魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

職人

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1535年7月『大隅国・国分清水城』種子島左兵衛尉時堯・7歳

「どうだい頭、生産の方は順調かい?」

「こりゃあ若殿様! わざわざ来てくださったんですかい?」

「ああ、騎馬軍団の編成には必要不可欠のものだからな」

「任せてください! 俺たち河原者を武士待遇で直々に招いて下さって、こんな立派な家屋敷まで与えて下さったんですから、約束通りの品を納めなければ男が廃ります!」

「何言ってんだい! あたしら女衆だって働いてるんだよ!」

「若殿様の前で何言ってるんだ! お前は黙っていろ!」

「よいよい、女子衆もよく働いてくれている、特に良い品を作り出してくれた者には特別な褒賞を与えようではないか」

「そんな! もう十二分にしていただいております!」

「まあよい、そうだな、品評会を開いて入札競売をしようではないか。自分の作品が各国各地の商人に評価され、高値で買い取られたら励みになるだろう?」

「へい! そうして頂けたら夢のようでございます」

「ではまずは決められた品質以上の品を目標数納めてくれて、それ以外は競売にかけるからな」

「はい! ありがとうございます」

 今日は城内の職人郭を回っていた。日本中から革職人の河原者を集めたが、彼らは被差別民として迫害を受けていた、だが俺には関係のない事だ!

 だから革職人としての腕に応じて、騎馬武士・徒武士・足軽・平民の身分を与えて仕事をしてもらった。当然給与も貸与する家屋敷も差別などしていない、戦闘部隊や海軍衆などと同じにしている。

 彼らに作ってもらっているのは、鉄砲隊・弓隊・弩隊・投石隊・投槍隊が訓練を兼ねて狩っている獣皮を使ったブーツ・鞍・ランドセル・革鎧などだ。特に今までの日本の馬具は木製で使い勝手が悪い、だから大量の革製馬具が必要になった。それに長距離行軍を考えれば、歩兵にはランドセルが必要不可欠だ。だが自前で狩れる獣の数には限りがある、だがら各国各地からも毛皮の輸入も行っている。

 だが同時に綿花や綿布、麻布や絹織物の自給自足も進めている。本来なら大量の肥料が必要な綿花栽培は、食料生産に悪影響を与える可能性があるのだが、俺が狩った鯨から出る大量の肥料がそれを可能していた。

 丈夫さだけを考えれば革製のランドセルが1番なのだが、歩兵にかかる重量負担を考えれば丈夫な綿布でランドセルを作れればそれが1番だ。何よりも海軍艦船を大量建造するのなら、帆に使う綿布は必要不可欠なのだ。

 俺はこの世界この時代にしては高給で各国各地から職人を招いた。そのお陰で領内は活性化され、職人たちに支払う以上の価値がある商品が続々と生産される事になった。これがさらに商人をたくさん集める事になった。

 原材料となる物や金銀財宝を持って商人が船団を組んで訪れ、種子島領内で生産された高付加価値の高級商品を仕入れて母国に帰っていく。種子島家の繁栄は比類なき状態となっていた。
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