魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

種子島家の影響・臼杵商人

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1538年3月『大隅国・国分清水城』種子島右近衛権少将時堯・10歳

「左近衛権少将様、どうか我ら一同の移住をお認めください」

「たとえ損をしようとも、大友家と一切の関係を断つと約束できるか!」

 豊後国臼杵湊の商人一同が、平蜘蛛のように這いつくばっている。彼らの代表が唯一言葉を発しているが、俺は御簾の奥で聞いているだけで、実際のやりとりは福丸朱雀が取り仕切ってくれている。もちろん事前に俺の意を受けた御用商人や役人たちが、何度も何度も臼杵湊の商人と遣り取りをして、想定問答集が出来上がっている。だからこれは茶番なのだが、謁見を望む者全てと会っていたら俺の時間が幾ら有っても足らなくなる。

「出来ます! 必ずやらせていただきます! ですからどうか移住させてください、そして右近衛権少将様の創り出される商品を扱わせてください!」

「ならばまず臼杵に住む家族はもちろん店の者全てを連れて参れ、だが忘れるでないぞ、一文の銭や米一粒であろうと大友縁の者と取引すれば、地の果てまで追いかけて嬲り殺しに致すからな!」

「「「「「はっは~」」」」」

 俺は農業革命を成し遂げ、重商主義をもって北は樺太・蝦夷から朝鮮・明国・東南アジアまでの直接貿易・中継貿易を行い。さらには南蛮商人を経由して、ヨーロッパ・アフリカ・アメリカ大陸とすら貿易を行っている。

 俺が係わらなかったら、この国は明国との正式な貿易を失い銭不足で貫高制から石高制になっていただろう。だが今は、俺が開発生産している高級製品の輸出と、原材料・普及品・金銀銅に銭の大量輸入で、商品によって物価高になる物と価格下落する物がある状態に陥っていた。

 一例で言えば、俺のなりふり構わない食料輸入で穀物は高騰していた。それは食料を生産する百姓と、年貢によってそれを徴発する大名・国衆に大量の銭を得る機会を与えた。だが同時に食料を生産しない者は、高騰した食料を購入しなければいけない状態に追い込まれた。

 一方で、俺が無制限に購入している軍船・武具弾薬・生活用具の職人は、莫大な収入を得る事になっていた。彼らは高騰した食料品を買うことが出来るだけでなく、俺が流通させる高級品を買う余裕すらあった。

 しかし俺が購入する事のない分野の職人は、隆盛を極めると言うほどには収入を得ていなかった。それでも景気がよくなっているので、商品を欲しがる人々が増えており何とか生きて行ける程度の収入増加にはなっていた。

 だが1番荒波にもまれているのは商人だった。俺の購入指示と、それを予測する大商人の先行投資で日々商品相場は乱高下し、西国・畿内・東国での銭価値の違いや商品相場の違いで大きな損益を繰り返し、更には大名・国衆の戦闘に巻き込まれてしまった。

「豊後・大友家領内・臼杵の商人」
仲屋乾円・乾通親子・臼杵第1の豪商
九和信義・臼杵第2の豪商
陳覚明・元明・臼杵唐人町の漆喰職人親子
計屋与三左衛門・銀の計量をする商人
計屋右馬助・金の計量をする商人
浜町彦四郎
竹内雅楽助
林清左衛門
金山左京助
矢野百衛門
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