5 / 6
第一章
第5話:宣伝戦・ルイジア公爵ローザ卿視点
しおりを挟む
私は護衛の側近と共に領地に戻りました。
腐りきって、鼻が曲がるほど悪臭を放つ王都になど長くいられません。
それに、分離独立を宣言した以上、領地を接する国や貴族の侵攻を覚悟しなければいけませんから、私が戻って公爵家の軍勢を指揮しなければいけません。
二人の妹は優秀ですが、血臭に満ちた戦場を任せるにはまだ若いです。
「姉上、しばらくは魔境の浅場で狩りをしていただきますぞ。
王家に喧嘩を売るのなら、前もって相談してもらわねば困ります。
兵糧の備蓄や武具防具の備蓄が心許ないではありませんか!」
長妹のエンナが五月蠅く騒いでいますが、問題はありません。
エンナが智謀泉の如しと褒め称えられるこの国一番の軍師です。
いえ、私の知る限りでは、大陸一の智謀の持ち主です。
ただ少々慎重居士な所があるので、攻めるよりも守りが得意です。
ですから、彼女が満足する兵糧や軍資金は、普通ではありえないほど膨大です。
今領都に備蓄されている、全領民五年分の兵糧でも多いくらいです。
「分かっているわよ、公国軍の半数を動員して獣を狩るから、保存食を作る準備をしていくれればいいわ」
まあ、十分以上の兵糧があっても、多過ぎるという事はありませんし、領民を安心せるという意味では、有り余る食糧を商店に並べるにはいいことです。
それに、領民全ての良識と善意を信じるほど愚かでもありません。
「商人や金持ちに買い占めや売り惜しみを禁止させなさい。
もし違反する者があれば、家財を没収して奴隷に落としなさい」
「もう私の名前でやっております姉上。
ですが改めて領主である姉上がお触れをだすのはいい事です、直に手配します」
流石エンナです、既に城代として命令してくれていましたね。
まあ、こんな時のために、エンナに全権を与えているのです。
「それで姉上、宣伝戦の結果なのですが」
私が王都で見聞きした話をエンナにしたのですが、それは使い方によっては大きな戦力になるというので、自由にやらせる事にしました。
王妃の不義密通と、腐れ王太子が私生児であるという事実は、皇国の動きを抑えるのに利用できると言うのです。
「皇国はその事を認めないという公式見解を発表したようですが、かなり内部でもめたようで、皇帝と皇太子が激しく言い争ったようです。
上手くいけば、皇帝と皇太子の内乱が起こるかもしれません」
この話には正直驚きました。
皇国は腐りきっているかと思いましたが、皇太子は誇りを持っているようです。
まあ、本当に誇りを持った行動とは限りませんがね。
家臣の権力争いに担ぎ上げられていて、ボザン王国の事などどうでもいいと思っている可能性も高いです。
ですが、これは私達にとってもボザン王家の者にとっても好機です。
皇帝と皇太子が反目しているなら、皇国軍を遠征に出せない可能性があります。
大軍を派遣して、皇太子に叛乱を起こされては困りますからね。
たかだか姪のために、皇位を失う可能性がある事はしないはずです。
送られてくるとしても、皇国軍の一部でしょう。
でも、その一部でさえ、公爵家には大軍なのですが……
腐りきって、鼻が曲がるほど悪臭を放つ王都になど長くいられません。
それに、分離独立を宣言した以上、領地を接する国や貴族の侵攻を覚悟しなければいけませんから、私が戻って公爵家の軍勢を指揮しなければいけません。
二人の妹は優秀ですが、血臭に満ちた戦場を任せるにはまだ若いです。
「姉上、しばらくは魔境の浅場で狩りをしていただきますぞ。
王家に喧嘩を売るのなら、前もって相談してもらわねば困ります。
兵糧の備蓄や武具防具の備蓄が心許ないではありませんか!」
長妹のエンナが五月蠅く騒いでいますが、問題はありません。
エンナが智謀泉の如しと褒め称えられるこの国一番の軍師です。
いえ、私の知る限りでは、大陸一の智謀の持ち主です。
ただ少々慎重居士な所があるので、攻めるよりも守りが得意です。
ですから、彼女が満足する兵糧や軍資金は、普通ではありえないほど膨大です。
今領都に備蓄されている、全領民五年分の兵糧でも多いくらいです。
「分かっているわよ、公国軍の半数を動員して獣を狩るから、保存食を作る準備をしていくれればいいわ」
まあ、十分以上の兵糧があっても、多過ぎるという事はありませんし、領民を安心せるという意味では、有り余る食糧を商店に並べるにはいいことです。
それに、領民全ての良識と善意を信じるほど愚かでもありません。
「商人や金持ちに買い占めや売り惜しみを禁止させなさい。
もし違反する者があれば、家財を没収して奴隷に落としなさい」
「もう私の名前でやっております姉上。
ですが改めて領主である姉上がお触れをだすのはいい事です、直に手配します」
流石エンナです、既に城代として命令してくれていましたね。
まあ、こんな時のために、エンナに全権を与えているのです。
「それで姉上、宣伝戦の結果なのですが」
私が王都で見聞きした話をエンナにしたのですが、それは使い方によっては大きな戦力になるというので、自由にやらせる事にしました。
王妃の不義密通と、腐れ王太子が私生児であるという事実は、皇国の動きを抑えるのに利用できると言うのです。
「皇国はその事を認めないという公式見解を発表したようですが、かなり内部でもめたようで、皇帝と皇太子が激しく言い争ったようです。
上手くいけば、皇帝と皇太子の内乱が起こるかもしれません」
この話には正直驚きました。
皇国は腐りきっているかと思いましたが、皇太子は誇りを持っているようです。
まあ、本当に誇りを持った行動とは限りませんがね。
家臣の権力争いに担ぎ上げられていて、ボザン王国の事などどうでもいいと思っている可能性も高いです。
ですが、これは私達にとってもボザン王家の者にとっても好機です。
皇帝と皇太子が反目しているなら、皇国軍を遠征に出せない可能性があります。
大軍を派遣して、皇太子に叛乱を起こされては困りますからね。
たかだか姪のために、皇位を失う可能性がある事はしないはずです。
送られてくるとしても、皇国軍の一部でしょう。
でも、その一部でさえ、公爵家には大軍なのですが……
76
あなたにおすすめの小説
【完結】王都に咲く黒薔薇、断罪は静かに舞う
なみゆき
ファンタジー
名門薬草家の伯爵令嬢エリスは、姉の陰謀により冤罪で断罪され、地獄の収容所へ送られる。 火灼の刑に耐えながらも薬草の知識で生き延び、誇りを失わず再誕を果たす。
3年後、整形と記録抹消を経て“外交商人ロゼ”として王都に舞い戻り、裏では「黒薔薇商会」を設立。
かつて自分を陥れた者たち
――元婚約者、姉、王族、貴族――に、静かに、美しく、冷酷な裁きを下していく。
これは、冤罪や迫害により追い詰められた弱者を守り、誇り高く王都を裂く断罪の物語。
【本編は完結していますが、番外編を投稿していきます(>ω<)】
*お読みくださりありがとうございます。
ブクマや評価くださった方、大変励みになります。ありがとうございますm(_ _)m
嘘吐きは悪役聖女のはじまり ~婚約破棄された私はざまぁで人生逆転します~
上下左右
恋愛
「クラリスよ。貴様のような嘘吐き聖女と結婚することはできない。婚約は破棄させてもらうぞ!」
男爵令嬢マリアの嘘により、第二王子ハラルドとの婚約を破棄された私!
正直者の聖女として生きてきたのに、こんな目に遭うなんて……嘘の恐ろしさを私は知るのでした。
絶望して涙を流す私の前に姿を現したのは第一王子ケインでした。彼は嘘吐き王子として悪名高い男でしたが、なぜだか私のことを溺愛していました。
そんな彼が私の婚約破棄を許せるはずもなく、ハラルドへの復讐を提案します。
「僕はいつだって君の味方だ。さぁ、嘘の力で復讐しよう!」
正直者は救われない。現実を知った聖女の進むべき道とは……
本作は前編・後編の二部構成の小説になります。サクッと読み終わりたい方は是非読んでみてください!!
自称聖女の従妹に陥れられ婚約破棄追放されましたが、私が真の聖女だったようです。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。
『邪悪な人間は守護神が滅ぼすそうですよ』
エドムンド公爵家の令嬢ルイーセは、王家の舞踏会で急に従妹のアストリッドに冤罪をかけられた。分家に生まれたアストリッドは本家のルイーセが妬ましく、いつか陥れたやろうと狙っていたのだ。いや、アストリッドだけでなく父親のダニエルも兄のフレゼリクを陥れてエドムンド公爵の爵位を奪おうと狙っていたのだ。アストリッドが聖女を自称し、ダニエルが伯爵家の権力と金を使ってアストリッドの神託を実現されるとい行為で徐々に周りを信用させていた。そして堕落した教会を味方につけてルイーセに悪魔と情を通じたというとんでもない冤罪を被せたのだった。
転生聖女は、つがいではないと王太子に婚約破棄追放されました。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
コロンビア公爵家令嬢フラウは王太子のつがいだと分かり婚約者に選ばれていた。だが王妃の座を狙うチャンシ侯爵家の双子の悪女、ミネバとクシリアによって毒殺されてしまった。普通ならそのまま死ぬのだが、魂のなくなった身体に別の人間が入り込み蘇った。魂が代わったためか、一度毒殺されて体質が変わったのか、フラウは王太子のつがいではなくなっていた。そこに付け込んだ双子の悪女は、王太子を籠絡してフラウとの婚約破棄させ、追放刑にさせようとしていた。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
幼い頃に魔境に捨てたくせに、今更戻れと言われて戻るはずがないでしょ!
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
ニルラル公爵の令嬢カチュアは、僅か3才の時に大魔境に捨てられた。ニルラル公爵を誑かした悪女、ビエンナの仕業だった。普通なら獣に喰われて死にはずなのだが、カチュアは大陸一の強国ミルバル皇国の次期聖女で、聖獣に護られ生きていた。一方の皇国では、次期聖女を見つけることができず、当代の聖女も役目の負担で病み衰え、次期聖女発見に皇国の存亡がかかっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる