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第1章
第8話:元自衛官地区
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香奈:克徳さんの動画のお陰で襲撃の不安が少なくなりました。
朋佳:本当に克徳さんの住んでおられる所に行っても好いのでしょうか?
愛生:克徳さんの所は何人移住できるのでしょうか?
沙恵:夫が退官してしまって仕事がないのですが、就職先はありますか?
桃子:先着何名ですか?
克徳の動画投稿直後から、元自衛官家族からのコメントが殺到した。
日々恐怖していた状況が一気に好転した、感謝のコメントが1番多かった。
次に多かったのが、移住と就職先の問い合わせだった。
自衛隊を退官したのは良かったが、次の仕事が決まっていない者が多かった。
自衛隊に対する心証が悪すぎて、想像していた以上に次の就職先がなかった。
何より、また同じような騒動が起きた時でも、安全に暮らせる場所に移住したいという元自衛官家族が多かった。
克徳:移住に制限はありません、全員受け入れさせていただきます。
:ただ、住む場所、住宅は選べず、条件が悪いです。
:大阪府が廃校にした小学校と高等学校を改装した63 m²教室型住宅が3校。
:廃校の校庭や山間部に建てた、29・7 m²の2LDK仮設住宅になります。
:地区から離れても大丈夫なら、好きな場所に住んでもらって構いません。
:就職先は紹介できませんが、地区の有志としてダンジョンに潜れます。
:地区有志のダンジョン収入は、月額平均で1000万円です。
克徳のコメントは、将来に不安を感じていた元自衛官と家族を歓喜させた。
地区の有志だと各種手当も恩給もない自営業だが、年収1億2000万円だ。
モンスター禍で物価が3倍以上に成り、公務員の給与も3倍前後上がっている。
もちろん自衛官の給与も上がっているが、それでも20代前半の自衛官年収は1100万円弱で、40代前半の自衛官年収が1800万円弱しかない。
7倍近い年収増加を聞いて、克徳の住む市に元自衛官の移住が殺到した。
しかも克徳と地区団体の指導で、元自衛官に対する差別や嫌がらせはなかった。
子供であろうと、家族が差別や嫌がらせをしたら、ダンジョンに弾かれると聞けば、子供にも徹底して言い聞かせるのは当然だった。
普通なら、思春期で尖っている若者は何をするか分からない。
だが、地区の青年団で指導すれば、親が言うのとは違った効果がある。
まして、目の前で何度も克徳の超人的な力を見せつけられているのだ。
恐ろしくて反抗などでできるはずがない。
もっと小さな小学生に至っては、克徳はヒーローなので好く言う事を聞く。
「1日5度、家に祀った神棚と仏壇に心から祈りなさい。
真摯に心から神仏に祈ったら神通力を授かります。
小さい子供の頃から祈れば、俺のような神通力を授かります」
克徳は新しく移住してきた者たち、元自衛官とその家族たちに教える。
子供会、青年団、壮年会、婦人会に入った元自衛官とその家族に教える。
元自衛官とその家族を含む地区の有志がダンジョンで狩りをする。
「今日はビッグチキンを狩る、神通力には限りがある、できるだけ武器で狩れ」
「「「「「はい!」」」」」
ダンジョン獣は神仏の神通力で急速成長させている。
餌を与えずに大きく美味しく成長させるには、神通力が必要なのだ。
だが、神仏も無尽蔵に神通力がある訳ではない。
ゲートを閉じるのには、神使に集めさせ異世界の魔力を使っている。
ダンジョンを創るのにも神使に集めさせ異世界の魔力を使っている。
だがダンジョンに異世界の神やモンスターが簡単に入って来られないように、大量の神通力を使っているのだ。
神仏が信徒たちの使う神通力を制限するのも当然だった。
これまで授けていた神通力を減らしたり取り上げたりするのも仕方がなかった。
克徳をはじめとした、異世界でモンスターを狩って動物神使たちに魔力を与えられる信徒がいるダンジョンだけが、これまで通り食用ダンジョン獣が創られた。
食用ダンジョン獣と国産農作物でギリギリ食糧が確保できるはずだった。
だが、卑怯下劣な人間はどこにでもいるので、買い占めする糞野郎がいる。
神仏を蔑ろにする人間の中には、モンスターを食料として流通させる糞がいる。
金儲けの為なら平気で悪事をする者は、そもそも神仏の教えを守らない。
当然神通力を授かっていないので、モンスターを食料にしても得しかない。
日本でもモンスターを食べて魔力を得る者が増えそうだった。
これまでは陰に隠れるように暮らしていた魔力持ちが、力を持ちそうだった。
神仏は、力を持った一神教信者や狂信者がテロを起こす事を警戒していた。
無宗教者が私利私欲で悪事を働くのを警戒していた。
そのためにも、神通力を蓄えておかなければならなかった。
神使たちを強化成長進化させなければいけなかった。
食糧高騰に対処するために、予定外のダンジョン獣を創るしかなかった。
「凄い、こんなたくさんのビッグチキンがいるなんて!」
婦人会に入った元自衛官の奥さんが絶句する。
その奥さんだけでなく、ほとんどの自衛官とその家族が驚いている。
だがそれも当然だった、目の前に5000羽以上のビッグチキンがいるのだ。
それも1日に1度ではなく、3度も4度も創り出されるのだ。
この5年間ダンジョンの恩恵にあずかっていた、地区の有志も最初の数日はダンジョン獣の増加に驚いていたのだから当然だ。
「俺はゲートを越えてモンスターや魔族を斃してくる」
「私も連れて行ってください!」
巫女候補の高井彩葉が言う。
「「「「「自分たちも連れて行ってください」」」」」
元自衛官たちも一斉に志願する。
「分かった、だが絶対に無理はするな」
「「「「「はい!」」」」」
高井彩葉と元自衛官が克徳に従ってダンジョンを進む。
元自衛官はダンジョンに入った者があまりいないので、もの凄く驚く。
防御通路にも驚いたが、守護神使が守る階層では腰を抜かしかけていた。
「ここから異世界に入るが、今の貴君たちではゴブリンくらいしか斃せない。
何度も言うが、神仏にモンスターを供えて神通力を得なければ斃せない。
だから、俺が無力化したモンスターを祈りながら止めを刺せ。
高井彩葉を手本にして、その通りにやれ」
「「「「「はい!」」」」」
「行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
克徳の掛け声と共に自衛官たちが異世界に突入する。
克徳と彩葉の直ぐ後に続くのは、紀伊山地ゲートで救われた自衛官たちだ。
紀伊山地ゲートから太平寺ダンジョンまで行く間に少しは神通力を得ていた。
太平寺ダンジョンに隠れている間にも、それなりの神通力を得ていた。
退官して直ぐに太平寺に移住してきたので、今日までに神通力を得ていた。
克徳がゲートを通って直ぐに、見張りのモンスターたちを無力化する。
両手両足を粉砕して無力化するが、殺さずに元自衛官たちに止めを刺させる。
あっという間に、人間が入って来るのを見張っていた1000匹を無力化した。
「俺は離れた場所にいるモンスターを無力化してくる。
貴君たちは、転がっているモンスターに止めを刺せ。
何かあれば神使たちの指示に従ってダンジョンに戻れ」
「「「「「はい!」」」」」
克徳はユニコーンの神使を駆ってダンジョンから離れた場所に有る集落を襲った。
子供を産む道具にされている、地球人の女性を助ける為に鬼神と成った。
200匹規模のゴブリン集落はもちろん300匹規模のオーク集落も全滅させた。
「この人たちをダンジョンに連れて行ってあげてくれ。
隠れ階層になっている、被害女性たちが住む街に連れて行ってあげてくれ」
『『『『『任せろ、必ず無事に連れて帰ってやる』』』』』
克徳に付き従っていた神使たちの中で、人間を背に乗せられる大きさで、少々のモンスターなら簡単に蹴り殺したり噛み殺したりできる神使たちが答える。
彼らは捕らわれている女性を助けて運ぶのに慣れていた。
地球人の女性が捕らわれているのを知って以来、克徳は毎日助けて周った。
ただ、助けたのはいいが、モンスターに子供を産む道具にされた女性たちだ。
心を病んだ人たちが大半だったし、家に帰りたいとも言わなかった。
克徳も58年も生きている、人間の薄汚さは嫌というほど知っている。
家に戻っても近隣の人たちに嫌な噂を立てられ辛い人生になるだけだ。
だから、神仏に願って被害女性たちが安心して暮らせる階層を創ってもらった。
朋佳:本当に克徳さんの住んでおられる所に行っても好いのでしょうか?
愛生:克徳さんの所は何人移住できるのでしょうか?
沙恵:夫が退官してしまって仕事がないのですが、就職先はありますか?
桃子:先着何名ですか?
克徳の動画投稿直後から、元自衛官家族からのコメントが殺到した。
日々恐怖していた状況が一気に好転した、感謝のコメントが1番多かった。
次に多かったのが、移住と就職先の問い合わせだった。
自衛隊を退官したのは良かったが、次の仕事が決まっていない者が多かった。
自衛隊に対する心証が悪すぎて、想像していた以上に次の就職先がなかった。
何より、また同じような騒動が起きた時でも、安全に暮らせる場所に移住したいという元自衛官家族が多かった。
克徳:移住に制限はありません、全員受け入れさせていただきます。
:ただ、住む場所、住宅は選べず、条件が悪いです。
:大阪府が廃校にした小学校と高等学校を改装した63 m²教室型住宅が3校。
:廃校の校庭や山間部に建てた、29・7 m²の2LDK仮設住宅になります。
:地区から離れても大丈夫なら、好きな場所に住んでもらって構いません。
:就職先は紹介できませんが、地区の有志としてダンジョンに潜れます。
:地区有志のダンジョン収入は、月額平均で1000万円です。
克徳のコメントは、将来に不安を感じていた元自衛官と家族を歓喜させた。
地区の有志だと各種手当も恩給もない自営業だが、年収1億2000万円だ。
モンスター禍で物価が3倍以上に成り、公務員の給与も3倍前後上がっている。
もちろん自衛官の給与も上がっているが、それでも20代前半の自衛官年収は1100万円弱で、40代前半の自衛官年収が1800万円弱しかない。
7倍近い年収増加を聞いて、克徳の住む市に元自衛官の移住が殺到した。
しかも克徳と地区団体の指導で、元自衛官に対する差別や嫌がらせはなかった。
子供であろうと、家族が差別や嫌がらせをしたら、ダンジョンに弾かれると聞けば、子供にも徹底して言い聞かせるのは当然だった。
普通なら、思春期で尖っている若者は何をするか分からない。
だが、地区の青年団で指導すれば、親が言うのとは違った効果がある。
まして、目の前で何度も克徳の超人的な力を見せつけられているのだ。
恐ろしくて反抗などでできるはずがない。
もっと小さな小学生に至っては、克徳はヒーローなので好く言う事を聞く。
「1日5度、家に祀った神棚と仏壇に心から祈りなさい。
真摯に心から神仏に祈ったら神通力を授かります。
小さい子供の頃から祈れば、俺のような神通力を授かります」
克徳は新しく移住してきた者たち、元自衛官とその家族たちに教える。
子供会、青年団、壮年会、婦人会に入った元自衛官とその家族に教える。
元自衛官とその家族を含む地区の有志がダンジョンで狩りをする。
「今日はビッグチキンを狩る、神通力には限りがある、できるだけ武器で狩れ」
「「「「「はい!」」」」」
ダンジョン獣は神仏の神通力で急速成長させている。
餌を与えずに大きく美味しく成長させるには、神通力が必要なのだ。
だが、神仏も無尽蔵に神通力がある訳ではない。
ゲートを閉じるのには、神使に集めさせ異世界の魔力を使っている。
ダンジョンを創るのにも神使に集めさせ異世界の魔力を使っている。
だがダンジョンに異世界の神やモンスターが簡単に入って来られないように、大量の神通力を使っているのだ。
神仏が信徒たちの使う神通力を制限するのも当然だった。
これまで授けていた神通力を減らしたり取り上げたりするのも仕方がなかった。
克徳をはじめとした、異世界でモンスターを狩って動物神使たちに魔力を与えられる信徒がいるダンジョンだけが、これまで通り食用ダンジョン獣が創られた。
食用ダンジョン獣と国産農作物でギリギリ食糧が確保できるはずだった。
だが、卑怯下劣な人間はどこにでもいるので、買い占めする糞野郎がいる。
神仏を蔑ろにする人間の中には、モンスターを食料として流通させる糞がいる。
金儲けの為なら平気で悪事をする者は、そもそも神仏の教えを守らない。
当然神通力を授かっていないので、モンスターを食料にしても得しかない。
日本でもモンスターを食べて魔力を得る者が増えそうだった。
これまでは陰に隠れるように暮らしていた魔力持ちが、力を持ちそうだった。
神仏は、力を持った一神教信者や狂信者がテロを起こす事を警戒していた。
無宗教者が私利私欲で悪事を働くのを警戒していた。
そのためにも、神通力を蓄えておかなければならなかった。
神使たちを強化成長進化させなければいけなかった。
食糧高騰に対処するために、予定外のダンジョン獣を創るしかなかった。
「凄い、こんなたくさんのビッグチキンがいるなんて!」
婦人会に入った元自衛官の奥さんが絶句する。
その奥さんだけでなく、ほとんどの自衛官とその家族が驚いている。
だがそれも当然だった、目の前に5000羽以上のビッグチキンがいるのだ。
それも1日に1度ではなく、3度も4度も創り出されるのだ。
この5年間ダンジョンの恩恵にあずかっていた、地区の有志も最初の数日はダンジョン獣の増加に驚いていたのだから当然だ。
「俺はゲートを越えてモンスターや魔族を斃してくる」
「私も連れて行ってください!」
巫女候補の高井彩葉が言う。
「「「「「自分たちも連れて行ってください」」」」」
元自衛官たちも一斉に志願する。
「分かった、だが絶対に無理はするな」
「「「「「はい!」」」」」
高井彩葉と元自衛官が克徳に従ってダンジョンを進む。
元自衛官はダンジョンに入った者があまりいないので、もの凄く驚く。
防御通路にも驚いたが、守護神使が守る階層では腰を抜かしかけていた。
「ここから異世界に入るが、今の貴君たちではゴブリンくらいしか斃せない。
何度も言うが、神仏にモンスターを供えて神通力を得なければ斃せない。
だから、俺が無力化したモンスターを祈りながら止めを刺せ。
高井彩葉を手本にして、その通りにやれ」
「「「「「はい!」」」」」
「行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
克徳の掛け声と共に自衛官たちが異世界に突入する。
克徳と彩葉の直ぐ後に続くのは、紀伊山地ゲートで救われた自衛官たちだ。
紀伊山地ゲートから太平寺ダンジョンまで行く間に少しは神通力を得ていた。
太平寺ダンジョンに隠れている間にも、それなりの神通力を得ていた。
退官して直ぐに太平寺に移住してきたので、今日までに神通力を得ていた。
克徳がゲートを通って直ぐに、見張りのモンスターたちを無力化する。
両手両足を粉砕して無力化するが、殺さずに元自衛官たちに止めを刺させる。
あっという間に、人間が入って来るのを見張っていた1000匹を無力化した。
「俺は離れた場所にいるモンスターを無力化してくる。
貴君たちは、転がっているモンスターに止めを刺せ。
何かあれば神使たちの指示に従ってダンジョンに戻れ」
「「「「「はい!」」」」」
克徳はユニコーンの神使を駆ってダンジョンから離れた場所に有る集落を襲った。
子供を産む道具にされている、地球人の女性を助ける為に鬼神と成った。
200匹規模のゴブリン集落はもちろん300匹規模のオーク集落も全滅させた。
「この人たちをダンジョンに連れて行ってあげてくれ。
隠れ階層になっている、被害女性たちが住む街に連れて行ってあげてくれ」
『『『『『任せろ、必ず無事に連れて帰ってやる』』』』』
克徳に付き従っていた神使たちの中で、人間を背に乗せられる大きさで、少々のモンスターなら簡単に蹴り殺したり噛み殺したりできる神使たちが答える。
彼らは捕らわれている女性を助けて運ぶのに慣れていた。
地球人の女性が捕らわれているのを知って以来、克徳は毎日助けて周った。
ただ、助けたのはいいが、モンスターに子供を産む道具にされた女性たちだ。
心を病んだ人たちが大半だったし、家に帰りたいとも言わなかった。
克徳も58年も生きている、人間の薄汚さは嫌というほど知っている。
家に戻っても近隣の人たちに嫌な噂を立てられ辛い人生になるだけだ。
だから、神仏に願って被害女性たちが安心して暮らせる階層を創ってもらった。
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