23 / 46
無月無日 僕の意味
生み出す血の花達
しおりを挟む
「「ただいま」」
ショッピングモールから帰ってくると僕とお姉ちゃんはすぐに店の方にいるお母さんとお父さんに顔を出す。
なるべく厨房を見ないようにして、お母さん達に話しかける。
「お姉ちゃんに本買ってもらった」
「よかったね。それじゃあ後はお母さん達からのプレゼントを待ってて」
「うん!」
「少し今日は早めに食べるぞ。ケーキもあるからな」
「わかった。それじゃあ私はーーと家に居るね」
「出来上がったら呼ぶから」
「「はーい」」
お母さん達と離れた僕とお姉ちゃんは隣にある家の中に入る。
「厨房いい匂いだったね」
「本当に楽しみ!まぁメインはーーなんだけどさ」
食材などを見ないようにお母さん達の元へ行ったが、鼻に通り抜けるいい匂いは隠せなかった。
まだ僕の鼻には濃厚なソースの匂いが纏わりついている。
ずっと嗅げる匂いだ。
出発した時にお姉ちゃんも言っていたけど、期待値と言うものが時間に経つに連れて上がっていく。
楽しみで仕方ない。
毎日が誕生日で良いのになと思ってしまった。
「それじゃあ私は部屋に居るね」
「わかった。僕はリビングでゲームやってる」
「りょーかい」
お姉ちゃんは僕に手を振るとそのまま階段を上がり、2階にある自分の部屋へ戻っていく。
僕はリビングに入り持っていたバッグをソファに投げ捨てすぐさまラッピングに入っている本を取り出すと、丁寧にリボンを解いて、中の本が破れないように扱う。
上に引っ張ると表紙一面を埋め尽くすコスモスが現れた。
「綺麗…」
僕は本をラッピングから全て出して自分の太ももの上に置く。
お姉ちゃんが言った通り、この花はコスモスらしい。
一輪の花ではなく、何輪もの花達が身を寄せ合うようにして映っていた。
思わず僕は指を伸ばして写真のコスモスに触れる。
花弁をなぞるように指を動かすと、まるで自分がコスモスを生み出しているかのような気分になれた。
ページ内でコスモスはあるかなと、表紙を広げて捲り出す。
すると目次の次のページにコスモスの写真が何枚も載っていた。
撮る向きや、日差しの角度が違う写真の数々。
その下には手書きのコスモスの絵が描かれていた。
そこまで本物に近い絵ではないけど、パッと見てコスモスとわかる。
意外と簡単に描けるのだなと思い、僕は近くにあったチラシとペンをテーブルの上に置いた。
「花びらは、8枚」
ポイント3倍!と書いてあるチラシの裏に僕はコスモスの絵を描き始める。
8枚って意外と多いんだな。
僕はゆっくり丁寧に、写真と絵を見ながら描いた。
そして小さく細い葉っぱのようなものを描いて完成。
我ながら上手くいったのではないだろうか。
でも流石に1輪のコスモスだけでは寂しいしつまらない。
この絵も写真も沢山のコスモスで彩られている。
僕は続けて、2輪、3輪と描いていった。
「出来た…!」
絵を描かない初心者には5輪が限界。
それでも最初よりは上手く描けているし、何よりコスモスだとわかる。
ゲームをやる予定をそっちのけで描いていたがとても楽しかった。
お姉ちゃんに見てもらおうと思って、チラシと本を持ってリビングから出る。
リズミカルに階段を登るとお姉ちゃんの部屋に直行した。
部屋をノックしてお姉ちゃんの返事を待つ。
すぐに返事が返ってきて僕は扉を開けた。
「お姉ちゃん、見て」
「ん?何……」
「お姉ちゃん!?」
ベッドの横に座っていたお姉ちゃんが立ち上がった瞬間、ふらついて斜め前に倒れる。
間一髪、顔が床に当たるのは避けられたけど、僕は一瞬でパニックになってしまった。
「お姉ちゃん!大丈夫!?」
「あ……」
苦しそうな表情で僕の服を掴んで耐え始めるお姉ちゃん。
すると次の瞬間、お姉ちゃんの口から赤い花弁が散った。
その花弁は僕の手に付いて生暖かく滴る。
何も考えられなくなってしまった。
次々と花弁は散っていく。
僕が書いたコスモスは真っ赤になって見えなくなってしまう。
僕はその光景にハッとして涙を流したながらお母さんとお父さんを呼んだ。
「お母さん!!!お父さん!!!」
「うぁ、、ゲホッ」
「誰か!!誰か!!」
声変わりで低くなりつつある喉が痛くなっても僕は声を出し続けた。
いつも守ってくれるお姉ちゃんが死んでしまうと思った。
そしたれ僕を1番近くで守ってくれる人がいなくなってしまう。
怖い。
僕は腕の中で横たわっているお姉ちゃんに声をかけながら抱きしめる。
また服を掴む力が弱まった気がした。
ショッピングモールから帰ってくると僕とお姉ちゃんはすぐに店の方にいるお母さんとお父さんに顔を出す。
なるべく厨房を見ないようにして、お母さん達に話しかける。
「お姉ちゃんに本買ってもらった」
「よかったね。それじゃあ後はお母さん達からのプレゼントを待ってて」
「うん!」
「少し今日は早めに食べるぞ。ケーキもあるからな」
「わかった。それじゃあ私はーーと家に居るね」
「出来上がったら呼ぶから」
「「はーい」」
お母さん達と離れた僕とお姉ちゃんは隣にある家の中に入る。
「厨房いい匂いだったね」
「本当に楽しみ!まぁメインはーーなんだけどさ」
食材などを見ないようにお母さん達の元へ行ったが、鼻に通り抜けるいい匂いは隠せなかった。
まだ僕の鼻には濃厚なソースの匂いが纏わりついている。
ずっと嗅げる匂いだ。
出発した時にお姉ちゃんも言っていたけど、期待値と言うものが時間に経つに連れて上がっていく。
楽しみで仕方ない。
毎日が誕生日で良いのになと思ってしまった。
「それじゃあ私は部屋に居るね」
「わかった。僕はリビングでゲームやってる」
「りょーかい」
お姉ちゃんは僕に手を振るとそのまま階段を上がり、2階にある自分の部屋へ戻っていく。
僕はリビングに入り持っていたバッグをソファに投げ捨てすぐさまラッピングに入っている本を取り出すと、丁寧にリボンを解いて、中の本が破れないように扱う。
上に引っ張ると表紙一面を埋め尽くすコスモスが現れた。
「綺麗…」
僕は本をラッピングから全て出して自分の太ももの上に置く。
お姉ちゃんが言った通り、この花はコスモスらしい。
一輪の花ではなく、何輪もの花達が身を寄せ合うようにして映っていた。
思わず僕は指を伸ばして写真のコスモスに触れる。
花弁をなぞるように指を動かすと、まるで自分がコスモスを生み出しているかのような気分になれた。
ページ内でコスモスはあるかなと、表紙を広げて捲り出す。
すると目次の次のページにコスモスの写真が何枚も載っていた。
撮る向きや、日差しの角度が違う写真の数々。
その下には手書きのコスモスの絵が描かれていた。
そこまで本物に近い絵ではないけど、パッと見てコスモスとわかる。
意外と簡単に描けるのだなと思い、僕は近くにあったチラシとペンをテーブルの上に置いた。
「花びらは、8枚」
ポイント3倍!と書いてあるチラシの裏に僕はコスモスの絵を描き始める。
8枚って意外と多いんだな。
僕はゆっくり丁寧に、写真と絵を見ながら描いた。
そして小さく細い葉っぱのようなものを描いて完成。
我ながら上手くいったのではないだろうか。
でも流石に1輪のコスモスだけでは寂しいしつまらない。
この絵も写真も沢山のコスモスで彩られている。
僕は続けて、2輪、3輪と描いていった。
「出来た…!」
絵を描かない初心者には5輪が限界。
それでも最初よりは上手く描けているし、何よりコスモスだとわかる。
ゲームをやる予定をそっちのけで描いていたがとても楽しかった。
お姉ちゃんに見てもらおうと思って、チラシと本を持ってリビングから出る。
リズミカルに階段を登るとお姉ちゃんの部屋に直行した。
部屋をノックしてお姉ちゃんの返事を待つ。
すぐに返事が返ってきて僕は扉を開けた。
「お姉ちゃん、見て」
「ん?何……」
「お姉ちゃん!?」
ベッドの横に座っていたお姉ちゃんが立ち上がった瞬間、ふらついて斜め前に倒れる。
間一髪、顔が床に当たるのは避けられたけど、僕は一瞬でパニックになってしまった。
「お姉ちゃん!大丈夫!?」
「あ……」
苦しそうな表情で僕の服を掴んで耐え始めるお姉ちゃん。
すると次の瞬間、お姉ちゃんの口から赤い花弁が散った。
その花弁は僕の手に付いて生暖かく滴る。
何も考えられなくなってしまった。
次々と花弁は散っていく。
僕が書いたコスモスは真っ赤になって見えなくなってしまう。
僕はその光景にハッとして涙を流したながらお母さんとお父さんを呼んだ。
「お母さん!!!お父さん!!!」
「うぁ、、ゲホッ」
「誰か!!誰か!!」
声変わりで低くなりつつある喉が痛くなっても僕は声を出し続けた。
いつも守ってくれるお姉ちゃんが死んでしまうと思った。
そしたれ僕を1番近くで守ってくれる人がいなくなってしまう。
怖い。
僕は腕の中で横たわっているお姉ちゃんに声をかけながら抱きしめる。
また服を掴む力が弱まった気がした。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる