7 / 212
本文
出会い
ルイが公爵家を出て、いよいよ念願の旅を始めるべく、王都の城門を出ようと大通りを歩いていると、極東の国風衣装を着た美丈夫が待っていた。
身長は195cm前後で黒髪に黒い瞳をしており、眼に見える範囲の肌は褐色に焼けており、野外での活動が多いのが分かる。
「若様。お待ちしておりました」
「え~と、ガビちゃん所の人かな?」
「はい。公女殿下の眷属の一人、ダイ・ハセと申します。以後宜しくお願いします」
「護衛に来てくれたんだね、ありがとう。それでダイ君、身分がバレると困るから、これからは僕の事をルイと呼んでね」
「そんな不敬なことは出来ません!」
「でもダイ君は僕の護衛だよね。護衛なのに僕の身分がバレるような事をしたら問題なんじゃないかな」
「武者修行中の騎士家の若様と、その家中の者と言えば宜しいのです」
「それよりは冒険者仲間だと言う方が、身分を隠すのにはちょうどいいと思うんだけど?」
「それは無理でございます。若様の高貴な御姿を、荒くれ者ばかりの冒険者と言い張るのは無理がございます」
「そうかなぁ、大丈夫だと思うんだけど」
「若様、世間の事は我らの方がよく存じておりますので、お聞き届けください」
「しかたないね、ダイの言うとおりにするけど、出来るだけ気安くしてよ」
「はい、心得ております」
2人は城門を出て南に向かう街道を進む。
「ダイはよく日に焼けているけど、忍者ではないの?」
「はい。私奴は護衛を担当させて頂いております」
「へぇ、そうなんだ。じゃあいろんな所に行ったの? それとも父王陛下や兄さん達の護衛で王宮に居たのかな?」
「隊商の護衛として国内国外を問わず、各地を巡っておりました。最近ではルイ様の護衛を交代で務めさせていただいておりました」
「僕の護衛をしてくれていたんだ?! 全然気付かなかったよ! それはガビちゃんとの婚約が決まってからなの?」
「そうでございます」
「そうか、じゃあ本来は公爵家を護る護衛なんだね」
「は!」
ルイは天真爛漫に色々と話しかけたが、堅苦しいダイの返事では話が弾むことはなかった。
だがそんなことを気にするようなルイではないので、ダイが返事に疲れるほど色々な話を聞き出そうとした。
特に各国の風俗や食べ物の話を知りたがり、ダイを困らせていた。
「若様、少し脇道に入らせて頂きます」
「刺客を迎え撃つのかい?」
「お気付きでございましたか」
「まあね」
「若様は魔法で防御結界をお張り下さい」
「分かったよ。僕の事は気にせず存分に戦ってね」
「ご配慮痛み入ります」
ダイは魔族の刺客を迎え撃つべく、槍を手に飛ぶように移動した。
その速さに魔族は付いていけず、ダイの姿を見失ってしまった。
ミカサ公爵家でも別格の強さを誇るダイにとって、本気で移動した自分を見失うような相手であれば、いかに相手が西国の基準では凄腕の魔族刺客であろうとも、赤子の手をひねるくらい簡単に殺すことが出来た。
「戻りました」
「一瞬で十六人の刺客を迎え討つなんて、ダイは凄いね」
「相手が弱すぎたのでございます」
「弱い刺客を俺に送ってくるとは思えないよ。まあダイがいればこれからの旅は安心だね。宜しく頼むよ」
「お任せくださいませ」
身長は195cm前後で黒髪に黒い瞳をしており、眼に見える範囲の肌は褐色に焼けており、野外での活動が多いのが分かる。
「若様。お待ちしておりました」
「え~と、ガビちゃん所の人かな?」
「はい。公女殿下の眷属の一人、ダイ・ハセと申します。以後宜しくお願いします」
「護衛に来てくれたんだね、ありがとう。それでダイ君、身分がバレると困るから、これからは僕の事をルイと呼んでね」
「そんな不敬なことは出来ません!」
「でもダイ君は僕の護衛だよね。護衛なのに僕の身分がバレるような事をしたら問題なんじゃないかな」
「武者修行中の騎士家の若様と、その家中の者と言えば宜しいのです」
「それよりは冒険者仲間だと言う方が、身分を隠すのにはちょうどいいと思うんだけど?」
「それは無理でございます。若様の高貴な御姿を、荒くれ者ばかりの冒険者と言い張るのは無理がございます」
「そうかなぁ、大丈夫だと思うんだけど」
「若様、世間の事は我らの方がよく存じておりますので、お聞き届けください」
「しかたないね、ダイの言うとおりにするけど、出来るだけ気安くしてよ」
「はい、心得ております」
2人は城門を出て南に向かう街道を進む。
「ダイはよく日に焼けているけど、忍者ではないの?」
「はい。私奴は護衛を担当させて頂いております」
「へぇ、そうなんだ。じゃあいろんな所に行ったの? それとも父王陛下や兄さん達の護衛で王宮に居たのかな?」
「隊商の護衛として国内国外を問わず、各地を巡っておりました。最近ではルイ様の護衛を交代で務めさせていただいておりました」
「僕の護衛をしてくれていたんだ?! 全然気付かなかったよ! それはガビちゃんとの婚約が決まってからなの?」
「そうでございます」
「そうか、じゃあ本来は公爵家を護る護衛なんだね」
「は!」
ルイは天真爛漫に色々と話しかけたが、堅苦しいダイの返事では話が弾むことはなかった。
だがそんなことを気にするようなルイではないので、ダイが返事に疲れるほど色々な話を聞き出そうとした。
特に各国の風俗や食べ物の話を知りたがり、ダイを困らせていた。
「若様、少し脇道に入らせて頂きます」
「刺客を迎え撃つのかい?」
「お気付きでございましたか」
「まあね」
「若様は魔法で防御結界をお張り下さい」
「分かったよ。僕の事は気にせず存分に戦ってね」
「ご配慮痛み入ります」
ダイは魔族の刺客を迎え撃つべく、槍を手に飛ぶように移動した。
その速さに魔族は付いていけず、ダイの姿を見失ってしまった。
ミカサ公爵家でも別格の強さを誇るダイにとって、本気で移動した自分を見失うような相手であれば、いかに相手が西国の基準では凄腕の魔族刺客であろうとも、赤子の手をひねるくらい簡単に殺すことが出来た。
「戻りました」
「一瞬で十六人の刺客を迎え討つなんて、ダイは凄いね」
「相手が弱すぎたのでございます」
「弱い刺客を俺に送ってくるとは思えないよ。まあダイがいればこれからの旅は安心だね。宜しく頼むよ」
「お任せくださいませ」
あなたにおすすめの小説
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
追放された悪役令嬢は、辺境の谷で魔法農業始めました~気づけば作物が育ちすぎ、国までできてしまったので、今更後悔されても知りません~
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢リーゼリット・フォン・アウグストは、婚約者であるエドワード王子と、彼に媚びるヒロイン・リリアーナの策略により、無実の罪で断罪される。「君を辺境の地『緑の谷』へ追放する!」――全てを失い、絶望の淵に立たされたリーゼリット。しかし、荒れ果てたその土地は、彼女に眠る真の力を目覚めさせる場所だった。
幼い頃から得意だった土と水の魔法を農業に応用し、無口で優しい猟師カイルや、谷の仲間たちと共に、荒れ地を豊かな楽園へと変えていく。やがて、その成功は私欲にまみれた王国を揺るがすほどの大きなうねりとなり……。
これは、絶望から立ち上がり、農業で成り上がり、やがては一国を築き上げるに至る、一人の令嬢の壮大な逆転物語。爽快なざまぁと、心温まるスローライフ、そして運命の恋の行方は――?
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
