無いから】

【じゃあ明日でも?】

【それは無理】

【いつでも良くねぇじゃん】



似たような会話を才田さんともした気がする。

あまりいつでも良いとは言わないようにしよう。

後がめんどくさくなりそうだ。

涼に限っては余計に。

でも指定日となると迷う。

研究室に行く時以外は本当に予定が無いのだ。

それこそお盆の時期だって家に閉じこもっている。

お父さんの実家になんて行かない。

それは今に始まった事ではないけど、つまらない日々と言ったらつまらなかった。

どの日にしようか悩んでいると続けて涼からメッセージが届く。



【来週の土曜は?】



私はカレンダーアプリを開いて見てみると、土曜日は研究室に行く予定は無かった。



【いいよ。土曜日で】

【りょーかい】

【行き先は任せた。あまり遠くにしなければ問題ないから】

【わかった!】



涼はまたうさぎのスタンプを私に送る。

後は涼に任せておけば大丈夫だろう。

私はとりあえず画材を買い足さなければ。

私も似たようなスタンプを涼に送信してアプリを閉じると、完全に昼寝をする前に画材が入っているバッグの確認を始めた。
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