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第一章
第1話:婚約披露宴・ルイジア公爵ローザ卿視点
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軽快な音楽にのせて、多くの貴族士族がダンスをしています。
愚かで尻軽な王太子の婚約披露宴のダンスらしい、軽薄なモノです。
地位に伴う責任のある貴族士族なら、ダンスする時間があれば武芸の鍛錬をしろと思いますが、この連中に何を言っても無駄ですね。
こんな軽薄で無駄な場所からは直ぐに出て行きたいのですが、ルイジア公爵家を継いだ以上、これも我慢しなければいけない貴族の仕事です。
「おい、ローザ、この身の程知らず、よく恥ずかしげもなくこの場に来られたな。
そのような恥知らずだから、貴族令嬢にもかかわらず、むつけき男共と一緒に戦場に出るような、破廉恥な真似ができるのだ!
私には耐えられん、お前のような兵士と閨をともにする……」
グッチャ
これ以上、下品で恥知らずな言葉を耳にするのは、貴族令嬢としても、公爵家の当主として、我慢なりませんから、白手袋をした右手で殴りつけてやりました。
私は兎も角、国のため民のため、一緒に命懸けで戦ってくれた将兵の規律を疑わせるような言動は許せませんから、手加減して殴ってやりました。
このような限られ場所で殺してしまっては、他者への見せしめになりません。
決闘の場で、大観衆の前で、徹底的にぶちのめしてから殺してあげます。
顔を見たこともありませんが、服装から推測するに、恐らく王太子でしょう。
王太子が何を勘違いして私を婚約者だと言ったかは分かりませんが、乱心していようと寝ぼけていようと、我が将兵を侮辱する事は断じて許しません。
下顎骨が粉砕骨折させたので、顔の下半分が血種で真っ赤にパンパンに張れていて、まるで熟した柿のようになっています。
王太子と知ってこんな事をしたとなれば、流石に処罰されますね。
「どこの誰だかは知りませんが、覚えもない婚約を言い立てて、私の事を悪しざまに言った事は許せません。
ですがそれ以上に許せないのは、王家王国のために、命を賭けて戦場で戦った将兵を侮辱した事です。
我がルイジア公爵家の将兵は誇り高く、戦場での略奪や暴行を行ったことがない!
それを私と戦場で不貞を働いているような言いざま、断じて許せん!
その言葉は、我が家に戦うように命じられた王家王国に対する侮辱であり、誇り高き全ての王侯貴族に対する侮辱である。
名も知らぬ恥知らずな腰抜け、お前に決闘を申し込む」
だらしなく床に伸びている王太子は返事ができない。
顔の似た二人の令嬢が、倒れた王太子の左右で茫然自失顔面蒼白になっているが、そんな事は私の知った事ではない。
凍り付いたようになっている婚約披露宴会場だが、このままにもしておれない。
なにより事をうやむやにされては、決闘を申し込んだ意味がない。
「会場におられる王侯貴族の皆様。
私に言ったことに間違いはあるかな?
あると言われるのなら、いつでも決闘に応じよう。
異議がないのなら、今この場で起きたことを証言していただきたい。
そして決闘の立会人になっていただきたい。
それとも、嘘偽りを言って、私に決闘を申し込まれたいかな?」
これだけ脅しておけば、あからさまな嘘を言って王太子の味方はできないだろう。
中には私の味方をしてくれる誇り高い王侯貴族がいるかもしれない。
……いてくれればいいのだが、腐りきったこの国では無理かもしれない……
愚かで尻軽な王太子の婚約披露宴のダンスらしい、軽薄なモノです。
地位に伴う責任のある貴族士族なら、ダンスする時間があれば武芸の鍛錬をしろと思いますが、この連中に何を言っても無駄ですね。
こんな軽薄で無駄な場所からは直ぐに出て行きたいのですが、ルイジア公爵家を継いだ以上、これも我慢しなければいけない貴族の仕事です。
「おい、ローザ、この身の程知らず、よく恥ずかしげもなくこの場に来られたな。
そのような恥知らずだから、貴族令嬢にもかかわらず、むつけき男共と一緒に戦場に出るような、破廉恥な真似ができるのだ!
私には耐えられん、お前のような兵士と閨をともにする……」
グッチャ
これ以上、下品で恥知らずな言葉を耳にするのは、貴族令嬢としても、公爵家の当主として、我慢なりませんから、白手袋をした右手で殴りつけてやりました。
私は兎も角、国のため民のため、一緒に命懸けで戦ってくれた将兵の規律を疑わせるような言動は許せませんから、手加減して殴ってやりました。
このような限られ場所で殺してしまっては、他者への見せしめになりません。
決闘の場で、大観衆の前で、徹底的にぶちのめしてから殺してあげます。
顔を見たこともありませんが、服装から推測するに、恐らく王太子でしょう。
王太子が何を勘違いして私を婚約者だと言ったかは分かりませんが、乱心していようと寝ぼけていようと、我が将兵を侮辱する事は断じて許しません。
下顎骨が粉砕骨折させたので、顔の下半分が血種で真っ赤にパンパンに張れていて、まるで熟した柿のようになっています。
王太子と知ってこんな事をしたとなれば、流石に処罰されますね。
「どこの誰だかは知りませんが、覚えもない婚約を言い立てて、私の事を悪しざまに言った事は許せません。
ですがそれ以上に許せないのは、王家王国のために、命を賭けて戦場で戦った将兵を侮辱した事です。
我がルイジア公爵家の将兵は誇り高く、戦場での略奪や暴行を行ったことがない!
それを私と戦場で不貞を働いているような言いざま、断じて許せん!
その言葉は、我が家に戦うように命じられた王家王国に対する侮辱であり、誇り高き全ての王侯貴族に対する侮辱である。
名も知らぬ恥知らずな腰抜け、お前に決闘を申し込む」
だらしなく床に伸びている王太子は返事ができない。
顔の似た二人の令嬢が、倒れた王太子の左右で茫然自失顔面蒼白になっているが、そんな事は私の知った事ではない。
凍り付いたようになっている婚約披露宴会場だが、このままにもしておれない。
なにより事をうやむやにされては、決闘を申し込んだ意味がない。
「会場におられる王侯貴族の皆様。
私に言ったことに間違いはあるかな?
あると言われるのなら、いつでも決闘に応じよう。
異議がないのなら、今この場で起きたことを証言していただきたい。
そして決闘の立会人になっていただきたい。
それとも、嘘偽りを言って、私に決闘を申し込まれたいかな?」
これだけ脅しておけば、あからさまな嘘を言って王太子の味方はできないだろう。
中には私の味方をしてくれる誇り高い王侯貴族がいるかもしれない。
……いてくれればいいのだが、腐りきったこの国では無理かもしれない……
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