魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

五島列島占領と奴隷制度

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1537年2月『肥前国・江川城』種子島左近衛将監時堯・9歳

 平戸島を支配下に置いた後で、壱岐の島と五島列島をのどちらを先に占領するかで少し悩んだのだが、肥前を完全に占領したと言う為には、五島列島を後回しには出来ない。何よりも五島列島の奈留島には、造船機能も備え平安期以来日本の対中国貿易を担ってきた奈留湊があるのだ。

 奈留湊は日本の国際貿易における商品の集積・積込湊となっており、奈留島の領主奈留家は李氏朝鮮から図書(毎年一、二船を公式に派遣できる)を獲得していた。また奈留にある奈留大明神では、航海安全の祈祷や能の奉納が行われ、海賊衆にも深く信仰されており、俺の種子島教支配下に置かなくてはならない。

 そして1番大切な事は、日本人の奴隷を海外に流出させない事だ。南蛮からの武器や物資を購入するために、九州の大名・国衆の多くは日本人奴隷を代価としていた。確かに俺も奴隷を購入しているが、それはあくまで将来平民に解放することを大前提にしている。日本や海外から不幸な奴隷を購入し、彼らを解放するための方便として、一時的に奴隷を購入し活用しているのだ。

 いかに種子島家に出入りしている商人を統制しようとしても、領外・特に海上に出てしまわれてはどうにも手が打てない。密かに日本人奴隷が東南アジアやヨーロッパに運ばれてしまうかもしれない。それを防ぐ為に、全ての湊は種子島家が完全に支配する。国際貿易湊である奈留湊は絶対に支配下に置かなくてはならないのだ。

 平戸島を占領した全軍を五島列島に向かわせたが、五島列島は男女群島まで含めると北東側から南西側まで150kmもあり、大小あわせて140あまりの島々が連なる列島だ。田畑も1万5000石の収穫量があり、宇久盛定が反抗的な列島内の豪族を討伐しつつ支配していた。

 宇久盛定は俺が僅か1万5000石の島より筑前を優先すると思ったのだろう。平戸島の松浦興信と同じように、五島列島の江川城に籠城していたが、俺が空を駆け城門と土塁を破壊して回った事で運命を悟ったのだろう。艦隊が5万の軍勢を上陸させた時には、支配下の国衆・地侍と共に降伏臣従してきた。

 五島列島の島々に上陸した種子島軍は、5万の兵力を利用して島内の開墾開発を行う事にした。もちろん兵士たちが島民の女性を害さないように、商売と割り切っている陣女郎も一緒に五島列島に連れて来ていた。

 五島列島の砂浜には塩田を創り出すのはもちろん、船着き場兼用防波堤・河川堤防・用水路・農業用溜池を創り上げた。

 更にマッコウクジラの龍涎香が打ち上げられた場合に見分けがつくように教育し、代官が買い取って回収する仕組みも創り上げた。当然領内の漁民には新しい漁網を貸し与え、海賊衆にはクジラ漁の指導を行った。そして鉄砲の部品となる金具部分など、種子島家の生産品を家内手工業として生産する仕組みを創り上げ、そのために必要な動力として、風車・水車・踏車・牛馬を使った激龍水を普及させた。

 1カ月間五島列島に軍はとどまったが、俺は毎日空を駆けて種子島領内を駆け巡っていたので、俺の留守に領内に攻め込んだり反乱を企てるような者は出て来なかった。そして5万の軍勢はそのまま壱岐国の攻め込んだのだ。
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