大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

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プロローグ

王女の謀略

「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰」
「それはルイトポルトです」
「なんですって!?」
「どうして私ではないの? 昨日までは私だったのではなくて? それにルイトポルトて。男じゃないの? 私よりも男の方が美しいってどういう事よ!」
「どうもこうもありません。世界で1番美しいのはルイトポルトです」
「ルイトポルトとはどこの誰なの」
「ベルト王国の第三王子です」
「あんな小さな国の、しかも男が世界で1番美しいだなんて許せないわ。どうしてくれよう。そうだわ、殺してしまえばいいのよ。殺してしまえば私がまた世界で1番美しくなれるわ。アンネロッタ! 何をしているのアンネロッタ! 直ぐに来なさい」
 この世界でも有数の大国、エステ王国の第一王女:エミネ・メヴィデド・カディン・エフェンディは美しいことを鼻にかけた嫌な女だった。
 大国の第1王女に生まれたので、何でも言う事を聞いてもらえ、わがまま放題に育ち、他人への思いやりも優しさも持っていなかった。
 これまでにも、エミネ王女よりも美しいと言われた人はいたが、全員エミネ王女に殺されるか顔を潰されてしまった。
 今度もまたは、エミネ王女は自分よりも美しいと言われたルイトポルト王子を殺そうとしているのだ。
「何か御用でございますか」
「鏡が私より美しいと言う男を見つけたわ、直ぐに殺してしまいなさい」
「分かりました。いったいどこの誰ですか」
「ベルト王国の第三王子:ルイトポルトよ」
「それは少々厄介ですね」
「何が厄介なの、あなたに殺せない人間などいないでしょ」
「王女様はご存じないかもしれませんが、ベルト王国は小国とは言え魔法使いの多い国なのですよ。普通は遺伝しないはずの魔法の才能が、この国の王族に限りある程度の確率で遺伝するのです。だからこそ大国に侵されずに独立を保っているのです。そしてその魔法の才能を奪われないために、王族と他国の人間の婚姻を禁じている珍しい国なのです」
「それがどうしたと言うのです。あなたは私と契約した魔族ではありませんか。魔族ともあろうものが、たかだか人間を恐れると言うのですか」
「恐れるわけではないが、ベルト王国の王城や王宮には、魔族や呪いを寄せ付けない術が、何代にもわたって施されているのです。そう簡単に殺すことも呪いをかけることも出来ないのですよ」
「言い訳などせずに、直ぐに殺してきなない。殺すのが無理なら、せめて顔を潰してきなない!」
「仕方ありませんね。やるだけはやってみますが、絶対に成功させるとは約束出来ませんよ」
 何と王女は、自分が世界で一番美しくあり続ける為に魔族と契約し、魔族を使って自分より美しい人間を殺させていたのです。

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