魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

人質確保・人質解放

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1538年5月『豊後国・高崎山城』種子島少弐時堯・10歳

「静にして頂こうか!」

「なにやつだ!」

「種子島少弐時堯推参!」

「なに?!」

「人質になっていただく!」

 今回俺は今までに比べたら少し卑怯な手を使った。まあ大友家自体が、国衆の嫡男や正室を人質に取っていたのだがら、おれが府内城を奇襲して大友義鑑と幼い子供たちを拉致しても文句を言われる事はない!

 俺が九州を席巻するまでは、大友家は城では無く上原館と言う、東西130m南北156mの敷地に屋敷を構え、高さ約2メートル、幅約8メートルの土塁を四方に巡らせ、外側の一部に堀を設けているだけの所に住んでいた。また政務は一辺約200m四辺形の典型的守護館・大友館でとっていたのだ。だが俺に恐れをなしたのか、高崎山城に拠点を移した上に、城郭自体を大規模増改築していた。

 そこで俺は、事前に拉致する予定の大友親子を入れる大籠を作らせた。そして完成して直ぐに空を駆けて高崎山城を奇襲し、大友親子を国分清水城に連れ去ったのだ!



1538年5月『豊後国・安岐城』種子島少弐時堯・10歳

「田原殿、人質となっていた姫を助けて来た」

「なに?! どう言う心算です少弐殿」

「どう言う心算もない、人質を取られての忠誠もあるまい。本当に主従の絆があるのなら、人質がいなくても忠誠を誓って大友家の為に戦うであろう。大友家に豊後を託すだけの力がないのなら、己が力で民を護るがいい」

「娘たちを連れ去って新たに人質にするわけではなのですな?」

「もう聞いているだろう? 大友修理大夫殿と息子たちを人質にした、もうそれ以上の人質は不要だ」

「人質を否定されたのではありませんか?」

「大友家が人質に取った人たちを助け出したら解放するよ」

「本当ですか?!」

「武士に二言はないよ」

 俺は毎日毎日高崎山城・府内の上原館・周辺の国衆の屋敷を奇襲して、人質となっていた国衆の正室や嫡男を救い出して返して周った。元々大友家も家督争いで混乱しており、何度も何度も粛清を繰り返してきた歴史があり、人質さえ取り返したら大友家から離反する国衆・地侍は多かった。

 もちろん既に臼杵・府内・佐賀関・岐部の商人や職人は全て種子島領に移住していたし、若林家をはじめとする水軍・海賊衆は全ての船を持って種子島家に降伏臣従するか商人になっていた。もっというと船で逃げられる漁師はもはや1人も大友領には残っていなかった。

 何より大友修理大夫が、何の抵抗も出来ずに俺に攫われると言う武士にあるまじき醜態を見せたのだ、求心力を失い国衆・地侍から見放されてしまった。

 結局最近の儀式となった、俺との一騎打ちの後で降伏臣従すると言う形を取って、豊後国の全ての国衆・地侍が種子島家の支配下に入った。
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