童貞

ひかひら

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初体験

6月5日、私は童貞を卒業した。この経緯について話していこうと思う。

「童貞」この単語に対して清純そうな印象を持つ人もいれば、何か問題のある人という印象を持つ人もいるだろう。私はどちらかと言えば後者、何か問題のある人であると考えていた。だから私は童貞卒業を急いだ。私は全てが平均的な人間であったので、なにか人と違うことはないかと躍起になることがあった。ご飯を友人と食べる際にも、なるべく被らないように注文する程だ。そんな私が考えたのは、「初体験を彼女で済ませた男」にはなりたくないということだ。おそらく、大学生の多くが彼女で童貞を卒業して大人になっていくのだと思う。そんな在り来りな初体験を済ませたくないと考えたのだ。
私が考えついたのはTinderで初体験を済ませるという方法だった。私は早速5万円でやらせて貰えませんか?という紹介文を背負い、Tinderに乗り出した。この5万円という数字には様々な思いが含まれている。まず最初に、私の性癖が地雷系であるということだ。5万円という高額な料金を求めるのはホスト狂ぐらいしかいないだろうと考えたからだ。次に「私は5万円の価値がある」と自負する女性しかマッチしないだろうと考えたからである。女性視点にたった時、自分がデブスだったら5万円という大金に怯えて私を右スワイプすることはできないだろう。「5万払うなら風俗に行けばいい、そうすればかわいくてエッチな女の子とセックスができる」そう思うかもしれない。だが、風俗にいる女の子は5万円を受け取ることに慣れており、責任を感じない可能性がある。素人の女の子に5万円を渡すからこそ、内容が充実するのではないかと考えた。あとは単純に風俗で卒業する男がダサく思えたからである。こうしてTinderを始めた私は、ある日一人の女性とマッチした。
彼女は最初にこういった。「なんで19歳なのにこんなことしてるの?」と。Tinderでなんで?と聞かれるのは良いことである。会話を続けられるからだ。理由に答えて質問をする。これがTinderの会話だから。私は素直に「モテないからです」そう返した。数日やり取りをした後、彼女は「じゃあ、私にタバコを買ってください。そうすればやらせてあげます」と言い出した。実際、タバコはカートンのことを指しており値段で言うと6000円弱のものである。私は戸惑った。どうして5万あげると言っているのに値下げをしてきたのか。なんど考えても利益が減るという選択に理系の私は合理性を見いだせなかった。私は「どうして5万円じゃなくて6000円弱のタバコがいいんですか?」と素直に聞いた。彼女の答えは「タバコの方がお金よりいいから」というものだった。ふと彼女の年齢に目を向けると、20と書かれており成人していることが確認できた。じゃあどうして。分からないまま、会話を続けた。「タバコでいいなら僕もそっちの方がいいです」これは素直な感想だった。だが、同時に頭によぎったことがあった。自分に5万円の価値がある、そう思うから5万円を受け取る。この理論を適応すれば彼女は6000円弱の女になるのではないか。6000円弱の女と聞いて、美人でスタイルがよく、巨乳で色白な女性を思い浮かべる人は居ないだろう。ましてや地雷系など以ての外である。疑問を持ちながらも、目の前に童貞卒業のチャンスがある限りアタックし続けるしかないと思い、やり取りを続けた。「じゃあ、6月5日に会おう」と予定が決まり、私は心底ほっとした。私の努力は報われたのだ。このやり取りをした日は興奮で眠ることが出来なかった。
私はすぐさまタバコの入手手段を考えた。19歳だった私は店頭でタバコを買うことは出来ない。私は同学科の20歳の友人に下心を持ちながら夕食を誘った。「タバコ買ってくれない?始めたいからさ」嘘をついた私は彼の目からどう見えていただろうか。私はタバコを入手した。予定を決めた日から6月5日まで私は自慰行為を断った。ネットで「童貞  気をつけること」と何度も調べ、勉強をした。その結果「初回のセックスでは絶頂に達することが出来ないことが多い」ことが判明したのである。私は、肌が全て顕になった女体を前に絶頂に達しないことなどあるはずがない。これは性欲が弱い人の話だ、と割り切った。だが、絶頂できないと困るので自慰行為だけは断とうと志したのである。ここまでは順調だったのだが、この出来事から一気に物語は転落を迎える。
6月4日、童貞を捨てる前夜のことである。私は欲が最高潮に達し、明日のこの時間には初体験が終わっていることに感動を覚えていた。私は普段、漫画や動画、気分がいい時は頭の中で想像して自慰行為を行っていた。6月5日に欲を最大にするためには、ここで1度漫画を鑑賞し、寸止めのまま寝るのが1番いいのかもしれないと考えた。私は愚かな計画を実行に移した。もう既に禁欲の弊害が出ていたのかもしれない。私は漫画を見た刹那、絶頂に達してしまったのである。この日は、その後絶望してベッドに向かった。
6月5日、私は起床した。なんとも清々しい、広々とした朝だった。起きた私は初体験のことを考え、何度もシュミレーションを重ねた。14時に集合だったので家で昼飯を食べ、たんたんと時間が過ぎるのを待った。「いってきまーす」母親には勉強会をすると嘘をついた。髪の毛はセットした方が良いのか、車ではなく電車で行ったほうがいいのか、服装はどんなものが良いか。沢山の不安を抱きながら、女を抱くために車に乗った。結局、髪の毛はセットせず、車で駅まで行った後に電車に乗り、服装は全身黒で行った。電車の中、私は卑猥な漫画や動画を閲覧し、欲を最大限まで高めた。2時ぴったりに名鉄岐阜駅に着いた私は、そそくさとLoftの周りを歩き始めた。Tinderのカードに映る髪色が見えた気がしたが、あまり可愛くなさそうだったので1回スルーした。間違えてTinderの人でなかったときがいちばん気まずいから。2時2分に私はその女性と出会った。さっきの女性だった。印象としては、あまり可愛くないが努力(メイク)をしているおかげで幾分かはましに見えている女性に見えた。「思ったよりイケメンだった」その言葉に私は天へと登らされた。初体験でつまらない性交渉になったらどうしよう。そう思っていたので、イケメンに対してはつまらない性交渉をしないだろうという考えからだ。「こっちです」彼女は小さな声で私をホテルへと導いた。
ホテルへは20分ぐらい歩いた(体感なので正確ではない)が、その間に話した内容は緊張と興奮で何も覚えていない。ここかなぁと言いながら彼女はホテルドルフィンリゾートを指さした。「ぼ、僕はなにも本当にわからないです」キョドった。彼女は足早にホテルのフロントへと足を運んだ。フロントでは、空いている部屋だけが点灯しておりそこから部屋を選ぶようだった。部屋は4段階に分けられており、身の丈にあった部屋を選ぶことができた。一番下のランクの部屋では申し訳ないから、下から2番目ぐらいの部屋にしようかな。そう考えていたら、「この中から選ぶんだねー」と指をさされ、部屋たちのグレードを確認する。スタンダード。安心した。受付のおばさん?が私たちに声をかける「お部屋はお決まりですか?」「505番で」私たちはエレベーターを使い、505号室へ向かった。エレベーターは妖艶なピンクの光をしていた。エレベーターから降り、部屋へ向かう途中に多くの部屋のランプが点灯していることに気がつく。こんなに多くの人が…私は感動した。性交渉という19年生きてきて縁のなかったことを平然と日曜の昼間から行っている人達が大勢いるのだ。私の感動はさらに続く。部屋に入ると、ドアが3つあった。左のドアはトイレ、真ん中のドアは手洗い場とシャワー、右の部屋はベッド室だった。私たちは荷物を置くために右のドアノブをひねり、部屋へと足を踏み入れた。大きなベッド、そしてソファー、GODが目に入った。GODとはスロットの機種であり、私が現行で打てなかった機種である。ソファーにリュックを置き、深く呼吸をする。
「まずは、何すればいいですか?」経験不足であることを自覚している私は、経験豊富な彼女に意見を求めた。「シャワー、かな、」なぜか断言せずに彼女はシャワー私に勧めた。「先にいいですよ?」「いや、先に入りな」なぜか先にはいらされてしまった。私は脱衣所で服を脱ぎ、自分の体と顔を見つめる。そして、シャワーを浴びた。今後の展開を想像しながら半勃起状態となった性器を念入りに洗う。シャワーを浴び、バスタオルで水を拭き取る。時間がもったいないと思った私は、髪の毛を乾かすことを諦めた。バスローブ?のようなものを1枚だけ羽織り、部屋へと向かった。彼女はスマホを触っていたが、私がシャワーから出たことを確認してシャワーを浴びた。私はその間に部屋内を探検することにした。コスプレの衣装や電動マッサージ器、ローションや精力剤など様々なものが揃っていた。探検を続けると、照明を見つけた。「これが、ネットの記事で見た照明を弄りたくなる」ってやつか!そう思った。照明の具合で雰囲気が変わる。明るい中でやっているavしか見てこなかった私は照明の本気度にドキッとした。そうこうしているうちに、彼女がシャワーを済ませてドアを開いた。「ねえ、ここ見てよ」私がさっきまでみていたローションや精力剤が売られている自販機を指さし自慢げな様子だった。ティロリンと聞きなれない音がした。GODのリール開始音だ。「スロットとかうつー?」彼女はレバーに手を置きながら不慣れな手つきでボタンを押す。「めっちゃ打つっすよ!」「へー、以外」「私はパチンコ打つんだけど」「パチンコは打たないですね」そんな会話をした。今思えば、彼女なりの緊張解しだったのかもしれない。「何したらいいですか?」私はシャワーに入る前と同じ質問を彼女へと投げかけた。「うーん、」彼女は恥ずかしそうな仕草をしつつ、私を見た。もしかしたらそれは演技だったのかもしれない。だが、少なくとも興奮する私にはとても愛らしく思えた。「じゃあ、キスとかですかね」私はネットの知識を使いこなした。「先に歯磨きしなきゃ!」彼女は洗面台へ向かった。「これ、すごくない?毎回ホテルに来るたび感動しちゃう!」彼女はキラキラした目で歯磨きの入った袋を指さした。私にはなにがすごいのかイマイチ理解できなかったが、楽しそうだったので良しとしよう。2人で鏡を見ながら洗面台で歯を磨く。「じゃあベット行こっか」この言葉でどれほどの人間が救われるのだろうか。私は緊張と興奮を胸にベッドへと足を動かした。「あ、ブラジャーとパンツは履いてた方がいい?」「履いててください、せっかくなんで」脱がせてみたかったのだ。せっかくだし。2人はベッドへ向かった。
ダブルベッドは、2人が大の字にねころべるぐらいの広さがあった。「どうやって座りますか?」「大の字にダイブして」そう言われ私は膝を立てた不完全な大の字をベッドに写した。私の大の字が気に入らなかったのか、彼女は不満げな顔をした。「布団の中に入ろ?」そう言われた私は興奮する性器を確認しながら布団の中へとはいる。他愛ない話をした後、「キスしていいですか?」そう私が尋ねた。時間がもったいない、もしかしたら時間内に童貞を捨てられないかも。そんな予感が頭によぎったからだ。彼女は「いいよ」とだけ言い、私の唇を待った。キスなんてほとんどした事がない私は、唇を彼女の口へと当てた。乾ききった彼女の唇を感じ、すぐに離す。これはネットでだんだんキスの時間を伸ばすのが良いと知っていたからだ。キスが終わったあとは、なにをすればいいのか。なにもわからなかった私は、自分の欲望に従うことにした。「胸をもんでもいいですか?」「じゃあ、脱がせて」忘れていた。自分でブラジャーとパンツを履かせたくせに。私はバスローブのボタンを外し、ブラジャーの全容を把握した。「外すの難しいんだよ~」ブラジャーは外したことがある。母のブラジャーが洗濯物にある際に。私は手馴れた手つきで彼女のブラジャーを外した。彼女は仰向けにベッドに倒れた。触っていいよの合図だった。本能的にそれを理解した私は、初めて女性の胸へと手を伸ばした。正直に言おう、思ったよりも硬かった。もちろん前提として、胸が脂肪の塊であることは知っていた。私はつい「デブな男の胸触ってるみたい」と呟いた。今になって冷静に考えてみれば、デブな男の胸に着いているものもまた脂肪なのだから当たり前なのかもしれない。彼女はしばらく私に胸を触られながら上を向いていた。その後、私の髪の毛に触れた。「濡れてるといいパーマだね」そんなことを言った。私は目の前にある胸に夢中で、あまり正確な言葉は覚えていない。私はまた性欲に従うことにした。「胸を舐めてみてもいい?」「うん」それはアメを転がすのと似たような感覚だった。「これって気持ちいいの?」「うーん、人によるけど私はふつう」その言葉でやめた方がいいかとも思ったが、口は止まらなかった。「噛んでみてもいい?」「いいよ」噛んでみたら、チクッとすると言われた。まあまあいいと。「かわいい」と頭を撫でられながら乳首を舐め上げる。唇を突き出すと乳首が吸いやすくなる仕組みには生命の神秘を感じた。それから少しの間、乳首をかみ続けた。ディープキスが気持ちいいという情報をテレビから得ていた私は、試したくなった。「ディープキス、してみてもいいですか?」「いいよ」彼女の唇へ顔を近づける。彼女の口を舌で舐め、口を開けさせる。舌を伸ばすと底には歯があった。「え?」私歯という存在に驚いた。ディープキスという物語には、人と唇そして舌しか登場しないからである。「そりゃあ、歯があるよ」彼女は優しい笑みを浮かべた。彼女の口の中に舌を入れこみ、舌を吸い、唾液を混じり合わせた。程なくして、私はどのように彼女を濡れさせるのか考え始める。濡れてなければ挿入することは難しい。つまり、童貞卒業には必要不可欠な要素なのである。「何されたらいいとかあります?」「うーん、デンマ使ってよ」私は正確な指示をされたことに心底安堵した。彼女はパンツを脱いだ。ティッシュの横に当たり前かのような顔をして座っているデンマを手に取り、彼女の女性器へと当てる。「うっ、」彼女は甘い声を出した。avみたいな声が出たと私は感心した。「わたし、これ好きなんだよね」と少し震えた声で彼女が言う。しみけんの動画で手に入れた知識を元に、私はデンマを持ちながら女性器に指で触れる。濡れていた。私は思わず感動した。私でも女の子を濡らすことができるんだ!大きな自信へと繋がった。ネトネトとした愛液を初めて手に着けた私は、avのように指をくっつけ、糸を引かせた。私の興奮は最高潮に達した。彼女も興奮したのか、起き上がり私に倒れるように指示をした。彼女はわたしになんの断りもなく性器を舐めた。「へ?」まさかフェラをしてもらえるなんて。驚いた私は思わず彼女を凝視したが、彼女の目には私の性器しか映っていなかった。じんわりとゆっくり広がる温かさに私は心地良さを覚えた。温かさに浸っていると「これ、つけて」と彼女からコンドームを渡された。つけたことは無かった。暗いムーディーライトが照らす中で、私は一所懸命裏表の判別をする。精子溜めが着いている表をみつける。私は勃起した性器にコンドームを取り付ける。皮が亀頭に被ることを阻止するようにひっぱり、上手く取り付けた。両方の準備が整い、ようやくである。「入れていい?」「うん」私は童貞を卒業した。女性器の中はネットで見た通り風呂に浸かっているようだった。あたたかくて気持ちがいい、だがそれ以上の感想はなかった。私は彼女の体に覆いかぶさり、「童貞卒業だ」と耳元で囁く。「痛くない?」「うん、動いてみて?」私は腰を動かすことを許された。私はゆっくりと腰を動かす。「もっと激しくできる?」「はい」私は彼女の指示に従うまま腰の動きを早くした。ここで思ったのは腰を早く振るのはとても難しいということだ。相手の腰を持ってもなかなかリズムがつかめず早く振ることが出来なかった。早くした途端彼女に異変が起こった。「んっ!んっ!はっ!」彼女は明らかに先程とは違う声色で喘いだ。「激しい方が好きなんですか?」「うん」ネットの知識では、やさしくゆっくり責める方が良いとなっていたので最初はゆっくりにしたが、まさかこんなavに忠実な女性がいるとは思ってもいなかった。私は無遠慮に彼女の腰に体をぶつける。彼女の体温の上昇を私は性器から感じとった。私は違う体位も体験したいと思い提案をする。「上に乗って貰ってもいいですか?」「いいよ」私はドロドロの肉壺の中から性器を抜き、仰向けに倒れ込む。彼女が私の上に乗り、avのvr映像のような視点となる。「私これ苦手なんだよね~」なんでも構わないから、早く腰を振ってくれと願う。女に腰を振らせ、男は寝転がっているだけ、そんな贅沢なことがあるだろうか。ただ、そんな贅沢とは裏腹に気持ちよさはなかった。強いて言うならば、視覚的には気持ちよかったかもしれない。正常位の方が気持ちよかったが、戻る訳にも行かないため、私は腰を振って手伝うことにした。彼女は下から突かれる快感に目を閉じ、息を荒らげた。ただ、下からだと激しくつくことが出来なかったため私は再度体位を変えることを提案した。「次はバックやってみたいです」「うん」バックと一括りに言っても、種類が豊富である。私は通常のバックを選択した。「こう?」と恥ずかしげもなく彼女が四つん這いになり私に問いかける。「たぶん、」自信が無いのでハッキリとは答えられない。「入れるよ」私は慣れた手つきで彼女の膣に性器を差し込んだ。バックがいちばん深い位置まで届くことは知っていた。だが、それは彼女の声を聞けば誰でもわかることだった。私は彼女の好み通り、激しく腰をうちつけた。彼女の息は激しく上がり、漏れ出す吐息は甘い。彼女は腰をくねらせ、快感から逃れようとする。それを無理やり手で戻し、快感を押し付ける。「どれがいちばん良かった?」こんなセリフを言ってみたいと思っていたが、自分から自然と発せられるとは思わなかった。「これ」と短く発せられた。そこからしばらくただひたすらに腰を打ち付けた。体力の限界を迎えた私は疲れた疲れたと言いながら彼女の体へと覆い被さる。彼女も「つかれた~持久力あるね」と私を褒める。ただ、私はこの時点でセックスでは絶頂することが出来ないことを悟っていた。性交渉でも絶頂できず、フェラでも絶頂できなかったのだ。他に何でイけるのだろうか。ネットで見た初体験でイケなかった人たちを思い出し、後悔する。唯一フェラにだけは若干の可能性を感じていた。コンドームを外し、フェラを要求した。彼女は快く応じた。「裏筋がきもちいいです」絶頂への道を自分で作ることにした。相手に性器を舐めさせることの背徳感。たまらないものだった。私はくわえている様子を観察したかったので、様子が見える位置へと移動してもらった。しかし、やりにくいからと場所を戻されてしまった。しばらくフェラをしてもらったが緊張によるものなのか、絶頂の影すら見ることが出来なかった。なんとかして絶頂したいと考えた私は、彼女にある提案をした。「僕が寸止めで耐えるから、最後だけ手コキして?」これが最善策だ、と感じると同時に虚しさにも襲われた。ギリギリまで私は高速で性器を触り、寸止めをした。「いま」私の言葉を合図に彼女が手コキをスタートする。1秒後私は絶頂した。こうじゃないんだよなぁ。体にかかった精子を拭き取り、私の性器を眺める。「まだまだ出来ますよ」私は欲望のままに新しいコンドームを装着する。その後、正常位になり再び挿入する。激しく腰を振り、相手の声を聞き、興奮する。だが、イけない。先程同様に、自分で寸止めし、最後だけ相手の腟内で絶頂できるか試してみる。彼女は私の手淫を見つめていた。私はまたもや高速で手を動かし、ギリギリの状態を作る。「そろそろ準備しといてください」すぐに、彼女の女性器に挿入したもののイクことはできなかった。手淫と腰を振るのとでは快感の溜まる場所が違っているように思えた。やっぱり無理なのかもしれない、そうおもうと私の性器はみるみるやる気をなくし、小さくなった。「avでもみる?」彼女は完全に戦意喪失した私の性器を見つめながら言った。avがくだらない映画のように思えた。賢者モードだった私は悲しみを胸にベッドへと寝転がっる。「あんまりavとか見る機会ないからさ~」彼女はぼんやりとav女優がインタビューされている様をみていた。部屋は凍えるほど寒く、終わったなら帰れとホテルに言われているようだった。「シャワー、先いいですよ?」私は先程同様に先を譲った。「いや、入らない」は?ありえない。性交渉を行った後にシャワーを浴びないなんてことがあるのか、当時賢者だった私でもわからなかった。「じゃあ、先に入りますね」思考回路をぐるぐると回しながら、私はシャワーを浴びた。シャワーから出た後、わたしはリュックをガサゴソと漁り報酬品であるタバコを取り出した。「やっぱり入る」その一言に私はドキッとした。さっきは入らずに、今に入るとはどのような気変わりなんだろう。もしかしたら、お金を盗まてれいるのかもしれない、と。すぐさま財布の中身を確認し、お金が無くなっていないことを確認する。そしてまたもや思考回路を回しながら、彼女を待つ。シャワーから出た後はゆっくり時間が流れていると感じられ、とてつもない疲労感に襲われた。「これって、何時に入ったかわかります?」時間が延長されることを怖がった私は彼女に尋ねる。「多分テレビでみれるよ」リモコンを私に渡した。私は、avが流れているテレビのチャンネルを変え、入館時間を確認する。残り30分。ソファーに腰をかけて他愛ない話をしながら過ごした。時間ギリギリで焦って出るのが嫌いな私は、20分たったところで退館を促した。「じゃあ、出よっか」9番でフロントへ一報をいれ、チェックアウトの旨を伝える。無愛想な受付が精算機へと向かうように指示をした。私はやる気のない性器を引きずり、部屋をあとにした。エレベーターに乗り、精算機へと向かう。「ホテルで人に会うと気まずいよね」そんな会話をしたせいか、精算機には人がいた。若い女性と男性のように見えたが、はっきりとは見えなかった。私たちは顔を彼らから逸らした。彼らの精算を終えたことを確認すると、私たちは精算を開始した。4890円。高いなぁと思った。彼女がカバンを漁り、財布を取り出す。「僕がだすよ」とキメてやった。しかし「いいよ、半分出す」と言われ、あたふたしているうちに精算機に2500円を入れられた。私は細かいお金がなかったため、5000円を機械へ挿入した。お釣りを受け取り、駅へと帰る。帰路で私はどうやったら絶頂できるかを考えていた。「他の人とやってみれば?」と言われたが、そんなに簡単に見つかるものでは無い。「じゃあ、他のマッチングアプリ使うとか、Tinderを普通に写真乗せて使うとか」彼女は私がイかなかったことに罪悪感を感じているのか、執拗にリベンジすることを望んだ。「イケたら、報告してね」「じゃあ、Tinderは消せないなぁ」焼肉屋の前を通り、鳥貴族の前を通り、私たちは名鉄岐阜駅に到着した。「名鉄だっけ?」彼女はTinderで話した内容をあまり覚えていないのか、前に話した内容を繰り返した。「名鉄ですよ」「じゃあ、ここだよね?」「はい」「じゃあ」「じゃあ」私たちは少しづつ離れた。もう会うことがないだろうと予感しながら。私は何か変われたのだろうか、今までとなにか世界が違うのだろうか、私は…。

思い出が美化される前に、ありのままの気持ちをここに記した。いつか童貞卒業した同級生が多数派になり、「初体験ってどんなのだった?」と聞かれたときには意気揚々と答えることをここに誓おう。
ここまで読んで貰った方々に感謝の気持ちをお送りします。長々と書き連ねた駄文を、さぞ苦しい気持ちでお読みになったことでしょう。これを読んだ童貞の方には、私のようにイケない初体験でなく、気持ちの良い初体験をしてもらいたいと心から思います。ご精読ありがとうございました。
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