魔法武士・種子島時堯

克全

文字の大きさ
208 / 300
本編

播磨国英賀御堂占領

しおりを挟む
1544年2月1日『播磨国・英賀御堂』種子島権大納言時堯・16歳

 俺は本願寺勢力を壊滅させるべく、本願寺証如と後見人・顕証寺蓮淳の逃げ込んだ英賀御堂を攻め落とすことにした。だがここで1つ問題があった、それはやたらと戦線を広げる事で、不要な死傷者を出す可能性があると言う事だった。じっくりと時間を掛けて守護・国衆・地侍に脅しをかければ、無駄な合戦を起こすことが防げるのだ。

 だから今は支配下に入った国の開墾開発に力を注ぎ、新たに召し抱えた家臣団に教育と訓練をほどこすことを優先したていた。決した民百姓に乱暴狼藉を働かない、本当の護国軍を創設するためには、ここで手を抜くわけにはいかない。まして10万人の狂信的一向衆を兵に加えたのだ、1度折った脚の骨をキスして治す奇跡を繰り返すことで、一向宗から種子島寺の信者に改宗させた。

 予定では日前神宮・國懸神宮をはじめとする神道に改宗させるはずだったのだが、狂信者を改宗させるのは至難の業だった。だが空を翔ける奇跡を見せつけ、大岩を落とすと言う神罰仏罰に加え、直接一向衆の脚を神罰仏罰で骨折させ、その折れた骨を治すと言う奇跡を一向衆の身に刻み付けることで、ようやく心を入れ替えさせる事が出来た。

 つまり狂信する対象が一向宗の教えや本願寺証如から、俺個人に移らせる事でようやく改宗させる事ができた。そんな元一向衆に農業に従事させる事に成功したのが年があけた1月だった。年末年始は朝廷や大宰府の行事で忙しかったし、畿内各国領と九州・琉球諸島・台湾・対馬・朝鮮倭館・蝦夷国と視察に飛び廻る必要もあり、とても播磨国まで手が回らなかったのだ。

 そこで第1から第5までの南蛮船で編成された艦隊に、2万の陸軍兵を乗せて英賀御堂を揚陸奇襲する事にした。元々艦隊に乗り組んでいる海軍兵は5万兵いるが、航海術や操船術といった特殊能力を持った水兵海兵を損耗させる訳にはいかない、だから陸軍兵を乗せて攻撃する事にしたのだ。

 総兵力7万の艦隊を英賀沖に集結させ、まずは俺が英賀御堂を急襲した。英賀御堂にいた一向衆の脚を全て叩き折り、全く抵抗を受ける事無く敵前上陸を成功させるつもりだった。そしてその計画はまんまと図に当たり、英賀御堂にいる全信者と同じく信者である英賀城主・三木通明とその全家臣団の脚を折ることに成功した。

「全ての敵の脚は折って来た、乱暴狼藉をする事無く、本願寺証如に騙されている民百姓を助け出せ!」

「「「「「おう~」」」」」

 俺の命令一下、上陸用ボートに乗った種子島家陸軍兵が続々と揚陸を開始した。彼らは殆ど何の抵抗も受けずに英賀御堂と英賀城を占領したが、残念ながら本願寺証如と幹部たちは何所かに逃げ去った後だった。

 後で捕虜にした一向衆から聞きだした話によると、俺が石山本願寺を攻め落とした直後に、英賀では何時俺が襲ってくるか分からないので、急ぎ種子島家領から離れた場所に本拠を移したそうだ。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな
恋愛
市川みのり 31歳。 成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。 彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。 貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。 ※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

処理中です...